全日本学生フォーミュラ大会
全日本学生フォーミュラ大会(ぜんにほんがくせいフォーミュラたいかい、Student Formula SAE Competition of Japan)は、2003年に発足した学生による自作レーシングカー(フォーミュラカー)の競技会。社団法人自動車技術会が主催団体。
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概要 [編集]
1981年に米国で始まったフォーミュラSAEに倣い、日本の学生にものづくりの機会を与える目的で2003年に発足された競技大会である。大学や高専、自動車大学校などの学生チームが自作のフォーミュラカーで、タイムアタック競技や設計審査等で競う。2011年には9回目の開催を迎え、エントリーチームは80を超える。社団法人自動車技術会が主催団体。トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業を始め、国内外の自動車関連企業がスポンサードや運営協力を行っている。
マシンはオープンホイールのフォーミュラカー形式で、610cc以下の4サイクルエンジンという制限や安全性に関わる設計規定が定められているが、大会の趣旨どおり設計の自由度は大きめである。日本大会ではスチールスペースフレームで製作されたシャシーにスポーツバイク用の600ccエンジンを搭載し、レース用のスリックタイヤを履くマシンが多く見られるが、単気筒エンジンを搭載するマシンやアルミハニカムモノコック、カーボンモノコックを採用するマシンも見られる。
学生のものづくりを総合的に競うという目的から、競技は単なる完成車によるレース結果だけではなく、設計やコストに関する審査やプレゼンテーションの優劣などをそれぞれポイント化し、最終的にそのポイントの合計で競うという形態をとっている。
第1回および第3回大会は富士スピードウェイ、第2回大会はツインリンクもてぎ、第4回大会以降は小笠山総合運動公園(エコパ)で開催されている。
審査 [編集]
大会で行われる競技は車検(Tech inspection)、静的審査(Static events)、動的審査(Dynamic events)に大別され、静的審査と動的審査の成績に応じて得点が分配される。なお、動的審査に出走するためには車検を通過する必要がある。
車検 [編集]
- 技術検査
レギュレーションを基に、安全性やフレームなどの作り方に問題がないかチェック。
- チルト
車体を45度傾け、ガソリン・オイルなどが漏れないかチェック。
- 騒音
【ICVチームのみ】 排気音レベルが大きすぎないかをチェック。
- ブレーキ
ブレーキの効き具合をチェック。
- レインテスト
【EVチームのみ】 絶縁されているかをチェック。
動的審査 [編集]
アクセラレーション [編集]
75mの直線コースでタイムを競う。各チーム2名のドライバーが2回ずつ、計4回アタックを行いベストタイムで順位を決する。最高得点は75点。パイロンタッチは回数に応じてタイム加算ペナルティが課せられる。
スキッドパッド [編集]
8の字コースを走行しタイムを競う。各チーム2名のドライバーが2回ずつ、計4回アタックを行いベストタイムで順位を決する。パイロンタッチには回数に応じてタイム加算ペナルティが課せられる。最高得点は50点。
オートクロス [編集]
1周約800mの周回コースで1ラップのタイムを競う。各チーム2名のドライバーが2回ずつ、計4回アタックを行いベストタイムで順位を決する。コースアウトやパイロンタッチにはその回数に応じてタイム加算ペナルティが課せられる。最高得点は150点。
エンデュランス、燃費 [編集]
オートクロスと同様の周回コースを約22km連続走行し、タイムを競う。各チーム2名のドライバーが出走し、中間地点でドライバーチェンジを行う。ただし、ドライバーチェンジに要する時間はタイムに加算されない。コースアウトやパイロンタッチにはその回数に応じてタイム加算ペナルティが課せられる。
路面状態の良好な時間帯に上位チームが走行できるよう、オートクロスの順位を基に出走順が決定される。また、複数のマシンがコース上を同時走行するため、専用のパッシングゾーンにおいてマーシャルのブルーフラッグの指示のもと慎重に追い越しが行われる。
