北アイルランド議会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
北アイルランド議会議事堂

北アイルランド議会(きたアイルランドぎかい)は、北アイルランドの議会であり、歴史上、以下の2つが存在する。

  1. 1920年アイルランド統治法により設立され、北アイルランド紛争の激化でイギリス政府による直接統治が始まる1972年まで存在した、Parliament of Northern Ireland(旧議会)。地元では、イギリスの「ウェストミンスター議会」、南アイルランド(アイルランド共和国)の「レンスター議会」に対し、「ストーモント議会」と通称されていた。
  2. 1998年ベルファスト合意によって設立された、Northern Ireland Assembly(愛:Tionól Thuaisceart Éireann・現議会)

議事堂は、ベルファスト東部のストーモントに置かれている。

旧議会[編集]

以下の上下院から構成される両院制だった。

庶民院は、小選挙区制を採用していた。が、北アイルランドを「プロテスタントイギリス国教会)によるプロテスタント国家」とみなすアルスター統一党が常時30議席以上を占め、与党によるゲリマンダーが頻繁に起こっていた。このことが、カトリック系住民間での公民権運動の高まりとあいまり、北アイルランド紛争の原因の一つとなった。

結果、1972年1月30日に発生した「血の日曜日事件」を端緒とするカトリック系とプロテスタント系との武力衝突に対処できず、同年3月30日の北アイルランド暫定法(en:Northern Ireland (Temporary Provisions) Act 1972)で停止され、翌1973年7月18日に北アイルランド憲法法(en:Northern Ireland Constitution Act 1973)によって正式に廃止された。以来、北アイルランドは、イギリス政府による直接統治の時代を迎える。

現議会[編集]

北アイルランド議会
Norlin Airlan Assemblie
Tionól Thuaisceart Éireann
第6回議会
紋章もしくはロゴ
種類
種類
役職
議長
ロビン・ニュートン民主統一党)、
2016年5月12日より現職
構成
定数 90
Sixth (NI) Assembly.svg
院内勢力

ユニオニスト (40)

ナショナリスト (39)

その他 (11)

委員会
歳費・報酬 年額£48,000 per + expenses
(現在は£35,888に減額中)
選挙
前回選挙
2017年3月2日
次回選挙
2022年5月5日以前
議事堂
StormontGeneral.jpg
NI Assembly chamber.png
ベルファスト
議会議事堂
ウェブサイト
www.niassembly.gov.uk

直接統治の時代も、1973年6月の新議会(現在と同じ名称の「Northern Ireland Assembly」)をはじめ、1975年北アイルランド制憲議会)、1982年Northern Ireland Assembly(第2次))、1996年北アイルランドフォーラム)と、立法機関の再建が試みられてきた。

1998年4月10日に成立したベルファスト合意によって議会の再建が定められ、1973年、1982年と同じ名称である「Northern Ireland Assembly」とされた。選挙は、同年6月25日に実施され、新しい北アイルランド議会は、7月1日より活動を開始した。

現議会は、ベルファスト合意第1条、及び、1998年北アイルランド法(en:Northern Ireland Act 1998)に基づき、単記移譲式投票に基づく比例代表制で選出された108人の議員から構成される一院制の議会である。

2002年10月、北アイルランド政府(en:Northern Ireland Executive)と共に機能停止に追い込まれたが、2006年5月に再開し、セント・アンドルーズ合意を経て2007年5月に北アイルランド政府の再建を達成した。

相次ぐ議会の停止[編集]

北アイルランドでは、ベルファスト合意に基づきユニオニスト(英国派)とナショナリスト(アイルランド派)が権力を共有している。 ユニオニストとナショナリストのうち、選挙で勝った方の最大政党が自治政府の首席大臣を出し、もう片方の最大政党が副首席大臣を出さなければならない。 なお、両大臣の権限は完全に対等となっており、副と付くものの従属関係にはない。 この共同自治の体制は、両者の対立によって不安定になりやすく、これまでに5回停止している。

  • 2000年2月11日 - 5月30日
  • 2001年8月10日(24時間停止)
  • 2001年9月22日(24時間停止)
  • 2002年10月14日 - 2007年5月7日
  • 2017年1月9日 – 現在

2017年からの議会停止及び自治政府の崩壊は現在に至るまで続いており、イギリス政府による直轄統治が復活する可能性が高まっている[1][2]

2019年10月21日には、同性婚と中絶の合法化に伴う審議のために議会が一時的に再開したものの、ナショナリスト側のシン・フェインが欠席したために自治政府を復活させることに失敗、イギリス議会の可決した法案に修正を加えることはなかった[3]。 なお、この法案は英国内の他の地方とおおむね同じ規定を施行するための措置としてロンドンのイギリス議会が通したもので、北アイルランド以外のイングランド、ウェールズ、スコットランドでは既に合法化されていた[3]


選挙結果[編集]

2017年北アイルランド選挙[編集]

2016年北アイルランド選挙[編集]

2011年北アイルランド選挙[編集]

2011年選挙(5月6日施行)における議席数は、以下の通り。

政党名 派閥 特徴 議席数
民主統一党(DUP) ユニオニスト強硬派 保守派、プロテスタントの宗教色が強い 38
シン・フェイン ナショナリスト強硬派 IRA暫定派に関係する 29
社会民主労働党(SDLP) ナショナリスト 社会民主主義 14
アルスター統一党(UUP) ユニオニスト 保守派 13
同盟党 無派閥 リベラル 8
北アイルランド緑の党 無派閥 緑の党 1
伝統的ユニオニストの声(TUV) ユニオニスト最強硬派 DUP右派が2007年離脱し結党 1
無所属 1

脚注[編集]

[ヘルプ]

関連項目[編集]