津軽線

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JR logo (east).svg 津軽線
701系電車による普通列車(蟹田駅)
701系電車による普通列車(蟹田駅)
基本情報
日本の旗 日本
所在地 青森県
起点 青森駅
終点 三厩駅
駅数 18駅
開業 1951年12月5日
所有者 JR logo (east).svg 東日本旅客鉄道(JR東日本)
運営者 JR logo (east).svg 東日本旅客鉄道(JR東日本)
(全線 第一種鉄道事業者
JR logo (freight).svg 日本貨物鉄道(JR貨物)
(青森駅 - 新中小国信号場間 第二種鉄道事業者
車両基地 秋田車両センター[1]
使用車両 運行形態の項目を参照
路線諸元
路線距離 55.8 km
軌間 1,067 mm狭軌
線路数 全線単線
電化方式 交流20,000 V・50 Hz
架空電車線方式
(青森駅 - 新中小国信号場間)
閉塞方式 単線自動閉塞式
(青森駅 - 新中小国信号場間)
特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)
(新中小国信号場 - 三厩駅間)
保安装置 ATS-SN
最高速度 100 km/h
路線図
鉄道路線図 JR津軽線.svg
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津軽線(つがるせん)は、青森県青森市にある青森駅と青森県東津軽郡外ヶ浜町にある三厩駅を結ぶ、東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線地方交通線)である。

このうち、青森駅 - 新中小国信号場間 33.7 km は、本州北海道を結ぶ鉄道の一部として貨物列車も運行されており、北海道新幹線開業前は本州と北海道を結ぶ旅客列車も運行され、津軽海峡線の一部を構成していた。

概要[編集]

津軽半島の東部を縦貫する路線である。かつては津軽半島の東側の町村を結ぶローカル線であったが、1988年青函トンネル開通後は、青森駅 - 新中小国信号場間は本州と北海道とを結ぶ列車が多く通過する路線となった。中小国駅 - 大平駅間にある新中小国信号場で青函トンネルに繋がる北海道旅客鉄道(JR北海道)の海峡線が分岐している。一方、蟹田駅 - 新中小国信号場 - 三厩駅間はローカル線として取り残され、定期列車は1日5往復運行されるのみである。

2016年3月26日開業[2]北海道新幹線は本路線と並行するが、並行区間の経営母体が別会社(津軽線はJR東日本で、北海道新幹線はJR北海道)のため、並行在来線とはならない。新幹線の開通に伴い、海峡線の設備や運行システムが更新されたため、在来線専用の電車・電気機関車は走行できなくなり、特急や寝台列車といった定期旅客列車は新幹線の開業と同時に廃止され、当線の津軽二股駅が新幹線奥津軽いまべつ駅への接続駅となった。しかし、特急の廃止後も普通列車の運行本数は殆ど変わらず、蟹田駅 - 三厩駅間の増発もされず、津軽二股駅[3]と奥津軽いまべつ駅との接続も改善されない。そのため、特急停車駅であった蟹田駅のように北海道方面との利便性が大きく低下した例もある。

列車交換設備のある駅は青函トンネル開業に際し(貨物列車との行き違いを考慮し)構内待避線を延伸した(旅客ホーム有効長はそれ以前のまま)。

路線データ[編集]

  • 管轄(事業種別)・区間(営業キロ
  • 軌間:1067 mm
  • 駅数:18(起点駅を含む)
    • 津軽線所属の旅客駅に限定した場合、奥羽本線所属[4](2010年12月3日までは東北本線所属[5])の青森駅が除外され、17駅となる。
  • 信号場数:2
    • 津軽線所属の信号場は新油川信号場のみ。新中小国信号場は海峡線所属[5]である。
  • 全線単線
  • 電化区間:青森駅 - 新中小国信号場(交流 50 Hz・20,000 V
  • 閉塞方式
    • 青森駅 - 新中小国信号場間 単線自動閉塞式
    • 新中小国信号場 - 三厩駅間 特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)
  • 保安装置:ATS-SN
  • 運転指令所:JR北海道函館指令センター(青森駅 - 新中小国信号場間:CTC
    • 運転取扱駅(駅が信号を制御、運行を管理):三厩駅
    • 準運転取扱駅(入換時は駅が信号を制御):蟹田駅
    • JR東日本の路線であるが、運行管理はJR北海道管轄の指令所が行っている。
    • 踏切などの地上設備指令は、盛岡設備指令管轄。
  • 最高速度:
    • 青森駅 - 新中小国信号場間 100 km/h
    • 新中小国信号場 - 三厩駅間 85 km/h

2016年4月1日現在、全線を東日本旅客鉄道盛岡支社が管轄しているが、新中小国信号場の構内は一部設備をのぞき北海道旅客鉄道函館支社が管轄する[6][7]

平均通過人員[編集]

各年度の平均通過人員(人/日)は以下の通り[8]