エンデュランス完走後、重量計測により消費した燃料量を測定し、算出された燃費に応じてエンデュランスとは別に得点が与えられる。エンデュランスの最高得点は300点。燃費の最高得点は100点。リタイアにより未完走となった場合はエンデュランス、燃費両競技ともに得点0となる。
静的審査 [編集]
コスト [編集]
車両製造コストの詳細を記したコストレポート(事前提出)の精度および、実際の車両とレポートとの合致性を審査する。同時に2点の自動車関連部品の製造プロセスについて口頭発表および質疑応答を行う。最高得点は100点。
プレゼンテーション [編集]
アマチュアレーサー層を市場ターゲットとし、製作したマシンを自動車メーカーに売り込むという仮想シチュエーションのもと、マシンに関するプレゼンテーションを行う。最高得点は75点。
設計 [編集]
事前提出したデザインレポートと当日の口頭議論により、審査員がマシン設計を評価する。評価上位5チームはデザインファイナルに進出し、改めてマシン設計に関する発表を行い最終的な順位を審査される。最高得点は150点。
海外との関係 [編集]
運営母体が異なるため、アメリカ、イギリス、オーストラリアなど世界各国で開催されているフォーミュラSAEシリーズとは事実上独立した大会として位置づけられているが、レギュレーションにはフォーミュラSAEシリーズと同一のものにローカルルールを加えたものを採用しており、日本大会に持ち込むマシンで海外大会に遠征するチームも少なくない。逆に、近年では中国やタイ、シンガポールなど海外チームの参加も増えており、「全日本」と冠してはいるが、実質的には国際大会となっている。
企業との関係 [編集]
学生フォーミュラ活動にかかる資金や物資、技術の確保に際し、独自に対外交渉を行い様々な企業から各種支援をとりつけるチームが多く、協力企業や支援内容はチームによって様々である。
本田技研工業、ヤマハ発動機、スズキ、川崎重工業などによる各チームへのエンジン提供(貸与、安価売却も含む)や、トヨタ自動車の若手技術スタッフが製作したデモカーの大会会場における展示および合同試走会でのデモ走行、本田技研工業主催の各種勉強会、全国各地の大小サーキットによるテスト走行スペースの提供など、企業による支援は資金・物資提供に留まらず多岐にわたる。
また、大会会場は各企業からリクルートの場としても注目を集めており、毎年大会開催期間中は企業関係者が多数視察に訪れる。これは海外大会も同様であり、例えばシルバーストン・サーキットで行われるイギリス大会にはウィリアムズF1やフェラーリ等のF1チームからチーム首脳クラスのスタッフが視察に来ることもしばしばあるなど、リクルートの場としての注目度は日本大会のそれよりもむしろ高いといえる。イギリス大会参加チームの学生の中には、実際にF1チームに引き抜かれた者もいるという。
また、大会の審査員や計測、マーシャル、大会役員などを関係企業の人間が担当することも多く、それ以外に学生時代に大会に参加した経歴を持つ者がボランティアとして各運営パートの補佐に当たる例もある。
加えて、時には大会会場や合同試走会、各種勉強会にF1等各種レース関係者が訪れることもあり、技術審査員や指導者、役員として積極的に大会に関わる例もしばしばあるなど、日本大会についてもモータースポーツ界との繋がりが少なからず見受けられる。
大会スポンサー(第10回大会) [編集]
- Sクラス
- Aクラス
マツダ株式会社、富士重工業株式会社、川崎重工業株式会社、スズキ株式会社、ソリッドワークス・ジャパン株式会社、株式会社デンソー、日立オートモティブシステムズ株式会社、株式会社VSN、ボッシュ株式会社
- Bクラス
日野自動車株式会社、アイシン・エィ・ダブリュ株式会社、アイシン精機株式会社、株式会社アウトソーシンググループ、いすゞ自動車株式会社、イータス株式会社、株式会社エクセディ、NOK株式会社、NTN株式会社、株式会社オーテックジャパン、カルソニックカンセイ株式会社、株式会社ケーヒン、ジヤトコ株式会社、新日本特機株式会社、住友電装株式会社、ゼット・エフ・ジャパン株式会社、ダイハツ工業株式会社、日産ライトトラック株式会社、株式会社マーレ フィルターシステムズ、株式会社ミツトヨ、三菱自動車工業株式会社、八千代工業株式会社、UDトラックス株式会社
- Cクラス
