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全豪オープン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
全豪オープン
公式サイト
開催国 オーストラリアの旗 オーストラリア
メルボルン
開催会場 メルボルン・パーク
サーフェス 芝 (1905–87)
ハード (1988–現在)[注 1]
男子ドロー 128S / 128Q / 64D
女子ドロー 128S / 96Q / 64D
賞金総額 A$86,500,000 (2024)
グランドスラム大会
センターコートの「ロッド・レーバー・アリーナ」

全豪オープン(ぜんごうオープン、: Australian Open)は、毎年1月後半にオーストラリアメルボルンで開催されるテニスグランドスラム大会(4大大会)の一つである。主催および運営はテニス・オーストラリアが行う。

概要

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会場のメルボルン・パークには開閉式の屋根付き競技場であるロッド・レーバー・アリーナを中心に、マーガレット・コート・アリーナを含む26面[要出典]ものコートが整備されている。2000年にはサブアリーナとしてボーダフォン・アリーナ(現在のジョン・ケイン・アリーナ)が建設され、2015年にはマーガレット・コート・アリーナに開閉式屋根を設置する改修工事が完了し、3つの開閉式の屋根付きスタジアムを設けることになった。会場に開閉式の屋根を設置した大会は全豪オープンが最初である[要出典]

男子シングルス部門の優勝者にはノーマン・ブルックス・チャレンジ・カップが、女子シングルス部門の優勝者にはダフネ・アクハースト・メモリアル・カップが贈られる。

全豪オープンは、開催時期の変更も多い大会である。クーヨン・テニスクラブで開かれていた時代、1976年までは現在のような1月開催であったが、1977年には1月と12月の2回開催された。その後、1978年から1985年までは12月の年末に開催されていた。1987年から1月開催に戻り、1988年には会場がメルボルン・パークに移転して、現在に至っている。会場移転の決定による開催時期の変更により(1985年12月 → 1987年1月)、「1986年全豪オープン」は開催されなかった。

マーガレット・コート・アリーナ

歴史

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1932年に出場した日本選手。中央左より佐藤次郎原田武一布井良助。佐藤は男子シングルスで準決勝進出、混合ダブルスで準優勝した

テレビ放送

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オーストラリア国内ではナイン・ネットワークで放映され[6]、男女シングルス決勝は現地時間で夜間に開催される。

2022年現在、日本国内ではWOWOWで放送されている[7]

衛星波については、WOWOWが開局直後の1992年より保有している[8]。過去においては、地上波ではテレビ東京による民放中継が2001年[9]まで男女シングルス決勝戦のみ行われていた[10]が、2002年以後は取りやめになった。さらにそれ以前は讀賣テレビ放送を制作局として日本テレビ系列向けに1988年から1991年まで放送していた[11]。2012年以降は日本放送協会(NHK)が一部試合の放送を行っていたが、2015年に地上波の放映権を獲得。原則としてミッドナイトチャンネル枠での録画中継となるが、錦織圭大坂なおみなど日本人注目選手が出場する場合、生中継を実施している[12][13]。ただし、NHK総合のマルチ編成「サブチャンネル」を活用して錦織圭/大坂なおみ選手の試合を中継することもある。[注 2]その後も2021年まで放送していた。

過去10年のシングルス優勝者

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男子 女子 備考
2015 セルビアの旗 ノバク・ジョコビッチ アメリカ合衆国の旗 セリーナ・ウィリアムズ ジョコビッチは、オープン化以後では最多記録の優勝5回。ウィリアムズはオープン化以降では今大会最年長での優勝。
2016 セルビアの旗 ノバク・ジョコビッチ ドイツの旗 アンゲリク・ケルバー ジョコビッチは史上最多タイの6度目の優勝。
2017 スイスの旗 ロジャー・フェデラー アメリカ合衆国の旗 セリーナ・ウィリアムズ フェデラーは7年ぶり5度目の優勝。ウィリアムズはオープン化以降歴代最多となる4大大会通算23度目の優勝。
2018 スイスの旗 ロジャー・フェデラー デンマークの旗 キャロライン・ウォズニアッキ フェデラーは2年連続史上最多タイの6度目の優勝、4大大会通算20勝。ウォズニアッキは4大大会初優勝。
2019 セルビアの旗 ノバク・ジョコビッチ 日本の旗 大坂なおみ 大坂なおみはアジア勢で初の世界ランク1位となった。
2020 セルビアの旗 ノバク・ジョコビッチ アメリカ合衆国の旗 ソフィア・ケニン ジョコビッチは史上最多の8度目の優勝。ケニンは4大大会初優勝。
2021 セルビアの旗 ノバク・ジョコビッチ 日本の旗 大坂なおみ ジョコビッチは3年連続9度目の優勝。大坂なおみは2度目の優勝。
2022 スペインの旗 ラファエル・ナダル オーストラリアの旗 アシュリー・バーティ ナダルは13年ぶり2回目の優勝、歴代最多となるGS21勝、ダブルキャリアグランドスラム達成。バーティは初優勝。
2023 セルビアの旗 ノバク・ジョコビッチ アリーナ・サバレンカ ジョコビッチは史上最多10回目の優勝、歴代最多タイとなるGS22勝目。サバレンカはグランドスラム初優勝
2024 イタリアの旗 ヤニック・シナー アリーナ・サバレンカ シナーはグランドスラム初優勝。サバレンカは連覇達成。

