笹川賞競走
![]() |
笹川賞 (ボートレース オールスター) | |
---|---|
格付け | SG |
優勝賞金 | 4000万円 |
優勝戦 |
6名 各準優勝戦上位2名 |
準優勝戦 | 得点上位18名 |
予選 | 4日間 |
出場資格 |
ファン投票(前期A1級を対象) |
主催者 | 市・組合・企業団 |
開催地 |
![]() |
開催時期 | 5月下旬 - 6月上旬 |
第1回執行日 | 1974年5月2日 |
次回開催予定 | |
開催期間 | 第50回 2023年5月23日-5月28日 |
開催地 | ボートレース芦屋 |
笹川賞競走(ささかわしょうきょうそう)は、競艇(ボートレース)のSG競走の1つ。
通称は「オールスター」。2014年からの通称名称は「ボートレース オールスター(BOAT RACE ALL STARS)」[1]。本競走は5大SG競走GRANDE5の第2戦に位置付けられている。
概要[編集]
本競走は他のSG競走と異なり、プロ野球のオールスターゲームや競馬の宝塚記念・有馬記念更に競輪のオールスター競輪と同様にファン投票によって出場選手が決定される。特に初日の最終競走である第12Rの「ドリーム戦」は投票上位6名によって争われる。ファン投票の形式ということもあり、他のSG競走と比べて女子レーサーが出場しやすい大会でもある。
毎年5月の最終週(年によっては5月から6月に架けての月跨ぎ開催が有る)に行われる。尚、競馬の日本ダービー(東京優駿)・目黒記念の日と重なる事が多い。
下付賞があり、「日本モーターボート競走会会長杯争奪 笹川賞競走」となる。第34回大会まで「全国モーターボート競走会連合会会長杯」であったが、全国モーターボート競走会連合会及び各都府県のモーターボート競走会が2008年3月31日を以て解散となり、同年4月1日より日本モーターボート競走会に組織が一元化されたことを受け[2]、第35回大会から「日本モーターボート競走会会長杯」に変更となった。
「笹川」は競艇の産みの親である笹川良一(ささかわ りょういち)の名前から取っている。
ファン投票[編集]
1月下旬になるとファン投票の案内が発表される。投票期間は1月下旬 - 2月下旬。発表は3月上旬。ボートレースオフィシャルWEBやボートレース雑誌、スポーツ新聞各紙へ発表される。なお、初日の最終第12Rに行なわれるドリーム戦の出場メンバー選抜も兼ねているため、優先出場選手もファン投票の対象選手として取り扱っている。
出場資格[3][編集]
![]() |
- 優先出場
- 前年度優勝者
- 前年のグランプリの優勝戦出場者(6名)
- 直前のSG競走であるボートレースクラシックの優勝者
- 開催年前期A1級を対象にしたファン投票を行い、その獲得投票順に出場者が選出される。
- その他、選考委員会選出の選手(3名)
※選考は優先出場選手→一般投票選手(獲得投票順)→選考委員会選出→予備選手(獲得投票順、男女別)
- 選出除外(投票者リストに入らない)
- 前年の1月から12月末日までの出走回数160走未満の選手。(優先出場選手は免除)
- 前回(前年)のボートレースオールスターからグランプリのSG優勝戦で選手責任事由によるスタート事故を起こした選手。
- 前年のボートレースダービーからグランプリ(シリーズ戦)のSG準優勝戦で選手責任事由によるスタート事故を起こした選手。
- 前年のグランプリ(トライアル・順位決定戦)で選手責任事由によるスタート事故を起こした選手。
- 前年の1月以後に褒賞懲戒規定による出場停止処分(一部を除く)を受けた選手。
- 産休などで投票を辞退した選手。
- 出場取消
- 直前のボートレースクラシックの準優勝戦および優勝戦で選手責任事由によるスタート事故を起こした選手。
- ボートレースオールスター前検日までに褒賞懲戒規定による出場停止処分を受けた選手。(一部を除く)
- 負傷、病気等により出場を辞退する申出があった選手。
- 優勝すると翌年の同大会への出場権を無条件で手に入れることが出来る。
歴史[編集]
![]() |
全国地区対抗競走が廃止され、その代替として開催されるようになった[4]。第1回大会のファン投票1位は彦坂郁雄であった[5]。
2010年の第37回大会の選手紹介式では、新鋭リーグ・女子リーグのオリジナルファンファーレが発表された。
