イギリス空軍

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イギリス空軍旗

王立空軍(おうりつくうぐん、英語Royal Air Force)は、イギリスの保有する空軍。略称としてRAFやR.A.F.という表記があるが、日本ではイギリス空軍英国空軍とも表記される。

1918年4月1日イギリス軍の一部として独立した。現在、RAFは世界で最も長い歴史を持つ空軍であり、1,069機の航空機、41,440人の兵力を保有する世界最大規模の空軍のひとつでもある[1]

国防省の目的を達成することが任務であるが、具体的には、イギリスと海外領土を確実に保障防衛すること、特に国際的な平和と保障を進める際に政府の外交政策を支えること、それらのために必要とされる能力を提供することである[2]

歴史[編集]

第一次世界大戦の勝利記念と戦死者追悼のためテムズ川のビクトリア堤防に建てられた記念碑 (RAF Memorial)

RAFは第一次世界大戦中の1918年4月1日にトレンチャード子爵の働きかけで陸軍航空隊海軍航空隊の融合によって設立された。海軍航空隊はイギリス海軍と同格の部隊で、陸軍航空隊はイギリス陸軍の管轄下にある工兵隊の一部門であったが、第一次世界大戦において航空戦力が決定的であると判明したことから、独立した空軍を設立することが決定した。当時独立空軍の編成は先駆的な試みであり、一切の航空機運用を空軍に一元化して機動部隊のうち空母は海軍、艦上機は空軍が運用するという試行錯誤が行われたが、その非効率性から1936年に艦上機を海軍に戻し、その戦力を大幅に減らした。空軍は次の大戦が始まるまでの間は比較的平和で、簡単な警備任務に従事した。

第二次世界大戦前に急ピッチでパイロット数・航空機数ともに拡張され、バトル・オブ・ブリテンではドイツ空軍がイギリス本土侵攻(アシカ作戦)のためイギリス本土とドーバー海峡制空権を獲得しようとRAFと衝突し、1940年夏季に戦闘機軍団にとって最大の試練が訪れた。RAFは搭乗員の不足に悩まされながらも制空権を堅持し、戦争の流れを変えるのに大きく貢献した。また、RAFの最も大きな努力として爆撃機軍団によるドイツへの戦略爆撃があげられる。爆撃機軍団は、ナチス・ドイツの工業地域と都市を爆撃で破壊し、間接的に連合軍の犠牲者軽減に貢献した。沿岸軍団は、空軍以外にもイギリス海軍の艦隊航空隊からも航空機を貸与されていたが、当初は旧式機しか供給されず、ドイツ海軍Uボートを相手に苦杯をなめた。

冷戦の長期間に渡って、RAFはソビエト連邦核兵器からヨーロッパ大陸核抑止をもって防御するという重要な役割を演じた。イギリス帝国の衰退により世界規模な作戦行動は縮小され、1971年10月31日に極東空軍 (RAF Far East Air Force) が解散されたものの、朝鮮戦争で飛行艇部隊を派遣して国連軍の支援を行った。第二次中東戦争(スエズ危機)ではキプロス島マルタ島から航空機を出撃させて大きな役割を果たした。

1982年に始まったフォークランド紛争では戦場が友好国の空軍基地から離れていたため、イギリス海軍とイギリス陸軍が主力となったが、RAFのハリアーも海軍の航空母艦や徴用されたコンテナ船に搭載されて、フォークランド諸島で近接航空支援を行った。アブロ バルカン爆撃機ヴィクター空中給油機アセンション島に展開し、有名なブラック・バック作戦 (Operation Black Buck) を行った。

冷戦が終結した近年においても、RAFは1991年湾岸戦争で100機以上の航空機を参加させ、実戦で初めて誘導爆弾を使用したことで、RAFの歴史において重要な分岐点となり、その後も空中給油機と偵察機を動員して多国籍軍を支援した。コソボ紛争(コソボ戦争)は第二次世界大戦の終結以来、初めてヨーロッパでの作戦行動となった。

