波動砲

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波動砲(はどうほう)は、アニメ「宇宙戦艦ヤマトシリーズ」に登場する架空の兵器である。正式名称は「艦首波動砲」[注 1]で、『宇宙戦艦ヤマト2199』以降のリメイクアニメシリーズにおいては、「次元波動爆縮放射機」とされる。宇宙戦艦ヤマトの艦載兵器。併せて、その派生兵器についても本項で記述する。

凡例[編集]

本記事は文中に作品名が多く登場するため、冒頭の本節に便宜上のシリーズ名および作品略称をあらかじめ明記する。

全シリーズ共通の諸設定・描写[編集]

ヤマトの外宇宙航行機関かつメインエンジンである波動エンジンの出力を利用した艦砲。艦載砲というよりは艦自体を巨大砲身とするという砲撃システムであり、照準も艦自体の姿勢制御をもって行う。艦首方向から眺めた波動砲の発射口の奥は、通常はレンズシャッター状のシールドで閉鎖されており、砲本体は見えない。

設定誕生の経緯[編集]

波動砲は、最初からそれと定めて作られた設定ではなく、制作現場でのデザインに関する論争の中で後付け的に生まれた設定である。

ヤマトをデザインする過程で、艦首部分に戦艦大和と同じような菊の御紋を付けるかどうかで、企画者かつプロデューサーの西崎義展と監督かつ設定デザイン担当の松本零士の間で論争が起こった。「これが無いとヤマトとは言えない」と主張する西崎と、作品を軍国主義に見られたくないという思いがある松本の双方に配慮して、スタジオぬえが艦首部分にライフリングをまっすぐにした開口部を設け、正面から見るとライフリングが花びらのようになって菊紋に見えるが、それ以外の角度ではただの穴にしか見えないというデザインを提案し、これをきっかけに波動砲が誕生した[1][2]

劇中での描かれ方[編集]

戦況を覆す切り札としての側面のほか、破壊力の高さから危険性の高い兵器としての側面も描かれている。『ヤマト』第5話におけるシリーズ最初の使用時には、オーストラリア大陸ほどの大きさを持っていた木星の浮遊大陸そのものも完全に粉砕してしまうという破壊力を示し、真田志郎が「許されないことをしてしまったのではないのか」と漏らしている。その後の同作第7話のおける冥王星での戦いでは、沖田が太陽系の共有財産である冥王星や原住生物への配慮から使用を許さない展開になるほか、続編でも対ゴーランド戦や対プレアデス戦、対グロデーズ戦などで、目標の背後に位置する惑星(それぞれ、テレザート、イスカンダル偽装地球)を巻き込んでしまうため、波動砲の使用を躊躇するシーンがたびたび見られる。強力であるがゆえにかえって使用を制限されるという葛藤や、いかにして波動砲を使用可能な状態に持ち込むかといった戦術上の駆け引きは、ヤマトシリーズの主要な見せ場の1つともなっている。

また、リメイクアニメシリーズでは禁忌の兵器として扱われている。『2202』では、東日本大震災後の原発問題に結び付けて描いている[3]

波動砲の観点からの作品評価[編集]

シリーズ第1作である『ヤマト』におけるヤマトは、波動砲を最初の試射を除き一度も対人使用しておらず、対人使用は第26話でヤマトに対して発射されたデスラー砲が初となる。このことから「波動砲を対人兵器として使用しない」という「波動砲神話」なるものが一部で誕生し[4]、『ヤマト』を倫理的に優れた作品と神聖視したり、続編での乱用を批判したりする要因になった。しかし、実際には七色星団戦で対人使用を考えるシーンがあるほか、『ヤマト』の派生作品では普通に対人使用されている[注 2]ことから、「波動砲を対人使用しない」というのは結果論で、当時のスタッフにそのような意識はなく、「波動砲神話」自体の是非はともかくそれが第1作の評価材料になるようなことはないとする意見もある[4]

