イタヤガイ
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イタヤガイ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Pecten albicans (Shröter,1802) | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
イタヤガイ | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Japanese baking scallop[1] |
イタヤガイ(板屋貝、半辺蛤[2]、魁蛤[2]、Pecten albicans, 英: Japanese baking scallop, 独: Japanische Backmuschel[3])は、イタヤガイ目イタヤガイ科の二枚貝。食用。和名の由来は、木の板で葺いた家屋・板屋。平らなほうの殻が板で葺いた屋根のようだから。別名:ヒシャクガイ[4]。
分布
[編集]日本国内では北海道南部から九州。ほかに朝鮮半島、中国沿岸[5]。
形態
[編集]右の殻は左の殻よりも大きく、強く膨らむ。白色または黄白色。内側は白色、しばしば暗褐色の斑を持つ[5]。これに対し左の殻は扁平で赤褐色。殻長10センチ[6]。8 -10本の放射肋あり[4]。
100個の眼を持つ。雌雄同体である[6]。
生態
[編集]水深10 - 80メートルの砂底または砂泥底に生息[1]。平らな側を上に向けて海底の砂の上にいる。敵に襲われると殻の隙間(前後の端、腹縁部)から水を噴き出して逃げる[5]。植物プランクトンなどを濾過して摂食する[7]。
人との関わり
[編集]食用。ホタテガイやヒオウギガイのように、大きな貝柱を賞味する。焼き物、煮物、フライ、干物などが美味[7]。
鹿児島県ではツキヒガイに混獲されることがあるが、ツキヒガイに比べて小型で知名度も低く、市場にはほとんど出荷していない[8]。伊勢湾でも底曳き網などで漁獲するが、水揚げは少ない[7]。
本種の漁は、大量発生した際にこれを漁獲しつくすという形で行われるため、従来資源管理が困難であった。島根県では本種の天然採苗が可能であると分かったことから、1979年から養殖の対象となっている。養殖用稚貝は天然採苗により入手[9]。
ほかに、貝杓や灯明皿に利用された実績あり[10]。
参考文献
[編集]- 『子どもと一緒に覚えたい 貝殻の名前』秋山信彦, 吉川尚, 野口文隆(監修)、マイルスタッフ、2019年8月1日。ISBN 978-4-295-40336-4。
- R. T. アボット、S. P. ダンス『世界海産貝類大図鑑』渡部忠重, 奥谷喬司(監訳)、平凡社、1985年3月8日。ISBN 4-582-51811-7。
- 『決定版 生物大図鑑 貝類』世界文化社、1986年7月1日。ISBN 4-418-86402-4。
- 奥谷喬司(編著)『日本近海産貝類図鑑』(第二版)東海大学出版部、2017年1月30日。ISBN 978-4-486-01984-8。
出典
[編集]- ^ a b アボット&ダンス 1985, p. 309.
- ^ a b 『難読漢字辞典』三省堂、2009年。
- ^ “Pecten albicans (Schröter, 1802)”. GBIF. 2021年3月10日閲覧。
- ^ a b 秋山et al 2019, p. 14-16.
- ^ a b c 世界文化社 1986, p. 292-293.
- ^ a b 奥谷 2017, p. 1196.
- ^ a b c “イタヤガイ Pecten albicans”. 志摩市浜島町浜島: 三重県水産研究所. 2021年3月11日閲覧。
- ^ 宮原恵津子 (2017年10月12日). “ととナビvol.172 イタヤガイ”. えっちゃんのたんぽぽ倶楽部. 株式会社南日本放送. 2021年3月11日閲覧。
- ^ 勢村均「島根県沿岸における二枚貝の増養殖に関する研究」『島根県水産技術センター研究報告』第7号、2015年、14頁、ISSN 1881-5200。
- ^ “ニマイガイ綱(斧足綱)”. 富岡研究室. 岡山理科大学生物地球学部 生物地球学科. 2021年3月10日閲覧。