株式会社大成社、dSPACE Japan株式会社、株式会社豊田自動織機、三菱電機株式会社、株式会社ムラヤマ、株式会社明電舎、愛知機械工業株式会社、株式会社アドヴィックス、株式会社いすゞ中央研究所、株式会社エイ・ダブリュ・エンジニアリング、株式会社エイチワン、NSKワーナー株式会社、株式会社エフ・シー・シー、エフティテクノ株式会社、株式会社小野測器、株式会社三五、JX日鉱日石エネルギー株式会社、株式会社JTB中部、株式会社ジェイテクト、シーメンスインダストリーソフトウエア株式会社(シーメンスPLMソフトウエア)、株式会社ショーワ、株式会社榛葉鉄工所、住鉱潤滑剤株式会社、住友ゴム工業株式会社、株式会社ダイナテック、テイ・エス テック株式会社、株式会社東海理化、東洋ゴム工業株式会社、豊田合成株式会社、トヨタ車体株式会社、トヨタテクニカルディベロップメント株式会社、トヨタ紡織株式会社、日産車体株式会社、株式会社日産テクノ、日信工業株式会社、日清紡ブレーキ株式会社、日本発条株式会社、株式会社ニフコ、日本ミシュランタイヤ株式会社、株式会社日野ヒューテック、株式会社ブリヂストン、武蔵精密工業株式会社、ヤンマー株式会社、株式会社ユタカ技研、ユニプレス株式会社、ローマックス・テクノロジー・ジャパン株式会社
- Dクラス
愛三工業株式会社、アイシン・エーアイ株式会社、アイシン・コムクルーズ株式会社、アイシン高丘株式会社、曙ブレーキ工業株式会社、アスモ株式会社、石川ガスケット株式会社、いすゞエンジニアリング株式会社、臼井国際産業株式会社、内山工業株式会社、株式会社エー・アンド・デイ、株式会社キリウ、ジェイアイ傷害火災保険株式会社、株式会社指月電機製作所、株式会社ジーテクト、鈴与グループ、住友ベークライト株式会社、タイコ エレクトロニクス ジャパン株式会社、大同メタル工業株式会社、太平洋工業株式会社、大豊工業株式会社、株式会社タチエス、株式会社ダッド、中央発條株式会社、株式会社槌屋、デュートロン・ジャパン株式会社、デンソーテクノ株式会社、株式会社東京アールアンドデー、東京海上日動火災保険株式会社、東京貿易テクノシステム株式会社、株式会社東日製作所、東レ株式会社、トヨタテクノクラフト株式会社、西川ゴム工業株式会社、西鉄エム・テック株式会社、株式会社ニチリン、日本特殊陶業株式会社、バンドー化学株式会社、株式会社ピーエスジー、株式会社フォーラムエイト、富士通テン株式会社、フューチャーテクノロジー株式会社、ブリッド株式会社、プレス工業株式会社、ベクター・ジャパン株式会社、ケータリングカー、ボナペティ、MathWorks Japan、株式会社松井製作所、三ツ星ベルト株式会社、ヤマハモーターパワープロダクツ株式会社、横浜ゴム株式会社、株式会社理経(PTCジャパン株式会社)
大会結果 [編集]
過去に行われた大会の総合上位6校は下表の通り。
| 総合1位 | 総合2位 | 総合3位 | 総合4位 | 総合5位 | 総合6位 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 第1回大会 | 上智大学 | 国士舘大学 | 東京大学 | 神奈川工科大学 | 宇都宮大学 | 金沢大学 |
| 第2回大会 | テキサス大学アーリントン校 | 神奈川工科大学 | 国士舘大学 | 芝浦工業大学 | 宇都宮大学 | 金沢工業大学 |
| 第3回大会 | 金沢大学 | 神奈川工科大学 | 国士舘大学 | 芝浦工業大学 | 東京電機大学 | 日本大学[1] |
| 第4回大会 | 上智大学 | 名古屋大学 | ミシガン大学 | 東京電機大学 | 宇都宮大学 | 立命館大学 |
| 第5回大会 | 上智大学 | 国士舘大学 | 金沢大学 | 東京大学 | 芝浦工業大学 | 京都大学 |
| 第6回大会 | 上智大学 | 東京大学 | 金沢大学 | 横浜国立大学 | 神奈川工科大学 | 大阪大学 |
| 第7回大会 | 東京大学 | 上智大学 | 横浜国立大学 | 大阪大学 | 静岡大学 | 東京都市大学 |
| 第8回大会 | 大阪大学 | 上智大学 | 横浜国立大学 | 東京都市大学 | 東海大学 | 静岡大学 |
| 第9回大会 | 上智大学 | 横浜国立大学 | 大阪大学 | スインバン大学 | 宇都宮大学 | 名古屋大学 |
| 第10回大会 | 京都工芸繊維大学[2] | 大阪大学 | 同志社大学 | 名古屋大学 | 茨城大学 | 名城大学 |