イギリス軍の階級

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イギリス軍の階級イギリスの軍事組織において、その構成員の上下関係を明確にするために定められた序列である。

英国軍の階級[編集]

英国軍には OR-5 に該当する階級はない。

英国海兵隊・英国陸軍・英国空軍の下級下士官 (Junior NCOs) は上級下士官 (Senior NCOs) と異なり、兵と同じ兵舎や食堂を使用する。

英国軍の階級呼称一覧
NATO階級符号
(NATO Rank Code)
英国海軍
(Royal Navy)
英国海兵隊
(Royal Marines)
英国陸軍
(British Army)
英国空軍
(Royal Air Force)
士官 (OFFICERS)
将官
OF-10
(元帥)
Admiral of the Fleet - Field Marshal Marshal of the Royal Air Force
OF-9
(大将)
Admiral General General Air Chief Marshal
OF-8
(中将)
Vice Admiral Lieutenant General Lieutenant General Air Marshal
OF-7
(少将)
Rear Admiral Major General Major General Air Vice Marshal
佐官
OF-6
(代将)
Commodore Brigadier Brigadier Air Commodore
OF-5
(大佐)
Captain Colonel Colonel Group Captain
OF-4
(中佐)
Commander Lieutenant Colonel Lieutenant Colonel Wing Commander
OF-3
(少佐)
Lieutenant Commander Major Major Squadron Leader
尉官
OF-2
(大尉)
Lieutenant Captain Captain Flight Lieutenant
OF-1
(中尉)
Sub-Lieutenant Lieutenant Lieutenant Flying Officer
OF-1
(少尉)
2nd Lieutenant 2nd Lieutenant Pilot Officer
見習士官
OF(D)
(士官候補生)
Midshipman - Officer Designate Officer Designate
その他の階級 (OTHER RANKS)
准士官 (Warrant Officers)
OR-9 Warrant Officer Class 1
(一等准尉)
Warrant Officer Class 1 Warrant Officer Class 1 Warrant Officer
(准尉)
OR-8 Warrant Officer Class 2
(二等准尉)
Warrant Officer Class 2 Warrant Officer Class 2 -
  海軍下士官 (Senior Ratings) 上級下士官 (Senior Non-Commissioned Officers)
OR-7 Chief Petty Officer
(上等兵曹)
Colour Sergeant
(曹長)
Staff Sergeant Flight Sergeant / Chief Technician
OR-6 Petty Officer
(兵曹)
Sergeant
(軍曹)
Sergeant Sergeant
  海軍兵 (Junior Ratings) 下級下士官 (Junior Non-Commissioned Officers)
OR-4 Leading Rate
(水兵長)
Corporal
(伍長)
Corporal Corporal
OR-3 - - Lance Corporal -
    (Unranked Personnel)
OR-2 Able Rate
(一等水兵)
Marine Private (Classes 1から3) Junior Technician /
Leading Aircraftman /
Senior Aircraftman
OR-1 - - Private (Class 4) / Junior Aircraftman

海軍は海兵隊含む。

英国国防省の官等一覧
NATO階級符号
(NATO Rank Code)
英国国防省で同等の官等
(Ministry of Defence civilian grade equivalent)
OF-10及びOF-9 Permanent Under Secretary(事務次官)/
2nd Permanent Under Secretary(第二事務次官)
OF-8 Senior Civil Service 3-star(三つ星高級官僚:旧二等官 (Grade 2)、次官代理 (Deputy Under Secretary):外局長官級・総局長官級)
OF-7 Senior Civil Service 2-star(二つ星高級官僚:旧三等官 (Grade 3)、次官補 (Assistant Under Secretary):局長級)
OF-6 Senior Civil Service 1-star(一つ星高級官僚:旧四等官・五等官 (Grades 4 and 5)、理事 (Executive Director) 及び次官補代理 (Assistant Secretary):部長級・局次長級)
- Band B1(旧六等官 (Grade 6)、上級首席行政官 (Senior Principal Officer) 及び同等の官等)
OF-5 Band B2(旧七等官 (Grade 7)、首席行政官 (Principal Officer) 及び同等の官等)
OF-4 Band C1(旧上級上席行政官 (Senior Executive Officer) 及び同等の官等)
OF-3 Band C2(旧上席行政官 (Higher Executive Officer) 及び同等の官等)
OF-2 Band D(旧行政官 (Executive Officer) 及び同等の官等)

陸軍[編集]

括弧内の英語呼称の右はNATOコード
イギリス陸軍では、外国軍の陸軍准将に相当する陸軍代将[注釈 1]佐官に位置付けられ、上等兵伍長は下級下士官として扱われる。

士官[編集]

