生利節

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生利節(なまりぶし)、または生節(なまぶし)とは、生のカツオを解体し、蒸す茹でるなどの処理を施した一次加工食品原料として、カツオ以外にマグロサバを使うこともある。軽度の燻製加工が施されている場合もある。初鰹と同じく、夏の季語でもある。

概要[編集]

江戸時代以降に製造が盛んになる。生魚を直接加工するため、現代では静岡県鹿児島県三重県高知県和歌山県千葉県など、カツオやマグロの水揚げが多い漁港周辺で生産される。分を40%程度含み、保存期間に制限があるため、長期保存が可能な鰹節よりも生産量は少なく、鉄道での輸送が始まるまでは生産地周辺の地域、鮮魚より少し広い程度の範囲にしか流通させることができなかった。静岡県の焼津からは1889年明治22年)の東海道本線開通以後、鉄道輸送により東京大阪など大都市まで流通できるようになったが、鮮魚よりも日持ちする生利節でも腐敗してしまうことがあったといい、魚の鮮度保持のためにが使われるようになった1908年(明治41年)には、生利節の鉄道輸送にも氷冷蔵車が使用されるようになった[1]

加工工程[編集]

生魚の部を切断し、内臓を除去する。次に、体長方向と平行に切れ目を入れ、3分割する(三枚におろす)。背骨以外の片身を数十分、茹でる。その後、骨などを除去する。鰹節と違い、魚を残すことが多い。カツオの魚皮の模様には商品価値があるため、皮がはがれないように乾燥させる工程を入れる場合もある。製品としては、三枚におろした形状のもの、一口で食べられるよう数cmの幅に切り分けたものなどさまざまな形状を取る。加工工程が単純であるため、生鰹から個人で加工、調理することも可能である。

使用例[編集]

名前に「節」とあるが、鰹節のように完全には乾燥していないため、そのまま食材として利用できる。特に加工を必要とせず食用となる。調味料は通常加わっていないため、醤油などを付ける、ショウガと煮付けにする、酢の物味噌汁に入れるなどの調理方法が多いようだ。 また今日では、シーチキン等のようにマヨネーズ又はマヨネーズ醤油などを用いた調理が見られる。地域振興を狙った、食べるラー油状に加工した生利節も作られた。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 静岡県水産試験場主任研究員増元英人. “氷と焼津の漁業 (HTML)”. 2008年9月12日閲覧。