ATPファイナルズ
ATPファイナルズ | |
---|---|
2020年ATPファイナルズ | |
ATPツアー | |
大会名 | Nitto ATPファイナルズ |
スポンサー | 日東電工 |
開催地 |
イタリア トリノ (2021–2025) |
カテゴリ | ATPファイナルズ |
サーフェス | ハード / 屋内 |
ドロー | 8S / 8D |
賞金総額 | US$5,700,000 (2020) |
公式サイト | |
www.nittoatpfinals.com |
Nitto ATPファイナルズ(英語:Nitto ATP Finals)は、ATPツアーの年間最終戦である。レース・ランキングなどによりシングルス8名、ダブルス8組が選出され年間王者を決定する。
歴史
1970年に日本・東京都体育館で「ペプシ・グランプリ・マスターズ」(Pepsi Grand Prix Masters)として第1回大会が行われた。「ザ・マスターズ」(The Masters)とも言われ、この年以降、各国持ち回りで行われたが、1977年からはシングルスはアメリカ・ニューヨーク、ダブルスはイギリス・ロンドンで行われるようになる。以降はWTAツアー選手権との同時開催で行われた。
1990年に「ATPツアー世界選手権」(ATP Tour World Championships)に改称され、1999年までドイツのフランクフルトとハノーファーで行われていた。2000年の第31回大会から「テニス・マスターズ・カップ」(Tennis Masters Cup)という名称になり、2005年から2008年までは中国上海の上海旗忠森林体育城テニスセンターで開催された。
2009年からはイギリス・ロンドンのO2アリーナで開催されるとともに、大会名称も「ATPワールドツアー・ファイナルズ」(ATP World Tour Finals)に変更された。2017年より「ATPファイナルズ」(ATP Finals)に改称し、ロンドンでの開催を2020年まで延長[1]。同時に、日東電工が新たなタイトルスポンサーとなった[1][2]。
2021年から25年まではイタリア・トリノでの開催が決まっている[3]。
本大会のシングルス優勝者にはブラッド・ドルーエット・トロフィーが授与される[注 1][5]。
出場資格
1月からの年間レースランキングを元に上位8人を選出。9位-20位の選手の中にグランドスラム優勝者が居た場合、8位の選手に替わって出場(2人以上いる場合ランキング上位の選手1人のみ出場)。[6][7]補欠は9位-20位の間で辞退者を除く上位2名が選出され、ラウンドロビンで出場選手がけがなどで棄権した場合に代わりに出場するが、出場しなくても賞金は与えられる。
レースランキングは1シーズンに出場した獲得ポイントの多い18大会分の合計ポイントで計算する。
大会方式
シングルス部門は8名、ダブルス部門は8組が半分に別れて グループAとグループBに振り分けられる。振り分け方はレース・ランキングを参考に行われることが多い。
2つのグループ内で、「ラウンドロビン」と呼ばれる1次リーグを総当たり戦方式で行い、各グループの戦績上位2名および2組が準決勝に進出できる。準決勝の勝者が決勝に進出する。
各グループでのラウンドロビンおよび準決勝は3セット・マッチで行われる。決勝戦は年によっては5セット・マッチで行われる事もあったが、2008年以降は3セット・マッチで行われている。
賞金・ATPポイント
(賞金は2020年大会のもの)[8]
ステージ | シングルス | ダブルス(1) | ポイント |
---|---|---|---|
全勝優勝(2)(3) | $1,564,000 | $284,500 | 1,500 |
決勝で勝利 | $550,000 | $70,000 | 500 |
準決勝で勝利 | $402,000 | $56,000 | 400 |
ラウンドロビン1勝につき | $153,000 | $30,000 | 200 |
試合出場 | $153,000 | $68,500 | – |
補欠選手 | $73,000 | $25,000 | – |
- (1) チームの賞金
- (2) 賞金は試合出場・ラウンドロビン3勝・準決勝で勝利・決勝で勝利の合計
- (2) ポイントはラウンドロビン3勝・準決勝で勝利・決勝で勝利の合計
大会歴代優勝者
シングルス
ダブルス
過去10年のシングルス出場者
年 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2020 | ジョコビッチ | ナダル | ティーム | メドベージェフ | A・ズベレフ | チチパス | ルブレフ | シュワルツマン |
2019 | ナダル | ジョコビッチ | フェデラー | メドベージェフ | ティーム | チチパス | A・ズベレフ | ベレッティーニ |