士官の階級章は肩章で著される。尉官は◇形の星の数で、佐官は星と王冠の組み合わせで、将官は星、王冠と、と指揮杖をX字型に交差させた意匠の組み合わせで表される。元帥は王冠と、X字形に交差させた元帥杖の組み合わせで表される。
外国軍の准将に相当する代将佐官に位置付けられているため、将官ではなく階級章も佐官系統のものとなっている。

将官

  • 元帥(Field Marshal、OF-10)
  • 大将(General、OF-9)
  • 中将(Lieutenant General、OF-8)
  • 少将(Major General、OF-7)

佐官

尉官

准士官並びに下士官兵卒[編集]

准士官並びに下士官兵卒の階級章は上腕部の袖章で表される。准士官は王冠、紋章を基本にした徽章で、上級軍曹から上等兵まではV字形の徽章で表される。兵卒には階級章が無い。

准士官以下の階級呼称、階級章及び階級数は兵科及び所属部隊によって異なる。以下に示すのは標準的な例である。イギリス陸軍においては、補給物資・需品等の管理は伝統的に部隊の古参下士官の職務とされており、補給担当下士官は一般に高位である。また、小隊先任下士官と分隊長が階級としては同一であるなど、階級数は他国と比較してやや少なめである。

イギリス陸軍では准士官は女王の認証状によって士官に准ずるとされる階級で、米陸軍のような独立した階級では無い。また"Warrant Officer"とは階級の区分であり、実際の階級名・階級章は各連隊等によりまちまちである。中には「連隊蹄鉄鍛冶伍長」「ヨーマン信号手」のような、そうと知らなければ准士官とはまず分からない階級名もある。
1879年発行の認証状に"superior to that of all non-commissioned officers."とあることを根拠に、王立補給軍団付軍曹であるコンダクター(Conductor/補給調整官という程度の意味)が全下士官中の最先任とされている。ただし最先任とは言っても形式上の序列の話であり、米陸軍陸上自衛隊の最先任下士官のような全下士官・兵を統括するような職責があるわけではない。

  • 1等准尉(王立補給軍団付先任軍曹)(Warrant Officer Class One (Conductor)OR-9)
  • 1等准尉(連隊先任軍曹)(Warrant Officer Class One(Regimental Sergeant Major) OR-9)
  • 2等准尉(連隊補給軍曹)(Warrant Officer Class Two (Regimental Quartermaster Sergeant)、OR-8)
  • 2等准尉(中隊先任軍曹)(Warrant Officer Class Two (Company Sergeant Major)、OR-8)

中隊補給軍曹は歩兵部隊ではColour Sergeant、それ以外の部隊ではStaff Sergeantと呼ばれることが多い。いずれの場合も中隊司令部の幕僚要員であり、下士官としては高位である。また、イギリス陸軍では中隊補給軍曹またはそれ以上の下士官を単に"Sergeant"と呼ぶことはたとえ士官であっても非常に失礼なことであり、"Staff sergeant"、"Colour Sergeant"あるいは"Quartermaster sergeant"などのように必ず明確に区分した呼称が用いられる。
Colour Sergeantは直訳すれば「軍旗軍曹」となることからも分かるように、元々は中隊の旗手であり、現代でも式典等では旗手役を務めることが多い。

  • 上級軍曹(旧日本陸軍にならって曹長と訳されることが多い)(中隊補給軍曹)(Staff Sergeant/Colour Sergeant、OR-7)
  • 軍曹(小隊先任軍曹/分隊長)(Sergeant、OR-6/OR-5)
  • 伍長/砲兵伍長(Corporal/Bombardier、OR-4)
  • 上等兵(Lance-Corporal/Lance-Bombardier、OR-3)
  • 兵卒(Private 等(兵科及び所属部隊によって呼称が異なる)、OR-2)

海軍[編集]

英国海軍は2004年4月1日に二等准尉 (Warrant Officer Class 2) を導入した。この変更の結果、上級上等兵曹 (Charge Chief Petty Officers) は OR-7 から OR-8 に分類し直された。

1999年4月1日に統合された海軍上等兵 (Able Rating) と海軍一等水兵 Ordinary Seamen) の階級は、海兵隊上等兵 (Marine 1st Class) と海兵隊一等兵 (Marine 2nd Class) に相当した。海軍二等兵 (Junior Rating) と海兵隊二等兵 (Junior Marine) の階級も廃止された。

英国軍ではOF-6 の階級は将官ではなく佐官である。

海兵隊[編集]

英国海兵隊士官の階級は1999年7月1日に陸軍の階級に揃えられた(以前は英国海兵隊の大佐 (Colonel) から下の士官は陸軍の階級より1つ上であった)。

空軍[編集]

多くの欧米諸国の軍では、空軍軍人(特に士官・将校)の階級は、陸軍軍人と同一の階級呼称が準用されているが、イギリス空軍は陸軍や海軍とは別枠の階級呼称が用いられている。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 正確には階級ではなく、旅団長たる陸軍大佐の職位である。

出典[編集]

関連項目[編集]