アフガニスタン紛争でも多数の航空機を派遣して大規模な作戦行動を行った。同作戦でアメリカ軍パトリオットによる誤射で攻撃機を撃墜され、搭乗していたパイロットとシステム・オペレーターの2名が死亡した。また、対空砲火で輸送機が撃墜され、10名の人員が殺傷されている。

構成と編制単位[編集]

バッジ

指揮[編集]

RAFは国防会議 (Defence Council) の空軍委員会 (Air Force Board) が管理し、空軍参謀総長 (CAS ; Chief of the Air Staff) によって率いられる。空軍委員会は空軍参謀総長以外に、空軍参謀次長 (Assistant Chief of the Air Staff) と数人の上級司令官から構成される。2010年の時点で空軍参謀総長はスティーヴン・ドールトン (Stephen Dalton) 空軍大将。空軍参謀次長はバリー・ノース (Barry North) 空軍少将が任ぜられている。

空軍委員会[編集]

現在の国防省が創設されるまでイギリス空軍とその人員は、航空省の空軍会議によって管理されていた。1964年に空軍会議の責務は国防会議が引き継ぎ、新たに陸海空の委員会が編成され、そのうちの空軍委員会がイギリス空軍の管理を任ぜられた。

元空軍参謀総長グレン・トーピー大将

委員[3]

  • 国防大臣 (The Secretary of State for Defence)
  • Minister of State for the Armed Forces
  • Minister for International Defence and Security
  • Minister of State for Defence Equipment and Support
  • Under Secretary of State for Defence and Minister for Veterans
  • 2nd Permanent Under Secretary
  • 空軍参謀総長 - 空軍大将 (Air Chief Marshal)
  • Commander-in-Chief Air Command
  • Deputy Commander-in-Chief Personnel/Air Member for Personnel
  • Chief of Materiel (Air)
  • Air Member for Equipment Capability
  • 空軍参謀次長 - 空軍少将 (Air Vice-Marshal)

軍団[編集]

1936年に多種にわたる航空機の管理を特化すべく軍団の設立が始まった。RAFの戦闘機を管轄する組織として戦闘機軍団が創設され、爆撃機は爆撃機軍団の管轄下に入った。海からの脅威に航空機で対処するため、沿岸軍団も設立された。第二次世界大戦の開戦時には、戦闘機軍団、爆撃機軍団、沿岸軍団、気球軍団、整備軍団、訓練軍団があった。このうち、訓練軍団は、1940年から1968年にかけて、飛行訓練軍団と技術訓練軍団に分割されていた。

1941年に輸送機を管理する軍団として空輸軍団が創設された。1943年に輸送軍団に名称を変更し、さらに1967年に航空支援軍団へ名称を変更した。

RAFの打撃軍団は1968年に戦闘機軍団と爆撃機軍団を統合して作られた。1969年に沿岸軍団と信号軍団を吸収し、1972年には航空支援軍団も吸収した。

1973年に整備軍団と第90航空群の統合によって支援軍団が創設された。1977年に訓練軍団を吸収し、1994年に人事・訓練軍団(通称PTC)と兵站軍団へ分割。人事・訓練軍団はRAF全人員の養成を受けもつ他、RAF内の契約や人員の生活保護、人員の補充、予備役や転勤の管理などに責任を持った。兵站軍団は、前線兵力の規模縮小 (Options for Change) に合わせた後方人員数とされたため1999年に廃止、その機能はDLOを経て現在はDE&Sに引き継がれた。

これら統廃合の末、2007年には打撃軍団と人事・訓練軍団が存在し、この2個軍団に空軍委員会から権限を委任されていた。同4月1日より打撃軍団と人事・訓練軍団を統合し、航空軍団が編成された。現在のイギリス空軍において航空軍団が唯一の軍団であり、統合前の二つの軍団の命令系統は現在の軍団司令部に完全に集約されている。司令部 (HQ) はRAF ハイ・ウィッカム (High Wycombe) 基地に置かれている。