記録

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記録 時代 選手
男子 1905年以降
男子シングルス最多優勝 1967以前 オーストラリアの旗 ロイ・エマーソン 6 1961, 1963-1967
1968以後 セルビアの旗 ノバク・ジョコビッチ 10 2008, 2011-2013, 2015-2016, 2019-2021, 2023
男子シングルス連覇記録 1967以前 オーストラリアの旗 ロイ・エマーソン 5 1963-1967
1968以後 セルビアの旗 ノバク・ジョコビッチ 3 2011-2013、2019-2021
男子ダブルス最多優勝 1967以前 オーストラリアの旗 エイドリアン・クイスト 10 1936-1940, 1946-1950
1968以後 アメリカ合衆国の旗 ボブ・ブライアン
アメリカ合衆国の旗 マイク・ブライアン
6 2006-2007, 2009-2011, 2013
2006-2007, 2009-2011, 2013
男子ダブルス連覇記録 1967以前 オーストラリアの旗 エイドリアン・クイスト 10 1936-1950
1968以後 アメリカ合衆国の旗 ボブ・ブライアン
アメリカ合衆国の旗 マイク・ブライアン
3 2009-2011
2009-2011
男子混合ダブルス最多優勝 1967以前 オーストラリアの旗 ハリー・ホップマン
オーストラリアの旗 コリン・ロング
4 1930, 1936-1937, 1939
1940, 1946-1948
1968以後 アメリカ合衆国の旗 ジム・プー 3 1988-1990
男子最多優勝[注 3] 1967以前 オーストラリアの旗 エイドリアン・クイスト 13 1936-1950 (3シングルス, 10ダブルス, 0混合)
1968以後 セルビアの旗 ノバク・ジョコビッチ 10 2008-2023 (10シングルス, 0ダブルス, 0混合)
女子 1922年以降
女子シングルス最多優勝 全体 オーストラリアの旗 マーガレット・コート 11 1960-1966, 1969-1971, 1973
1967以前 オーストラリアの旗 マーガレット・コート 7 1960-1966
1968以後 アメリカ合衆国の旗 セリーナ・ウィリアムズ 7 2003, 2005, 2007, 2009-2010, 2015,2017
女子シングルス連覇記録
1967以前 オーストラリアの旗 マーガレット・コート 7 1960-1966
1968以後 オーストラリアの旗 マーガレット・コート
オーストラリアの旗 イボンヌ・グーラゴング
ドイツの旗 シュテフィ・グラフ
ユーゴスラビアの旗 ユーゴスラビア モニカ・セレシュ
スイスの旗 マルチナ・ヒンギス
3 1969-1971
1974-1976
1988-1990
1991-1993
1997-1999
女子ダブルス最多優勝
1967以前 オーストラリアの旗 テルマ・コイン・ロング 12 1936-1940, 1947, 1948-1949, 1951-1952, 1956, 1958
1968以後 アメリカ合衆国の旗 マルチナ・ナブラチロワ 8 1980, 1982-1985, 1987-1989
女子ダブルス連覇記録
1967以前 オーストラリアの旗 テルマ・コイン・ロング
オーストラリアの旗 ナンシー・ウィン・ボルトン
5 1936-1940
1936-1940
1968以後 アメリカ合衆国の旗 マルチナ・ナブラチロワ
アメリカ合衆国の旗 パム・シュライバー
7 1982-1985, 1987-1989
1982-1985, 1987-1989
女子混合ダブルス最多優勝 1967以前 オーストラリアの旗 ダフネ・アクハースト
オーストラリアの旗 ネル・ホール・ホップマン
オーストラリアの旗 ナンシー・ウィン・ボルトン
オーストラリアの旗 テルマ・コイン・ロング
4 1924-1925, 1928-1929
1930, 1936-1937, 1939
1940, 1946-1948
1951-1952, 1954-1955
1968以後 チェコスロバキアの旗 ヤナ・ノボトナ
ラトビアの旗 ラリサ・ネーランド
2 1988-1989
1994-1996
女子最多優勝[注 3] 1967以前 オーストラリアの旗 ナンシー・ウィン・ボルトン 20 1936-1952 (6シングルス, 10ダブルス, 4混合)
1968以後 アメリカ合衆国の旗 マルチナ・ナブラチロワ 12 1980-2003 (3シングルス, 8ダブルス, 1混合)

