ニック・ファジーカス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ニック・ファジーカス
Nick Fazekas
川崎ブレイブサンダース  No.22
ポジション C
基本情報
愛称 ホップス
英語 Nick Fazekas
国籍 日本の旗 日本
生年月日 (1985-06-17) 1985年6月17日(38歳)
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国コロラド州アーバダ
身長 207cm (6 ft 10 in)
体重 114kg (251 lb)
キャリア情報
高校 ラルストンバレー高等学校
大学 ネバダ大学リノ校
NBAドラフト 2007年 / 2巡目 / 全体34位[1]
プロ選手期間 2007–現在
経歴
2007-2008ダラス・マーベリックス
2007-2008タルサ・66ers
2008ロサンゼルス・クリッパーズ
2008-2009ベースオーステンデ(ベルギー)
2009ASVELフランス
2009-2010JDAディジョン(フランス
2010-2011リノ・ビッグホーンズ(NBADL)
2012ペトローン・ブレーズ・ブースターズ(フィリピン
2012サン・ミゲル・ビアーメン(ABL)
2012-川崎ブレイブサンダース
選手情報 ウィキデータを編集 B.LEAGUE.jp
Stats ウィキデータを編集 Basketball-Reference.com
Stats ウィキデータを編集 NBA.com 選手情報 NBA.Rakuten

ニック・ファジーカス: Nick Fazekas)ことニコラス・ライアン・ファジーカス: Nicolas Ryan Fazekas1985年6月17日 - )は、アメリカ合衆国コロラド州アーバダ出身の元NBA選手、日本国籍に帰化したバスケットボール選手。日本代表FIBAワールドカップ2023のバスケ日本代表予備登録メンバーにも選ばれた。ポジションはセンター。身長207cm、体重114kg。

来歴[編集]

プロ入り前[編集]

大学[編集]

ネバダ大学リノ校に入学、同校を4年連続でNCAAトーナメントに導いた。1年次には同トーナメントでベスト16に進出している[1]。2006年11月18日の試合で、それまでエドガー・ジョーンズが1979年までに記録した1,877得点を更新する大学新記録を作った。また2005-2006シーズンには、ジョーンズが持っていたシーズン大学得点記録も更新している。ウェスタン・アスレティック・カンファレンスのプレイヤー・オブ・ザ・イヤーに2005年から2007年まで3年連続で選ばれた[1]

プロ選手[編集]

NBA時代[編集]

2007年のNBAドラフト2巡でダラス・マーベリックスに指名された[1]。サマーリーグで平均17分の出場で、6.6得点、4.4リバウンドをあげた彼は、7月26日にマーベリックスと1年契約を結んだ(契約内容はチーム方針により公開されていない。)。

2008年2月19日、マーベリックスがジェイソン・キッドを獲得するためのトレード要員の1人として、キース・ヴァン・ホーンと契約した際、解雇された[2]。2月27日、ロサンゼルス・クリッパーズと契約を結んだが、シーズン終了後、契約延長がされず、同年8月1日に無制限フリーエージェントになった[3]。その後、デンバー・ナゲッツのトレーニングキャンプに参加したが、シーズン開幕前の10月23日に解雇された。

2008年10月28日、ベルギーのベースオーステンデと契約を結んだ[4]

2009年1月、リーグ・ナショナル・バスケットボール(フランスリーグ)のASVELリヨンビラーバンと契約した。この年夏には、アメリカのボストン・セルティックスのサマーリーグに出場。

2009-2010年シーズンは、フランスのJDAディジョンでプレーした。

2010年のNBAデベロップメント・リーグドラフト全体1位でリノ・ビッグホーンズに指名された[5]。同年12月30日、足首を負傷したことから解雇されたが[6]、2011年に再びチームに加わった[7]。2011年12月に怪我のため、チームからウェーバーされた。

東芝ブレイブサンダース[編集]

その後、フィリピン、アセアンリーグを経て、2012年に来日し、東芝ブレイブサンダースに入団。リーグベスト5と得点王を受賞した。

2013年のNBLオールスターに選出されている[8]

