1993年日本グランプリ (4輪)

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日本の旗 1993年日本グランプリ
レース詳細
Suzuka 1992 2003.svg
日程 1993年シーズン第15戦
決勝開催日 10月24日
開催地 鈴鹿サーキット
日本 三重県 鈴鹿市
コース長 5.86403km
レース距離 53周(310.79359km)
決勝日天候 晴れ時々曇り一時雨
(ドライ、ウェット、ドライ)
ポールポジション
ドライバー フランスの旗 アラン・プロスト
タイム 1'37.154
ファステストラップ
ドライバー フランスの旗 アラン・プロスト
タイム 1'41.176(Lap 53) 
決勝順位
優勝 ブラジルの旗 アイルトン・セナ
タイム 1:40'27.912
2位 フランスの旗 アラン・プロスト
3位 フィンランドの旗 ミカ・ハッキネン

1993年日本グランプリ (1993 Japanese Grand Prix) は1993年のF1世界選手権第15戦として10月24日に鈴鹿サーキットで決勝レースが開催された。

概要[編集]

前戦ポルトガルGPで4度目のワールドチャンピオンを獲得したアラン・プロストは、このレースを含めて現役引退まで残り2戦となった。アイルトン・セナと因縁を残してきた鈴鹿を走るのも最後の機会となる。

全日本F3000選手権に参戦する鈴木利男エディ・アーバインがスポット参戦でF1デビューすることになった。F3000で星野一義とチャンピオン争いを演じているアーバインは、コース内外のパフォーマンスによってF1でも注目を集めることになる。

予選[編集]

展開[編集]

プロストが今季13回目のポールポジションを獲得したが、5位までのタイム差が0.5秒以内という僅差の結果になった。セナが0.13秒差で開幕戦以来となるセカンドグリッドを獲得し、1990年以来、久々に両者が鈴鹿のフロントローに並んだ。前戦、マクラーレンでの初レースでセナの予選順位をしのいだミカ・ハッキネンは、セナに0.04秒差の3番グリッドを確保した。

ミハエル・シューマッハはマクラーレン勢に次ぐ4位。一時トップタイムを記録したゲルハルト・ベルガーが5位。デイモン・ヒルはアタック中にスピンして6位。アーバインは走り慣れた鈴鹿でチームメイトのルーベンス・バリチェロのタイムを上回り、8位という好位置からのスタートとなる。

結果[編集]

順位 No ドライバー コンストラクター 1回目 2回目
1 2 フランスの旗 アラン・プロスト ウィリアムズルノー 1'38.587 1'37.154
2 8 ブラジルの旗 アイルトン・セナ マクラーレンフォード 1'38.942 1'37.284
3 7 フィンランドの旗 ミカ・ハッキネン マクラーレンフォード 1'38.813 1'37.326
4 5 ドイツの旗 ミハエル・シューマッハ ベネトンフォード 1'38.589 1'37.530
5 28 オーストリアの旗 ゲルハルト・ベルガー フェラーリ 1'39.024 1'37.622
6 0 イギリスの旗 デイモン・ヒル ウィリアムズルノー 1'38.979 1'38.352
7 9 イギリスの旗 デレック・ワーウィック フットワーク無限ホンダ 1'41.086 1'38.780
8 15 アイルランドの旗 エディ・アーバイン ジョーダンハート 1'41.018 1'38.966
9 10 日本の旗 鈴木亜久里 フットワーク無限ホンダ 1'41.380 1'39.278
10 6 イタリアの旗 リカルド・パトレーゼ ベネトンフォード 1'40.748 1'39.291
11 30 フィンランドの旗 J.J.レート ザウバーイルモア 1'40.346 1'39.391
12 14 ブラジルの旗 ルーベンス・バリチェロ ジョーダンハート 1'41.624 1'39.426
13 3 日本の旗 片山右京 ティレルヤマハ 1'40.963 1'39.511
14 27 フランスの旗 ジャン・アレジ フェラーリ 1'39.535 2'44.132
15 25 イギリスの旗 マーティン・ブランドル リジェルノー 1'41.541 1'39.951
16 29 オーストリアの旗 カール・ヴェンドリンガー ザウバーイルモア 1'41.367 1'40.153
17 26 イギリスの旗 マーク・ブランデル リジェルノー 1'41.278 1'40.696
18 4 イタリアの旗 アンドレア・デ・チェザリス ティレルヤマハ 1'41.480 1'40.696
19 12 イギリスの旗 ジョニー・ハーバート ロータスフォード 1'41.488 3'41.040
20 11 ポルトガルの旗 ペドロ・ラミー ロータスフォード 1'43.165 1'41.600
21 20 フランスの旗 エリック・コマス ラルースランボルギーニ 1'43.483 1'41.769
22 24 イタリアの旗 ピエルルイジ・マルティニ ミナルディフォード 1'42.388 1'41.989
23 19 日本の旗 鈴木利男 ラルースランボルギーニ 1'44.562 1'42.175
24 23 フランスの旗 ジャン=マルク・グーノン ミナルディフォード 1'46.782 1'43.812'

