アカデミックハラスメント

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アカデミックハラスメント和製英語: academic harassment)とは、大学などの学術機関において、教職員が学生や他の教職員に対して行う、嫌がらせ行為。パワーハラスメントの一類型。略称はアカハラ

事例[編集]

  • 研究や学問に関係のない内容での、正当な理由のない人格否定や多数の面前での批判[1]
  • 不当に多い課題を到底不可能な短期間にこなし提出するよう指示する(高崎経済大学では2006年に進級を質に取られた学生が自殺している[2])。
  • 正当な理由を説明することなく、学位論文などを受理しない(東北大学大学院で2009年に、2年連続で博士論文受理を拒否された院生が自殺している[3])。
  • 学生が入信する宗教を誹謗中傷し、長期間に渡って棄教を迫る[4]
  • 執筆中の論文を、担当教授との共著とするよう強要し、拒むと留年させる(京都大学大学院の元院生から訴訟が起こされた[5])。
  • 京都大学の大学院生は建築学の研究を行いたかったにもかかわらず、子供の行動パターンに関する研究を行うことを強要されたこと、本来英語で研究の指導が受けられるということになっていたのに英語での指導がほとんど受けられなかったことなどによって自殺した[6]
  • 大阪大学大学院国際公共政策研究科に於いて、60歳代の男性教授が、2015年から2016年に掛けて、研究室に所属する複数の学生や学会の事務局スタッフらに対し、授業後に実施する懇親会に参加するよう強制するなどのアカハラを繰り返し行い、2018年2月22日停職3ヵ月の懲戒処分となった[7]
  • 2018年3月、静岡県富士山世界遺産センターの教授2名が「県職員らの研究への介入や、ハラスメントが相次いだ」とし相次いで退職した[8]。退職後、同センターの落合徹副館長が静岡県では「教授」は事務班長級にしか相当しないと発言した[9]

被害者支援[編集]

長嶋 (2010) は、「アカデミック・ハラスメントの場合は、大学には申し立て制度がある場合もあり、相談者が希望すれば、取り次ぎやサポートを行う。また、指導教員や研究室の変更、あるいは調停のようなことができるかどうかについて部局の状況に合わせた支援を行う」と述べた[10]

また、「傷ついた心に寄り添うところから、自分自身を取り戻していけるようになるプロセスに関わることが支援になる」と述べ、心的外傷後ストレス障害 (PTSD) などが発症することもありうることから、その際の治療・心理的ケアと並行しながら支援を進めていくとした(詳細は、「心的外傷後ストレス障害#治療」を参照)[10]

脚注[編集]

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  1. ^ 岐阜大学で院生が教員に「社会のクズ」と言われ、110万円支払命令・産経新聞2009年12月16日
  2. ^ 「学生自殺 高崎経済大、准教授を懲戒免職」共同通信2007年4月10日
  3. ^ 「東北大大学院生が自殺…博士論文、2年連続受け取り拒否され」読売新聞2009年5月13日
  4. ^ 大学の宗教迫害』、44頁。
  5. ^ “京大教授らのアカハラ、地裁認定 元学生に共著投稿迫る”. asahi.com (朝日新聞社). (2010年6月24日). オリジナル2010年7月1日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100701235547/http://www.asahi.com/edu/news/OSK201006240130.html 
  6. ^ 『毎日新聞』2009年3月6日
  7. ^ 阪大、60代男性教授を停職3カ月 学生らへの複数のハラスメントで 産経新聞 2018年2月22日
  8. ^ 富士山世界遺産センター、2教授退職しピンチ『読売新聞』朝刊2018年4月3日
  9. ^ 常勤研究員2人退職 富士山世界遺産センター『中日新聞』2018年4月5日
  10. ^ a b 長嶋 あけみ (2010).その他のハラスメント 日本心理臨床学会(監修)日本心理臨床学会支援活動プロジェクト委員会(編)危機への心理支援学――91のキーワードでわかる緊急事態における心理社会的アプローチ―― (pp. 107-108) 遠見書房

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]