2018 | ジョコビッチ | フェデラー | A・ズベレフ | アンダーソン | チリッチ | ティーム | 錦織 | イズナー |
2017 | ナダル (代役: カレーニョ・ブスタ) |
フェデラー | A・ズベレフ | ティーム | チリッチ | ディミトロフ | ゴファン | ソック |
2016 | マリー | ジョコビッチ | ワウリンカ | ラオニッチ | 錦織 | モンフィス (代役: ゴファン) |
チリッチ | ティーム |
2015 | ジョコビッチ | マリー | フェデラー | ワウリンカ | ナダル | ベルディヒ | フェレール | 錦織 |
2014 | ジョコビッチ | フェデラー | ワウリンカ | 錦織 | マリー | ベルディヒ | ラオニッチ (代役:フェレール) |
チリッチ |
2013 | ナダル | ジョコビッチ | フェレール | デル・ポトロ | ベルディヒ | フェデラー | ワウリンカ | ガスケ |
2012 | ジョコビッチ | フェデラー | マリー | フェレール | ベルディヒ | デル・ポトロ | ツォンガ | ティプサレビッチ |
2011 | ジョコビッチ | ナダル | マリー (代役: ティプサレビッチ) |
フェデラー | フェレール | ツォンガ | ベルディヒ | フィッシュ |
年 | 欠場 | 交代選手1 | 交代選手2 |
---|---|---|---|
2020 | ベレッティーニ | シャポバロフ | |
2019 | バウティスタ・アグート | モンフィス | |
2018 | ナダル (2位) デル・ポトロ (4位) |
ハチャノフ | チョリッチ |
2017 | ワウリンカ (7位) | カレーニョ・ブスタ ( ナダルの代役) |
クエリー |
2016 | ナダル (8位) | ゴファン ( モンフィスの代役) |
バウティスタ・アグート |
2015 | ガスケ | イズナー | |
2014 | ナダル (3位) | フェレール ( ラオニッチの代役) |
ロペス |
2013 | マリー (4位) | ツォンガ | ラオニッチ |
2012 | ナダル (4位) | ガスケ | アルマグロ |
2011 | ティプサレビッチ ( マリーの代役) |
アルマグロ |
ラウンドロビンのグループ名
2015年より、ラウンドロビンのグループの名称にかつての名選手の名前が付けられるようになった。なお、2019年よりダブルスのグループ名は1人となっている。
年 | シングルスA | シングルスB | ダブルスA | ダブルスB | 出典 |
---|---|---|---|---|---|
2020 | 東京1970 | ロンドン2020 | ボブ・ブライアン | マイク・ブライアン | [9][10] |
2019 | アンドレ・アガシ | ビョルン・ボルグ | マックス・ミルヌイ | ヨナス・ビョルクマン | [11][12] |
2018 | グーガ・クエルテン | レイトン・ヒューイット | ノールズ / ネスター | ロドラ / サントロ | [13][14] |
2017 | ピート・サンプラス | ボリス・ベッカー | ウッドブリッジ / ウッドフォード | エルティン / ハーフース | [15][16] |
2016 | ジョン・マッケンロー | イワン・レンドル | フレミング / マッケンロー | エドベリ / ヤリード | [17][18] |
2015 | スタン・スミス | イリ・ナスターゼ | アッシュ / スミス | フレミング / マッケンロー | [19][20] |
放送
2013年は、英国ではSky SportsとBBCが放送した[21]。他にキー局として米国のテニス・チャンネル、セルビアのB92、中東のアルジャジーラ、スペインのTVE、ブラジルのSporTV、日本のGAORAが各国で放送している[21]。
日本においては、GAORAが放映権を取得しており、2013年からシングルスの全試合完全生中継とダブルスの後日録画放送を実施している[21][22]。2014年大会では、錦織圭の日本人初のツアーファイナルズ出場を記念し、錦織出場の1次リーグ全3試合をBS放送のBS朝日が[23][24]、準決勝を地上波のテレビ朝日系列が生中継で放送した[25]。 2015年はNHKが地上波とBSの放映権を取得し、総合とBS1でシングルスを全試合完全生中継で放送した。2018年はWOWOWメンバーズオンデマンドとParaviが全試合完全生中継、NHK-BS1が一部の試合を完全生中継。
関連項目
脚注
注釈
- ^ ブラッド・ドルーエットはATPツアーの元会長であり、2012年1月に就任したが、2013年5月3日に筋萎縮性側索硬化症の為、死去した[4]。
出典
- ^ a b “ATP Extends Season-Ending Finale In London Through 2020 With New Title Partner Nitto Denko Corporation”. atptour.com (2017年5月25日). 2020年8月15日閲覧。