[1][2]

決勝[編集]

展開[編集]

通り雨の演出[編集]

プロストとセナの過去のフロントロー対決(1988年1989年1990年)は、いずれもポールシッターのセナがスタートで出遅れる展開だったが、今回は逆に予選2位のセナがプロストを抑えて1コーナーに飛び込んだ。ハッキネンに続いてベルガーがシューマッハを抜いて4位に上がり、2コーナーではアーバインがシューマッハとヒルをアウト側からかわして5位へジャンプアップした。

アーバインはシューマッハ、ヒル、鈴木亜久里に抜かれて8位に後退し、ベルガー、ヒル、シューマッハの4位争いが過熱する。11周目、ヒルがシケインでベルガーに仕掛けた際、後方のシューマッハと接触し、シューマッハはフロントサスペンションが壊れてリタイアした。

14周目、セナが最初のタイヤ交換のためピットインし、プロストがトップに立った。マクラーレンの2ストップ作戦に対して、プロストはワンストップの予定と戦略が分かれた。

スタート時は晴天だったものの、西の鈴鹿山脈から黒雲がサーキットを覆い、大粒の雨が降り始めた。ウェットコンディションを得意とするセナはピットインの遅れを挽回し、21周目にスプーンカーブ手前の200Rでプロストをかわした。両者はその周の終わりに、レインタイヤに交換するため同時にピットイン。セナはスムーズに作業を終えてピットアウトしたが、プロストはフロントタイヤの交換に手間取った上に、3位ハッキネンのピットインと重なったことで余分にタイムロスし、コース復帰時にはセナに大差をつけられた。ヒルもパンクでピットインしてから再びレインタイヤに交換しており、ウィリアムズは今季何度か見られたウェットレースでの混乱を再現してしまった。

鈴木亜久里は午前のウォームアップ走行で2番手タイムを記録し、決勝でも一時は5番手を走行していたが、レインタイヤ交換後にピット出口でスピン。29周目にも2コーナーで再びスピンしてリタイアとなった。片山右京もエンジンブローで27周目にストップした。

アーバインの蛮勇[編集]

雨は程なくしてあがり、再び日が差し始めた。コースは依然として濡れているが、レコードライン上は乾きつつあり、各車がドライタイヤに再交換するタイミングに差し掛かった。

1〜3位のセナ、プロスト、ハッキネンはそれぞれ単独走行となったが、4位以下はヒル、バリチェロ、デレック・ワーウィック、アーバインの接戦となる。トップのセナは周回遅れのヒルとアーバインに追いついたが、2台の激しいバトルに進路を阻まれた。一旦アーバインを抜いたものの、ヒルに詰まる間に再びアーバインに割り込まれるというシーンもあった。

41周目、ベルガーがエンジンブローでリタイア。46周目、高速ダンロップコーナーでリカルド・パトレーゼがスピンし、車体を大破させた。マクラーレンとウィリアムズの4台が上位を固める一方、フェラーリとベネトンのマシンは全滅となった。

49周目、シケインでアーバインがワーウィックに追突。アーバインが強引に6位をもぎとり、ワーウィックはリタイアに追いやられた(5周遅れの完走扱い)。

ファイナルラップ、クルージングに入ったセナをアーバインが追い抜いて同一周回に戻る。セナの後ろでゴールすればもう1周しなくても済んだが、アーバインに気にする素振りはない。

セナはプロストに11秒差をつけてチェッカーを受け、第6戦モナコGP以来となる今季4勝目を獲得した。マクラーレンのF1通算勝利数は103勝となり、フェラーリの最多勝記録に並んだ。チームメイトのハッキネンも3位初表彰台を獲得した。

4位ヒルに続いて、5位バリチェロは初入賞となった。デビュー戦6位入賞のアーバインとともに、F1ルーキー2名がジョーダンに今季初ポイントをもたらした。

同じく「F1ルーキー」となるベテラン鈴木利男は序盤にスピンを喫したものの、日本人ドライバーでは唯一の完走(12位)を果たした。

レース後の騒動[編集]