  • 青森駅 - 中小国駅間
    • 1987年度:1万813人
    • 2011年度:4,457人
    • 2012年度:4,779人
    • 2013年度:4,741人
    • 2014年度:4,471人
    • 2015年度:4,202人
  • 中小国駅 - 三厩駅間
    • 1987年度:415人
    • 2011年度:183人
    • 2012年度:173人
    • 2013年度:163人
    • 2014年度:135人
    • 2015年度:126人

運行形態[編集]

広域輸送[編集]

本州と北海道を結ぶ貨物列車が多く運行されている。また津軽海峡線の一部として、新青森駅 - 函館駅間の特急「スーパー白鳥」「白鳥」や、夜行列車として上野駅 - 札幌駅間に寝台特急カシオペア」・青森駅 - 札幌駅間に急行「はまなす」などの本州と北海道を結ぶ旅客列車も運行されていたが、北海道新幹線開業に伴い、2016年3月21日をもって、これらの旅客列車は運行を終了した[2]。JR北海道(海峡線)との営業上の分界点は中小国駅、施設上の分岐点は新中小国信号場であるが、運転上の分界点は蟹田駅であり、乗務員の交替はこの駅か青森駅で行なわれた。

地域輸送[編集]

運転系統は蟹田駅を境に分断されている。気動車による列車を含めて、ワンマン運転は行っていない。

青森駅 - 蟹田駅間については、数多く運転される本州 - 北海道間の貨物列車の間を縫う形で、秋田車両センター701系電車を使用して2時間に1本程度の各駅停車が運転されている。2016年3月25日までは、早朝・夜に八戸運輸区所属で一般用のキハ40系気動車(キハ40形、キハ48形)も運転されていた。この気動車列車のうち朝の1本は、2010年12月4日のダイヤ改正から2014年3月14日まで青い森鉄道線に直通して、蟹田駅→八戸駅間を運行しており、八戸運輸区に車両を入庫させていた。[9]

なお、2010年12月3日までは特急用の485系電車やE751系電車が間合い運用(1990年代前半までは583系電車も使用)で運転されていた。そのため、そうした特急用車両使用の普通列車にはグリーン車が自由席グリーン車として連結され、グリーン券の販売も行われていた。

蟹田駅 - 三厩駅間については秋田車両センターのキハ40系気動車による普通列車のみの運転[1]で、本数は1日5往復である。そのうち1往復が青森車両センターからの出入庫のため青森駅 - 三厩駅間を直通するが、それ以外は蟹田駅 - 三厩駅間の運転である。

2002年12月からは、専用車両を使用した周遊観光列車「きらきらみちのく津軽・八戸」号が不定期で運転されていたが、現在は津軽線に乗り入れていない。2006年5月3日には八戸線で運用している“うみねこ”を使用した「快速終着駅号」が青森駅 - 三厩駅間で運転された。「快速終着駅号」は2007年9月17日にも運転された。

2010年12月4日からは、弘前駅 - 蟹田駅間でハイブリッド車両HB-E300系気動車)を使用した観光列車「リゾートあすなろ津軽」が運行された。2012年9月からは運転区間を弘前駅 - 三厩駅間に延長した「リゾートあすなろ竜飛」が土曜日・休日を中心に1往復運行されている[10]

2016年3月26日から、蟹田発夕方の上り普通列車1本が、奥羽本線津軽新城駅まで乗り入れる[11]

歴史[編集]

改正鉄道敷設法別表第2号に規定する予定線「青森県青森より三厩、小泊を経て五所川原に至る鉄道」で、津軽半島を馬蹄形に巡る鉄道の一部である。このうち、西側の五所川原駅 - 津軽中里駅間は1930年に津軽鉄道線として開業しているが、東側の津軽線の開業は太平洋戦争後の1951年から1958年にかけてである。

津軽線は青函トンネルの本州側の取付け路線として整備され、青森駅 - 新中小国信号場駅間の電化交換設備の増設が行われた。これによって、津軽線は本州と北海道を結ぶ大動脈・津軽海峡線の一部となっている。

  • 1951年昭和26年)12月5日日本国有鉄道(国鉄)が青森駅 - 蟹田駅間 (27.0 km) を津軽線として新規開業。油川駅・奥内駅・後潟駅・蓬田駅・瀬辺地駅・蟹田駅が開業。
  • 1958年(昭和33年)10月21日:蟹田駅 - 三厩駅間 (28.8 km) を延伸し全線開業。中小国駅・大平駅・津軽二股駅・大川平駅・今別駅・三厩駅が開業。
  • 1959年(昭和34年)11月25日:津軽宮田駅・左堰駅・中沢駅・郷沢駅が開業。
  • 1960年(昭和35年)12月10日:津軽浜名駅が開業。
  • 1984年(昭和59年)2月1日:全線で貨物営業が廃止。
  • 1987年(昭和62年)4月1日国鉄分割民営化により、東日本旅客鉄道が承継。
  • 1988年(昭和63年)3月13日:北海道旅客鉄道海峡線開業に伴い、青森駅 - 新中小国信号場駅間が交流電化。新油川信号場・新中小国信号場が新設。日本貨物鉄道が青森駅 - 新中小国信号場駅 (33.7 km) で第二種鉄道事業開始(4年ぶりの貨物営業再開)。
  • 1991年平成3年)3月16日:三厩駅を「みうまや」から「みんまや」に呼称変更。
  • 2016年(平成28年)
    • 1月1日:北海道新幹線の開業準備に伴い、蟹田 - 三厩間を終日運休し[12]、一部バス代行を実施[13][14]
    • 3月22日 - 25日:北海道新幹線の開業準備に伴い、特急「白鳥」・「スーパー白鳥」、急行「はまなす」を全区間で運休(正式廃止日は26日)。普通列車・貨物列車についてはほぼ平常通り運行された。

