前立腺癌
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前立腺癌(ぜんりつせんがん)とは、前立腺(外腺)に発生する病気、癌の一つ。様々な組織型の悪性腫瘍が生じうるが、その殆どは腺癌で、通常は前立腺癌≒前立腺腺癌の意味で用いられる。日本では癌死亡者の約3.5%を占め、近年急増傾向にある。ただし、癌の中では治癒率は比較的高い方であるとされている。45歳以下での罹患は家族性以外はまれで、50歳以降に発症する場合が多い。その割合は年を追うごとに増加する[1]。 欧米人に発生率の高い癌で、男性死亡者の約20%とトップを占める。同一人種間の日本と海外での患者割合の差は、食生活の違いにあるとされる。食生活の欧米化によって罹患率は急増しており、近い将来男性癌死亡者の上位となることが予想されている。
[編集] 原因
- 食事 :同一人種の居住地域による罹患率の差から、食事が原因の一つと考えられている。高脂肪の食事は前立腺癌のリスクとなる。乳製品の摂り過ぎは前立腺癌や卵巣癌のリスクを高めると言われる[2]。日本の国立がん研究センターが4万3000人を追跡した大規模調査でも、乳製品の摂取が前立腺癌のリスクを上げることを示し、カルシウムや飽和脂肪酸の摂取が前立腺がんのリスクをやや上げることを示した[3]。
- 人種 :黒人、白人、アジア人の順に頻度が高い。
- 遺伝 :若年例では家族性の前立腺癌が存在する。また、血縁に前立腺癌がある場合、前立腺癌の罹患率が上がることが知られている。
- 感染 :レトロウイルスであるXMRVによる感染と前立腺癌との関連が研究されている[4]。
前立腺肥大症は前立腺癌のリスクとはならない。
[編集] 疫学
2004年における10万人毎の前立腺がんによる死亡者数(年齢標準化済み
[5])
データなし
4以下
4-8
8-12
12-16
16-20
20-24
24-28
28-32
32-36
36-40
40-44
44以上
[編集] 予防
[編集] 症状
外腺に多く発生する。初期は自覚症状がほとんどなく、血液検査から前立腺特異抗原(PSA)の高値によって、その存在が疑われる。進行すると排尿困難等の症状を生じ、リンパ節や骨、実質臓器に転移する。転移性骨腫瘍のうち、前立腺癌は骨硬化性を示す事が多い。
[編集] 検査と診断
血液検査(PSA検査)によるスクリーニングを行い、問診、直腸診、エコー検査を行った上で、癌が疑わしい場合には、針生検による病理組織診断でグリソンスコア等の評価が行われる。一般にはPSAが4.0ng/mlをカットオフ値とし、これ以上ならば生検を行う場合が多いが、最適なカットオフ値は分かっていない。年齢別にPSAのカットオフ値を分ける場合もあり、施設によって値は異なる。一般に4ng/ml<PSA<10ng/mlでは前立腺癌の見つかる可能性は25-30%、10ng/ml以上で50-80%と言われている。
- スクリーニングの有用性については種々の意見があったが、最近の知見として、PSA検診で前立腺がん死亡リスクが44%減少、癌の発見率は1.64倍になるとの報告がなされている[6]。
生検で癌細胞が見つかった場合には、造影CTによりリンパ節転移の有無、精嚢浸潤などの前立腺被膜外への癌浸潤が検査されるが、CTによる精嚢・被膜外浸潤、リンパ節転移の診断効果は低い。核医学検査である骨シンチグラフィーで骨転移の有無を評価する。また、T分類の精度を高めるため、MRIが行われることも少なくない。近年では、生検を行う前に磁力強度の高いMRI(3.0テスラMRI)や経直腸のMRIを用いることで画像診断が可能になってきている。また、カラードップラー検査を用いた経直腸超音波でも、画像診断は可能となってきている。
[編集] 分類
[編集] 病期
[編集] 局所前立腺癌
[編集] 局所進行前立腺癌
[編集] 進行前立腺癌
[編集] 再発性前立腺癌
[編集] 治療
男性ホルモン(アンドロゲン)の作用を減らす事によるホルモン療法、外科手術による除去、放射線療法、化学療法、経過観察療法(PSA監視療法)などがあり、状態によって最適な治療法がとられる。放射線療法もしくは、グリーソン分類などによる病理学的異型度が低く、血清中の前立腺特異抗原の値が低く、他の臓器への転移が認められない場合は、外科手術(根治的前立腺摘除術)により根治することが期待できる。前立腺癌の進行は比較的遅く、他の癌に比べると予後が長い。 転移のある場合や超高齢者などでは、ホルモン療法が選択され、エストロゲン製剤、アンドロゲン拮抗剤、LH-RHアナログなどが投与される。場合によっては精巣摘出手術が併用される。 この癌は「前立腺肥大症」という病気と症状が酷似しているため、早期発見が難しいと言われていたが、近年ではPSA(前立腺特異抗原)検診の普及などにより、早期に発見される症例が多くなり、以前のように骨転移などをきっかけに発見される症例は減少した。
[編集] 関連項目
骨転移しやすい癌としては前立腺癌の他に、乳癌、肺癌がある。
[編集] 参考文献
[編集] 脚注
[編集] 外部リンク