鉄人28号

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鉄人28号
漫画:鉄人28号
作者 横山光輝
出版社 光文社
掲載誌 少年
レーベル 原作完全版
潮漫画文庫
発表期間 1956年7月号 - 1966年
巻数 原作完全版 全24巻
潮漫画文庫 既刊13巻
その他 現在は潮出版社から発売
ドラマ:鉄人28号
監督 まるねさんたろう
制作 松崎プロダクション
放送局 日本テレビ系列
放送期間 1960年2月1日 - 1960年4月25日
話数 13
テンプレート - ノート
鉄人28号モニュメント(神戸市)

鉄人28号』(てつじんにじゅうはちごう)は、横山光輝漫画作品及び同作を原作としたラジオドラマ特撮テレビドラマテレビアニメ、特撮映画、劇場版アニメ、舞台演劇プレイステーション2テレビゲームの作品名、並びに作品内に登場する架空のロボットの名称である。またこれらの作品中で使用された主題歌(アニメ化作品の主題歌は作詞・作曲:三木鶏郎)の曲名でもある。海外名はGigantor(ジャイガンター)。

ストーリー

太平洋戦争末期、大日本帝国陸軍が起死回生の秘密兵器として開発していた巨大ロボット「鉄人28号」が戦後に現れ、鉄人を自由に操る小型操縦器(リモコン)を巡って悪漢、犯罪組織にスパイ団までもが入り乱れる争奪戦に、主人公の少年探偵・金田正太郎も巻き込まれる。数々の苦難の末に鉄人を手に入れた正太郎は、今度は鉄人28号の力で次々と現れる犯罪者や怪ロボットを倒して平和を守る為に活躍する。

概要

漫画連載と同時代の昭和30年代(1955年 - 1964年)の日本を舞台に、リモコン次第で善にも悪にもなるロボットを巡り、少年探偵と悪人たちの攻防を描く物語。リメイクを繰り返し、何度も映像化された人気作品である。『マジンガーZ』を初めとする多くの作品に強い影響を与えている。 本来は少年探偵ものであったが、鉄人編が好評を博したため、ロボットものへと方針が変更されたとされる。また、サンケイ新聞記者として工業関係の取材経験のあった横山は、「最初は大きくしかできず、それから小さくなる」と考え、手塚治虫の『鉄腕アトム』を意識して鉄人28号を大型ロボットにしたとも語っていた。

