スフィンゴ脂質

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スフィンゴ脂質の構造。R部分の違いにより スフィンゴ糖脂質スフィンゴ燐脂質とに分類される。

スフィンゴ脂質(スフィンゴししつ、sphingolipid)とは、長鎖塩基成分としてスフィンゴイド類を含む複合脂質の総称である。すなわち、スフィンゴイドに脂肪酸がアミド結合したセラミド(図中のR以外の部分)を共通構造とし、それに(図中R部分に)グリコシド結合したスフィンゴ糖脂質とリン酸および塩基が結合したスフィンゴリン脂質とに分類される。

スフィンゴ脂質の構造

他の複合脂質にはスフィンゴイドの代わりにグリセロールを含むものが知られており、それらはグリセロ脂質と呼ばれ複合脂質を大きく二つに分類づけている。

スフィンゴ脂質の分布はもっぱら動物界であり、植物界・酵母には少数存在するのみである。動物界ではスフィンゴイドとしてスフィンゴシンを含む場合が多いが、植物界ではフィトスフィンゴシンを含むものが代表的である。つまり量の差はあれ両者とも相互の生物界に分布している。

スフィンゴ脂質の代表としてはスフィンゴミエリンsphingomyelin)が知られており、スフィンゴシンの第一級アルコール基がリン酸エステル結合し、リン酸はついで、別のアミノアルコールであるコリンエステル結合している。そして第二級アルコール、ここではコリンもまたリン酸とエステル結合している。スフィンゴミエリンは両親媒性分子であり、神経系の細胞膜に存在する。

存在[編集]

食品[編集]

食品中に含まれるスフィンゴ脂質の量
品目 [1]
(μmol/Kg)
[2]
(μmol/Kg)
備考
大豆 2571 2410
2250 2250
バター 1170 460
クリーム 907 1692
サツマイモ 669 669
鶏肉 589 530
チーズ 567 1326

なお、スフィンゴ脂質の消化吸収は他の脂質と比較すると吸収率が低い。とりわけ、スフィンゴ糖脂質はとても低くほとんど吸収されない。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 「スフィンゴ脂質」『岩波生物学辞典』第4版、岩波書店。

脚注[編集]

  1. ^ Lars Hellgren (2002). “Sphingolipids in the human diet - occurrence and physiological effects”. Lipid Technology (Wiley - V C H Verlag GmbH & Co. KGaA) 14: 131. ISSN 0956-666X. 
  2. ^ Hubert Vesper, Eva-Maria Schmelz, Mariana N. Nikolova-Karakashian, Dirck L. Dillehay, Daniel V. Lynch, and Alfred H. Merrill Jr. (July 1999). Sphingolipids in Food and the Emerging Importance of Sphingolipids to Nutrition. 7. 129. p. Table.1. http://jn.nutrition.org/content/129/7/1239.full.