ヘッドアップディスプレイ

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HUD

  • コンピュータゲーム内で使われる場合は、画面に常に表示される情報のこと(UI)。
  • 人間の視野に直接情報を映し出す手段。本項で詳述する。

F/A-18CのHUD
BMW E60

ヘッドアップディスプレイ(Head-Up Display、HUD、「ハッド」と発音する)は人間の視野に直接情報を映し出す手段である。この技術は軍事航空分野において開発され、実験的にではあるがさまざまな分野に応用されている。類似にヘッドマウントディスプレイがある。

概要[編集]

ヘッドアップディスプレイには以下の特徴がある。

  • このディスプレイは、大きく透明で、情報はヘッドアップディスプレイ利用者の通常の視界と重なって表示される。
  • 情報は無限遠の点に結像する。この事により、コンマ数秒程度かかる「焦点を合わせ直す」という生理現象が、ヘッドアップディスプレイ利用者が外界から映像に視点を切り替える際に生じない。

ヘッドアップディスプレイを実現する最も一般的な手段は、透明な光学ガラス素子に画像を投影することである。以前はF-14戦闘機のように、風防に直接、映像を投影する機種(改修前のA型等)も存在した。

もともとは、画像を投影する装置はブラウン管(Cathode Ray Tube、CRT)だった。投影装置として小型ディスプレイの技術が導入されている。小型ディスプレイは液晶ディスプレイ(LCD)、反射型液晶パネル(LCOS)、ホログラフィック光学素子等で構成されている。

当初、ヘッドアップディスプレイは戦闘機で導入され、後に低空飛行する軍用ヘリコプターなどにも導入されるようになった。パイロットには自機の速度や進行方向などの重要な情報が重なって見えるようになっており、飛行中に計器盤の計器に視界を切り替えることにより発生する、空間識失調や致命的なミスを防げるようになっている。

大型の輸送機や一部の旅客機などでも使用されている。戦闘機ではヘッドアップディスプレイと同様の情報をヘルメットに直接映し出すヘッドマウントディスプレイ(例えばJHMCS等)に切り替わってきているが、ヘルメットの重量増加による首への負担増加が懸念されている。

また、銃器のダットサイトの中には、EOTech社やBushnell社のホロサイト等、ヘッドアップディスプレイと同じ構造の物も登場している。

応用[編集]

ヘッドアップディスプレイの応用として以下のようなものが実現、或いは提案されている。

自動車[編集]

フロントガラスに運転者向けの基本的な情報の(無限遠の点に結像するような)画像を提供する。これは既に発売している自動車メーカーもある[1]。通常は速度計が表示されるが、テレビの映像などを運転中に注視すると違法になる(道路交通法第71条第5号の5)。日本ではトヨタ・クラウンマジェスタが全車標準装備し速度表示やカーナビゲーションガイド、ナイトビューで使用されているほか、マツダ・アクセラの一部グレード、ホンダ・レジェンドインテリジェント・ナイトビジョンシステムに使用している。かつては日産・シルビアにも採用されていた。

パイオニアカーナビカロッツェリアサイバーナビでは2012年7月からHUD対応モデルが市販されている。

軍事[編集]

F-15以降の戦闘機などに、従来の光学照準機等に変わり装備されている。

医療[編集]

医師に対してX線CTスキャンの映像を患者と重ね合わせて表示する。これにより、通常は見ることができない体の構造を見ることができるようになる。

コンピュータゲーム[編集]

コンピュータゲームでは画面に重ねて表示される情報を「HUD表示」という。ヘッドマウントディスプレイ(HMD)内での表示を便宜上として呼ぶこともある。HMDは最初期の一つである「Forte VFX-1」など、より臨場感の高いバーチャルリアリティ(VR)を作り上げる方法として利用され、すでに製造されているものも多くある。クラウドファンディングKickstarterに登場した、ヘッドトラッキング(頭の動きを検知)を可能にした「Oculus Rift」や、同じく話題となったトレッドミルの「Virtuix Omni」を組み合わせたVRも可能となっている[1][2]。モーションコントローラ「Razer Hydra」との活用も見込まれている[3][4]。また、ショックフィードバック付きの多感覚スーツ「ARAIG」も同様に発表されていた[5]ソニーの「PROTOTYPE-SR」[6]NVIDIAの「Near-Eye Light Field Displays」[7]も発表されている。

脚注[編集]

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関連項目[編集]