- ^ “日東電工、男子テニスATPの大会スポンサーに”. nikkei.com (2017年5月25日). 2020年8月15日閲覧。
- ^ “Turin To Host ATP Finals From 2021 To 2025”. atptour.com (2019年4月24日). 2020年8月15日閲覧。
- ^ “Brad Drewett Leaves Lasting Legacy”. atptour.com (2013年5月4日). 2020年8月15日閲覧。
- ^ “Singles Champion To Hoist Brad Drewett Trophy”. nittoatpfinals.com. 2020年8月15日閲覧。
- ^ “2014 ATP World Tour Rulebook”. ATP World Tour. 2015年4月6日閲覧。
- ^ 『Number』869号(2015年1月22日号)
- ^ “Points and Prize Money”. nittoatpfinals.com. 2020年10月31日閲覧。
- ^ “2020 SINGLES COMPETITION”. protennislive.com (2020年11月12日). 2020年11月15日閲覧。
- ^ “NITTO ATP FINALS 2020 DOUBLES COMPETITION”. protennislive.com (2020年11月13日). 2020年11月15日閲覧。
- ^ “NITTO ATP FINALS 2019 SINGLES COMPETITION”. protennislive.com (2019年11月17日). 2020年11月15日閲覧。
- ^ “NITTO ATP FINALS 2019 DOUBLES COMPETITION”. protennislive.com (2019年11月17日). 2020年11月15日閲覧。
- ^ “NITTO ATP FINALS 2018 SINGLES COMPETITION”. protennislive.com (2018年11月18日). 2020年11月15日閲覧。
- ^ “NITTO ATP FINALS 2018 DOUBLES COMPETITION”. protennislive.com (2018年11月18日). 2020年11月15日閲覧。
- ^ “NITTO ATP FINALS 2017 SINGLES COMPETITION”. protennislive.com (2017年11月19日). 2020年11月15日閲覧。
- ^ “NITTO ATP FINALS 2017 DOUBLES COMPETITION”. protennislive.com (2017年11月19日). 2020年11月15日閲覧。
- ^ “BARCLAYS ATP WORLD TOUR FINALS 2016 SINGLES COMPETITION”. protennislive.com (2016年11月20日). 2020年11月15日閲覧。
- ^ “BARCLAYS ATP WORLD TOUR FINALS 2016 DOUBLES COMPETITION”. protennislive.com (2016年11月21日). 2020年11月15日閲覧。
- ^ “BARCLAYS ATP WORLD TOUR FINALS 2015 SINGLES COMPETITION”. protennislive.com (2015年11月22日). 2020年11月15日閲覧。
- ^ “BARCLAYS ATP WORLD TOUR FINALS 2015 DOUBLES COMPETITION”. protennislive.com (2015年11月22日). 2020年11月15日閲覧。
- ^ a b c BARCLAYS ATP WORLD TOUR FINALS. “BARCLAYS ATP WORLD TOUR FINALS TV SCHEDULE”. 2014年11月4日閲覧。
- ^ WorkMaster (2014年11月3日). “「ATP ワールドツアー ファイナルズ」 を全試合完全生中継する”. 2014年11月4日閲覧。
- ^ 新潟日報 (2014年11月6日). “錦織選手出場の3試合中継”. 2014年11月6日閲覧。[リンク切れ]
- ^ サンケイスポーツ (2014年11月5日). “錦織を無料で観戦できる!1次リーグ突破なら地上波も?/テニス”. 2014年11月6日閲覧。[リンク切れ]
- ^ スポーツニッポン (2014年11月15日). “テレビ朝日 地上波で錦織の準決生中継「歴史的な一戦を届ける」”. 2014年11月20日閲覧。