レース後、セレモニーなどを終えたセナは私服に着替えてジョーダンチームの控え室に出向いた。セナはその場にいたアーバインに対し、周回遅れになる際素直に道を譲らず、ラップリーダーである自分を危険にさらしたと注意した。アーバインは自分のレースをしていただけで、マナー違反などしていないと言い返し、ワールドチャンピオンの警告を受け流した。セナはこの態度に激昂してアーバインの胸倉をつかんだが、周囲の静止により場外乱闘は避けられた。

テレビカメラのない密室での出来事だったため、この一件は「セナがアーバインを殴った」と報道され、しばしメディアを騒がせた(後に、このやり取りを録音した音声テープが公開された)。国際自動車連盟 (FIA) はアーバインを本部に召喚して事情聴取を行い、セナに対して6ヶ月の執行猶予つきで2戦出場停止処分を科した[3]

結果[編集]

順位 No ドライバー チーム 周回 タイム/リタイア グリッド ポイント
1 8 ブラジルの旗 アイルトン・セナ マクラーレンフォード 53 1:40'27.912 2 10
2 2 フランスの旗 アラン・プロスト ウィリアムズルノー 53 +11.435 1 6
3 7 フィンランドの旗 ミカ・ハッキネン マクラーレンフォード 53 +26.129 3 4
4 0 イギリスの旗 デイモン・ヒル ウィリアムズルノー 53 +1'23.538 6 3
5 14 ブラジルの旗 ルーベンス・バリチェロ ジョーダンハート 53 +1'35.101 12 2
6 15 アイルランドの旗 エディ・アーバイン ジョーダンハート 53 +1'46.421 8 1
7 26 イギリスの旗 マーク・ブランデル リジェルノー 52 +1 Lap 17  
8 30 フィンランドの旗 J.J.レート ザウバーイルモア 52 +1 Lap 11  
9 25 イギリスの旗 マーティン・ブランドル リジェルノー 51 +2 Laps 15  
10 24 イタリアの旗 ピエルルイジ・マルティニ ミナルディフォード 51 +2 Laps 22  
11 12 イギリスの旗 ジョニー・ハーバート ロータスフォード 51 +2 Laps 19  
12 19 日本の旗 鈴木利男 ラルースランボルギーニ 51 +2 Laps 23  
13 11 ポルトガルの旗 ペドロ・ラミー ロータスフォード 49 +4 Laps 20  
14 9 イギリスの旗 デレック・ワーウィック フットワーク無限ホンダ 48 +5 Laps 7  
Ret 6 イタリアの旗 リカルド・パトレーゼ ベネトンフォード 45 スピン 10  
Ret 28 オーストリアの旗 ゲルハルト・ベルガー フェラーリ 40 エンジン 5  
Ret 10 日本の旗 鈴木亜久里 フットワーク無限ホンダ 28 スピン 9  
Ret 3 日本の旗 片山右京 ティレルヤマハ 26 エンジン 13  
Ret 23 ブラジルの旗 ジャン=マルク・グーノン ミナルディフォード 26 撤退* 24  
Ret 29 オーストリアの旗 カール・ヴェンドリンガー ザウバーイルモア 25 エンジン 16  
Ret 20 フランスの旗 エリック・コマス ラルースランボルギーニ 17 エンジン 21  
Ret 5 ドイツの旗 ミハエル・シューマッハ ベネトンフォード 10 接触 4  
Ret 27 フランスの旗 ジャン・アレジ フェラーリ 7 エンジン 14  
Ret 4 イタリアの旗 アンドレア・デ・チェザリス ティレルヤマハ 0 クラッシュ 18  
  • No.23はチームの指示により自主リタイア。

[4][2]

脚注[編集]

  1. ^ 1993年F1第15戦日本GP結果”. Everyday F1.com. 2012年2月11日閲覧。
  2. ^ a b 日本GP 1993”. ESPN F1. 2012年2月11日閲覧。
  3. ^ 『F1速報 1994 総集編』 ニューズ出版、1995年、74頁。
  4. ^ 1993 Japanese Grand Prix” (英語). Formula1.com. 2012年2月11日閲覧。
前戦
1993年ポルトガルグランプリ
FIA F1世界選手権
1993年シーズン
次戦
1993年オーストラリアグランプリ
前回開催
1992年日本グランプリ
日本の旗 日本グランプリ 次回開催
1994年日本グランプリ