歴史

登場人物

主人公とその周辺

金田正太郎(かねだ しょうたろう)
少年探偵。快活で、機敏な行動力と大人顔負けの推理力と発想で事件を解決する。自動車を運転し、拳銃の名手であり、ジェット戦闘機に乗り込んだり、ヘリコプターの操縦や潜水作業等をも率先してこなす。鉄人事件以前から少年探偵として名を馳せ、警視庁にも出入りして捜査に協力する。鉄人事件以後は鉄人28号操縦者として、悪に戦いを挑んでいく。洋風の円形をした邸宅に一人で生活している。普段はブレザーと半ズボン、そしてネクタイを締めている。初期の愛車はオープンカー「ディスコ・ボランテ」。重馬敬著の小説版では緑色のトライアンフTR3Aを使用。
アニメ第3作では生年月日が1950年3月25日(ただし、少年時代の回想では74式戦車が度々出ている)とされ、成人(アニメ第1作の正太郎が成長した姿)として登場。とある事件で関わった事が切っ掛けで出逢った榊財団の社長令嬢で女性科学者の榊陽子と結婚し、長男・正人(第3作の主人公)をもうけた、とされている。
映画『白昼の残月』では、母違いの同名の兄、ショウタロウが登場。
敷島(しきしま)博士
鉄人28号を開発した科学者。普段は穏やかな性格で冷静沈着であり大学教授のような面持ちであるが、銃を持って行動したり、爆破作業も得意である。正太郎にとって模範的な父親のような存在で、自身も正太郎を息子のように思っている。
太平洋戦争時、軍の命令で鉄人計画に加わり鉄人28号を開発していた。爆撃後生き残り、近くの島に渡り隠れ住み、戦後の鉄人事件を知って極秘裏に帰国した。帰国後独自に鉄人事件を追っていたが、正太郎と出会ってからは良き協力者として助言や鉄人の修理、科学犯罪の分析にと多岐にわたって活動を共にする。正太郎を実の息子のように思っていると大塚に語った事もある。また、鉄人開発者として自身が事件の標的になる事も多かった。既婚者で、息子の「鉄男」は正太郎の友人でもある。
アニメ第2作では娘の牧子(ニックネームはマッキー)がいて、正太郎のガールフレンド。
実写版では、娘のみよ子、兄の敷島技師と敷島技師の妻が登場するが実写版オリジナルの人物である。逆に敷島博士の父親と思われる敷島老人が原作の序盤で登場するが原作のみでいずれのテレビ版にも登場しない。
下の名前はアニメ第2作では大次郎、他のアニメと原作では隆、実写版では俊夫となっている。
アニメ版第4作では金田博士や鉄人を妄信している節があり、時折、狂気的とも言える言動を見せる事もあった。
大塚(おおつか)署長
警察官として敏腕であるが推理力では少年探偵の正太郎にかなわず、正太郎とはホームズワトソンを髣髴とさせる関係でもある。正太郎にとっては父親ではなく親戚のおじさんの様な存在だが、署長は正太郎を息子の様に大事に思っている。既婚者で子供は居ないが、妻の加代子はかなりの美人である。
正太郎以上に感情の起伏が激しく、大いに泣き・笑い・怒るのであるが、常に冗談や場を和ませる笑いを振りまき、ムードメーカーでもある。行動派であり上官として部下の信頼も厚い。警官としても人間的に正義感溢れる好人物。
アニメ第2作では茂という名前がある。
村雨健次(むらさめ けんじ)
正太郎のライバルとして登場。ギャングの一味であり、初期は鉄人をめぐっての対立があったのだが、途中から味方となる。また正太郎ほどではないがロボットの操縦にも長けている。
アニメ第1作では、以前から正太郎達の味方という設定になっており、やくざの口調でしゃべっていた。
アニメ第4作では銃を使わない主義であるため、ナイフを武器としている。なお、アニメ第4作や漫画『奪還計画』では、「不死身の村雨」を名乗ることがある。
村雨竜作(むらさめ りゅうさく)
村雨一家のボス。村雨健次の兄。ギャング団の頭目として名が通っているが、意外に義理堅いためか、慕って手下がついてくるようである。
敷島一家の家に強盗に入った時、ロボット強盗団に横から奪われ、しかもロボット26号の攻撃で部下の辰が殺されたことから仇討ちを決意する。
