雨の西麻布

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雨の西麻布
とんねるずシングル
B面 僕は鳥になりたい
リリース
規格 7インチシングル
ジャンル 歌謡曲ムード歌謡
レーベル ビクター音楽産業
作詞・作曲 秋元康見岳章
作曲 見岳章
プロデュース 秋元康
チャート最高順位
とんねるず シングル 年表
青年の主張
(1985年)
雨の西麻布
(1985年)
歌謡曲
1986年
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雨の西麻布」(あめのにしあざぶ)は、とんねるずの5枚目のシングル1985年9月5日発売。1993年9月22日8cmCDで再発売。

概要[編集]

秋元曰く、「雨の新宿」等々、有名な街であればそういった曲はいくらでもあったため、あまり有名ではない街で名付けたかった。石橋によると、作詞された当初の曲名は「雨の亀戸」だったが、自身は亀戸に行ったことがなかったため、霞町(現在の西麻布一丁目と三丁目の一部)への変更を申し出、最終的に西麻布に変更された[1]

イントロや曲中の石橋と木梨の語りにあるように、本作を秋元康から貰った際、2人は『紅白歌合戦』という大舞台に立つことを本気で目指し始める。

とんねるずは6年後の1991年末に「情けねえ」のヒットで、念願の紅白出場を果たしている(第42回NHK紅白歌合戦を参照)。「紅白を」「狙います」とはしていたものの、当時のマスコミからは、NHKに歌手として出演するのに不可欠な「NHKのオーディションに未だ合格していない」との指摘がなされていた。石橋が後年語ったところでは、2人がNHKのオーディションを受けようとした際、当初は売り出し中だった「やぶさかでない」を歌おうと考えたが、懇意になっていた美空ひばりに相談したところ、「『雨の西麻布』の方がいい」というアドバイスがあった。それを受け本作を歌ってオーディションを通過した。2人はバラエティを中心に積極的にNHKのテレビ番組にも出演、そして前述通り紅白歌合戦への出場を果たした。

曲の最後に「双子のリリーズ」と入れているのは、演歌(とセリフの中でも称しているが実際はムード歌謡)を真面目に歌うとんねるずにスタッフの惜しい気持ちから「お笑い性を少しだけ出そう」ということで、このフレーズを言わせたという逸話を、秋元が『とんねるずのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)で語っている。

内山田洋とクール・ファイブがコーラスで参加している。「雨の西麻布」の累計売上は40万枚[2]

2009年9月11日放送の『おもいッきりDON!』(日本テレビ)に出演したザ・リリーズ自身は、とんねるずが「雨の西麻布」のレコーディングの際、同じスタジオビクター青山スタジオ)に、アニメ『ワンダービートS』(TBS)の主題歌「瞳はコスモス」(1986年4月発売)をレコーディングするために居合わせていた事を明らかにした。

とんねるずのビクター楽曲にはアルバム収録する際に別ヴァージョンを収録させることがあり、この「雨の西麻布」も2種類のヴァージョンが存在する。『自歌自賛 ザ・ベスト・オブとんねるず』にオリジナル・ヴァージョンとして収録されているものは、演奏する楽器の異なるヴァージョンで、冒頭にくしゃみが意図的に収録されていることと、「双子のリリーズ」のフレーズがカットされた代わりに短いセリフがあることが挙げられている。

1985年12月16日にはカセットテープのみの企画で、「雨の西麻布~にっぽんの心」が発売された。雨の西麻布:(とんねるず)、その後の西麻布(ボブ&トメ)、双子の西麻布(リリーズ)、一気!(とんねるず)、Chadawa:(とんねるず)、雨の西麻布(カラオケ)以上、6曲入。

収録曲[編集]

オリジナル盤[編集]

  1. 雨の西麻布
  2. 僕は鳥になりたい
    • 作詞:秋元康/作曲・編曲:見岳章

再発盤[編集]

  1. 雨の西麻布
  2. 歌謡曲
    • 作詞:秋元康/作曲:見岳章

受賞ほか[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ “石橋貴明「いかに秋元康がふざけてるか」とんねるずの大ヒット曲の裏話告白”. ザテレビジョン (KADOKAWA). (2020年3月24日). https://thetv.jp/news/detail/228113/ 2020年3月25日閲覧。 
  2. ^ 世相風俗観察会(編)『現代風俗史年表 昭和20年(1945)→昭和60年(1985)』河出書房新社、1986年、370頁。ISBN 4-309-24089-5

外部リンク[編集]