2016年9月22日B.LEAGUEが発足。所属する東芝もプロクラブとなり、現在の「川崎ブレイブサンダース」となる。Bリーグ初年度のシーズンではB1得点王、B1シーズンMVPに輝くも、チームは惜しくファイナルで惜しくも栃木ブレックスに惜敗し、準優勝となる。

2018年4月26日に日本国籍を取得した[9][10][11]。官報告示では『ニコラス・ライアン・ファジーカス』と表記されている[10]

2023年9月16日、宇都宮ブレックスとのプレシーズンマッチの後、2023-24シーズン限りで現役を引退することを発表した[12][13][14]。引退の理由についてファジーカスは「10カ月を戦う長いシーズン、体力的にもメンタル的にも厳しくなってきている。一番高いパフォーマンスを維持できるのは今年が最後なのかなと思ったことが、引退する決め手になりました」と語った[15]

日本代表歴[編集]

2018年6月、フリオ・ラマスヘッドコーチ指揮下の日本代表候補に選出。FIBAランキング上位のオーストラリア戦に勝利するなど、W杯予選突破に貢献した。

2019年9月、ワールドカップ中国大会では日本代表として母国アメリカ戦を含む全5試合に出場した。

2022年8月、トム・ホーバスヘッドコーチ体制の日本代表に選出され、ワールドカップ2023アジア地区2次予選ウィンドウ4・カザフスタン戦で3年ぶりに日本代表の試合に出場。

経歴[編集]

  • アルバタ高校 -
  • ラルストンバレー高校 -
  • ネバダ大学 -
  • ダラス・マーベリックス(NBA) -
  • タルサ・66ers(NBADL) -
  • ダラス・マーベリックス -
  • ロサンゼルス・クリッパーズ(以上NBA) -
  • ベースオーステンデ(ベルギー) -
  • アデッコ・ASVEL・リヨンビラーバン -
  • JDA・ディジョンボールゴーン(以上フランス) -
  • リノ・ビッグホーンズ(NBADL) -
  • ペトローン・ブレーズ・ブースターズ(フィリピン) -
  • サン・ミゲル・ビアーメン(アセアンリーグ) -
  • 東芝(2012~2016)-
  • 川崎ブレイブサンダース(2016~)

成績[編集]

略称説明
  GP 出場試合数   GS  先発出場試合数  MPG  平均出場時間
 FG%  フィールドゴール成功率  3P%  スリーポイント成功率  FT%  フリースロー成功率
 RPG  平均リバウンド  APG  平均アシスト  SPG  平均スティール
 BPG  平均ブロック  PPG  平均得点  太字  キャリアハイ

NBA[編集]

シーズン チーム GP GS MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG PPG
2007–08 DAL 4 0 2.3 .400 .000 .000 .8 .0 .0 .0 1.0
2007–08 LAC 22 0 11.8 .571 .000 .682 3.9 .6 .4 .5 4.7
Career 26 0 10.3 .561 .000 .682 3.4 .4 .3 .4 4.1

Bリーグレギュラーシーズン[編集]

シーズン チーム GP GS MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG TO PPG
2016-17 川崎 60 60 30.3 .546 .428 .815 12.7 2.4 .8 .8 2.3 27.1
2017-18 60 59 29.9 .553 .446 .846 10.9 2.8 1.2 .4 2.3 25.3
2018-19 57 48 31.3 .516 .388 .862 10.9 3.2 1.1 .4 2.0 22.3

Bリーグプレーオフ[編集]

シーズン チーム GP GS MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG TO PPG
2017 川崎 6 6 28.8 .442 .167 .848 10.0 1.3 .8 1.0 1.7 19.5
2018 3 3 23.1 .645 .250 .909 9.0 2.0 .7 .3 1.3 20.3
2019 2 2 32.6 .455 .000 .600 13.0 1.0 1.0 .0 1.5 16.5

人物[編集]