後に28号のリモコンを巡ってPX団と正太郎らが戦っているところに介入、PX団の持つリモコンを奪うもその時にPX団に撃たれ瀕死の重傷を負う。そして自分の死を悟った竜作はリモコンを持って車に乗り鉄人に対し特攻し、自らの命を犠牲にして鉄人を海に落とした。
アニメ第1作では、暴走して東京で暴れる鉄人のどさくさに紛れて銀行を強盗するも、脱出する際に鉄人の攻撃に巻き込まれ、瓦礫に下敷きに遭い死亡するという冴えない最期を迎えた。
アニメ第4作では、特攻隊の生き残り(特攻崩れ)で復員後、世間の脱戦後の波に乗りあぐねたという設定がつけられた。鉄人事件に巻き込まれ、原作同様に鉄人に対して特攻して果てた(無駄だと判っていた節があり、彼なりのけじめだったと思われる)。なお、その時の車は、ダイハツ・ミゼットとなっている。
『鉄人奪還作戦』では、さとうふみやのお気に入りのキャラということもあってかカラーページにも登場したり、投げナイフで正太郎を助けるなど出番がかなり多い(その反面、健次の出番は少なめ)。
映画『白昼の残月』ではショウタロウとは特攻隊の同期であったことが語られた。同作では最後まで生存している。
村雨一家
村雨兄弟を中心に構成される犯罪集団。都内を中心に押し込み強盗等や密輸取引まで行っているが、無駄な血は流さず、身内の義理堅さは古いタイプのヤクザ映画のそれである。また、仕事に合わせて手下の構成も変わる為に、詳しい規模や構成は不明。村雨兄弟は実の兄弟で、義理の弟分として「辰」が居り、彼が鉄人に殺された事から鉄人事件の渦中へ関わっていく事になる。
敵対する正太郎に対して「敵ながらも好意に値する」感情を持っているようで、何度となく正太郎に手を貸したり共闘したりもした。頭目である竜作の死後は、弟の健次が頭目的位置に就いて組織運営は行われたようだが、正太郎に肩入れした代償に取引相手の犯罪組織に「裏切り」のレッテルを貼られ襲撃を受けたりもした。
その後は、大塚署長の説得で健次が警察に協力してニコポンスキーを追いつめたりもしたが、次第に漫画の中では出番が無くなり、存在もうやむやになったままである。
辰(たつ)
村雨一家の配下。敷島邸を襲撃した際、白覆面の男が造ったロボット鉄人26号に襲われて死亡。彼の死は、村雨一家を鉄人事件に巻き込ませることになる。
なお、アニメ版と原作でキャラのデザインが変わっている人物でもある。
源公(げんこう)
村雨一家の配下。捕まった健次を保釈させるために保釈金集めに奔走する。
金田(かねだ)博士
金田正太郎の父親。戦中に鉄人28号の設計製造に着手、その工程途中で連合国の爆撃で研究は灰になったが、鉄人28号の設計の完成度を諦めきれずに、戦後の1955年秋に完成させる。
後付けで単行本(カッパコミクス第4巻)に描き加えられた為、以後読者を悩ませ続ける人物。一部では“鉄人は一体誰の物なのか”という問題を解決する為に作られたと云われている。
アニメ第4作では、戦争中に鉄人計画をまかされた天才科学者で、不乱拳博士も認める人物であった。バギュームの可能性に気がつき研究をしていたが、ビッグファイア博士の謀略で鉄人の根幹の動力を太陽爆弾として完成させてしまい、鉄人28号を闇に葬ろうとしていた。実際、鉄人28号を単なる兵器として製作した訳ではなく、道具としての可能性、未来を築く力を見ていた。だからこそ我が子に名付ける「正太郎」を冠したと考えられる。鉄人封印の際、連合軍の爆撃と共に死去。遺骨は敷島博士が復員した際に持ち帰られたようである。南方の島には住人の手で作られた墓がある(人柄が判る描写でもある)。
『白昼の残月』では、京都に妾が存在していたことになっている。この妾との間にショウタロウが生まれ、後に養子という形で金田家に迎えている。
敷島鉄男(しきしま てつお)
敷島博士の一人息子。正太郎の数少ない同世代の友人。
敷島夫人
敷島博士の妻。アニメ第2作では歌子という名前がある。

