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ビンナガ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ビンナガ
ビンナガ
FishBaseによる画像
分類
界 : 動物界 Animalia
門 : 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
綱 : 条鰭綱 Actinopterygii
目 : サバ目 Scombriformes
科 : サバ科 Scombridae
亜科 : サバ亜科 Scombrinae
族 : マグロ族 Thunnini
属 : マグロ属 Thunnus
South, 1845
亜属 : Thunnus South,1845
種 : ビンナガ T. alalunga
学名
Thunnus alalunga
(Bonnaterre, 1788)
和名
ビンナガ
ビンチョウ
ビンナガマグロ
ビンチョウマグロ
英名
Albacore

ビンナガ(鬢長、学名:Thunnus alalunga)は、サバ目・サバ科に分類される魚の一種。全世界の熱帯・温帯海域に分布する小型のマグロで、缶詰などに用いられる重要な食用魚である。

「マグロ」をつけてビンナガマグロ[1]、または「長」を音読みしビンチョウ[1]、ビンチョウマグロとも呼ばれる。異名としてトンボマグロ、シビマグロ、他の地方名としてビナガ(宮城南部)、ビンチョ(宮城北部)、カンタロウ、カンタ(三重)、トンボ、トンボシビ(関西・高知)などもある。旨味が少ないマグロとされるが、適切な塩水処理を行えば、ねっとりとしたマグロの食感も得られ、美味である。

アメリカの日本人・日系人コミュニティーでは、英語名の「Albacore tuna」から「アバコ」とも呼ばれ、寿司ダネとしても親しまれている。

特徴

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ビンナガ

成魚は全長140 cm・体重60 kgに達するが、マグロとしては小型種である。多く漁獲されるのは50-100 cmほどで、カツオと同じくらいの大きさである。

胸鰭が第二背鰭を超えるほど長い点で近縁種と区別でき、個体によっては背中側の第二小離鰭にまで達する。標準和名は正面から見た際に目立つ長い胸鰭を鬢(びん=もみあげ)に見立てている。地方名「トンボ」も同様に、胸鰭をトンボの翅に見立てている。また、尾鰭が白く縁取られる点でも他種と区別できる。

全世界の熱帯・温帯海域に広く分布する。キハダやメバチがいない地中海にも生息するが、地中海の個体群は遺伝的に隔離されているという研究報告がある。日本では北海道以南で見られるが、日本海では稀である。北太平洋では「東西大回遊」を行うことが標識放流で明らかになっている。

海洋の表層・中層に生息する。好む水温は16-20℃で、キハダ・メバチより低温、クロマグロ・ミナミマグロより高温を好む。短時間ならば水温9.5℃まで耐えられる。赤道から緯度10度以内では水面近くを避け、中層に生息する。また、大型個体も水温14-25℃ほどの中層を好む。

利用

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延縄、曳縄(トローリング)、一本釣りなどで漁獲される。漁獲量は1960年代から年間約20万t前後で推移している。

身は他のマグロと同様に赤身だが、色は白に近いピンク色で非常に柔らかい。フライ、唐揚げ、ソテーなどで食べられる他、鰹節と同様の「鮪節」(生利節)にも加工される。世界的にはキハダと共に缶詰の材料として重要で、その鶏肉にも似た食感からChicken of the Seaやシーチキンなどと名付けられ、欧米でも多量に消費されているほか、ペットフードの原料としての需要も大きい。

マグロの仲間としてはうま味に乏しく刺身などの生食にはあまり適さないが、寒冷地で漁獲された個体は脂が乗って美味であり、ビントロと称して回転寿司などに用いられる。

IUCNレッドリストでは2011年からはNear Threatened(近危急種)として記載されていた[2]が、2021年にはLeast Concern(低危険種)として記載された[3]。ヨーロッパに限定しても、2015年の評価でLeast Concern(低危険種)となっている[4]。

ビンナガ
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))[3]

脚注

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  1. 1 2 「魚介類の名称表示等について(別表1) (PDF)」水産庁。2013年7月18日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2013年5月29日閲覧。
  2. ↑ Collette, B.; et al. (2011). “Thunnus alalunga”. IUCN Red List of Threatened Species (英語). 2011 e.T21856A9325450. doi:10.2305/IUCN.UK.2011-2.RLTS.T21856A9325450.en. 2025年11月10日閲覧.
  3. 1 2 Collette, B.B.; Boustany, A.; Fox, W.; Graves, J.; Juan Jorda, M.; Restrepo, V. (2021). “Thunnus alalunga”. IUCN Red List of Threatened Species (英語). 2021 e.T21856A46911332. doi:10.2305/IUCN.UK.2021-2.RLTS.T21856A46911332.en. 2025年11月10日閲覧.
  4. ↑ Collette, B.; Fernandes, P.; Heessen, H. (2015). “Thunnus alalunga (Europe assessment)”. IUCN Red List of Threatened Species. 2015 e.T21856A18208821. 2025年11月10日閲覧.

参考文献

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  • FishBase - Thunnus alalunga(英語)
  • Nakadate, M., Vinas, J., Corriero, A., Clarke, S., Suzuki, N., Chow, S. (2005). Genetic isolation between Atlantic and Mediterranean albacore (Thunnus alalunga) populations inferred from mitochondrial and nuclear DNA markers. Journal of Fish Biology 66: 1545-1557. doi:10.1111/j.1095-8649.2005.00705.x
  • 本田崇・魚住雄二・熊井英水『マグロはいつまで食べられるか』Newton2007年3月号
  • 岡村収監修 山渓カラー名鑑『日本の海水魚』(サバ科執筆者 : 中村泉)ISBN 4-635-09027-2
  • 檜山義夫監修 『野外観察図鑑4 魚』改訂版 旺文社 ISBN 4-01-072424-2
  • 永岡書店編集部『釣った魚が必ずわかるカラー図鑑』 ISBN 4-522-21372-7
  • 内田亨監修『学生版 日本動物図鑑』北隆館 ISBN 4-8326-0042-7
  • 張成年『謎とき水生動物』NextPublishing、2023年9月。ISBN 978-4-80-208419-2。

関連項目

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