一方で、神話の是非とは関係なく実際に続編での乱用やそれによる敵味方のパワーインフレを快く思わない声は存在しており、『2199』では対応節に詳しく書いてある通り波動砲の是非に関する描写が深く描かれている。また、同作終盤で波動砲は封印され、サイドストーリーである『星巡る方舟』でも封印された状態となっているが、これは波動砲の便利アイテム化を防ぎ、なおかつ波動砲封印を味方側の枷として演出する意図がある[6]

原作アニメシリーズにおける設定[編集]

波動エンジンで生み出される全エネルギーをそのまま使用し、小宇宙1つ分に匹敵するエネルギーを溜め込んで一気に一方方向へ押し出す[7]。このため、波動エンジンが作動していなければ使用できない。波動砲の発射されたエネルギー流の中にはタキオン粒子で覆われた3次元空間があり、この空間は周囲の空間連続体と比べて非常に不安定なもので、攻撃を受けた目標は周囲の時空間が歪曲して崩壊・誘爆に至る。

威力は、『ヤマト』の時点でオーストラリア大陸と同程度の大きさの、木星の浮遊大陸を一撃で消滅させるほどの破壊力を持つ。

基本的にはエネルギー充填率120パーセントで発射している。例外として『永遠に』の対グロデースでは充填率を100パーセントまでしか読み上げていないほか、『ヤマトIII』の第11話では150%まで充填している。また若桜木虔による小説版『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』では100パーセント未満で発射する描写がある。ワープとの連続使用は可能であるが、『ヤマト』第17話においてバラノドンを迎撃するべくワープ直後に使用した際には、船体が損傷している。

また、松本零士が描くヤマトの波動砲口は、六角形で描かれることが多い。松本は、「波動砲の形状はオクタゴンバレルという定義から六角形になっており、艦首部分に開口部を作るには構造上これでなければならない」と述べている[8]

発射シークエンス[編集]

『ヤマト』放映当時のアニメ作品としては緻密な発射シークエンス描写があり、軍事知識に興味を持っている層に好評を得ている[9]。シークエンスは以下の通り。

発射には、まず波動エンジン再始動に備え、艦内の全機能の電源を切り、再始動に必要な電力を貯蓄する。

その後、エンジン内の圧力を上げ、非常弁を全て閉鎖した後、波動砲へのエネルギー伝導管の回路を開き、強制注入機を作動させ、エンジン内のタキオン粒子を波動砲のエネルギー充填用シリンダー内の薬室(タキオン圧力調節室)へ注入する。薬室内圧力が限界に近づくタイミングで、シリンダー底板の「制御ボルト」のセーフティロックボルトを解除する。

操艦を航海長から戦闘班長へ委譲し、艦首を目標方向へ合わせる。「ターゲットスコープ オープン」の号令で、ヘッドアップディスプレイとトリガー(引き金)がセットされ、電影クロスゲージ(目盛り)の明度を調整した後、目標の種類と距離を読み上げる。発射10秒前の段階で、「対ショック・対閃光防御」の号令がかかり、第一艦橋など窓のある部屋にいる乗員は対閃光ゴーグルを装着、発射の反動に備えた防御姿勢をとる。

戦闘班長がカウントダウンを行い、「発射」の合図と同時にトリガーを引く。連動した「突入ボルト」が後方から前方の制御ボルトをシリンダー内へ押し込む形で突入する。制御ボルトにより、一気に前方へ押し出された高圧縮タキオン粒子はバーストセクションで解放され、タキオンバースト波動流となって艦首に大きく開いた発射口から前方へ噴射される。

以上である。このシークエンスは『ヤマト』第5話の浮遊大陸への砲撃の時のものであり、他の発射シーンでは演出上の都合で作業の追加・省略・順序の入れ替わりなどがある。

防御方法[編集]

波動砲やデスラー砲の直接防御方法として、空間磁力メッキ[注 3]が存在する。真田志郎がガミラス冥王星基地の反射衛星砲をヒントに密かに開発しており、『ヤマト』第26話においてデスラー砲による攻撃に対して使用され、跳ね返された自らのデスラー砲によってデスラー艦は撃沈された。また、『ヤマトIII』第15話では、ガルマン・ガミラス帝国東部方面総司令部がヤマトを捕獲した際の要塞の内部に、空間磁力メッキと同様の効果を持つ装甲が施されていた。

