うっせぇわ
「うっせぇわ」 | |||||||||||||||||
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Adoの配信限定シングル | |||||||||||||||||
収録アルバム | 『狂言』 | ||||||||||||||||
リリース | 2020年10月23日 | ||||||||||||||||
規格 | デジタル・ダウンロード | ||||||||||||||||
ジャンル | J-POP | ||||||||||||||||
時間 | 3分24秒 | ||||||||||||||||
レーベル | Virgin Music | ||||||||||||||||
作詞者 | syudou | ||||||||||||||||
作曲者 | syudou | ||||||||||||||||
チャート順位 | |||||||||||||||||
2021年度 (Billboard JAPAN) | |||||||||||||||||
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「うっせぇわ」(英語: Usseewa)は、日本の歌手・Adoの楽曲。メジャー1作目の配信限定シングルとして2020年10月23日にリリースされた。作詞作曲はボカロPのsyudouが手掛けている。
刺激的な歌詞などが大きな話題を呼んでTikTokやSNSで急速に拡散された[8]。YouTube再生回数は1億回再生、ニコニコ動画では500万回再生を記録。デジタルセールスは累計30万DLに達し、ストリーミング再生回数は3億回を突破している。Adoの代表曲の一つとされる[9]。
背景
[編集]メジャー1作目の楽曲で、自身の名義としては初のオリジナル楽曲となる[10]。Adoは楽曲について、包み隠さないありのままの感情を表現しているところに惹かれたと述べている。「うっせぇわ」は社会人の気持ちや不満を表現した楽曲であるが、Ado本人は当時高校生だったため、これまでに自分が感じてきた怒りの感情や嫌だったことを思い出しながら歌ったという[11]。syudou自身のお気に入りの歌詞は「あなたが思うより健康です」というフレーズだという。syudouはまだネットシーンでのみ活動をしていた当時に、ネットの音楽が「病んでいる」「暗い」というイメージで片づけられていたことに不満を持っていたといい、それに対してガツンと伝えたいという思いが上記の歌詞に込められている[12]。
2020年12月2日には、YouTubeの動画再生回数が1000万回を突破したことを記念し、同曲のピアノバージョンが公開された[13]。2021年2月5日には、Gigaがリミックスした「うっせぇわ(Giga Remix)」が配信リリースされた。
反響と受賞
[編集]批評
[編集]楽曲はYouTubeの動画を起点とし、幅広い世代を巻き込んだヒットとなった。その刺激的な歌詞から、物議をかもすほどの反響が見受けられた[14]。
- 音楽ライターの今井智子は、匿名性の高いボカロや歌い手の世界では顔出ししないことが当然ともいえるが、Adoの声は余計な情報がなくとも楽曲が成り立つことを示しており、強力な個性や過剰な露出を前提とするリアルなアイドルやアーティストに対するカウンターパンチのようだと評した[15]。
- 精神科医の木村好珠は、「うっせぇわ」と尾崎豊の楽曲「15の夜」を対比した上で、尾崎の時代はバイクを盗んで走り出すなどの行動に表すことができたが、今は優等生のように育ち自己主張が苦手な人が多く、鬱憤の晴らし方がより内側にこもり出している、と指摘した[16]。
- ジャパン・タイムズのライターであるパトリック・セント・ミシェルは、2021年の日本の音楽シーンを総括する記事で、「この曲は、いまだパンデミックの渦中にある社会の中において、身近な人に向けられた”回し蹴り”だった」と述べ、またそのヒットについて「COVID-19が日本の若者から有給休暇や東京での夜遊びなど、あらゆるものを奪ったこともあって、注目を集めるようになった」としている[17]。
- いしわたり淳治は、テレビ朝日系「関ジャム 完全燃SHOW」に出演した際に「2021年の年間マイベスト」第1位に本楽曲を選出。いしわたりは「プロのミュージシャンの作る音楽からは流行語が生まれない時代が長く続いて、個人的にそれを寂しく思っていた」といい、「その意味で、社会現象にもなった『うっせぇわ』は純粋に嬉しかった」「今の音楽界においてとても意味のあるヒットだった」と述べ、また「彼女の音楽的なセンスの良さと、唯一無二の声と歌唱力は、2021年1番の衝撃だった」と話した[18]。