  • 戦闘機軍団 (Fighter Command) 1936年
  • 爆撃機軍団 (Bomber Command) 1936年
  • 沿岸軍団 (Coastal Command) 1936年
  • 訓練軍団 (Training Command) 1936年
  • 気球軍団 (Balloon Command) 1938年
  • 整備軍団 (Maintenance Command) 1938年, 支援軍団 (Support Command) 1973年
  • 空輸軍団 (Ferry Command) 1941年, 輸送軍団 (Transport Command) 1943年, 航空支援軍団 (Air Support Command) 1967年
  • 信号軍団 (Signals Command) 1958年
  • 打撃軍団 (Strike Command) 1968年
  • 兵站軍団 (Logistics Command) 1994年
  • 人事・訓練軍団 (Personnel and Training Command) 1994年
  • 航空軍団 (Air Command) 2007年

航空団[編集]

航空団(Group)[4][5]は、特定の任務に向けて編成される。限定的な環境や地域で活動し、特定種の任務に就く。

  • 第1航空団(航空戦闘):戦闘機を運用する。訓練基地として広範囲に使われるカナダのグース湾基地を加えて7つの基地を持つ。
  • 第2航空団(航空戦闘支援):戦略および戦術輸送機、ISTAR、空中給油機、捜索救難機を運用する。空軍連隊が指揮下にある。
  • 第22航空団:雇用、訓練、管理を行う。

飛行群[編集]

イラク戦争に参加したトーネード GR.4

飛行群(Wing)[4]は、特定の任務に向けて航空団隷下の部隊単位として編成される。管理部門として基地からも編成される。

独立飛行群は、飛行隊か地上支援隊の2つ以上の隊で編成される。近年は、必要な時に編成される。イラク戦争(テリック作戦)では、トーネード飛行群はクウェートとドーハの空軍基地から活動するために編成された。

飛行隊[編集]

飛行隊 (Squadron) は、主要任務を遂行する航空部隊単位であり、任務によって運用する航空機を変更する。大部分の飛行隊は、空軍中佐に指揮される。イギリス陸軍の連隊といくつか類似した特徴があり、基地に関係なく編成されており、歴史と伝統がある。地上支援隊は、飛行隊と同じ規模で基地に配備される。

飛行班[編集]

飛行班 (Flight) は、飛行隊の下位編成である。空軍少佐に指揮され、2つの飛行班で飛行隊が編成される。小規模な編成であるため、独立して編成されることもある。例えば、フォークランド諸島の第1435飛行班などである。

組織[編集]

基地[編集]

本土[編集]

海外および国外[編集]

装備[編集]

以下は2007年時点の状況[6]

固定翼機[編集]

回転翼機[編集]

ミサイル[編集]

階級[編集]

日本語 英語 画像 NATO階級符号
士官
空軍元帥 Marshal of the Air Force
UK-Air-OF10.svg
OF-10 
空軍大将 Air Chief Marshal
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OF-9 
空軍中将 Air Marshal
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OF-8
空軍少将 Air Vice Marshal
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OF-7  
空軍准将[7] Air Commodore
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OF-6  
空軍大佐 Group Captain
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OF-5 
空軍中佐 Wing Commander
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OF-4 
空軍少佐 Squadron Leader
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OF-3 
空軍大尉 Flight Lieutenant
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OF-2 
空軍中尉 Flying Officer
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OF-1
空軍少尉 Pilot Officer
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OF-1 
空軍見習士官 Acting Pilot Officer
UK-Air-OF1B.svg
OF-D 
空軍士官候補生 Officer Cadet / Student Officer
RAF Off Cdt.png
 