『新たなる旅立ち』に登場する自動惑星ゴルバも、波動砲の防御幕を発生させる防御方法を用いている。『ヤマトIII』第25話に登場するボラー連邦機動要塞もデスラー砲の斉射を完全に防御していたが、防御方法は不明。

種類[編集]

ヤマト以外にも波動エンジンや波動砲を搭載する艦船が複数登場し、波動砲にもバリエーションが生まれている。

波動砲(収束波動砲) / 新波動砲[編集]

ヤマトが装備する波動砲が分類されている。「収束波動砲」という名称はPSゲームシリーズにおいて拡散波動砲と区別するためにつけられたものであり、アニメ劇中でそのように呼ばれることはない。

エネルギー流がほとんど拡散することなく、文字通り収束した状態でビームのように直進していく。単位面積あたりの破壊力は膨大で、対地戦や対要塞戦など、単一目標に対しては非常に有効であり、『さらば』劇中では白色彗星の渦の中心核へのピンポイント攻撃などに活躍している。反面、効果範囲が狭い[注 4]ため、敵が分散している場合はほとんど効果がなく、対艦隊戦での使用には不向きである。

『永遠に』では、ヤマトの改造の結果「新波動砲」として登場するが、この名称は同作においてのみ使用されており、その後の作品では単に「波動砲」と呼んでいる。

拡散波動砲[編集]

『さらば』『ヤマト2』『復活篇』に登場する発展型。

『さらば』『ヤマト2』では、地球防衛艦隊の旗艦アンドロメダに2門装備され、他の地球防衛艦隊の主力戦艦巡洋艦パトロール艦などにも1門ずつ装備されている。護衛艦にも装備されているとされるが、こちらは資料によっては大型衝撃砲と表記されているものもある。『復活篇』ではドレッドノート級主力戦艦に装備されている。

無駄に高エネルギーで効果範囲の狭い波動砲の運用上の欠点を、比較的低威力広範囲型に改良したものである。榴散弾のように、ある程度の距離を進んだ後にエネルギー流がシャワー状に拡散し、飛散範囲内にあるものすべてを貫通する。目標を消滅させるのではなく、目標に大穴を開けることによって破壊する。

ヤマトの波動砲よりも広範囲の敵に対して有効とされ、特に艦隊戦でその威力を発揮する[11]。『さらば』では、アンドロメダが単艦でバルゼー艦隊に先制射撃をかけ、多数を撃沈している。一方で、単位面積当たりの破壊力は低下してしまうデメリットがあり、『さらば』での白色彗星本体に対しては中心核を貫くことができずまったく効果を見せていない[注 5]

拡大波動砲[編集]

『完結編』で、地球艦隊の戦艦・巡洋艦に装備されている波動砲。「拡大」という名称ではあるが、劇中の描写では直線的な軌跡となっており、ヤマトの波動砲との違いは不明である。

艦隊の一斉発射をディンギル艦隊の小ワープによってあっさり回避されたため、具体的な威力は不明。

トランジッション波動砲[編集]

『復活篇』にてヤマトに新装備された波動砲。波動炉心を6基装備したことで、収束波動砲の6連射が可能となった[12]。大幅にパワーアップされたものの、6発すべてを撃つとエネルギーが0になり、しばらく動けなくなってしまう弱点もある[12]

6発を1発にまとめて発射することも可能ではあるが、威力が6倍になる分だけ反動と負荷も大きくなるため、ヤマトの艦体がもたない。そのため、6発一斉発射機能については安易に使用できないよう初期状態では隠し機能として秘匿ロックされ、艦内の電算室で可否についての検索が行なわれて初めてモードのスタッフへの開示と機器のロック解除、内部破壊に備えての防護措置(機関室内の防護隔壁の展開)などが一斉に行なわれるようになっている。

1994年に製作されたメイキングビデオである『胎動篇』の段階では、波動炉心を6基を用いる波動砲6連発を「六連波動砲」と呼称しており、トランジッション波動砲は6発を1発にまとめた波動砲に対する固有の呼称であった。

