国連軍 (朝鮮半島)

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朝鮮半島における国連軍(こくれんぐん または 朝鮮国連軍 United Nations Command,UNC)について解説する。

概要[編集]

1950年6月25日(現地時間)、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が大韓民国(韓国)に侵攻し、朝鮮戦争が勃発した。国際連合安全保障理事会は、ソ連が欠席しているため、アメリカ合衆国が主導し、6月25日の国際連合安全保障理事会決議82[1]にて北朝鮮の武力攻撃を非難し、韓国への援助を求めた。

アメリカは、韓国政府からの要請を受けて6月27日に軍事介入を決断しており、安保理も、6月27日の国際連合安全保障理事会決議83[2]にて軍事力の行使を認めている。7月7日、国際連合安全保障理事会決議84[3]において、北朝鮮に対抗するために、アメリカが指揮を執る多国籍軍の編成を要請した[4]

他国籍軍については、アメリカ軍の司令官が指揮を執り、参加各国の国旗とともに国際連合の旗を使用する権限(Authorizes the unified command at its discretion to use the United Nations flag)が与えられている。この軍は、国際連合憲章第7章に基づく、安保理が指揮する国連軍ではないが、国際連合の決議に基づき、その名称使用が認められている[5]

7月8日に、ハリー・S・トルーマン大統領は、ダグラス・マッカーサーを国連軍司令官に任命した[6]。国連軍には、イギリストルコフランスベルギーなど16ヶ国が参加し[4][5]、国連非加盟であった大韓民国は、1950年7月15日の大田協定により、作戦指揮権(operational command)を国連軍に委ねている[5]。1953年7月の朝鮮戦争休戦協定は国連軍が当事者となっており、以後も組織は存続している。このうち、アメリカ軍と韓国軍については、1978年11月に米韓連合司令部(ROK-US Combined Forces Command,CFC)が設置され、連合部隊として指揮される[5]。なお、作戦指揮権は、1954年に作戦統制権(operational control)に名称が変更されている[7]

国連軍司令官と米韓連合軍司令官は兼職であり、アメリカ軍人がその地位にある[5]。ただし、国連軍司令官は、休戦協定の維持が責務であり、統合参謀本部の隷下にあり、参加各国軍(主力は米韓連合軍)の指揮を行うのに対し、米韓連合軍司令官は、米韓の合同組織である軍事委員会の隷下にあり、韓国防衛が責務で、米韓連合軍の指揮を執るとの差異がある[8]

結成当時アメリカやイギリスなどの連合国軍の占領下にあった日本はこの国連軍に参加してはいないが、設置時の司令部は、当時日本の占領を指揮していた連合国軍最高司令官総司令部の本拠地があった東京にあり、1951年に吉田・アチソン交換公文が交わされ、占領を脱した後の1954年に「日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定」(国連軍地位協定)が締結されたことに基づき、国内に国連軍施設が設置されている[5][9]。1957年に司令部が韓国に移転した[5]後も、後方司令部がキャンプ座間に置かれ、これは2007年に横田基地に移転している[9]

1953年時点の兵力[編集]

国連軍の1953年7月27日時点の総兵力は932,964人であり、参加各国別の兵力は以下の通り[10]

脚注[編集]

  1. ^ 安全保障理事会決議82
  2. ^ 安全保障理事会決議83
  3. ^ 安全保障理事会決議84
  4. ^ a b 等雄一郎・福田毅・松葉真美・松山健二. “多国籍軍の「指揮権」規定とその実態(調査と情報 第453号)”. 国立国会図書館. 2017年6月26日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g 日本列島と朝鮮半島3 求められる将来を見通す「目」,藤井非三四,軍事研究 2013年7月号,P148-161,株式会社 ジャパンミリタリレビュー
  6. ^ 「敗走」破竹の進撃の北朝鮮軍 さらに南へ、国連軍の戦術的後退は続く,田中恒夫,朝鮮戦争 38度線・破壊と激闘の1000日 P34-39,学習研究社,2007年,ISBN 978-4056047844
  7. ^ 倉田秀也 (2011年3月). “米韓同盟と「戦時」作戦統制権返還問題”. 日米関係の今後の展開と日本の外交. 財団法人日本国際問題研究所. 2017年6月26日閲覧。
  8. ^ SAM-YEOL JANG (2001年4月). “The Role and Command Relationship of the USFK in the Changing Security Environment”. ARMY WAR COLLEGE. 2017年6月26日閲覧。
  9. ^ a b 朝鮮国連軍地位協定”. 日本国外務省 (2016年7月27日). 2017年6月26日閲覧。
  10. ^ United States Forces Korea. “United Nations Command (アーカイブ)”. 2013年3月12日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2017年6月27日閲覧。