准士官
空軍一等准尉 Warrant Officer   OR-9 
上級下士官
空軍曹長 Flight Sergeant / Flight Sergeant Aircrew / Chief Technician
OR7b RAF Flight Sergeant.svg
OR-7 
空軍軍曹 Sergeant / Sergeant Aircrew
OR5n6a RAF Sergeant.svg
OR-6  
下級下士官
空軍伍長 Corporal
OR4 RAF Corporal.svg
OR-4
空軍上等兵[8] Lance Corporal   OR-3
兵卒
空軍一等兵 Senior Aircraftman Technician / Leading Aircraftman (Aircraftwoman) / Senior Aircraftman (Aircraftwoman)   OR-2
空軍二等兵 Aircraftman (Aircraftwoman)   OR-1

将校は君主から任官され、将校が部下に命令を発する権限となる。一般的な将校は、任官前にリンカンシャーに所在するクランウェルカレッジで32週間の初頭将官訓練コースを修了する。他の専門性のある将校も、クランウェルで専門コースを受ける。

将校の肩書きと記章は、主にイギリス海軍、特に第一次世界大戦の海軍航空隊に用いられたそれに由来する。例えば、空軍少佐の階級は、海軍航空隊の飛行隊司令官の階級から引用している。イギリス空軍の将校は、航空将校、将校、次席将校の3つに分類される。

航空機[編集]

各種軍事システムの価格上昇を受け、数十年前と比較すると戦力組成(ORBAT) における多様性は減少しているものの、RAFは現在でも多種の航空機を保有している。以下に、現時点での保有機材を任務別に並べた[9]

航空機の名称に続けて付与されているコードは、その機種が果たす任務を示している。例えば、トーネード F.3は、戦闘機 (Fighter) を示す "F" を冠されており、さらにトーネードの3番目の派生型であることを意味している。

戦闘機・攻撃機[編集]

タイフーン F.2

タイフーン F.2/FGR.4が、現在イギリスの領空を守る防空戦闘機であり、RAF ルーカース (Leuchars) 基地とRAF カーニングスビー (Coningsby) 基地に配備されている。1980年代末から防空任務に従事してきたトーネード F.3は、タイフーンと交代して退役した。2008年からRAF ボスコム・ダウン (Boscombe Down) 基地が24時間体制アラートを行う基地となり、イギリス南部と南西部をカバーしている[10]

ハリアー GR.9

現在RAFの攻撃部隊の中核をなすのはトーネード GR.4である。トーネードは超音速飛行能力を備え、SCALP-EG/ストーム・シャドウ巡航ミサイルレーザー誘導爆弾ALARM対レーダーミサイルといった多様な兵装を搭載できる。

ハリアー (GR.7/GR.7A/GR.9) がトーネードを補完し、これらは航空阻止 (AI)・近接航空支援 (CAS)・敵防空網制圧 (SEAD) などの任務に陸上または艦上から投入されていたが、2011年4月までに退役することとされた。2010年11月24日には空母からの最後の運用を行った。

将来的には攻撃任務においてもタイフーンと導入予定のF-35が主力になる予定である。

早期警戒機[編集]

機上空対空レーダーを搭載するセントリー AEW.1は、侵攻する敵性機を探知する早期警戒を行うとともに、戦闘空域の調整も行う。セントリー AEW.1はRAF ウォディントン (Waddington) 基地に配備されている。トーネードとセントリーはイラクバルカン半島など国外でも任務を行った。

偵察機[編集]

センチネル R.1

攻撃機の派生型であるトーネード (GR.4A) は専用偵察ポッドを搭載して偵察機として運用されている。広い波長域にわたるカメラ・赤外線センサ・レーダーを搭載している。国防省は、切迫した前線の状況に対応するため、2007年に無人偵察機MQ-9 リーパーを購入し、運用に向けて試験した。2008年にはネバダ州クリッチ空軍基地の第39飛行隊へ配備、アフガニスタンへ派遣され、インテリジェンス、監視、偵察 (ISR) 任務に従事した [11]

