自作パソコン
自作パソコン(じさくパソコン)とは、個別販売されている自作パソコン向けのマザーボード、CPU、電源、ハードディスク・ソリッドステートドライブ、光学ドライブ、メモリ、各種拡張カードなど、パソコンを構成する部品(パーツ)を自身で購入し、組み立てたパソコンのことを指す[1]。
概説
主に大手電機メーカーなどが販売するメーカーブランドのパソコンと対比する意味で、自作パソコンと呼ばれる。
自作パソコンにおいては、後述のようにソフトウェアのみならず、組立・システム変更時の相性問題や使用中のハードウェアやシステム全体のトラブルについて対処のほぼ全てをユーザー自身で行い解決する必要がある。そのため、ハードウェアの構成や内容を把握し、障害発生時には原因を切り分けられること、並びに、ドライバを含むシステムをインストール・設定できる程度のスキルが要求される。
製作可能なパソコン
- Macintosh
- 理論的に可能であるが、自作ハードウェアにMac OS Xをインストールすることをアップルがライセンス違反としているためほとんど行われていないだけであり、既にMacintoshもATX系の規格で構成されているため、これにPC/AT互換機のパーツを組み合わせることで(技術的には)可能である。また、本来修理部品として流通しているロジックボードを販売しているショップも存在する。それを利用し、古いMacintoshに新しい機種のロジックボードを入れるなどの大掛かりな改造を好む人たちも存在する。
- ワークステーションやサーバー
- 難易度は高いが理論的には可能である。例えば48テラバイトのハードディスクを搭載したパソコンを自作し、個人で円周率10兆桁を計算してギネス世界記録を作った会社員が居る[3]。またネットサービス企業の「はてな」は創業期に自作したサーバーでサービスを運用しており[4]、ブレードサーバ的な物も自作可能なようである。
- 組み込み
- 業務用・組込用途向けとしてパッケージなどを簡易化した製品が多くのメーカー・販社より販売されており、これを利用してホワイトボックスパソコンを製造・販売している、いわゆる直販メーカーやパソコンショップ(ショップブランド)も数多く存在する。また、玄人志向の様にその様な組込用途向け仕様の製品を一括大量仕入れして、これに販社が独自にパッケージやシールを用意して、価格を抑えた個人向け自作パソコン用パーツとして販売しているものも見られる。
方法
大きく分けて、次の二つの方法がある。
- ケース、マザーボード、CPU、メモリなどのパソコンを構成する部品を一つ一つ寄せ集めて組み立てる方法。
- ベアボーンと呼ばれるケースに電源・マザーボードが組みつけられた半完成品をベースに、CPUやメモリなどパソコンを構成する残りの部品を装着して組み立てる方法。
汎用規格品の部品が使われる大型パソコンは (1) の方法が取られる。一部専用部品を使って小型化したパソコンは主に (2) の方法が取られることが多い。ノートパソコンを作る場合は (2) の方法のみである。
かつての様にパターンが印刷されておらずパーツをはんだ付けするための穴のみが無数に設けられたユニバーサル基板に部品を自ら半田付けし、場合によってはパターン設計から行うことや、ワンボードマイコンの様に、マイコンキットとして用意されたパーツを自ら半田付けするような作業は「自作パソコン」としては要求されない。 例外的に玄人志向がTSCHOOLシリーズ[5]として、コネクタやコンデンサのみを半田付けするキットを幾つか販売しているが、主要部品は既に実装済みの上、普通に完成品を買ったほうが同等品が安く入手できる為、コスト的なメリットは存在しない。
自作パソコンの長短
自作パソコンには以下のような長所と短所がある。
長所
自作することによって不要な部分やパーツを省き、また必要な部分を強化することで自分のニーズに最適化されたパソコンが手に入ることが主な利点である。
- メーカー製のパソコンでは自分のニーズに合致するモデルがない特殊な仕様でも、自作ならば必要なパーツさえ確保すれば手に入る。
- OSの選択肢の自由度が高い。OSの知識さえあればWindows以外のOS(Linuxなど)も自由に選択できる[注釈 1]
- 本体を組み立て、周辺機器を接続したあとOSやデバイスドライバをインストールするだけで最低限の機能を利用できるため、余分なアプリケーションの常駐やスタートアップのプロセス、レジストリなどが含まれない環境を利用できる。性能改善や、トラブルシューティングの切り分けに効用がある場合がある。
- 必要に応じ市販のソフトを別途で購入するか、シェアウェアやフリーソフトウェアをダウンロードし、インストールすれば良いため、ソフトウェア分の価格を抑えることができる。
- 大手メーカー製の場合、最初から多種多様なソフトウェアや専用サイトへのアクセスリンク、プロバイダへの契約を自動化するソフトなどがプリインストール(またはCD-ROMが付属)されている場合が多く、これらソフトの価格も上乗せされて割高になっている事が多い他、HDD容量などを圧迫することになるが、これらの余分なソフトの代金をカットできる(プリインストール#プリインストールの利点と欠点も参照のこと)[注釈 2]。
- ケースを自由に選べるので、既製パソコンにはないような大胆なデザインのものからオフィス向けのシンプルなデザインまで、好みや用途に合わせたもので仕上げることができる(オーディオ機器と組み合わせてAVシステムを構成できるようにデザインされたケース、ロボットのようなデザインのケースもある)。また、一般的な自作用ケースは多くのメーカー製パソコンよりも若干大型で拡張性が高いので、パーツの交換や増設が容易である。