2011年の第38回大会は東日本大震災の被災地支援競走としてこの年の最初のSG大会として開催し総売上げの1割を被災地に送った。女性レーサーが初めてドリーム戦に出場(3774横西奏恵・1着)し、さらに当競走では初めて女性レーサーが優出した(同じく横西奏恵・6着)。
2013年、ファン投票で中村亮太がファンに配る投票用のマークシートの自分の欄を予め塗り潰したものを配布すると言うファンに対しての不正行為を行なったことにより、2年間出場停止処分を受けた(正式な処分は日本モーターボート競走会から1年間の出場停止処分。残りの1年間は日本モーターボート選手会からの出場自粛勧告を受け入れたもの)。
2014年の第41回大会ではSG最高記録となる女性レーサー12人が選出され、2日目第1Rにはオール女子戦も組まれた[6]。
2015年の第42回大会は薄暮競走で開催され[7][8]、さらに女性レーサーの選出数がファン投票の対象となる選手の男女比を勘案して制限されるようになった[7]。
2019年の第46回大会は天皇の退位等に関する皇室典範特例法により、新元号(令和)施行後初のSG競走となった。同時に優勝者がこの年から新設したボートレースバトルチャンピオントーナメントへの出場権を得られるシステムが新たに加わった。
2020年の第47回大会は新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大と、改正・新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言の発令に伴い、無観客開催措置が取られた(開催地・住之江競艇場が立地する大阪府及び隣接する京都府・兵庫県は5月21日に緊急事態措置が解除されたが[9]、住之江競艇場の無観客措置解除は6月10日にずれ込んだ)。
2021年の第48回大会は2021年4月28日に持続可給付金不正支給よる処分を受けたレーサーが多く出ている[10]。これにより出場取り消しやSG選出除外を受けた選手もいる[11]。大会は2年連続のナイターSG開催として福岡の若松での開催となったがこの年も緊急事態宣言の発令中の大会となった。しかも大会初日は荒天に伴い順延となり、水曜日開幕・月曜日決勝の変則開催となったものの、総売上は188億3271万6200円、かつ月曜であった最終日だけで41億円を超える売り上げであった。目標の170億円を大幅に上回って終了したが、オールスターの188億円超えは、2004年(尼崎、194億5570万7800円)以来、17年ぶりであった[12]。
2023年のこのSGから、優勝戦と準優勝戦のスタート事故の罰則期間が2倍になり、優勝戦は2年、準優勝戦は1年除外される。
歴代優勝者[編集]
出典はボートレースオフィシャルWEBにあるボートレースオールスターの各回ページより。★印はファン投票第1位で出場して優勝。
回数 | 開催年 | 優勝戦日 | 開催場 | 優勝者 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
選手名 | 登録番号 | 年齢 | 住所 所属支部 |
枠番 | コース | 決まり手 | ||||
1 | 1974年(昭和49年) | 5月7日 | 住之江 | 野中和夫 | 2291 | 30 | 大阪 | 3 | 5 | - |
2 | 1975年(昭和50年) | 5月6日 | 常滑 | 北原友次 | 1481 | 35 | 岡山 | 1 | 3 | 抜き |
3 | 1976年(昭和51年) | 5月7日 | 住之江 | 野中和夫★ | 2291 | 32 | 大阪 | 3 | 5 | - |
4 | 1977年(昭和52年) | 5月8日 | 住之江 | 加藤峻二 | 1485 | 35 | 埼玉 | 2 | 4 | まくり |
5 | 1978年(昭和53年) | 5月8日 | 住之江 | 彦坂郁雄 | 1515 | 37 | 千葉 | 3 | 3 | まくり |
6 | 1979年(昭和54年) | 5月8日 | 住之江 | 中道善博 | 2096 | 30 | 徳島 | 6 | 2 | 差し |
7 | 1980年(昭和55年) | 5月9日 | 住之江 | 中道善博 | 2096 | 31 | 徳島 | 4 | 1 | 逃げ |
8 | 1981年(昭和56年) | 5月8日 | 住之江 | 貴田宏一 | 976 | 46 | 岡山 | 5 | 4 | まくり |
