芝浦工業大学

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芝浦工業大学
芝浦工業大学 豊洲キャンパス
大学設置 1949年
創立 1927年
学校種別 私立
設置者 学校法人芝浦工業大学
本部所在地 東京都江東区豊洲3-7-5
北緯35度39分36.9秒 東経139度47分39.9秒 / 北緯35.660250度 東経139.794417度 / 35.660250; 139.794417座標: 北緯35度39分36.9秒 東経139度47分39.9秒 / 北緯35.660250度 東経139.794417度 / 35.660250; 139.794417
キャンパス 豊洲(東京都江東区
大宮(さいたま市見沼区
芝浦(東京都港区
学部 工学部
システム理工学部
デザイン工学部
研究科 大学院工学研究科
大学院工学マネジメント研究科
ウェブサイト http://www.shibaura-it.ac.jp/
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芝浦工業大学(しばうらこうぎょうだいがく、英語: Shibaura Institute of Technology)は、東京都江東区豊洲3-7-5に本部を置く日本私立大学1927年創立、1949年大学設置。大学の略称芝浦工大(しばうらこうだい)芝浦(しばうら)。

芝浦キャンパス

概観

大学全体

1927年、有元史郎が東京高等工商学校として創設した。工科系を専門とする。

建学の理念

創設者 有元史郎は「実用的な技術と知識を併せ持ち技術立国を担う技術者、さらに高い倫理観と鋭い見識を備えた技術者を育成する」という建学の理念を掲げた。芝浦工業大学は多数の有為な人材を輩出しており、卒業生は堅実に仕事が出来る技術者として評価されている。

教育および研究

教授の丁寧な指導の他、現代文化の諸相を教材として活用し、社会的活動の意義を体得する実学教育が行われている。

沿革

略歴

芝浦工業大学は1927年に設立された東京高等工商学校[1]を前身とし、現在の芝浦工業大学が設置されたのは1949年である。 大学基準協会が認定した34校の公私立大学のうちの1つに選ばれている。

年表

  • 1927年11月4日 荏原郡大森3-2に東京高等工商学校設立(創立者有元史郎)、5月開校
  • 1929年7月 商業学科を廃止し東京高等工学校[2]と改称
  • 1930年 東京高等工学校付属普通部設置(付属第一高校の前身)
  • 1943年12月 芝浦高等工学校と改称
  • 1944年3月 芝浦高等工学校を改編し芝浦工業専門学校設立
  • 1948年 芝浦高等学校(新制)設置
  • 1949年 芝浦工業大学を設置し、工学部機械工学科、土木学科を開設
  • 1950年 工学部に、電気工学科を増設。芝浦工業短期大学を設置し、機械科、電気科を開設。1953年学校法人鉄道育英会を吸収合併、東京育英高等学校(定時制)の経営を継承(高等学校の前身)
  • 1954年 工学部に建築学科、工業化学科を増設。芝浦高等学校を芝浦工業大学工業高等学校、東京育英高等学校を芝浦工業大学高等学校と校名変更。工業研究所設置(工学研究所の前身)
  • 1956年 工学部二部(5年制)を設置し、機械工学科、電気工学科を開設
  • 1959年 工学部一部に金属工学科、電子工学科を増設
  • 1962年 学校法人芝浦学園を学校法人芝浦工業大学と名称変更
  • 1963年 芝浦工業大学大学院工学研究科修士課程を設置、電気工学専攻、金属工学専攻、工業化学専攻を開設
  • 1965年 工学部一部に、機械工学第二学科、通信工学科、建築工学科、工業経営学科を増設
  • 1966年 埼玉県大宮市に大宮キャンパス開校
  • 1970年 工学研究所発足
  • 1975年 工業高等学校を芝浦工業大学付属第一高等学校と校名変更
  • 1976年 大学院工学研究科修士課程に、機械工学専攻、建設工学専攻を増設
  • 1980年 芝浦工業大学柏高等学校開設
  • 1982年 東京都板橋区に、芝浦工業大学高等学校を移転し、中学校併設
  • 1983年 芝浦工業短期大学廃止
  • 1984年 芝浦工業大学付属第一高等学校廃止
  • 1987年 教育・研究センター発足
  • 1991年 大学にシステム工学部を設置。(「ニュートンの林檎の木」植樹)電子情報システム学科、機械制御システム学科、環境システム学科を開設
  • 1995年 大学院工学研究科博士(後期)課程を設置、地域環境システム専攻、機能制御システム専攻を開設。工学部二部電気設備学科を開設
  • 1996年 大学及び大学院の金属工学の名称を、材料工学に変更
  • 1997年 先端工学研究機構を設置。工学研究所、工学・教育センター廃止。創立70周年。会津高原高杖セミナーハウス開設。
  • 1998年 中学・高等学校猪苗代合宿教育センター開設
  • 1999年 芝浦工業大学柏中学校開設
  • 2000年 システム工学部10周年
  • 2001年 工業化学科を応用化学科に、工業経営学科を情報工学科に、工業化学専攻を応用化学専攻に名称変更
  • 2003年 専門職大学院工学マネジメント研究科専門職学位課程を設置。工学マネジメント専攻を開設
  • 2004年 電気工学専攻を電気電子情報工学専攻に名称変更
  • 2006年 東京都江東区に豊洲キャンパス開校。旧芝浦キャンパスに所属していた組織はすべて豊洲キャンパスに移転し、旧芝浦キャンパスは再開発のため解体された。
  • 2007年 創立80周年
  • 2008年 システム工学部に生命科学科を増設。「チャレンジSIT-90」作戦始動。SIT総合研究所を設置。
  • 2009年 旧芝浦キャンパス跡地に芝浦キャンパスを開校。芝浦キャンパスにデザイン工学部を開設。工学部機械工学第二学科を機械機能工学科に名称変更。システム工学部をシステム理工学部に名称変更。システム理工学部に数理科学科を開設。