- 一般には市販されていないOEM規格や、独自開発の規格のパーツや構造を多用するメーカー製PCと違い、自作PCはユニットがほとんど汎用的な規格化をされているため、ユニット単体での交換が容易で、記憶容量や処理能力などに不満が出てきた時や故障の時にパーツ交換で対応できる。また、故障したパーツを単体で修理に出したり交換したりするということができる。
- 自分で作ったものである為、仕様が明確であり、代替パーツの調達さえ可能ならば万一の故障の際にも自分で素早く対処がしやすい。
- また、ドライバが固定されない状態からインストールを行うため、パーツの変更が容易である。
短所
自作の場合は、トラブルが発生した場合にも自分自身の力で解決する必要が生じる(制作するときには注意が必要)
- 自分で組み立て、自分でBIOSを設定し、自分でOSやデバイスドライバ、各種ソフトウェアをインストールおよび設定する労力が発生する。取り付けられるパーツの組み合わせを理解するため規格や互換性の知識を事前に習得しておく必要がある。
- 自作の場合、組み立てたパソコンについての動作保障はなく、パーツ同士の相性や組み立てミスなどでパソコンが正常に起動・動作しない場合がある。パーツ単位ではメーカー・輸入代理店毎、あるいは販売店による動作保証程度はあり、またメモリにはパソコンショップが独自に有料や会員サービスで相性保証を付けている場合があるものの、大手メーカー製のような広範囲のアフターケアは期待できず、トラブル時には自分自身の手で対処する必要がある。また、パーツ単体で購入した場合、同じパーツメーカーの製品同士の組み合わせでも異なる輸入代理店・小売店を経由して販売された製品については、相性や動作にまつわるサポートや保証がされないということも多い。
- Windows XP以降のOSをインストールしたあと、マザーボードやビデオカードなどのパーツを交換した場合、ハードウェアの構成が大きく変わったと認識されるため、再認証が必要になる場合がある。自作パソコンで頻繁にパーツの交換を伴う場合、再認証の手続きにおいてカジュアルコピーの疑いをかけられるおそれもある(Windows XPの場合、半年以内に再認証を行う場合、オペレータを通し、口頭で手続きを行う必要がある)。
- 大手メーカー製パソコンの場合、ソフトウェアトラブルの発生時に購入時の状態に回復するための手段(リカバリーディスク)が用意されているが、自作パソコンでは自分でバックアップなどをしない限り、OSのセットアップからやり直す必要がある。
- 故障時の分析・交換などの修理作業は全て自分でしなければならない。[注釈 3]
- 故障した場合でも、本体丸ごとではなくパーツ単体で修理に出すことが可能で、一時的に代替できるパーツがあればパソコン自体はそのまま使用できるというメリットがあるものの、国内家電メーカー製のパソコンと比較した場合、大半の海外メーカーの日本国内アフターサポート体制は貧弱であり、購入した小売店で故障修理の手続きをしても、そこから輸入代理店を介してメーカー工場へ海外発送となれば修理・交換の完了までに数カ月単位の長期間を要することが一般的である[注釈 4]。結果として、故障したパーツについては、保証期間内であっても修理をあてにすることは難しく、必然的に買い換えを余儀なくされることも多い。
- パーツメーカーや輸入代理店と小売店の販売契約の内容如何によっては、明確な初期不良であっても小売店が店舗独自の判断による店頭での即時交換という形でのパーツの交換対応を一切できないことがある。その場合は店舗側によるパーツメーカー・輸入代理店との連絡や手続が必要となり、実際に交換品を入手できるまでにかなりの時間を待たされる。
- メーカー製やショップブランドのパソコンと比較した場合、同等のスペックで構成をしてパーツ単位で個別に調達すると、トータルの価格で見て割高となることがある[注釈 5]。
- 資源の有効な利用の促進に関する法律(通称リサイクル法)に基づくリサイクル料金の支払いを自分で行わなければならない。
自作パソコンの技術史
1970年代後半
1990年前半
PC-9800シリーズのようなPC/AT互換機以前の日本メーカーのパソコンは独自規格だった。一方、PC/AT互換機はデファクトスタンダードで世界中から部品を安価に調達することが出来た。しかし部品の標準化が不十分だったので、「製品の数だけ規格がある」と揶揄され自作は容易ではなかった。
- 1990年 - DOS/V発表。PC/AT互換機で日本語の表示が一応は可能になった。
- 1991年 - Windows 3.0が発売された。
- 1992年 - 「コンパックショック」[7]が起き、パソコン価格が劇的に低下した。PC-9821シリーズも発売された。
- 1993年 - Windows 3.1や最初のPentium、FMVが発売された。
- 1994年 - Microsoft Windows NTが発売された。
1990年代後半
プラグアンドプレイで設定が簡単になり、自作のハードルは低くなった。パソコンの性能は低く不安定だったが、性能向上は日進月歩で体感しやすかった。オーバークロックやDual Celeronのような裏技があり、メーカーが乱立し激しい競争を展開してコストパフォーマンス[8]は素晴らしかった。マルチプロセッシング[9]やRAID[9]、Linux[9]が割安なパソコンでも出来るようになった。