悪役など

乗鞍岳の覆面の怪人
戦後、乗鞍岳山中の地下研究施設で、独りで鉄人を作り上げた人物。詳しい事は謎に包まれている上に、普段から顔を覆い隠す布を被っている為に素顔も不明。(アニメ第1作では黒沼、実写版では花井技師と名付けられている)
一説には金田博士ではないかという説も囁かれていたが、横山光輝本人はそれを否定する発言をしている。(「金田博士」自体の設定は後付けである)
鉄人26号から28号までを作り上げたが、目的自体が「鉄人28号を完成させる事」にあったようで、「御国の為に」などといった意義や政治的目的意識は無かったらしい。おそらくは鉄人計画の生き残りの博士、あるいは技術者と敷島博士によって推測されている。
如何なる理由からか、26号と27号を使ったロボット強盗団として金銭や機械の強奪事件を起こし、警察や鉄人に興味を持った犯罪者達に狙われ、完成直前の28号を無理に起動させられたあげく奪われてしまう。PX団と手を結んで鉄人を国外に持ち出そうとして失敗、銃撃戦の中で命を落とした。
その後に検死も行われたはずだが、大塚署長や敷島博士が何も語らないところをみるに、金田博士や鉄人計画において主導的な役割を果たした人物ですら無かったと思われる。
PX団
世界規模の大犯罪組織。国際的な密輸や組織犯罪を起こしており、ジェット機や潜水艦等、簡易的な軍事力も有している。各国に支部があり、団員は鉄の掟に縛られている。この鉄の掟は非情なもので、団員は敵対する者より、この掟の方を恐れている程。鉄人事件に絡んで、正太郎とクロロホルム、果てはS国スパイ団と事を構えているうちに追いつめられて日本支部は壊滅し、支部長はフカ()に食べられるという悲惨な末路を辿る。実写版ではQX団となっている。
クロロホルム
PX団を追ってフランスから来た有名な探偵。用心深く、自分の能力に絶対の自信を持っている為プライドが高く、来日した当初は正太郎を子供扱いし、正太郎に頼る日本警察をバカにしていた、しかしすぐに、正太郎の能力を認めて良き協力者になった。助手のニコポンスキーを影武者に使っていたが、そのニコポンスキーがS国のスパイだとは気付かず、逆に自分が影武者に使われてしまう。最後までニコポンスキーの行動力に翻弄され、腕の怪我を機にフランスへ帰っていった。
ニコポンスキー
探偵クロロホルムの助手。その正体は旧日本軍の鉄人や日本の技術を狙ってやって来たS国スパイ団の団長。
クロロホルムにそっくりな上に、クロロホルム以上に変装の名人でもある。周到な準備と大胆な行動力で、正太郎達を翻弄し、死に際して「敵ながら大した男」と大塚署長に云わしめた。後半は来日していたスパイ団がほぼ壊滅し、孤軍奮闘といった感じになり、やや短気で残酷な一面も覗かせているが、危機を好機に変える知己や巧みな交渉能力と演技力は、賞賛される悪役でもある。
アニメ第4作では、ブラックオックスを操る謎の覆面の怪人として登場する。実写版ではペトロフとなっている。
スリル・サスペンス
アメリカの暗黒街で名を馳せたギャング団のボス。残虐非道で目的の為には手段は選ばない男。
鉄人を犯罪に使う為に鉄人強奪を計画。逃亡中のニコポンスキーから一時は操縦器を手中に納めるも、リモコン争奪戦の海千山千の強者・知者の前には歯が立たずリタイヤしてしまう。しかし、人造人間モンスターと共に脱獄した事をきっかけに不乱拳博士と出会いバッカスを手に入れる。バッカスを手に入れたサスペンスは、鉄人を入手して行なう筈だった犯罪を、バッカスを思いのままに使い、まさに手当り次第に強盗等の荒事に手を染める。
短略的な思考の割にギャングのボスだけに胆が据わっていて、大抵の事に驚きつつもそれなりに対応し、自分の利益に繋げてしまう様は古き時代の暴力悪漢の存在として評価されたい。初期こそ鉄人の操縦が判らずニコポンスキーにやり込められたりもしたが、モンスターの説得や不乱拳お手製機器を見て憶えて使いこなす辺りは侮れない。ただし、欲が深い為に身を滅ぼす典型でもある。
考えるよりも荒事で全て決めてしまう傾向にあり、最終的には不乱拳博士に出し抜かれてバッカスを失い再度投獄、その後、死刑にされたものと思われる。
スリル・サスペンスの部下
名前の無いいずれも日本人風の顔立ちをしていたが、アニメ第1作では、外人風の顔立ちに変更されていた。
ジルバ、ロングラン
原作において名前の判明しているサスペンスの部下。共にモンスタ-登場後よりに現れる。ジルバはサスペンスのNo.2的ポジションとして登場し、サスペンスと共に逮捕され、死刑を求刑された。