9 | 1982年(昭和57年) | 5月7日 | 住之江 | 常松拓支 | 1686 | 43 | 大阪 | 2 | 1 | 逃げ |
10 | 1983年(昭和58年) | 5月8日 | 住之江 | 彦坂郁雄 | 1515 | 42 | 千葉 | 2 | 6 | 差し |
11 | 1984年(昭和59年) | 5月4日 | 浜名湖 | 今村豊 | 2992 | 22 | 山口 | 2 | 6 | 差し |
12 | 1985年(昭和60年) | 5月7日 | 住之江 | 井上利明 | 1962 | 43 | 大阪 | 3 | 4 | 差し |
13 | 1986年(昭和61年) | 5月7日 | 住之江 | 新田宣夫 | 2401 | 38 | 愛媛 | 1 | 4 | まくり |
14 | 1987年(昭和62年) | 5月7日 | 尼崎 | 野中和夫★ | 2291 | 43 | 大阪 | 6 | 2 | 2M差し |
15 | 1988年(昭和63年) | 5月8日 | 住之江 | 安岐真人 | 1864 | 43 | 香川 | 2 | 4 | まくり |
16 | 1989年(平成元年) | 5月9日 | 下関 | 黒明良光 | 2090 | 41 | 岡山 | 3 | 6 | まくり差し |
17 | 1990年(平成2年) | 5月8日 | 住之江 | 野中和夫 | 2291 | 46 | 大阪 | 6 | 2 | 2M差し |
18 | 1991年(平成3年) | 5月8日 | 住之江 | 野中和夫 | 2291 | 47 | 大阪 | 6 | 3 | まくり |
19 | 1992年(平成4年) | 5月7日 | 住之江 | 中道善博 | 2096 | 43 | 徳島 | 6 | 2 | 差し |
20 | 1993年(平成5年) | 5月25日 | 丸亀 | 野中和夫★ | 2291 | 49 | 大阪 | 2 | 3 | まくり差し |
21 | 1994年(平成6年) | 5月31日 | 戸田 | 福永達夫 | 2205 | 46 | 山口 | 5 | 1 | 逃げ |
22 | 1995年(平成7年) | 5月29日 | 浜名湖 | 服部幸男 | 3422 | 24 | 静岡 | 4 | 4 | まくり差し |
23 | 1996年(平成8年) | 5月27日 | 児島 | 松井繁 | 3415 | 26 | 大阪 | 6 | 6 | 恵まれ |
24 | 1997年(平成9年) | 5月27日 | 常滑 | 植木通彦 | 3285 | 29 | 福岡 | 6 | 3 | まくり |
25 | 1998年(平成10年) | 5月24日 | 桐生 | 山崎智也 | 3622 | 24 | 群馬 | 6 | 4 | 恵まれ |
26 | 1999年(平成11年) | 5月23日 | 蒲郡 | 濱村芳宏 | 3295 | 32 | 徳島 | 1 | 1 | 逃げ |
27 | 2000年(平成12年) | 5月28日 | 蒲郡 | 熊谷直樹 | 3200 | 35 | 北海道 | 1 | 1 | 逃げ |
28 | 2001年(平成13年) | 5月20日 | 浜名湖 | 松井繁 | 3415 | 31 | 大阪 | 6 | 5 | まくり差し |
29 | 2002年(平成14年) | 6月2日 | 尼崎 | 西島義則 | 3024 | 40 | 広島 | 6 | 3 | まくり差し |
30 | 2003年(平成15年) | 6月1日 | 平和島 | 平石和男 | 3251 | 36 | 埼玉 | 6 | 6 | まくり差し |
31 | 2004年(平成16年) | 5月30日 | 尼崎 | 上瀧和則 | 3307 | 36 | 佐賀 | 1 | 1 | 逃げ |
32 | 2005年(平成17年) | 5月29日 | 常滑 | 植木通彦 | 3285 | 37 | 福岡 | 1 | 1 | 逃げ |
33 | 2006年(平成18年) | 5月28日 | 戸田 | 山崎智也★ | 3622 | 32 | 群馬 | 1 | 1 | 逃げ |
34 | 2007年(平成19年) | 6月3日 | 住之江 | 瓜生正義 | 3783 | 31 | 福岡 | 1 | 1 | 抜き |
35 | 2008年(平成20年) | 6月1日 | 平和島 | 井口佳典 | 4024 | 30 | 三重 | 5 | 5 | まくり差し |