- 1995年 - Microsoft Windows 95が発売され、インターネットが普及し始めた。パソコンはヒット商品となり、日経トレンディの番付にも登場した。
- 1996年 - Microsoft Windows NT 4.0が発売された。メモリ価格が大暴落し、DVDドライブとPentium Proが登場した[10]。
- 1997年 - メモリが大暴落する一方で、AMD K6とPentium IIが登場し、CD-Rドライブが普及した[11]。この頃、アメリカではパソコンの価格破壊が起きていた[12](詳細はホワイトボックス (パソコン)#1990年代後半を参照)。
- 1998年 - Microsoft Windows 98が発売された。ベースクロックが100MHzを超え、3D対応ビデオカード競争が激化した。CeleronとAMD K6-2が人気となり、オーバークロックが一般に認知され始めた[8]。
- 1999年 - Athlonがx86系CPUで最速になり、メモリ規格が乱立した。HDDの1GB単価が1000円を割り、ベースクロック133MHzとRIMMは高価すぎて不評の一方で、Dual CeleronとLinuxが人気になった[9]。
2000年代前半
IntelとAMDの競争によってプロセッサが「ギガヘルツ」化[13]し熾烈な動作クロック競争[14][15]を続けたが、限界まで成長して壁に突き当たった[16]。発熱量[17]が増大し、騒音が問題になった。自作ユーザーの興味は静音化[13]、低発熱[17]、小型化(キューブパソコンなど)[14]に移った。世紀末頃から徐々に動画キャプチャ[9][13][14][15][16]などデジタル家電的な用途も人気を集め、記録型DVDドライブが普及した[14][15][16][17]。
- 2000年 - Microsoft Windows 2000とMicrosoft Windows Millennium Editionが発売された。CPUの動作クロックが1GHzに到達し、メモリ価格が乱高下し、Athlon ThunderbirdとDDR SDRAMが登場した)[13]。
- 2001年 - Microsoft Windows XPが発売されたが、アメリカや日本ではインターネット・バブルが崩壊した。メモリ価格が乱高下し、IntelとAMDの激烈な競争でCPUの動作クロックが2GHzまで上昇し、AMDがパフォーマンスレートを採用した。DVD-RW/+RWが登場し、ビデオカードはNVIDIA GeForceとATI RADEONの2強時代になった[14]。
- 2002年 - CPUの動作クロックが3GHzまで上昇した。DVD-R/RWドライブが普及し、シリアルATAが登場しHDDが250GBとなったが、メモリ価格は乱高下を続けた[15]。
- 2003年 - 記録型DVDドライブの高速化・低価格化が進み、Athlon 64が登場した。静音パソコンに注目が集まり、HDDは1GBあたりの単価が70円を割り、ビデオカード競争はRADEONが一歩リードした。CPUの動作クロックの上昇が限界に達した[16]。
- 2004年 - 記録型DVDドライブの高速化・低価格化が進み、Athlon 64が普及した。Pentium Mも人気で、Intelがモデルナンバーを採用したが、PCの発熱と冷却が問題になった[17]。
2000年代後半
冷却や静音化の問題はモバイル用CPUの技術で消費電力や発熱量を抑制し、ハイエンドなゲームパソコン以外は解決に向かった。CPUのマルチコア化や64ビット化が徐々に進み、HDDより高速なSSDが普及する一方で、HDDは大容量化した。
- 2005年 - Microsoft Windows XP 64ビットが発売された。Athlon 64 X2が人気で、デュアルコアCPUが登場し、低消費電力CPUやi-RAMに注目が集まった<[18]。
- 2006年 - Core 2 Duoが人気で、クアッドコアが登場したが主流は低消費電力CPUだった。ワンセグチューナーが人気となり、垂直磁気記録方式のHDDが登場した[19]。
- 2007年 - Microsoft Windows Vistaが発売された。メモリ価格は大暴落で、デュアルコアCPUが値下がりしクアッドコアCPUも普及し、1TBのHDDやSSDやハイブリッドHDDが登場した[20]。
- 2008年 - 1TB HDDやDDR2 SDRAMやSSDの価格が暴落し、第二世代のCore 2 DuoやIntel Core i7が登場した[21]。
- 2009年 - Microsoft Windows 7が発売された。SSDが普及しLGA 1156やUSB3.0が登場した。Seagate製HDDに不具合が見つかる一方で、ATIのHD5000シリーズが人気を博した[22]。
2010年代前半
- 2010年 - 3TBのHDDが登場しHDDの値下がりが続き、DDR3 SDRAMで4GBが普及した。CPUのマルチコア化はさらに進み12コアのOpteronなどが登場した[23]。
- 2011年 - タイ洪水の影響でHDDの価格が暴騰し、LGA1155対応マザーボードがチップセットの問題によりリコールされた。DDR3メモリが暴落し、Sandy BridgeやBulldozerの登場[24]によりプラットフォームが一新された。
- 2012年 - Ivy Bridgeが登場。しかし、Sandy Bridge以上に発熱が起こる問題が指摘されており、再び自作ユーザーの関心は水冷などを利用した低熱に移りつつある。