『胎動篇』段階時における「トランジッション波動砲」の大まかな性能については、威力面は正式版の『復活篇』とほぼ同様であるが、特殊効果としてその膨大なエネルギーを利用して“異次元に穴をあける”(原文ママ)最終兵器として想定されていた。

デスラー砲 / ハイパーデスラー砲[編集]

ガミラス軍が保有する波動砲と同原理と推定されている艦載兵器。

『YAMATO2520』における設定[編集]

『完結編』の317年後を舞台とする本作では、主に地球連邦にて波動砲がほとんどの戦闘艦に標準装備されており、収束・拡散モードの変更機能が基本オプションとなっている。また、従来の波動砲の欠点である著しい機動力の低下が完全に改善されており、巡航速度での恒星間航行時の発射も可能。これは単純に波動エンジンの小型化と出力アップがなされたことに加え、戦闘艦に改良波動エンジンやそれに匹敵するエンジンの複合式が搭載されていることが大きな要因となっている。なお、発射時の対閃光・対ショック姿勢は不要。

発射される波動エネルギー自体にも改良が加えられており、発射時にはプラズマ状態へ加工される。これによって宇宙空間でのタキオン粒子の余分な拡散を心配せず、高密度のエネルギー体の生成が可能になっている。

本作の主役艦である18代宇宙戦艦ヤマト(本編中では「コスモアドベンチャー式スーパー宇宙戦艦YAMATO」)に搭載されている波動砲は、艦体に波動エンジン[注 6]2基を補助機関とすることで従来の収束・拡散型プラズマ波動砲を、そして敵対関係にあるセイレーン連邦の技術であるモノポールエンジンを主機関とした結果、超波動砲(モノポール砲)やツインノヴァ波動砲(波動エネルギーとモノポールの複合砲)と言ったそれぞれ3種類の特性の持つ高エネルギー流を使用可能[注 7]とする特殊性を有するに至っている[13]

一方、セイレーン連邦にも地球連邦の波動砲に相当する「モノポール砲」という名称の艦首砲を装備した艦が所属・登場している。セイレーン連邦の黎明期メンバーは元々地球人なので波動エネルギー理論について一定の知識は有しており、波動砲装備艦を製作可能な技術水準ではあるが、自身等を迫害した「地球」への憎悪から地球の宇宙進出の礎である波動エンジンに対しても嫌悪感を抱いている。

『新宇宙戦艦ヤマト』における設定[編集]

『ヤマト』の1000年後(西暦3199年)を舞台とする本作では、ヤマトはグレートヤマトに拡大改良されているが、搭載している波動砲自体はオリジナルのものと同型のままである。ただし、グレートヤマトの波動砲とショックカノンには、エントロピー活動によって蓄積されるマイナスエネルギーを用いる「回帰時空砲システム」と呼ばれるシステムが実装されており、回帰時空砲システムに変換された波動砲からはリング状の独特な光線が放たれる。回帰時空砲システムの原理や作用などの詳細は作中では語られていないが、着弾地点の周囲には一種の時間震動が生じている。

また、同作に登場するグレートヤマトの僚艦である「超時空戦艦まほろば」にもグレートヤマトと同様の兵装が備わっている描写があるが、作中ではまほろばの兵装がヤマト同様に波動エンジンに由来するものを拡大改良したものであるとの明言はされなかった。

なお、本作に登場する地球防衛軍の艦艇には、波動砲を装備している描写は見られない。

リメイクアニメシリーズにおける設定[編集]

本シリーズでは、波動エンジンの設定再構築に伴い、波動砲にも「次元波動爆縮放射機」(じげんはどうばくしゅくほうしゃき)という正式名称が設定されている。

『ヤマト』から『復活篇』までの原作アニメシリーズ(以下、旧作)のようにタキオン粒子を放射するというものではなく、「波動エンジン内で発生した余剰次元を射線上に放出し、余剰次元が『我々の暮らす宇宙』を押しのけて『別の宇宙』として展開し始める際、その小さなサイズに見合わない膨大な質量によってマイクロブラックホール化し、それが放つホーキング輻射のエネルギーにより域内の敵を破壊し尽くす」という設定に変更されている[14]

