白衣観音
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白衣観音(びゃくえかんのん[1])は、梵語にパーンダラヴァーシニー(Pāṇḍaravāsinī[2][3])、パーンダラー(Pāṇḍarā[3])、パーンドゥラヴァーシニー(Pāṇḍuravāsinī[1])といい、日本や中国では、三十三観音の一人に数えられる観音菩薩。また、大白衣観音、白衣観自在母、白処、白衣母、白衣明妃とも称され、密教の『胎蔵界曼荼羅』には蓮華部に白処尊菩薩の名前でも登場する。
密教においては阿弥陀如来の明妃であり[4][3]、その後、禅宗に取り入れられて密教の儀軌からは離れて観音菩薩の三十三身の一尊として信仰されるようになった[5]。
概説
[編集]形象は曼荼羅に描かれたものと、現在一般的に見られる高崎観音などの立像の姿の2つの形に分けられる。日本の『胎蔵界曼荼羅』に描かれる白衣観音像は、1面2臂の像で蓮華座の上に座り、右手は与願印で、左手に蓮華を持つ形となっている。
現在、一般的に見られる立像の形式は、中国で成立したものとされ、1面2臂で頭から白い布をかぶり白い衣を着る姿につくられる。なお、白衣(びゃくえ)とは、僧が着る袈裟や法衣(糞掃衣)ではなく、在家の着る白い衣のことである。
このような図像は唐代の画家である呉道子や周昉が水月観音として描いたものが源流となり、高麗朝鮮、そして日本に伝播した[5]。
脚注
[編集]- ^ a b 白衣観音(ビャクエカンノン) - コトバンク
- ^ 白衣観音(ビャクエカンノン) - ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
- ^ a b c Benoytosh Bhattachacharyya, The Indian Buddhist Iconography, 1958. p.50.
- ^ 『原典訳 チベットの死者の書』(ちくま学芸文庫)、47頁。
- ^ a b 衛藤 駿, 白衣観音(ビャクエカンノン) - 改訂新版 世界大百科事典
参考文献
[編集]- 川崎信定 著 『原典訳 チベットの死者の書』(ちくま学芸文庫)、筑摩書房刊。