自作パソコンの流通史
1990年代
PC/AT互換機は日本メーカーの独自規格パソコンと比べて割安だったが、組み立てキットを個人輸入するしかなかった。しかし、そのうち秋葉原の「DOS/Vショップ」でも入手できるようになった。DOOMのような海外製ゲームのマニアや、Microsoft MultiplanやLotus 1-2-3のような英語ソフトを使うビジネスマンが飛びついた。
Windows95が発売されると秋葉原や日本橋の電気街には世界中から自作パソコン向けの部品が輸入され、販売店が廻りきれないほど出来て[25]「パソコンの街」として大いに栄えた。メモリ相場の乱高下など自作パーツの値動きは激しく、価格調査の為に秋葉原中を巡回するマニアとオウム真理教のパソコン店(詳細はマハーポーシャ参照)のチラシ配り部隊が入り乱れた。技術の進歩も激しく、新製品やバルク品など品質・性能が不確かな物を含めてマニアの人柱達が体当たりで試用し[26]、その結果をインターネットの電子掲示板などに報告してノウハウを蓄積し、コミュニケーション活動を活発に行った。一方、地方では特殊なパーツの入手は通信販売の利用が必要だった。PCサクセスやカカクコムが起業したのもこの頃である。
2000年前半
21世紀に入るとインターネットバブルが崩壊し、秋葉原の「アニメの街・ゲームの街」化が進行した。アニメーションのマニアが全国で11万人・市場規模が200億円(2004年)、コミックが35万人・830億円、ゲームが16万人・210億円に対して、組立PCは19万人・360億円で少数派に転落した[27]。しかしパソコンはブームで、自作パソコンの売り上げも伸びていた。2002年当時、秋葉原には約170のパソコン店があり、そのうち約7割が自作パソコンを取り扱っていて、秋葉原での市場規模は1200~1800億円だったという説がある[28]。秋葉原は集客を伸ばしており、自作パソコン市場も新規顧客を集めていたがマニアより一般人・初心者が増え[29]、安さに注目があつまるようになった。この時期に伸びたのはBTOやホワイトボックスパソコンである。ソニーのようなナショナルブランドパソコンが売れなくなる一方で、デルのシェアが伸びた。パソコン専門店のBTOも好調だったが、家電量販店が市場に参入し専門性を問われた[30][31]。秋葉原の再開発計画で家賃が高騰し[32]、薄利多売の価格競争に耐え切れなくなった自作パソコン店が相次いで閉店した。
この時期企業の大規模化・産業化が進み、マウスコンピューターのように上場する企業が現れた。大規模な組み立て業者は規模の経済が働く上に、マイクロソフトやインテルなどからOEM版や部品を安価に購入することが出来たので、自作マニアや中小零細企業は価格面で太刀打ちできなくなった。販売店も大規模化し、ソフマップ(2003年度38店舗、秋葉原17店舗)[33]やT-ZONE「本店」(3775平方メートル)やラオックス「ザ・コンピュータ館」(2725平方メートル)[34]と比べて数倍の、ヤマダ電機(2003年度は直営193店舗)[35]やヨドバシAkiba(3万3000平方メートル)が参入してきた。Amazonが電気製品のネット通販に参入したのもこの頃であり、ネット上の競争も激化した[36][37]。一方で流通網が整備された結果、地方でも玄人志向や挑戦者のような自作パーツを買える様になった。
2000年代後半
パソコン業界は自作パソコンより、完成品に傾いていった。この頃、自作パーツは類似品があふれて差別化しにくく、粗利率(10%未満)[38]が低くなっていた。台湾の部品メーカーですら自作パーツより自社のPCを売りたがり[38]、本格的に完成品市場に参入を始めた[39]。パソコン専門店も一般人・初心者に低価格の自作パーツを売るより、多少は儲かるBTOに舵を切った[40][41]。秋葉原の集客が増えたので自作パーツの販売台数は増えたが、単価が下落し価格競争に巻き込まれて[42]、新しいOSが出るなどの特殊な要因がない限り売り上げが伸びなくなった[43]。一部の小売店からは、黎明期から続いた安売り路線に対する怨嗟の声が上がった[44]。
地方の中核都市においてもまた自作パーツを扱う小売店舗の閉店や大手家電量販店の自作パーツコーナーの撤去[注釈 7]が相次ぎ、自作パーツ取扱店の空白地域が広がって自作パーツの店頭購入が困難になるケースも見られた。
2010年代前半
自作パソコン市場は縮小し、マニアの平均年齢が上がった[45]。例えば「日経WinPC」の読者は40代が一番多くて(30.5%)、30代と共に5割強を占めており、20代以下は2割強にすぎない(2008年)[46]。現在、サービスを良くして若い初心者を増やそうとしたり、自作市場は諦めてそれ以外分野を伸ばそうとしたり、様々な取り組みがなされている[47][48]。
(この節は情報の不正確さに留意していただきたいが)自作パソコン黎明期から約20年ほどの間に、A-Master(閉店)[8]、ツートップ(営業継続)[13]、OVERTOP(閉店)[18]、ぷらっとホーム(WEB通販に移行)[18]、日通本社(跡地は住友不動産秋葉原ビル)[19]、PC-Success(閉店)[20]、LAOX THE COMPUTER館(跡地はAKIBAカルチャーズZONE)[20]、ツクモ(営業継続)[21]、高速電脳(閉店)[21]、BLESS秋葉原本店(閉店)[22]、T-ZONE. PC DIY SHOP(跡地はドスパラパーツ館)[23]、USER'S SIDE(WEB通販に移行)[23]、秋葉原ラジオ会館(建て替え)[24]、カフェソラーレ リナックスカフェ秋葉原店(閉店)[24]と「自作通り(パーツ通り)」の一部(再開発)[49]などが姿を変えているようである。