36 | 2009年(平成21年) | 5月31日 | 福岡 | 瓜生正義 | 3783 | 33 | 福岡 | 2 | 2 | 差し |
37 | 2010年(平成22年) | 5月30日 | 浜名湖 | 岡崎恭裕 | 4296 | 23 | 福岡 | 6 | 5 | 抜き |
38 | 2011年(平成23年) | 5月29日 | 尼崎 | 池田浩二 | 3941 | 33 | 愛知 | 1 | 1 | 逃げ |
39 | 2012年(平成24年) | 5月27日 | 浜名湖 | 井口佳典 | 4024 | 34 | 三重 | 1 | 1 | 逃げ |
40 | 2013年(平成25年) | 5月26日 | 福岡 | 新田雄史 | 4344 | 28 | 三重 | 5 | 3 | 差し |
41 | 2014年(平成26年) | 6月1日 | 福岡 | 菊地孝平 | 3960 | 35 | 静岡 | 2 | 2 | 差し |
42 | 2015年(平成27年) | 5月31日 | 大村 | 山崎智也 | 3622 | 41 | 群馬 | 1 | 1 | 逃げ |
43 | 2016年(平成28年) | 5月29日 | 尼崎 | 平本真之 | 4337 | 32 | 愛知 | 1 | 1 | 逃げ |
44 | 2017年(平成29年) | 5月28日 | 福岡 | 石野貴之 | 4168 | 34 | 大阪 | 1 | 1 | 逃げ |
45 | 2018年(平成30年) | 5月27日 | 尼崎 | 中島孝平 | 4013 | 38 | 福井 | 1 | 1 | 逃げ |
46 | 2019年(令和元年) | 5月26日 | 福岡 | 吉川元浩 | 3857 | 46 | 兵庫 | 1 | 1 | 逃げ |
47 | 2020年(令和2年) | 5月31日 | 住之江 | 篠崎仁志 | 4477 | 32 | 福岡 | 1 | 1 | 逃げ |
48 | 2021年(令和3年) | 5月31日 | 若松[13][14][15] | 峰竜太 ★ | 4320 | 36 | 佐賀 | 1 | 1 | 逃げ |
49 | 2022年(令和4年) | 5月29日 | 宮島 | 原田幸哉 | 3379 | 46 | 長崎 | 3 | 3 | まくり差し |
通算最多優勝は野中和夫の6回。次点は、中道善博と山崎智也の3回。
開催予定[編集]
脚注[編集]
- ^ “SG競走等に使用する通称名称の使用及びSGコミュニケーションロゴのリニューアルについて”. BOAT RACE official web (2013年10月22日). 2013年10月27日閲覧。
- ^ 2008年4月1日 (財)日本モーターボート競走会 発足
- ^ “SG競走開催要綱”. www1.g-reiki.net. 2020年12月6日閲覧。
- ^ 第1回笹川賞競走開催(昭和49年5月)
- ^ BOAT RACE オフィシャル WEB 笹川賞トピックス
- ^ ただし準優勝戦に進出した女性レーサーはいなかった。
- ^ a b 第42回 SG笹川賞出場選手発表!
- ^ 夕焼けレース「サマータイム競走」について
- ^ 官報、2020年5月21日、特別号外第66号、p.1
- ^ その件に関するオフィシャルwebの記事
- ^ 当該回繰り上がりに関するオフィシャルwebの記事
- ^ “月曜日でも売れた!総売り上げ188億円超えで目標大幅クリア/若松SG”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2021年5月31日) 2021年6月1日閲覧。
- ^ 新型コロナウイルス感染拡大防止の為、当初は準優勝戦日及び優勝戦日(5月29日・30日)については、開催地・若松競艇場が立地する福岡県及び隣接県の在住者を対象とした事前抽選による入場制限を実施する予定にしていたが、開催直前に福岡県に日本国政府による緊急事態宣言が発動され、他府県との往来の自粛要請が出たため、入場制限を強化し「全開催日を通して福岡県在住者のみ、定員1500人事前抽選申し込み」に変更された。
- ^ SG第48回ボートレースオールスターの事前申込等について - 若松競艇場 2021年3月29日
- ^ SG第48回ボートレースオールスターの入場制限について
- ^ 令和5年度SG競走及びプレミアムG1競走等の開催地決定