受賞
[編集]- MTV Video Music Awards Japan 2021「MTV・ブレイクスルー・ソング」(2021年)[19]
- J-WAVE SPECIAL MUSIC FUN! AWARDS 2021[注 1]「Best of Lyrics 最優秀作詞賞」(2021年)[12]。
- 新語・流行語大賞2021 - トップテン(2021年)[20]
- 2021年度MPA賞ヒット・ソング賞(NexTone)[21]
- NexTone Award 2022 - Silver Medal[22]
- NexTone Award 2023 - Gold Medal[23]
チャート成績
[編集]本楽曲は、まずリリース3週目となる2020年11月16日付の「Billboard Japan Hot 100」にて97位でTOP100圏内に初登場すると[24]、発売から1か月半が経過した12月10日付のSpotifyバイラルチャート「バイラルトップ50(日本)」で1位を記録[25]。その後翌年1月25日付 (リリース13週目) のBillboard JAPAN総合ソング・チャート「JAPAN HOT 100」で、ダウンロード13位 (8,713DL)、ストリーミング12位 (4,635,629再生) をマークし、初のTOP10入りを果たした[26]。その翌週には、「Billboard Japan Download Songs」で自身初のダウンロード首位 (19,683DL) を獲得した[27]。また、同週のオリコン「週間デジタルシングル(単曲)ランキング」、「週間ストリーミングランキング」の両方で初の1位を記録している[28]。さらに2月22日付の「Download Songs」で1位 (27,300DL) を獲得し4連覇を達成すると、翌月15日付の「Billboard Japan Hot 100」にて、自身初となる総合首位を獲得した[1]。
2021年3月29日付のBillboard JAPANチャートにて、ストリーミング累計再生回数が1億回を突破した。チャートイン17週目での1億回突破は歴代6番目の速さとなり、ソロ歌手では最年少の記録となった[29][30]。その後リリースから8ヵ月半が経過した2021年7月17日には、累計再生回数が2億回を突破したことがアナウンスされた[31]。
認定と売上
[編集]認定 (RIAJ) | 売上/再生回数 | |
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ダウンロード | プラチナ[32] | 358,000 DL[33] |
ストリーミング | トリプル・プラチナ[34] | 300,000,000 回再生 |
*認定のみに基づく売上/再生回数 |
ミュージックビデオ
[編集]ミュージックビデオの制作はWOOMAが担当した。再生回数は、公開から3か月足らずで3600万回に達し[35]、2021年3月20日に1億回を突破した[36]。
カバー
[編集]- プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク - 2022年1月31日にゲーム『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク』とAdoのタイアップ企画の一環として、25時、ナイトコードで。から朝比奈まふゆ(田辺留依)と暁山瑞希(佐藤日向)が歌唱のセカイver.と、初音ミクによる歌唱のバーチャル・シンガーver.が収録される[37]。
- ビリーバンバンの菅原進がYouTube、ニコニコ動画でカバー。
その他
[編集]- 明星食品 - 2021年4月より同社の主力商品のひとつ、「中華三昧」タテ型カップ麺のCM『うっめぇわ篇』に同楽曲が使用されている(但し、歌詞は替え歌)[38]。
- KONAMI『ノスタルジア』 - 2021年3月31日に本人音源で収録[39]。
- KONAMI『jubeat』(スマホアプリ版) - 2021年5月7日に本人音源で収録[40]。
- セガ『maimai でらっくす UNiVERSE』 - 2021年9月16日に本人音源で収録[41]。
- セガ『CHUNITHM NEW』- 2021年11月4日に本人音源で収録[42]。
- セガ『オンゲキ bright』 - 2021年10月21日に本人音源で収録[43]。