世界の自作パソコン市場
世界的には趣味的な自作パソコンとホワイトボックスパソコンを区別せずに、DIYパソコンとして語られることが多いようである。日本で自作パソコンと言えば趣味的であり、市場規模は小さいがハイエンド志向である。例えばCore i7やKシリーズは世界で一二を争う売り上げがあり[50][51]、斬新なデザインのPCケースへの関心が高い[52]。一方、中国でDIYパソコン(兼容機)と言うと、販売店が店頭で組み上げる「ショップブランドパソコン」が一般的である。これは実用本位のパソコンで、ケースのデザインを選ぶことも出来ない[53]。ハイエンドなゲームPCもあるがインターネットカフェ用である[54]。またパソコンはステータスシンボルで、性能より見栄やメンツが優先される傾向が強く[55]、ブランド品ではないDIYパソコンは見下されている。
自作パソコンの構成
最低限必要なもの
現状で自作パソコンを作成する場合、最低限揃えなければならないものを挙げる。
- ディスプレイ(図中1)
- 一体型でない限り、メーカー製のパソコンに付属するディスプレイの使い回しがほぼ可能であることから一般には自作パソコンの範疇には含まれない。また、ディスプレイ単体の入手も容易である。地デジやBDをフルHD再生するには、HDMI、またはHDCP対応DVI-Dへの対応が必須である。[注釈 8]「ディスプレイ (コンピュータ)」も参照
- マザーボード(図中2)
- 選択したマザーボードの仕様によって、使用可能なCPU・メモリーの規格および搭載できる量、拡張ボードの規格および搭載できる数が決まる。
- 「チップセット」はマザーボードに搭載されたバスを管理するチップ(集積回路)である。古いモデルのチップセットを搭載したマザーボードは安価であることが多いが、パソコン全体の性能を最大限に引き出すには、最新のCPUに最新のチップセットを組み合わせるのが基本である。[注釈 9]
- マザーボードにグラフィックス機能を統合したもの(オンボードグラフィック)[注釈 10]であれば、ビデオカードは不要となる。(後述)[注釈 11]
- 内部バス(PCI Express、シリアルATAなど)、外部インターフェイス(USBポート、イーサネット)や、サウンドデバイスのサポートの度合いも重要である。
- また、電解コンデンサの品質がマザーボードの選択の一つの基準になることが増えている。[注釈 12]
- CPU(図中3)
- パソコンの性能を決定付ける部品の一つ。大抵はCPUに合うマザーボードを選ぶこととなる[注釈 13]。基本的にはAMD系とインテル系で選択することになる。それ以外にはマイナーであるがVIA系がある。
- パッケージング販売されているリテール品のCPUには純正の冷却ファン(リテールファン)が付属する。バルク品やアウトレット品は付属していなことが多いため、別途購入する必要がある。省電力モデルなどの一部を除きCPU自身の発熱を抑えるためのクーラーが必要であり、クーラーをつけないとCPUは発熱で破損する。
- 性能面で見るべき点は、マイクロアーキテクチャと動作クロック数、キャッシュメモリの容量、コア数[注釈 14]などである。
- マザーボードとの関係で見るべき点は、ソケット規格である。特にソケット規格が異なると、物理的に装着すらできない。また、チップセットとの適合性や、マザーボード自体のCPUサポートも重要である。マザーボードについては、当初はサポートが無い新製品のCPUでも、チップセットが対応可能な場合にはマザーボードのメーカーがBIOSの更新によって対応させることが多い。他方で、たとえソケットが適合しチップセットのハードウェア的対応が可能でも、マザーボードのメーカーによるBIOS更新などのサポートが無ければCPUは動作保証されず、正常動作しない可能性や、最悪の場合BIOS画面すら到達できないこともある。またBIOSが提供されていても更新しないままCPUを入れ替えても同様のケースが発生する。よってBIOSを更新する場合はCPUの入れ替え前に行う。[56]
- メモリ(図中4)
- マザーボード(チップセット)により搭載可能なメモリの仕様が決まっている。近年はDDR2、DDR3などが主流である[注釈 15]。
- なお、デュアルチャネルやトリプルチャネルをサポートするチップセットでは、同一の2枚組または3枚組のメモリを使用すると性能が得られる。
- ビデオカード(図中5)※構成によっては不要
- ビデオカードとマザーボードとの間のインタフェースとしてPCI Express、AGP、PCI、がある。どれを用いるかはマザーボードがどのインタフェースを搭載しているかによって決まることになる。前者の方が新しい規格で、より高速である。
- ビデオ出力もアナログVGA端子と、DVIやHDMIなどがあり、こちらはディスプレイ(図中1)の対応入力によって選択する。
- CG制作、3Dゲーム、オンラインゲームなどの目的で使用する場合には、ビデオカードに高い性能が要求される。また、動画再生やウィンドウの表示支援機能を搭載しているカードもある。[注釈 16]
- 地デジやBDをフルHD再生するには、HDMI、またはHDCP対応DVI-Dへの対応が必須である。[注釈 8]
