魚介類の脂肪酸

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魚介類の脂肪酸:Fatty acid of seafood)とは、魚介類に含まれる脂肪トリグリセリド)を構成している脂肪酸のことである。

魚介類には、エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)などのω-3脂肪酸である高度不飽和脂肪酸が多く含まれる。魚介類に含まれるDHAの多くは、ラビリンチュラ類の1属である Schizochytrium 属などのような海産の微生物によって生産されたものが、食物連鎖の過程で魚の体内に濃縮されたものである。また、ω-3脂肪酸の高度不飽和脂肪酸の摂取は心臓病の予防に良いと言われている[1]

DHAはリン脂質に含まれる脂肪酸の主要な成分である。神経細胞は、軸索や樹状突起などの凹凸の多い入り組んだ構造を有しているため、膜成分が極端に多くなっている[2][要高次出典]。DHAは、神経細胞の細胞膜を柔らかくし、樹状突起を増やしたり、軸索の成長を促して脳・神経系の健全性を保つ[3][要高次出典]。 また、DHAが不足すると脳内セロトニンの量が減少し、多動性障害を引き起こすという報告がある[4]アルツハイマー型痴呆[5][6]うつ病などの疾病に対してもDHAの摂取は有効であるといわれている。シーフードをたくさん摂取するところほど母乳内のDHAは高く、産後うつ病の有病率は低かった。DHAを含むω-3脂肪酸を十分に摂取しないと、母体から胎児への転送により、妊娠・出産期には母親には無視できないω-3脂肪酸の枯渇の危険性が高まり、その結果として産後のうつ病の危険性に関与する可能性が指摘されている[7]

以下に、魚介類100g中に含まれる主な脂肪酸を示す[8][9]

脚注[編集]

  1. ^ Our 2006 Diet and Lifestyle Recommendations(英語)(AHA - American Heart Association)
  2. ^ 浜崎智仁「13:00 ~13:40脂質と精神」金城学院大学/日本脂質栄養学会共催シンポジウムの抄録 6章p10『 脂質栄養学の新方向とトピックス
  3. ^ 情報伝達をスムーズにして脳の老化を抑制!脳を元気にする DHA (富士フイルムヘルスケア未来研究所)
  4. ^ Richardson AJ (April 2006). “Omega-3 fatty acids in ADHD and related neurodevelopmental disorders”. Int Rev Psychiatry 18 (2): 155-72. doi:10.1080/09540260600583031. PMID 16777670. 
  5. ^ Oksman, M.; Iivonen, H.; Hogyes, E.; Amtul, Z.; Penke, B.; Leenders, I.; Broersen, L.; Lütjohann, D. et al. (2006). “Impact of different saturated fatty acid, polyunsaturated fatty acid and cholesterol containing diets on beta-amyloid accumulation in APP/PS1 transgenic mice”. Neurobiology of Disease 23 (3): 563–572. doi:10.1016/j.nbd.2006.04.013. ISSN 09699961. 
  6. ^ Uauy R, Dangour AD (May 2006). “Nutrition in brain development and aging: role of essential fatty acids”. Nutr. Rev. 64 (5 Pt 2): S24–33; discussion S72–91. PMID 16770950. 
  7. ^ 岡田斉、萩谷久美子、石原俊一ほか「Omega-3多価不飽和脂肪酸の摂取とうつを中心とした精神的健康との関連性について探索的検f討-最近の研究動向のレビューを中心に」『人間科学研究』(30),2008,pp87-96. NAID 120001859287
  8. ^ 五訂増補日本食品標準成分表
  9. ^ 五訂増補日本食品標準成分表 脂肪酸成分表編

関連項目[編集]

外部リンク[編集]