ニムロッド R.1は電子偵察・通信傍受任務に従事している。ニムロッド R.1の任務を補うため、シャドウ R.1が少数購入された。

ボンバルディア グローバルエクスプレス (BD-700) を元に開発されたセンチネル R.1は、アメリカ空軍E-8 JSTARSが果たしているのと同様の陸上部隊支援任務を遂行するために、ASTOR対地レーダーを備えている。

哨戒機[編集]

ニムロッド MR.2

ニムロッド MR.2が対潜水艦戦闘 (ASW) と対水上艦戦闘 (ASUW) 任務に従事している。加えて同機は、長大な航続距離と強力な通信装置を生かし、救難ヘリ・艦艇・沿岸基地間の通信を橋渡しすることで、捜索救難ミッションにおける調整役をも担っている。さらに、海上を漂流する人々に対して、救命ボートとサバイバル用品を搭載するポッドを投下することも可能である。

捜索救難機[編集]

戦闘やトラブルが原因で不時着したり、射出座席で脱出したりした搭乗員の救出を主任務とするヘリコプター3個飛行隊が存在している。このうちシーキング(HAR.3とHAR.3A)を装備する第22飛行隊と第202飛行隊はイギリス本国にあり、グリフィン HAR.2を装備する第84飛行隊はキプロスにある。

軍事部隊Search and Rescue Forceとして設置されてはいるものの、実際には海上の船舶や山岳などから民間人を救出する任務が大部分を占めている。

支援ヘリコプター[編集]

兵士や装備を戦場へと送り出したり、戦場から別の戦場へと輸送して陸上部隊を支援することは、RAFの重要な任務である。支援ヘリコプターは、命令系統を統一するため1999年に創設されたジョイント・ヘリコプター・コマンド (Joint Helicopter Command) に所属する。

大型のタンデムローターを持ち、重量物の輸送を引き受けるチヌーク(HC.2とHC.2A)がRAF オディハム (Odiham) 基地に、チヌークを支援するマーリン HC.3とより小型のピューマ HC.1がRAF ベンソン (Benson) 基地とRAF オルダーグローブ (Aldergrove) 基地に展開している。

輸送機・空中給油機[編集]

ハーキュリーズ C.5 (C-130J)

1995年に王室用飛行班 (Queen's Flight) はBAe 125 CC.3を装備する第32飛行隊に吸収され、VIP(要人)輸送を受けもつ第32王室飛行隊となった。第32王室飛行隊はBAe 125 CC.3の他にアグスタ A109BAe 146 CC.2などを運用し、ロンドンの西に位置するRAF ノーソルト (Northolt) 基地に駐留している。

RAF ブライズ・ノートン (Brize Norton) 基地のトライスターVC-10は貨物、兵士とその装備を輸送する通常の任務だけでなく、タンカー機能を有するものは空中給油機としても運用されている。また、RAFはバディ式を採用しており、タンカー同士の空中給油も可能である。

輸送にはリネハム (Lyneham) 基地に駐留するC-130 ハーキュリーズが単機または数機で任務ごとに派遣されている。ハーキュリーズはK型に代わるC-130J スーパーハーキュリーズの装備が1998年に始まっているが、ボーイング社から長期リースC-17 グローブマスター IIIの運用を開始した。運用中のグローブマスター IIIもリースの期限に併せて購入し、RAFはグローブマスター IIIの保有数を増やすことで戦略輸送力の強化を果たした[12]

練習機[編集]

ツカノ T.1

初等訓練用の練習機としては、いずれもレシプロエンジン単発の、スリングスビー ファイアフライ (Slingsby Firefly) かチューター T.1 (Tutor) のいずれかが使用される。チューターは、バイキング T.1 (Viking) とヴィジラント T.1 (Vigilant) と共に、パイロット候補生の飛行経験確保にも使われている。

中等課程では、固定翼機にはターボプロップ単発のツカノ T.1を、ヘリコプターにはエキュレイユ T.1を使用している。

高等課程においては、ホーク T.1が高速ジェット機、グリフィン HT.1がヘリコプター、スーパーキングエア T.1が多発機の課程で、それぞれ用いられている。

高等課程を終えた段階では第一線の部隊に必要な経験と能力が不十分であり、それらを機種・任務別に支援するため予備飛行隊において、タイフーン T.1などの実戦機の訓練用派生型機が使用される。