劇中での描写(リメイクアニメ)[編集]

基本的な演出は旧作と同じだが、その存在の是非を問う描写が入れこまれるなど、単なる強大な兵器としてだけではなく、ストーリーの根幹にかかわる演出が与えられている。

『2199』第15話では、ユリーシャ百合亜に憑依した状態)が、宇宙が引き裂かれる危険性に懸念を示し、同作第19話では、ユリーシャが沖田に対し、波動エネルギーの武器への転用に苦言を呈している。

『2199』第24話では、波動砲を最初に作ったのがイスカンダルであり、かつてはそれを使って大マゼラン銀河に大帝国を築き上げたが、このような愚行を恥じるようになったイスカンダルはこの兵器を封印し、同じ過ちを繰り返す者が出ないようにどこにも技術供与はせず、独自に開発した地球やガミラスに対しても、波動エネルギーの兵器への転用には難色を示しているということが明かされる。そのため、同話で結ばれた「地球=イスカンダル和親条約」に基づき、ヤマトの波動砲は封印され、砲口封印プラグ(次元波動爆縮放射器放射口封印栓)が挿入される。

しかし、続編である『2202』では上記の条約が反故にされ、地球軍は「波動砲艦隊構想」に基づき、ヤマトを波動砲を再装備したうえで戦列復帰させたほか、拡散波動砲2門を装備したアンドロメダ級戦艦5隻を就航させている。ガミラス側の苦言に対し、芹沢は「沖田とイスカンダルの間の口約束であって条約ではない」と主張している。

種類(リメイクアニメ)[編集]

拡散波動砲(リメイクアニメ)[編集]

『2202』に登場する。

「拡散」と「収束」が選択可能である[15]ほか、「多重ロックオンシステム」で目標を個別にロックオンして拡散させることができ[16]、拡散してもビームが細くならない[17]など、旧作に比べて強化した描かれ方をされている。

ゲシュ=ダールバム[編集]

『2199』に登場する、大ガミラス帝星が保有する兵器。原作アニメシリーズにおけるデスラー砲。

本シリーズでは「デスラー砲」が通称とされており、正式名称として「ゲシュ=ダールバム」という名が設定されている。

本シリーズではヤマトの波動砲と同原理であると劇中で明言されている。ガミラス側は当初波動砲を有していなかったが、デスラーの発案を受けて波動砲と同一原理の砲の開発が進められており、後にデスラー砲を完成させる。

関連兵器・装備[編集]

重力アンカー[編集]

『ヤマト2』『2199』に登場する波動砲発射時における艦の姿勢制御装置。

波動砲による強い反動を吸収する役目を持つ。この重力アンカーを解除すると、波動砲発射と同時に艦は真後ろへ大きく後退してしまう[18]。『ヤマト2』第12話では、それを逆に利用して、デスラーが磁力線封鎖装置を仕掛けた小惑星から脱出する。

また、『2199』第18話では、上記のオマージュとして、敵の追撃を防ぐため、亜空間ゲートを背にして波動砲を発射し、ゲートへのエネルギー供給を担うコアを破壊すると同時に急速に後退してゲートに突入する演出がある[19]

ボルトヘッド・プライマー[編集]

『完結編』に登場するヤマト自沈システムの一端である、波動砲閉鎖器。

形状は円筒状で、片端が砲口の先端まで達するほど長い。片端は歯車のような形状をしており、砲門のライフリングと噛み合うようになっている[20]

波動砲制御室の下部に格納されており、制御ボルトが取り外された後、制御ボルトと交換する形で砲口に挿入される[21]。自沈の原理は砲口を塞ぐことによる波動砲の暴発を利用したもので、自沈までのスキームは波動砲と同じ[21]。劇中では暴発した波動エネルギーを艦内に満載したトリチウムに融合させることにより、惑星間に伸びる水柱を断ち切るほどの大爆発を起こしている。

戦闘衛星[編集]

『ヤマト2』『ヤマトIII』に登場する、地球防衛軍所属の防衛用戦闘衛星。

元々はガミラス帝国による地球本土上陸に備えて建造された、本土決戦用の兵器であり、地球衛星軌道に配備されていた。主武装は衛星の外周部に連装ショックカノン砲塔6基のほか、中心部にタキオン粒子砲(波動砲と同一原理)である。[要出典]