駅・信号場一覧[編集]

  • 普通列車はすべての旅客駅に停車。かつて運行されていた特急・急行列車の停車駅については「スーパー白鳥」「はまなす (列車)」の各列車記事を参照。なお、寝台特急列車は津軽線内で旅客扱いを行う停車駅は無かった。
  • 線路(全線単線) … ◇:列車交換可、|:列車交換不可、ᗑ:三厩駅方面同士の列車の交換は不可
  • 全駅青森県内に所在
電化状況 駅名 駅間
営業
キロ
累計
営業
キロ
接続路線・備考 線路 所在地
交流電化 青森駅 - 0.0 東日本旅客鉄道奥羽本線
青い森鉄道青い森鉄道線
青森市
滝内信号所[* 1] - -  
新油川信号場 - 4.4  
油川駅 6.0 6.0  
津軽宮田駅 3.7 9.7  
奥内駅 1.8 11.5  
左堰駅 1.6 13.1  
後潟駅 1.6 14.7  
中沢駅 2.1 16.8  
東津軽郡 蓬田村
蓬田駅 2.3 19.1  
郷沢駅 2.0 21.1  
瀬辺地駅 2.3 23.4  
蟹田駅 3.6 27.0   外ヶ浜町
中小国駅 4.4 31.4  
新中小国信号場 - 33.7 北海道旅客鉄道海峡線[* 2]
非電化
大平駅 3.6 35.0  
津軽二股駅 11.6 46.6 北海道旅客鉄道:■北海道新幹線奥津軽いまべつ駅[* 3] 今別町
大川平駅 2.0 48.6  
今別駅 2.4 51.0  
津軽浜名駅 1.7 52.7  
三厩駅 3.1 55.8   外ヶ浜町
  1. ^ 滝内信号所は現在は青森駅構内扱い。
  2. ^ 海峡線との分岐点。2016年3月21日に在来線定期旅客列車の運行を終了した。その運行終了までの期間、実質的な乗換駅は蟹田駅であった。
  3. ^ 海峡線・旧津軽今別駅は2015年8月10日から2016年3月25日まで、臨時扱いを除いて[要検証 ]すべての列車が通過した。

脚注[編集]

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  1. ^ a b ジェー・アール・アル編 (2016) (日本語). JR気動車客車編成表2016 . 交通新聞社. p. 56. ISBN 978-4330690162. http://shop.kotsu.co.jp/shopdetail/000000001876/005/004/X/page1/order. (JR車両 配置表、秋田車両センター分)
  2. ^ a b 北海道新幹線 新青森~新函館北斗間開業に伴う運行計画の概要について (PDF) - 東日本旅客鉄道、2015年9月16日
  3. ^ 津軽二股駅時刻表(2016年3月26日改正)
  4. ^ JR東日本:会社要覧2012-2013 - 付表 (PDF)
  5. ^ a b 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年
  6. ^ JR 東日本事業概要 (PDF)”. 東日本旅客鉄道 (2016年). 2016年10月3日閲覧。(会社要覧 2016-2017)
  7. ^ 企業情報>>会社概要”. 北海道旅客鉄道. 2016年10月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年10月3日閲覧。
  8. ^ 路線別ご利用状況(2011〜2015年度) (PDF) - 東日本旅客鉄道
  9. ^ 青い森鉄道2014年3月15日ダイヤ改正時刻表 (PDF) 及び交通新聞社発行の小型時刻表2014年3月号から
  10. ^ JR東日本 楽しい列車ポータル
  11. ^ 蟹田駅発上り列車時刻表(2016年3月26日改正分)
  12. ^ 1往復のみ運行される青森 - 三厩間の列車は、青森 - 蟹田間のみ運転。
  13. ^ 北海道新幹線設備切替に伴う列車の運休について (PDF) - 北海道旅客鉄道・東日本旅客鉄道プレスリリース、2015年9月16日(2015年12月7日閲覧)
  14. ^ 運休の記載については、出典:交通新聞社発行小型全国時刻表2015年12月号730 - 735ページより。

関連項目[編集]