近年の芝浦工業大学

芝浦工業大学は2007年に創立80周年を迎えた。それに伴い、創立90周年に向けた大学活性化プロジェクト「チャレンジSIT-90」作戦が柘植綾夫前学長(2012年3月任期満了)によって発令され、教職員、学生を問わず、全学を挙げた取り組みとなっている。

また、2010年6月に理事長に就任した五十嵐久也は創立100周年に向けた経営ビジョン「五十嵐ドクトリン」を発表し、中長期の大目標として、本学が創立100周年を迎える2027年には、我が国の工学系私学として揺るぎなきトップブランドを確立し、早・慶・芝浦という社会的評価を得ることを掲げている。直近の2011年度における行動としては、SIT総合研究所強化、MOT改革、トップ大学との連携強化などが打ち出されている。

学生による活動の例としては、芝浦工業大学文化会の第34代執行委員長(2008年就任)によって「SIT/C-90」なるプロジェクトが立ち上げられ、学生自らの手による大学発展が提案されている。34代執行委員長はこのプロジェクトの中で、近年腐敗気味であった文化会の再建(会議運営の効率化や資金運用方法の再検討など)を計画している。

  1. ^ 1903年に創立された埼玉工業大学の前身である私立「東京商工学校(1910年に東京高等商工学校と改称)」は別の学校
  2. ^ 名称が類似する官立「東京高等工業学校(現在の東京工業大学)」とは別の学校

基礎データ

所在地

  • 豊洲キャンパス(東京都江東区豊洲3-7-5)
  • 大宮キャンパス(さいたま市見沼区深作307)
  • 芝浦キャンパス(東京都港区芝浦3-9-14)

象徴

校章

校歌

北原白秋作詞、山田耕筰作曲。創立者有元史郎が北原白秋に作詞を依頼。1941年(昭和16年)に完成。歌詞の「夢むな空理の 漠々たるを」は空理空論を改め“実学”を重んじた有元史郎の面目躍如。最近では、カラオケの一部機種で歌うことが可能である。 実際のところは北原白秋が作詞したのは東京高等工学校のもので現在は学校名を変えて歌われている。

教育および研究

組織

学部

大学院

附属機関

  • 附属機関
    • 先端工学研究機構
  • 学術情報センター
  • 図書館
    • 豊洲キャンパス図書館
    • 大宮キャンパス図書館
    • 芝浦キャンパス図書館

学生生活

学園祭

学園祭は11月に豊洲キャンパスで開催される「芝浦祭」と、5月に大宮キャンパスで開催される「大宮祭」がある。

サークル

  • ロボットサークルが多く存在し、大会参加をメインとした「文化会SRDC」や、主に小学生を対象としたイベントを行う「文化会ロボット遊交部からくり」などがある。
  • 体育会系サークル芝浦工業大学FormulaRacingは2007年に行われたFormulaSAE WESTでアジアの大学では初の海外大会入賞となる第9位になった。日本大会である全日本学生フォーミュラ大会では毎年好成績を残している。
  • 文化会Team Birdman Trialは2008年に行われた第32回鳥人間コンテスト選手権大会で準優勝した。2人乗り人力飛行機としては(自称)世界記録にあたる3044.00mという記録を保持する。
  • 芝浦工業大学硬式野球部東都大学野球連盟に加盟している。

大学関係者と組織

大学関係者組織

  • 芝浦工業大学には学生上部団体の「工学部学生会」通称:学生会と「システム工学部学生自治会」通称:シス自が存在する。
  • 芝浦工業大学には文化系サークル連合の「芝浦工業大学文化会」がある。
  • 芝浦工業大学には体育会サークル連合の「芝浦工業大学体育会」がある。
  • 芝浦工業大学の事業団体として「エスアイテック」と称する会社が存在する。
  • 芝浦工業大学の同窓会は「芝浦工業大学校友会」と称する。
  • 芝浦工業大学には大学生活協同組合がある。
  • 芝浦工業大学には保護者組織があり、「芝浦工業大学後援会」と称する。
  • 芝浦工業大学の教職員組合は存在する。
  • 創立者の実娘により「有元記念留学支援基金」が2007年設立された。