祖父のアルバート・ファジーカスは、ハンガリー動乱の時に自由を要求した活動家で、投獄されたが、その後アメリカに妻と子供を連れて逃れてきた。ニックの父親はアメリカで生まれており、ワイオミング大学、アイダホ州立大学(英語版)でバスケットボールをプレーした後、アルゼンチンリーグでプレーした。[要出典]

2011年のインタビューで将来ハンガリー市民権を獲得し、バスケットボールハンガリー代表としてプレーしたいと語った[16]

その後、日本国籍を取得し、日本候補代表に選出される[17][リンク切れ]

好きな食べ物はピザ。苦手な食べ物は生魚と納豆[18]

表彰[編集]

  • Bリーグ
    • レギュラーシーズン最優秀選手賞(2016-17)
    • レギュラーシーズンベストファイブ(2016-17)(2020-2021)
    • 得点王(2016-17)
    • Bリーグオールスターゲーム選出:2回(2019、2020)

著書[編集]

  • 決断徳間書店、2019年8月。ISBN 978-4198648886http://www.tokuma.jp/bookinfo/9784198648886 電子書籍もあり

脚注[編集]

  1. ^ a b c BIG FAREWELL TO NICK FAZEKAS”. nba.com (2011年12月19日). 2013年10月20日閲覧。
  2. ^ Eight-player trade finally clicks, putting Kidd back with Mavs”. ESPN (2008年2月20日). 2013年10月20日閲覧。
  3. ^ Clippers withdraw offer to Fazekas”. rotoworld.com (2008年8月2日). 2013年10月20日閲覧。
  4. ^ Oostende signs big man Nick Fazekas”. eurocupbasketball.com (2008年10月28日). 2013年10月20日閲覧。
  5. ^ 2010 NBA D-LEAGUE DRAFT RESULTS”. nba.com (2010年11月1日). 2010年11月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年10月20日閲覧。
  6. ^ Bighorns waive injured Miles, Fazekas”. RGJ.com (2011年1月11日). 2013年10月20日閲覧。
  7. ^ Rosters Set for 2011-12 NBA Development League Regular Season”. nba.com (2011年11月23日). 2011年11月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年10月20日閲覧。
  8. ^ NBL/NBDLオールスターファン投票最終結果発表”. BASKETBALL SPIRITS (2013年11月11日). 2014年3月22日閲覧。
  9. ^ 平成30年4月26日法務省告示第125号。
  10. ^ a b 「告示」『官報』7252号、国立印刷局2018年4月26日、3面。
  11. ^ 【B1】38歳ファジーカス「今年で引退します」今季限りでの引退発表、日本代表の救世主”. 日刊スポーツ (2023年9月16日). 2023年9月20日閲覧。
  12. ^ ニック・ファジーカス選手 2023-24シーズンでの現役引退のお知らせ | 川崎ブレイブサンダース”. 川崎ブレイブサンダース (2023年9月16日). 2023年9月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月16日閲覧。
  13. ^ ニック・ファジーカス、2023~24年シーズン限りで現役引退発表「もうあと1年だと感じた」元日本代表、19年W杯出場”. スポーツ報知 (2023年9月16日). 2023年9月16日閲覧。
  14. ^ 川崎一筋12年、ニック・ファジーカスが今シーズン限りでの引退を表明「自分の中に残っているのはあと1年だと感じました」”. バスケット・カウント | Basket Count. 2023年9月16日閲覧。
  15. ^ 引退表明のファジーカス「優勝する姿を見届けてほしい」日本代表の快挙につながる過去も振り返る | バスケットボールキング”. バスケットボールキング (2023年9月17日). 2023年9月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月17日閲覧。
  16. ^ "Gyakran hallok magyar szót" - interjú az egykori NBA-kosarassal, aki magyar válogatott akar lenni” ((ハンガリー語)). origo.hu (2011年10月1日). 2013年10月20日閲覧。
  17. ^ スポーティングニュース・ジャパン
  18. ^ 【バスケ】ファジーカス「東京五輪に出る使命達成できた」今季限りで引退/一問一答”. 日刊スポーツ (2023年9月16日). 2023年9月30日閲覧。

関連項目[編集]