- バンダイナムコ『太鼓の達人』 - 2021年4月21日に本人音源で収録[44]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 各ジャンルで活躍する音楽クリエイター約50名のアンケートをもとに開催された音楽賞。
出典
[編集]- ^ a b “Billboard Japan Hot 100 | Charts”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク (2020年3月10日). 2021年3月10日閲覧。
- ^ “Billboard Japan Top Download Songs | Charts”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク (2020年2月1日). 2021年1月29日閲覧。
- ^ “Streaming Songs”. Billboard Japan (2021年2月17日). 2021年7月13日閲覧。
- ^ a b “Ado「うっせぇわ」が「デジタルシングル」「ストリーミング」2部門で初の1位【オリコンランキング】”. ORICON NEWS. オリコン (2020年2月3日). 2021年2月22日閲覧。
- ^ “Hot 100 Year End 2021”. Billboard Japan (2021年12月10日). 2022年11月30日閲覧。
- ^ “Billboard Japan Top Download Songs Year End | Charts”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク. 2022年11月30日閲覧。
- ^ “Streaming Songs Year End 2021”. Billboard Japan (2021年12月10日). 2022年11月30日閲覧。
- ^ “これぞ2021年型ヒット?! 「うっせえわ」と叫ぶAdoの衝撃”. Billboard JAPAN (2021年1月18日). 2021年7月16日閲覧。
- ^ “名塚佳織と“令和の歌姫”Adoが「ONE PIECE FILM RED」で歌姫ウタ役をダブルキャスト”. 日刊スポーツ (2022年6月8日). 2022年6月8日閲覧。
- ^ “「うっせぇわ」特設ページ”. Ado. 2021年1月11日閲覧。
- ^ Ado. “「根暗で自信がなくて、そういう自分が嫌だった」 18歳のシンガーAdoが渋谷のビジョンで「うっせぇわ」を見た日”. 文春オンライン. 2021年6月5日閲覧。
- ^ a b 「J-WAVE SPECIAL MUSIC FUN! AWARD 2021」【MUSIC FUN!】 - YouTube
- ^ “女子高生シンガーAdo、「うっせぇわ」ピアノバージョン公開 YouTubeでの1000万回再生を記念して”. Real Sound|リアルサウンド. 2021年1月11日閲覧。
- ^ “「うっせぇわ」大ヒットのAdo、大反響に戸惑いも?社会への怒りぶつける歌詞に共感「学校のルールに苦しみ悩んだ」”. ORICON NEWS. 2021年6月5日閲覧。
- ^ “Adoを巡る3つの視点 「うっせぇわ」にとどまらない歌声の力”. Real Sound|リアルサウンド. 2021年6月5日閲覧。
- ^ “精神科医が語る「うっせぇわ現象」の読み解き方 | 健康”. 東洋経済オンライン (2021年3月15日). 2021年6月5日閲覧。
- ^ “Escapist bops and deep pop: Music was a mood in 2021”. The Japan Times (2021年12月24日). 2022年1月2日閲覧。
- ^ “「関ジャム 完全燃SHOW」 2022年1月9日(日)放送内容”. 価格.com (2022年1月9日). 2022年1月17日閲覧。
- ^ “「MTV VMAJ 2021」星野源、BTS、NiziU、BE:FIRST、ミレパ×Belle、ランぺ、YOASOBIら受賞”. 音楽ナタリー (2021年10月29日). 2021年11月12日閲覧。
- ^ “2021年流行語大賞 トップ10に「うっせぇわ」Ado「これからも楽曲を大切に」”. スポーツ報知 (2021年12月1日). 2021年12月1日閲覧。