- あまり高い性能を要求しない場合[注釈 17]には、前述のマザーボードやCPUにグラフィックス機能を統合したもの(オンボードグラフィック)を使用すれば、ビデオカードは不要となる。[注釈 18]
- 電源(図中6)
- ATX規格に対応した「ATX電源」と呼ばれる電源装置が主流である。単体で広く販売されているが、後述のケースに付属している場合もある。
- 電源仕様はPCI Expressに対応したATX2.1以降の仕様のものが主流だが、ATX2.0以前の仕様に基づいた製品もいまだ流通している。電源も仕様によってコネクタの形状やピン数が微妙に異なるが、コネクタの変換で対応可能な組み合わせに関しては多種多様な各種変換コネクタが販売されている。
- 「電源ユニット付ケース」という形でそれぞれ個別に購入するよりも安価に販売されていることも多いが、この様な製品の中でも特に安価なものに付属している電源ユニットでは、多くの場合、コストダウンの為に同じメーカーの単体別売品の同等出力のものと比較してコネクタや内部パーツなどにおいて何らかのオミットがされていたり、最新の規格に対応するコネクタが無い場合がある。
- マザーボードと同様の理由で、使用されている電解コンデンサが電源の選択の一つの基準になることや、「選別品」や「日本製」のコンデンサの使用が製品のセールスポイントとなることが往々にして見られる。[注釈 19]
- ストレージ(ハードディスクドライブ、Flash SSD)(図中8)
- インターフェイス規格としては、シリアルATA(SATA)とパラレルATA(PATA)がある。PATAをIDEと記述する場合があるが、ストレージへのコマンドモード(AHCIまたはIDEエミュレーション)と混同しないように注意が必要。SATAの方がデータ転送速度が速い新しい規格であり、1.5Gbps/3.0Gbps/6.0Gbpsの規格がある[注釈 20]。2006年頃からPATA非サポートのチップセットを搭載するマザーボードが自作パソコン市場に現れ、2011年現在のマザーボードではPATAのインターフェイスを備えないものが多い。
- ハードディスクよりもおおむね高速に利用できる[注釈 21]SSDの低価格化にともない、ハードディスクに代わりSSDを採用するユーザーも増えてきている。
- キーボード(図中9) マウス(図中10)
- 自作パソコンの範疇には含まれないが、パソコンの使用や設定のためには欠かせない。マザーボード側にPS/2インターフェイスが無い場合が増えて来ており、注意が必要な場合もある。
- ケース
- ケースがなくても部品同士を結線すればパソコンとして動作するが(バラック接続。性能証明のための店頭展示で行なわれている例が多い)、使い勝手・安全性などの点から通常はケース内に収納する。基本的にはマザーボードのフォームファクターによってケースの大きさが決まる。ケース選びにおいてはドライブベイの数やサイズ[注釈 22]などの仕様、材質、デザイン、使いやすさ、工作精度、重量などが評価基準となる。
- ケース付属の電源については前述の電源の項を参照。ほか、冷却用のケースファンや、装着キットのパーツが付属する場合が多い。
- エンスージアストの中には、ケース自体の自作、あるいは業者へのオーダーメイド、テーラーメイドをする者もいる。純木製、ポリタンク、鑑賞魚用水槽、キャラクターフィギュア風のPCケースなどもある。
- ソフトウェア(OS、デバイスドライバなど)
- アプリケーションのみではプラットホームが存在せず、多くの用途では、OSや、各種パーツのデバイスドライバなどが最低限必要になる。
- OSは、自作の場合は別途購入するか、使用を終了したパソコンからの転用などにより準備することになる。BTOではオプション扱いでプレインストールされる場合も、またはOSは別途準備でユーザーがインストールする場合もある。WindowsではDSP版・OEM版などと呼ばれるバージョンを導入する場合が多い[注釈 23]。
近年では画像解析などが主な目的の場合Linux系のソフトウェアを導入することも多く見られる。
- デバイスドライバーは通常、各種パーツに光学メディアとして添付されていることが多い[注釈 24]。OSのインストール直後に、デバイスドライバーのセットアップを行う。OSに最初から入っている標準ドライバーでも動作する物も多い[注釈 25]が、性能やサポート機能、安定性に問題があることも多い。[注釈 26]
- 古いマザーボードに最新OSやデバイスを使う場合、まれにBIOSのアップデートが必要になることもある。
この他、マザーボードのBIOSのアップデート用や、HDDなどのデバイスのツール起動にフロッピーディスクドライブ(FDD)を組み込む場合もあるが。近年ではレガシーデバイスとしてサポートしないマザーボードも多く、導入しないことが多く、これに変わる存在としてUSBメモリが用いられることも多い。
拡張要素
- ビデオカードの複数枚搭載(マルチGPU)
- ゲーム向けの高性能ビデオカードを2枚、あるいは3枚以上取り付けて性能を向上させられる場合がある。ATIのCrossFire、NVIDIAのSLI、S3のMultiChromeがある。マザーボードが対応していることも必要。アプリケーション(ゲームソフト)側の対応も必須。反面、消費電力や排熱の大きいビデオカードが複数枚となるため、それを十分にサポートできる電源ユニットを用意し、ケースを冷却性の良いものにする必要がある。
- カードリーダー
- 内蔵型を3.5インチベイに搭載するのが主流。