優勝回数ランキング

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選手 回数
セルビアの旗 ノバク・ジョコビッチ 10
オーストラリアの旗 ロイ・エマーソン 6
スイスの旗 ロジャー・フェデラー
オーストラリアの旗 ジャック・クロフォード 4
オーストラリアの旗 ケン・ローズウォール
アメリカ合衆国の旗 アンドレ・アガシ

優勝者一覧

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優勝賞金(男女シングルス)

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大会 金額(男子) 金額(女子)
1989年大会 14万0000AUD 13万5000AUD
1990年大会 20万0000AUD 19万0000AUD
1991年大会 24万0000AUD
1992年大会 27万0000AUD
1993年大会 41万0000AUD
1994年大会 46万0000AUD
1995年大会 36万0000AUD
1996年大会 41万5900AUD 38万0000AUD
1997年大会 58万5000AUD 54万2000AUD
1998年大会 61万5000AUD 57万2000AUD
1999年大会 72万2000AUD 67万9000AUD
2000年大会 75万5000AUD 71万7000AUD
2001年大会 83万0500AUD
2002年大会 100万0000AUD
2003年大会 112万7850AUD
2004年大会 120万0000AUD
2005年大会 120万6620AUD
2006年大会 122万0000AUD
2007年大会 128万1000AUD
2008年大会 137万0000AUD
2009年大会 200万0000AUD
2010年大会 210万0000AUD
2011年大会 220万0000AUD
2012年大会 230万0000AUD
2013年大会 243万0000AUD
2014年大会 265万0000AUD
2015年大会 300万0000AUD
2016年大会 340万0000AUD
2017年大会 370万0000AUD
2018年大会 400万0000AUD
2019年大会 410万0000AUD
2020年大会 412万0000AUD

脚注

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注釈

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  1. ^ リバウンドエース (1988–2007) — プレクシクッション (2008–19) — グリーンセット (2020–現在)
  2. ^ NHKが放映権を持っている。ウィンブルドン選手権も同じ形態で行っている。
  3. ^ a b シングルス・ダブルス・混合ダブルス合計。

出典

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  1. ^ 全豪オープン、19年から最終セットにタイブレーク制導入”. afpbb.com. 2019年12月27日閲覧。
  2. ^ GreenSet Worldwide new official court surface supplier”. Tennis Australia. 2019年11月16日閲覧。
  3. ^ “全豪OP、2月8日開幕が正式決定「歴史的な大会に」”. AFPBB News. AFP. (2020年12月19日). https://www.afpbb.com/articles/-/3322247 2021年12月28日閲覧。 
  4. ^ ATP Announces Updated Start To 2021 Calendar”. ATPTour.com. ATP (2020年12月16日). 2020年12月22日閲覧。
  5. ^ “テニス=全豪OP、15日間に日程拡大 深夜帯の試合解消”. ロイター. ロイター. (2023年10月4日). https://jp.reuters.com/life/sports/XE22SI2IO5NUFADCEGROGSUIDA-2023-10-04/ 2023年10月4日閲覧。 
  6. ^ Nine secures rights to the 2019 Australian Open tennis from Seven”. The Sydney Morning Herald (24 June 2018). 2019年1月18日閲覧。
  7. ^ Broadcast Partners”. ausopen.com. 2020年8月13日閲覧。
  8. ^ WOWOWが「テニス中継」に全力でこだわる理由”. toyokeizai.net. 2020年8月13日閲覧。
  9. ^ 全豪”. web.archive.org (2001年1月24日). 2024年6月13日閲覧。
  10. ^ 放送”. web.archive.org (2001年1月27日). 2024年6月13日閲覧。
  11. ^ 読売テレビ50年社史編纂委員会 編纂『読売テレビ50年社史』2009年、182頁。 
  12. ^ 【テニス】全豪OP、NHKが放送権獲得へ - スポーツ報知、2014年11月12日、同日閲覧
  13. ^ 錦織の全豪放送権をNHK獲得 - 日刊スポーツ、2014年11月12日、同日閲覧

外部リンク

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