次世代機[編集]

RAFの航空機は運用している期間を通じて更新と改良を受け、状態が維持されているが、新型機が現行機と交代し、必要であれば新しい任務に就く。

  • C-130K ハーキュリーズは、間もなく配備されるエアバス A400Mと交代されることになっている[13]
  • チヌークも特殊部隊の任務のため航続距離を増やし、アビオニクスを改良した新型のHC.3が開発された。配備はソフトウェアと法的問題で遅れた。
  • 配備されているホークが、実戦部隊と同様の機器と性能をもつ新型のホーク T.2(Mk.128)と交代する[14]
  • 旧式化した空中給油機のL-1011 トライスターとVC-10は、次期戦略給油機英語版 計画の元でボイジャーKC.2/KC.3と交代する。
  • アメリカ空軍が運用していたボーイング RC-135Rを3機購入し、RC-135Wへ改装した上でニムロッド R.1と交代する予定である[15]

海外展開[編集]

配備 国籍 時期 注記
RAF Gibraltar ジブラルタル 1940年代 –
RAF Unit Goose Bay カナダ 1940年代 –
RAF Akrotiri
RAF Nicosia
RAF Luqa
RAF Hal Far
キプロス 1956年 –
Bardufoss Air Station ノルウェー 1960年 –
RAF Ascension Island アセンション島 1981年 –
RAF Mount Pleasant フォークランド諸島 1984年 –
ボスニア・ヘルツェゴビナ
コソボ
ボスニア・ヘルツェゴビナ
コソボ
1995年 – ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争
コソボ紛争
国際治安支援部隊 アフガニスタン 2001年 – アフガニスタン紛争 (2001年-)
バスラ イラク 2003年 – イラク戦争

出典[編集]

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  1. ^ RAF – New Structure” (英語). Royal Air Force. 2009年5月16日閲覧。
  2. ^ UK Defence Statistics” (英語). 2009年5月16日閲覧。
  3. ^ armedforces.co.uk. “RAF COMMAND AND ORGANISATION” (英語). 2009年5月16日閲覧。
  4. ^ a b 英語ではアメリカ空軍式のGroupとwingは指揮階梯が逆転している。また、日本語書籍の中では逐語訳のGroup・航空群およびWing・航空団がある。源田考「アメリカ空軍の歴史と戦略」芙蓉書房 2008年、のP29ではウィリアム・ミッチェルの米空軍構想では航空師団、航空団、飛行群、飛行隊とある。
  5. ^ 石川潤一「世界の空軍」イカロス出版 2009年、ではアメリカ空軍のGroupとの区別のため「航空集団」が用いられている。
  6. ^ Military Balance 2007
  7. ^ イギリス軍では准将は佐官扱いとなる。
  8. ^ 空軍連隊のみ
  9. ^ RAF – Aircraft” (英語). Royal Air Force. 2009年5月16日閲覧。
  10. ^ David Vallis. “Air base in front line fully-armed” (英語). The Salisbury Journal. http://www.salisburyjournal.co.uk/news/1792468.air_base_in_front_line_fullyarmed/ 2009年5月16日閲覧。 
  11. ^ RAF – MQ-9 Reaper” (英語). Royal Air Force. 2011年2月22日閲覧。
  12. ^ RAF – C-17A Globemaster III” (英語). Royal Air Force. 2011年2月22日閲覧。
  13. ^ RAF - A400M” (英語). Royal Air Force. 2009年5月16日閲覧。
  14. ^ RAF - Hawk 128” (英語). Royal Air Force. 2009年5月16日閲覧。
  15. ^ Hoyle, Craig (2010年3月22日). “UK approves Rivet Joint purchase”. Flight International. 2011年2月22日閲覧。

外部リンク[編集]