- 拡張カード
- 主な拡張スロットインターフェイスは、ISA、PCI、PCI Expressがあり、ISAは2000年代前半までにほぼ消滅した。また、ビデオカード向けの拡張バスはAGPからPCI Expressに移行している。近年は高速なデバイスにはPCI Express、それ以外はPCIと言う棲み分けになっている。[注釈 27]
- ISAの時代付近までは、各種デバイスのインターフェイスやビデオカードは拡張スロット(拡張バス)を利用し、マザーボードに対して増設する場合が殆どだったが、近年は各種インターフェイスがマザーボードに統合(オンボード)されることが多くなり、拡張スロットを利用する頻度は、減少している。しかしオンボードにない機能や性能を要求する場合は、拡張スロットによる増設が必要となる。古くから性能向上を求めるユーザーによってサウンドカード、LANカード、USB増設カード、SASカード、RAIDカードを増設されることがあるが、最近は地デジボードが良く増設される。
- 外付けハードディスク
- 規格外ではあるが、SATAのケーブルをeSATAを使わずそのままSATAとしてケース外インターフェイス経由で接続することも行われている。またSATA以降、ハードディスクのドライブをケースに入れず裸のままケーブルを繋いで利用したり[注釈 28]、ドライブを裸のまま出し入れできるリムーバブルフレームも使われている。
- CPUクーラー(CPUの冷却装置)
- オーバークロックにより設計以上の発熱で利用したり、定格であってもPentium 4~Pentium Dの時代を頂点とする大消費電力・高発熱CPUが普及し、CPUの冷却装置も冷却性能に注目を浴びることになった。リテールファン[注釈 29]よりも優れた冷却性能や静音性を求めて、より大型なファンに換装する場合も多い。BTOでも高性能ファンをオプションで選べるメーカーがある。[注釈 30]
- 空冷ファンのほか、水冷やガス冷却等の選択もある。水冷の場合は空冷より冷却能力の限界が高いが、値段の安いものだと冷却性自体に問題が起きる可能性がある。また漏水や結露による本体の破損と危険も考慮しなければならない。ガス冷却は冷蔵庫の仕組みから応用されたものであり、他者よりもはるかに高性能だが価格も性能に比例して高く、稼動時の消費電力や設置の手間まで考えれば費用対効果という意味で空冷や水冷に劣る面がある。
- GPUクーラー(ビデオカードの冷却装置)
- 最近の高いクォリティーのゲームの発表と共に、ビデオカードの負荷に注目されている。グラフィックカード自体に既にクーラーが取り付けられている為、交換することにより保障が受けられなくなるものの、より安定した動作を狙うか、静音化、発熱を抑えるもしくは、GPUのオーバークロックを目的に、ビデオカードを水冷にする例もある。
脚注
注釈
- ^ メーカー製のPCでは、その採用パーツにより、Linuxや、BSD等への理解を得にくいベンダの物が含まれ動作させるのに苦労することがあるが、自分でパーツを選択するのであれば、動作実績が存在するものを予め選択することが可能である。またメーカー製の場合は、プリインストールされたOS並びに、公式にサポートを表明しているもののみが動作対象の前提であるため、システムの変更により商品のサポートを受けにくくなるケースもある。
- ^ BTOの場合は自作と似たような状況にある。また、大手メーカー製であっても、ビジネス向けなど一部モデルは極力ソフトウェアライセンス費用を絞るような構成で販売している所もある。
- ^ 自作パソコンや他社製ホワイトボックスパソコンでも動作チェックや修理を受け付けてくれるパソコンショップは少なからず存在するが、高額な技術料・手数料を取られることがほとんどである。
- ^ 日本国内の輸入代理店が修理の窓口となっていても、輸入代理店側には修理受付品の交換や修理はもとより、故障判断の権限すら無い代理店契約の内容となっていることが珍しくない為である。この様な代理店を経由して販売されたパーツについては、輸入代理店が預かった修理依頼品は全て台湾などのメーカーに1ヶ月に1度などの間隔で一括輸送して、メーカーの修理工場で故障か否かの判断や修理を行う。また、世界中から同様の修理依頼品が集まる為、メーカー到着後の実際の作業の開始までにさらに数週間を要する場合がある。春節などの長期休業が入った場合にはさらに延びることもある。
- ^ OSや各種パーツについて、シェア確保や販売促進を目的に、メーカーが大口の取引先であるメーカーに対しては自作用よりも遥かに格安で販売したり、販売奨励金などの名目で割戻を行っているため、トータルで見た場合、完成品として販売されているものの方が割安という結果になることがある。
- ^ ただし、対象は「パーソナルコンピュータ(パソコン)」であり、パーツ単体ごとは対象外となっている。その為マザーボード単体のみなど、パーツごとに処分する際には、従来通り自治体のゴミ回収に出すこととなる。ただし、自治体によってはパーツ単体のゴミ出しでも回収しない場合がある。居住地のゴミ処理施設へ事前に確認を取る必要がある。
- ^ 2000年頃まではヤマダ電機やケーズデンキなどが自作パーツの取り扱いに積極的であったものの、現在では共に一部の拠点級の大規模店舗に限定した取り扱いとなっており、「地域最大級」を謳う大型店舗であってもメモリやSATAケーブル、ネジ程度に限定された「自作パーツコーナー」というには程遠い内容になっている。