『ヤマト2』では、第4話でヤマトを妨害するために使用される。本来の用途からすれば、攻撃面を宇宙側に向けるが、上昇中のヤマトを迎撃する際には、地球側に向けられた。ヤマトの背後が地球だったためか、波動カートリッジ弾にも満たない低威力の砲撃しかできず、[独自研究?]ヤマトに破壊される。後に第22話で白色彗星帝国の地球襲来の際に実戦投入されるが、侵攻してきた敵艦隊相手にはまったく無力で、逆に破壊される。

『ヤマトIII』では、人類の外宇宙進出に伴い、本衛星を始めとする数種類の戦闘衛星がケンタウルス座アルファ星系第4惑星など各植民星にも配備されたが、第2話で侵攻してきたガルマン・ガミラスの艦隊には無力で、瞬く間に返り討ちに遭っている。

波動カートリッジ弾[編集]

『永遠に』『ヤマトIII』『完結編』に登場するヤマトの主砲のオプション弾。主砲のカートリッジに波動砲の100分の1の威力分の波動エネルギーを充填している。

波動爆雷[編集]

『永遠に』『ヤマトIII』に登場するヤマトの兵装。公式設定はないが、波動エネルギーが充填されていると考察する資料もある[22]

空間磁力メッキ[編集]

『ヤマト』『ヤマトIII』に登場する対波動砲用の防御兵器。

宇宙戦艦ヤマトシリーズ以外における波動砲および類似の兵器[編集]

松本零士関連作品[編集]

ニーベルングの指環[編集]

ニーベルングの指環』では、第二部 ワルキューレ(西暦2964年)において、ヤッタラン少年(後のアルカディア号副長)が「勉強」としてデスシャドウ1号艦内で密造していた、宇宙戦艦ヤマトに搭載されていた形式のミニチュアタイプの波動砲が登場している。

大きさとしては艦内工場で密造できる程度のもの[注 8]ではあるが、デスシャドウ1号艦副長にしてヤッタラン少年の父であるオールド・ヤッタラン副長曰く「(ヤマトに搭載されていたものと)同じ性能と威力を持ったミニチュア」との事であり、作中ではデスシャドウ1号艦内にてミニチュアから発射されたタキオンバースト波動流が艦内の各種隔壁のみならず強固な超硬化テクタイト製の外部装甲までをも貫いている。

また本来の波動砲同様に発射時に相当の衝撃が発生する事から艦内で試射を行ったヤッタラン少年がショックに耐えきれず失神している場面がある。

松本零士999[編集]

本作において波動砲を含めた波動エネルギー理論は作中において遥かな過去にイスカンダルから地球に伝わることで全宇宙に広まり、999の時代[注 9]においては旧時代の兵器として一般民衆に知られている。

しかしその実、イスカンダルによって地球に伝えられた理論は意図的に核心部分が伏せられた本来の波動エネルギーの数%に満たないエネルギーしか生かせない理論であり、本来の波動エネルギーの兵器転用技術は最重要機密としてイスカンダル最後の女王スターシアの人格を模したマザーコンピュータに秘匿・封印されていた。しかしイスカンダルの遺跡を大山トチローが調査・研究したことにより彼自身が本来の「究極の波動エネルギー理論」を正確に理解してしまったことで、その成果を狙う機械帝国および「ネオガミラス」と名乗る一派に理論を知る者やイスカンダルが狙われることになる。

作中では「究極の波動エネルギー理論」を実現する為のユニットを譲り受けた星野鉄郎とイスカンダルを「ネオガミラス」から救うためにワープ航法で時間を越えてきた「伝説の宇宙戦艦ヤマト」より波動砲が発射される。本来なら旧時代の恐れるに足らない兵器であるはずの波動砲であるが、ヤマトは約800年と言う時間の差を感じさせない威力の波動砲を発射し、一撃の下に「ネオガミラス」を壊滅させた。

