ホスファチジルイノシトール
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ホスファチジルイノシトール | |
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別称 PI, PtdIns | |
識別情報 | |
J-GLOBAL ID | 200907072738604483 |
KEGG | C01194 |
MeSH | Phosphatidylinositol |
ChEBI | |
LIPID MAPS | LMGP06010000 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ホスファチジルイノシトール(Phosphatidylinositol、略称: PtdIns、またはPI)は、グリセロリン脂質に分類されるリン脂質の一つ。PIは両親媒性分子である。真核生物の細胞膜の細胞質側に存在する。歴史的には、FaureとMorolec-Coulonにより小麦胚芽と心筋から初めて単離された[1] [2]。ホスファチジルイノシトールを基本骨格にもつすべての脂質をイノシチド (inositides) またはホスホイノシチド (phosphoinositides) と呼ぶ。
組成
[編集]ホスファチジルイノシトールはグリセロールと脂肪酸からなるリン脂質の一つであり、アルコール部分がイノシトールになっている。加水分解されると、1分子のグリセロール、2分子の脂肪酸、1分子のイノシトールと、1から3分子のリン酸が生成する。全てのリン脂質の中で最も酸性度の高いものと考えられている。
リン酸化
[編集]イノシトール環の3,4,5位の水酸基が7つの異なった組み合わせでリン酸化されることができ、多くの種類のキナーゼの基質になりうるため、PtdInsはシグナル伝達に関わっている。
2位と6位の水酸基は、立体障害のためにリン酸化されないと考えられている。
リン酸化された7種の全ての異性体が動物から見つかっているが、植物からはホスファチジルイノシトール 3,4,5-三リン酸だけ見つかっていない[3]。
生理作用
[編集]ホスファチジルイノシトールの摂取は血中のHDLコレステロール値を上昇させる作用がある。[4]
出典
[編集]- ^ Arnis Kuksis (2003), Inositol Phospholipid Metabolism and Phosphatidyl Inositol Kinases, Elsevier, pp. 1, doi:10.1016/S0075-7535(03)30018-X
- ^ J. N. HAWTHORNE (April 1960), Inositol Phospholipid, 4, 1, Journal of lipid research, pp. 263
- ^ Muller-Roeber B, Pical C (2002). Inositol Phospholipid Metabolism in Arabidopsis. Characterized and Putative Isoforms of Inositol Phospholipid Kinase and Phosphoinositide-Specific Phospholipase C
- ^ Jim W. Burgess, Tracey A-M. Neville, Patricia Rouillard, Zdena Harder, Donald S. Beanlands and Daniel L. Sparks (Feb 2005), Phosphatidylinositol increases HDL-C levels in humans, 46, The Journal of Lipid Research, pp. 350-355, doi:10.1194/jlr.M400438-JLR200