- ^ a b 通常のDVI-D接続では表示できない。AACSの仕様による。デジタル出力の場合であり、アナログ接続は禁止されていない。詳細はBlu-ray Disc#IT用途を参照。
- ^ ただし、メーカーリリース直後のチップセットは未知の不具合があることも多く、安定性を重視しなければならない用途の場合、敢えて、既に問題が出尽くして対処されている古い(一世代以上前の)チップセットを選択するという手段もある。
- ^ 近年はCPUにGPUが内蔵(オンダイグラフィック)されることがあり、その場合はGPU搭載CPUに対応したチップセット、マザーボードが必要。
- ^ ビデオカードのトラブル発生時のバックアップとして、あるいはマルチディスプレイのために、オンボードグラフィックのマザーボードにビデオカードを搭載する場合もある。
- ^ マザーボード#不良コンデンサ問題を参照。
- ^ ただしCPUは比較的手軽に換装できるパーツであるため、CPUのアップグレードの自由度が高い(サポートする上位CPUの数が多い)マザーボードを選ぶとよい。
- ^ HT(ハイパースレッディング)を搭載している場合、仮想的に「コア数×2」だけコアがあるような動作をする。
- ^ 詳細はRandom Access Memoryを参照。
- ^ DVDやハイビジョン画像の再生時にCPU負荷を軽減できる。またWindows Aeroではデスクトップの描画にDirectXを使用するので、対応したビデオカード(または対応したオンボードグラフィック)が必要となる。
- ^ 2000年以降はIntel 815などの性能、機能面でローエンドのビデオカードに遜色ないものも出ている。
- ^ 多くのオンボードグラフィックは、描画処理に用いるメモリを共用しているため、メインメモリのバス帯域幅を消費したり、メインメモリの空き容量を消費する。その分のパフォーマンスの低下はありえる。
- ^ BTOメーカー・直販メーカーが販売しているパソコンにおいては、コスト削減のために大量一括仕入れを行うことでパーツ類について大幅なコストカットを実現しているが、特に電源についてはケースと一括で極めて安価に調達されることも多く、品質・信頼性について疑問視するユーザーの中にはパソコン本体とは別に単体製品の電源ユニットを別途購入し交換する者も少なくない。
- ^ それぞれSATA Revision 1.x/2.0/3.0と表記される場合もある。詳細はシリアルATAを参照。
- ^ 連続(シーケンシャル)アクセスは7200rpmのハードディスクより劣るものの、シーク動作やディスク回転待ちが原理的に無いため、ランダムアクセスではハードディスクより遥かに高速となる。
- ^ 5インチ、3.5インチ、2.5インチなどがある。
- ^ ショップの店頭で、OEM版のWindowsを、何か特定のパーツ(ケースや、USB増設ボードですら可能)のバンドルとして販売するケースが殆どである。なおOEM版の場合は、マイクロソフトからのメール、電話などによるOSサポートは受けられない。
- ^ OSのサービスパックも含めて、最新版はインターネットからダウンロードという形で入手手段が確保されていることが多い。
- ^ 古いOSに最新パーツやデバイスの場合は、動作しないこともある。特に容量の壁問題に見られる、HDDやメインメモリー容量には要注意で、OSが起動しないこともある。
- ^ 最新のドライバを用意した方が良いとされる。しかし、稀に相性などの問題で最新の物ではないほうが良いとされる場合もあり、その時々で調査が必要。
- ^ PCI Expressは拡張バスのスロットサイズとして主にx16、x4、x1がある。それぞれのスロットの通信レーン数は、それぞれの物理的スロットサイズを上限として、組み合わせによる割り当てがサポートされる。その仕様はチップセット、マザーボードにより異なる。
- ^ もっとも高速大容量のHDDでは発熱も大きいため、冷却が重要になる。ファンレスでの利用は推奨されない。
- ^ 単体リテール販売のCPUには、CPUメーカー標準のCPUクーラーが付属する場合が多く、これをリテールファンと言う。
- ^ 小型やリテールのファンはヒートシンクにファンが付いただけだが、高性能・大型ファンにはヒートパイプを流用したものが多い。
出典
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- ^ 編集後記:'99年を振り返って
- ^ Socket 7マザーボードも外部100MHz対応の時代に突入!
- ^ マニア消費者市場を新たに推計、04年は主要12分野で延べ172万人、4,110億円規模
- ^ T・ZONE. 再建計画を発表 不採算店の閉鎖と人員削減へ
- ^ T・ZONE DIY サポートコーナーの強化に着手 人員を増加、フロア面積も拡大
- ^ パソコン専門店、家電量販店 BTOメーカーに変貌
- ^ パソコンショップ “専門性”強化が急務
- ^ 【特別企画】アキバで閉店相次ぐ!今s、電気街で何が起こっているのか?
- ^ 第22期事業報告書
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- ^ 平成15年度 有価証券報告書
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- ^ <秋葉原は今>8.T・ZONE、BTOパソコンの販売へ
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