またトチローが製作した戦士の銃は同作中において次元反動銃ではなく「究極の波動エネルギー理論」を用いた小型の波動砲という設定であり、それを拡大強化した兵器も作中に存在する。

銀河鉄道999[編集]

エターナル編にて移動性ブラックホールを破壊する為に「999の世界につながる宇宙戦艦ヤマト」が発射する。

作中のメーテル曰く「(ヤマトの)見た目こそ初代のままではあるが、艦内部で途方もない改造を繰り返して初代とは比較にならない性能・兵装」からの波動砲であり、強力過ぎる威力故に改造後のヤマトも長期間に渡って波動砲を禁じ手としていたと説明されている。

余談ではあるが、同作には艦首の発射口周りの形状が異なる[注 10]宇宙戦艦ヤマトの「プロトタイプ」、およびヤマトと同格の存在であり、宇宙戦艦ヤマト(厳密には戦艦大和)の4番艦である「超時空戦艦まほろば」も登場している。

その他作品[編集]

コンピュータゲームをはじめ他作品の中には、「波動砲」の名称を持ち、『宇宙戦艦ヤマト』と似た描写で発射される兵器が登場する作品が存在する。以下は特記の無い限り、コンピュータゲーム作品。

R-TYPEシリーズ
通常攻撃ボタンを一定時間押したまま(「溜め撃ち」と呼称する)にした後、放すことで「波動砲」が発射される。
鋼鉄の咆哮シリーズ
入手した部品で自艦を設計できるという特徴があり、部品の1つに「波動砲」が存在する。その大きさや重さのために装備できる艦は限られるが、ゲーム中では最大級の攻撃力を誇る。なお、敵の超兵器(ボスキャラクター)もまた同種の兵器を装備しており、四国を貫通して真っ二つにする演出がある。
ファイナルファンタジーシリーズサガシリーズ
プレイヤーキャラクターボスキャラクターの攻撃方法として「波動砲」が登場する。特に、『ファイナルファンタジーV』に登場する「ソル カノン」は、波動砲発射までに「対ショック対閃光防御オン」など、ヤマトの発射シークエンスを模した演出が存在する。
スタートレック
正典の『スタートレック』における表記は「フェイザー」だが、日本のマイコンへの移植版には「ハドウホウ」(カタカナ表示)と書かれたゲームもいくつか存在した(もっとも、本編のフェイザーに波動砲のような威力はない)。
スタークラフト
地球人であるTeran種族の最強航空兵器である Behemoth Battlecruiser の特殊攻撃として、「YAMATO GUN」という攻撃がある。「波動砲」との表記はないが、発射時に全エネルギーの60%から75%を一気に消費するうえ発射時間が3秒程度かかり、非常に長い射程や大ダメージを誇ると設定されている。
カラス天狗カブトテレビアニメ
寺沢武一の漫画『鴉天狗カブト』のテレビアニメ化作品。敵の居城にして移動要塞である鬼面城は、アニメでは顔の意匠が施された口の部分から「波動砲」を発射できる。
兄弟拳バイクロッサー特撮テレビドラマ
バイクロッサーの必殺技ブレイザーカノンは、オープニングテーマの歌詞で「波動砲」と歌われている。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 『完全版 銀河鉄道999 PERFECT BOOK』(宝島社、2006年)のP244の記述では、「タキオン波動収束砲」となっている。
  2. ^ 松本零士の漫画版「永遠のジュラ編」[5]や、石津嵐の小説版において。
  3. ^ 松本零士の漫画『宇宙戦艦ヤマト』では、「空間メッキ防護膜」という名称である[10]
  4. ^ 範囲の描写は作品ごとにばらつきがあり、『さらば』と『ヤマト2』第10話ではゴーランド艦隊を丸ごと飲み込むほどの広い範囲に効果を及ぼしているが、『永遠に』と『ヤマトIII』第9話では敵艦1隻や大型ミサイル1発を貫く程度の狭い範囲しかない。『復活篇』では、散開している敵艦隊に波動砲を発射しようとした上条を古代が咎めている。
  5. ^ 『ヤマト2』第21話では、周囲のガス体を取り払うことには成功している。
  6. ^ この波動エンジンの出自は、「銀河100年戦争」停戦(星暦2503年)以前に製造され、セイレーン連邦軍に鹵獲・撃沈された地球連邦所属艦である。
  7. ^ 制作会社倒産までに発表されたOVA3作品中では、モノポール砲やツインノヴァ波動砲は未使用。
  8. ^ 具体的な大きさは明言されてはいないが、少年時代のハーロックやトチロー、ヤッタラン副長の身長と比較したところで5〜6倍程度の高さの描写。
  9. ^ 「戦士の銃」の刻印より、西暦2979年以降。
  10. ^ 艦首部分が本来のヤマトと異なり砲身状になっている。

