スメルハラスメント

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スメルハラスメント和製英語: smell harassment)とは、ハラスメントの一種で、においにより周囲を不快にさせる嫌がらせのことである。スメハラと略される[1]

概要[編集]

マンダムによる調査では、6割を超える人が体臭口臭を不快に感じると回答した。個人の食生活や病状、衛生状態などに起因する悪臭なども原因のひとつとなる[2]。また、不快な臭いへの対策が進んだ結果、整髪料や柔軟剤の強い香りに対しても不快に思う人が増えてきている[3]

ひどい臭いに耐えかね、それを苦にして退職に追い込まれる者もいる[4]。教育の場においても問題になることがある。たとえば、教員の悪臭に耐えかねた学生から多くの批判の声が上がり[5][6]、それに対して教員が反論する[5]、といった泥仕合にもなった。

対策[編集]

日本においても社会問題となりつつあり[7]、サービス業の規定やマナーブックに記載されるようになってきた[3]

一方で、臭いの原因である特定の個人を企業側が呼び出して叱責すれば、ハラスメントと捉えられる可能性がある[8]。このような事態を避けるため、特定の個人ではなく全従業員を対象とする啓発活動を行うなど[8]、職場全体で改善に取り組む動きもみられる。また人事評価の一環として、臭いを従業員の評価項目として取り入れる動きもみられる[9]

臭いに対する個人差[編集]

嗅覚には個人差があるため、ある者にとってはいい香りに感じられても、周囲にとっては迷惑な臭いだと感じられる場合もある。香水柔軟剤などのように、一般的にはよい香りをともなうとされるものであっても、万人がそう感じるわけではないため、スメルハラスメントの原因になることもある[10][11]。たとえば、日本では香りの附加された柔軟剤が一時期ブームとなったため、この臭いに対するスメルハラスメントも多く報告された[10][11]

脚注[編集]

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  1. ^ 酒が口臭を強める? 自分では気付かない「スメハラ」”. 日経Gooday 30+ (2016年1月4日). 2016年4月1日閲覧。
  2. ^ Matt Villano (2006年1月11日). “The Scent of a Co-Worker”. ニューヨーク・タイムズ. http://www.nytimes.com/2006/06/11/business/yourmoney/11advi.html?_r=0 2016年2月5日閲覧。 
  3. ^ a b 佐伯真也 (2018年1月15日). “あなたのにおいもハラスメント”. 日経ビジネス. 2019年2月6日閲覧。 『日経ビジネス』2018年1月15日号。
  4. ^ 丸田みわ子 (2015年6月30日). “加齢臭の100倍拡散!「ミドル脂臭」撃退法”. 東洋経済オンライン. 2015年6月30日閲覧。
  5. ^ a b 山田晴通. “Harumichi YAMADA: 2005年度「授業アンケート」から”. 2005年度「授業アンケート」から―明治大学. 東京経済大学. 2013年3月16日閲覧。
  6. ^ 山田晴通. “Harumichi YAMADA: 2009年度「授業アンケート」から”. 2009年度前期「授業アンケート」から―東京経済大学. 東京経済大学. 2013年3月16日閲覧。
  7. ^ 太田彩子 (2013年7月31日). “クサイ上司続出!恐怖"スメルハラスメント"”. 東洋経済オンライン. 2013年7月31日閲覧。
  8. ^ a b 宮崎智之 (2014年7月16日). “職場の「ニオイの悩み」を野放しにするべからず!スメルマネジメント講座や対策に励む企業たち ページ2”. ダイヤモンド・オンライン. 2014年7月16日閲覧。
  9. ^ 宮崎智之 (2014年7月16日). “職場の「ニオイの悩み」を野放しにするべからず!スメルマネジメント講座や対策に励む企業たち ページ4”. ダイヤモンド・オンライン. 2014年7月16日閲覧。
  10. ^ a b 香りつき柔軟剤ブーム 「仕事に集中できない」と苦情も”. AREA (2013年3月9日). 2013年3月9日閲覧。
  11. ^ a b 柔軟剤の「スメハラ」に職場で悲鳴 汗と混じって異臭に”. AERA (2013年7月24日). 2013年7月24日閲覧。