- ^ 2021年度MPA賞決定! - 日本音楽出版社協会・2021年12月9日
- ^ NexTone Award 2022、瑛人「香水」がGold Medalを受賞 特別賞はホロライブプロダクション - Musicman・2022年4月8日
- ^ 『NexTone Award』著作権使用料分配額1位は「うっせぇわ」 作詞作曲のsyudou氏「背筋が伸びる思い」 - ORICON NEWS・2023年4月28日
- ^ “Hot 100”. Billboard Japan (2021年11月11日). 2021年7月13日閲覧。
- ^ “SEKAI NO OWARI、『恋あた』主題歌バイラル好調 バンド初のクリスマスソングで際立つしなやかな“歌の強さ””. Real Sound|リアルサウンド. 2021年1月11日閲覧。
- ^ “【ビルボード】ジャニーズWEST「週刊うまくいく曜日」227,615枚を売り上げ初登場首位獲得、注目のAdo「うっせぇわ」総合10位にランクアップ”. Billboard JAPAN (2021年1月20日). 2021年7月13日閲覧。
- ^ “【ビルボード】Ado「うっせぇわ」で自身初のDLソング首位、YOASOBI「優しい彗星」が2位に続く”. Billboard JAPAN (2021年1月27日). 2021年7月13日閲覧。
- ^ “Ado「うっせぇわ」が「デジタルシングル」「ストリーミング」2部門で初の1位【オリコンランキング】”. ORICON NEWS. 2021年6月5日閲覧。
- ^ “Ado「うっせえわ」ストリーミング累計1億回再生突破”. Billboard JAPAN NEWS. 2021年3月25日閲覧。
- ^ “Ado「うっせぇわ」すっげえわ!サブスク再生1億回突破 世代超えた社会現象に”. www.msn.com. 2021年3月25日閲覧。
- ^ ado_staffのツイート(1416004790174117888 )
- ^ “4月度 DL認定”. PR TIMES (2021年5月20日). 2021年6月20日閲覧。
- ^ “オリコン年間 2021 デジタルシングルランキング”. オリコン (2021年12月22日). 2021年12月22日閲覧。
- ^ https://www.riaj.or.jp/f/data/cert/st_search.html
- ^ “「うっせぇわ」で話題の女子高生歌手Ado、『Mステ』に“電話”出演決定”. ORICON NEWS. 2021年1月20日閲覧。
- ^ “Ado「うっせぇわ」MV再生数1億回を突破に感謝”. 日刊スポーツ. 2021年3月20日閲覧。
- ^ “「プロジェクトセカイ」、Ado楽曲タイアップキャンペーンで「うっせぇわ」など楽曲収録決定!”. 4Gamer.net. 2022年2月6日閲覧。
- ^ “明星 中華三昧タテ型 新TV-CM 「うっめぇわ篇」(4月26日からオンエアスタート) YouTube&ストリーミングで1億回再生突破の話題曲「うっせぇわ」の メロディーに乗せて伝える本格中華クオリティー 明星 中華三昧タテ型 新TV-CM 「うっめぇわ篇」 2021年4月26日(月) ※から全国でオンエアスタート!”. 明星食品 (2021年4月26日). 2021年4月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月11日閲覧。
- ^ “「ノスタルジア Op.3」に新たな楽曲として“うっせぇわ”や“テーマ・オブ・半沢直樹”などが登場”. 4Gamer.net. 2023年8月10日閲覧。
- ^ “「jubeat plus」が「jubeat」にアップデート!「うっせぇわ」などの楽曲やミュージックプレイヤー機能が登場”. Gamer. 2023年8月10日閲覧。
- ^ “「maimai でらっくす UNiVERSE」が稼働!「うっせぇわ」や「夜に駆ける」などがプレイ可能”. Gamer. 2023年8月10日閲覧。
- ^ “「CHUNITHM NEW」が稼働開始!「夜に駆ける」「香水」「うっせぇわ」など新曲を多数追加”. Gamer. 2023年8月10日閲覧。
- ^ “「オンゲキ」の新バージョン「オンゲキ bright」が稼働開始!「アイドルマスター」シリーズとのコラボイベントも開催”. Gamer. 2023年8月10日閲覧。
- ^ “AC「太鼓の達人」に「うっせぇわ」や呪術廻戦のOP曲「廻廻奇譚」など人気楽曲が追加!”. Gamer. 2023年8月10日閲覧。