大学関係者一覧

施設

キャンパス

豊洲キャンパス

教室棟
教室棟
交流棟

2006年4月に開設されたキャンパス。豊洲キャンパスは旧芝浦キャンパスの4倍に当たる30000m²の敷地面積がある。キャンパスには24時間営業のコンビニエンスストアファミリーマート)が併設されている。キャンパス内に入る大学生協、学食、ファミリーマートではSuica及びPASMOでの支払いが可能である。豊洲キャンパスは凱旋門のような形をした研究棟、教室棟、交流棟の3つの建物があり、それらは渡り廊下で結ばれている。埋め立て地という事もあり、それぞれの建物は免震構造を持っている。そのため渡り廊下は伸縮できるものとなっているのが特徴である。また冷暖房システムはIHI本社ビルから供給を受ける。

豊洲三丁目地区再開発計画で周囲との開放性を失う塀のようなものを作ることは禁止されていたため、校門を作ることができなかった。そこで、学校のシンボルとなる物を模索した結果、凱旋門のようなデザインの研究棟ができた。研究棟のデザインは、校門をイメージしたものであると考えられる。

臨海部の大規模再開発事業として、豊洲という新しい街自体が注目を集める中、先陣を切ってオープンした豊洲キャンパスには、ドラマ、コマーシャル、ファッション関係等からの撮影依頼が数多く舞い込んでいる。研究棟高層階の窓からはお台場レインボーブリッジ東京湾大華火祭東京タワー東京スカイツリーそして本学発祥の地・港区芝浦を見晴るかすことが出来る。

大宮キャンパス

  • 使用学部:工学部、システム理工学部
  • 使用研究科:大学院工学研究科
  • 使用附属施設:先端工学研究機構
  • 交通アクセス:JR宇都宮線東大宮駅(大学シャトルバスで5分)、東武野田線七里駅

主な建物は、大学会館、2号館(新設、2011年度より使用)、3号館、4号館、5号館、6号館、図書館、齋藤記念館、第1・第2体育館、第1・第2・第3学生クラブハウス棟、生協売店・食堂がある。 また、敷地の4割ほどが豊かな森となっている。

さらに、大宮キャンパスの敷地内では、日本人学生と留学生が生活を共にする(仮称)SITグローバルコモンズ(学生寮)の建設が予定されている。収容人数は当初日本人100人、留学生100人を予定するが、最終的には留学生を200人に拡充し、妻帯者用スペースも設ける計画である。

芝浦キャンパス

2009年4月に旧芝浦キャンパス跡地に開設されたキャンパス。旧芝浦キャンパス跡地の再開発計画「芝浦ルネサイト[1]」の一角を担う。ルネサイトとは英語で“芸術・学問の再生”といった意味をもつ「RENAISSANCE」と、“位置・場所・敷地”を意味する「SITE」を組み合わせた造語である。

社会連携

高大連携

都立の工業高校として初めて進学コースを設置した同校に対し、東京都教育庁は本学、東京理科大学東京電機大学に高大連携の要請を出した。それを受け2005年より3大学が協調して先端科学技術講座などの出前授業を実施し、豊洲キャンパスでは見学会も行われている。その後日本工業大学が加わり、現在は4大学体制で高大連携に協力をしている。

板橋、柏の両併設校を除けば、本学が単独で高大連携に協力をする最初の事例となる。豊洲キャンパスと同校は地理的に近いこともあり、単なる高大間を越えた地域間連携に発展させ、協定に特色を出そうとしている。

他大学連携(国内)

●大学間連携

●加盟協定等

また、本学MOT立教大学MBAとの間で単位互換協定が存在する。2009年度からは、大学院工学研究科が海洋大大学院と、デザイン工学部が明治学院大法学部と単位互換を開始し、その後システム理工学部も明学大の講義が聴講できるようになった。

他大学連携(海外)

海外の協定締結校は、東南アジア工科系大学コンソーシアム(ハノイ理工科大学バンドン工科大学キングモンクット工科大学トンブリ校、マレーシア工科大学、ホーチミン市工科大学)の他に、ペンシルベニア州立大学アメリカ)、カリフォルニア大学アーバイン校(アメリカ)、バージニア大学(アメリカ)、レンセラー工科大学(アメリカ)、マックマスター大学(カナダ)、ウィーン工科大学オーストリア)、ローザンヌ連邦工科大学スイス)、ストックホルム王立工科大学スウェーデン)、バーサ工科大学(フィンランド)、ポーランドアカデミー科学技術大学(ポーランド)、ラクイラ大学イタリア)、パリ・ベルヴィル建築大学フランス)、モスクワ建築大学ロシア)など18カ国37の大学・研究機関があり、短期語学研修、研究留学、建築系交換授業、学術交流が行われている。

産学官連携

近時の産学官連携の一例としては、深海探査ロボットプロジェクト「江戸っ子1号」があげられる。これは東京東信用金庫に持ち込まれた東京下町の町工場の提案が発端となり、同信金と連携する本学、海洋大に相談が寄せられ、結果両大学が参加を決め、さらに海洋機構などの協力を取り付け、2012年の完成を目処に、深さ1万1000メートルの海底資源探査に挑むプロジェクトである。 他にもCOE共同採択を目指すなど、海洋大とは今後一層の連携強化を推し進める方針である。

連携大学院

附属学校

公式サイト


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