出典[編集]

  1. ^ “今だから話せる「ガンダム」「ダンバイン」「パトレイバー」生みの親たちのメカデザイナーズサミットレポ - エキレビ!(3/3)”. エキサイトニュース (エキサイト). (2012年12月18日). http://www.excite.co.jp/News/reviewmusic/20121218/E1355761977050.html?_p=3 2017年5月17日閲覧。 
  2. ^ キャラクターランド Vol.4』(徳間書店、2015年12月、ISBN 978-4-19-730137-9)p. 46。
  3. ^ 月刊ホビージャパン 2017年3月号 (No.573)』(ホビージャパン、2017年1月)p. 190。
  4. ^ a b 『いま語るべき宇宙戦艦ヤマト』p. 062。
  5. ^ 松本零士『宇宙戦艦ヤマト(2) 永遠のヤマト』(秋田書店〈秋田文庫〉、1994年、ISBN 978-4253170185)pp. 289-323。
  6. ^ “出渕裕総監督が語る"波動砲封印"とSFドラマの主眼「相互理解を描きたかった」-『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』 (2) SF的な種明かしもありつつ、主題は"相互理解"をきちんと描くこと”. マイナビニュース (マイナビ). (2014年12月7日). http://news.mynavi.jp/articles/2014/12/07/yamato2199/001.html 2017年3月21日閲覧。 
  7. ^ 『ヤマト』第5話Bパートでの沖田十三のセリフより。
  8. ^ フィギュア王 No.22』(ワールドフォトプレス、1999年6月)p. 13。
  9. ^ 『いま語るべき宇宙戦艦ヤマト』p. 016。
  10. ^ 松本零士『宇宙戦艦ヤマト(1) イスカンダル遥か』(秋田書店秋田文庫〉、1994年、ISBN 978-4253170178)p. 235。
  11. ^ 『宇宙戦艦ヤマト画報 ロマン宇宙戦記二十五年の歩み』(竹書房、2001年、ISBN 978-4-8124-0700-4)p. 060。
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  14. ^ 『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第一章 嚆矢篇』劇場パンフレット(バンダイビジュアル、2017年)p. 12。
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  16. ^ 『グレートメカニックG 2017 SPRING』(双葉社、2017年、ISBN 978-4-575-46500-6)p. 039。
  17. ^ “見逃してはいけない5つのポイントとは?『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』本編冒頭12分が無料公開!”. 電撃ホビーウェブ (アスキー・メディアワークス). (2017年2月22日). http://hobby.dengeki.com/news/330701/ 2017年2月22日閲覧。 
  18. ^ 「宇宙艦隊図録 File02 Sheet01B 地球防衛軍 宇宙戦艦ヤマト 艦内設備(1)」『週刊宇宙戦艦ヤマト OFFICIAL FACTFILE』第43号p. 6。
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  20. ^ 「宇宙艦隊図録 File06 Sheet01B 地球防衛軍 宇宙戦艦ヤマト 艦内設備」『週刊宇宙戦艦ヤマト OFFICIAL FACTFILE』第52号p. 6。
  21. ^ a b 「大銀河科学技術講座 Sheat70 ヤマト自沈」『週刊宇宙戦艦ヤマト OFFICIAL FACTFILE』第31号p. 24。
  22. ^ 「大銀河科学技術講座 sheat46 波動カートリッジ弾」『週刊宇宙戦艦ヤマト OFFICIAL FACTFILE』第16号p. 26。

参考文献[編集]