ロングランは正太郎を暗殺しに来ようとした所をモンスターによって絞殺される。
ロックロック、タンボリン、ニュージンジャー、マックロイ
アニメ第1作で登場するスリル・サスペンスの部下。原作における名無しの部下達がモデルになっている。いずれもサスペンス逮捕時に警官隊との銃撃戦で全滅する。
ジャネル・ファイブ
フランスの怪盗紳士。連載ではシャネル・ファイブという名前であったが、シャネルが元になっていたため、後にジャネル・ファイブに変更される
鉄人の存在を知り、ロボット・コレクションに加える為に来日し、周到に準備をしながら正太郎達に挑戦して来た。まだら岩に奇岩城を造り、其処を根城に日本で本格的に活動しようとしていた。ニコポンスキーに劣らず変装の名人であり、また荒事においても殺傷を嫌い、女子供には手を出さない。仲間意識が高く部下からも尊敬され慕われる紳士的な犯罪者である。
とにかく流血沙汰が嫌いで、独自の美意識で犯罪を行なう、この独自のルールや美意識は部下にも浸透しているらしく、正太郎の命の危機を「見捨てたら、お頭に怒られる」と窮地を救っている。厳重な警戒をかいくぐり、華麗に盗みを成功させる事そのものが生き甲斐らしく、鉄人争奪戦に置いては「知恵比べ」と称して、正太郎、クロロホルム、ニコポンスキー、スリル・サスペンスに、それぞれ争奪参戦の予告状まで出している。また盗みのスタイルは、相手に気がつかれず盗み出し、相手が悔しがる様を楽しむといったものである。
この知恵比べと称した挑戦によって事態は混迷し、出し抜かれた正太郎が本気で悔しがったのも相手もジャネル・ファイヴくらいだった事を見ても、正太郎にとって悪気が無いだけに厄介な相手とも言える。自分の頭だけで、金品や美術品、ロボット達を盗みコレクションしているのが自慢で、それを見せびらかすためだけに手間暇かけて正太郎を誘拐するなど、困った趣味の人物でもある。結果的にクロロホルムと連携した正太郎に追いつめられ、争奪戦には敗れはしたがそれも含めて「悔しい気持ちもするが、楽しい気持ちもするね」という言葉を残し、敗北宣言をして日本を去った、鉄人の世界でも珍しく潔い人物。
不乱拳酒多飲(ふらんけんしゅたいん)博士
正太郎の屈指の好敵手であり、狂気を含んだ天才科学者である。
読んで字の如く『フランケンシュタイン』の主人公ヴィクター・フランケンシュタインがモチーフであろうが、本作では青年(学生)ではなく如何にも老学者のような風貌の初老の科学者である。好々爺然としたところと、モラルや人道的ルールから逸脱した悪魔的科学者の一面を併せ持つ人物で、自分の研究の為なら手段は選ばず、自らの規定から外れた場合は、ギャングや警察をまとめて敵に回して荒事も厭わない。正太郎をして「大変な人物だった」と云わしめたくらいの大人物。
機械工学の他にも、化学、生物学等にも造詣が深く、それらの生み出した物が「空飛ぶアカエイ」「ロボットアカエイ」「人造人間モンスター」「潜航艇」「水中バイク」「バッカス」「ブラックオックス」と製作するにはあらゆる分野、多岐にわたった技術が必要とするばかりであり、これらの多くを1人で作り上げている。特にバッカスとオックスは短期間に製作されたにも関わらず、鉄人と対等以上に渡り合うという完成度であった。
まだら岩の海底研究所の他にいくつかの研究所や屋敷を所有している描写や多数の発明品の費用を見積もって、それなりの資産を有していると考えられるが、おそらく奇岩城の設計や建造等、ジャネルの組織に携わった可能性があるので、それらのパトロンから資金を得ていたとみられる。しかし、奇岩城陥落時にアカエイの行動から、不乱拳博士が裏切ったとも思われ、後にジャネル・ファイヴの変装したと思われる老人が、正太郎に不乱拳博士の研究や存在をほのめかすシーンがみられる。
1度目は自らの創造物バッカスに殺されるが、モンスターを生み出した死体蘇生技術を書き遺しており、それを手に入れた黒い覆面団(某国諜報員)の手によって蘇生を遂げる。2度目は逃亡中に自衛隊の砲撃の中で息を引き取った。今際の際の言葉は一度目は「鉄人は素晴らしいぞ」、二度目は「ついに考えるロボットは作れなかった」である。
モンスター事件中、次は人工生命体を一から作り出そうとしていた節が見られたが、オックス事件では最終的に「物を考え、自ら判断するロボットを作り出す」事を目標としていた。最後まで好奇心旺盛で知的欲求が強いままであった。
不乱拳博士の研究成果はまだら岩の海底墓場に埋められていたが、鉄人や旧日本軍の秘密を探っていた黒い覆面団によって掘り返されている為、某国(海外)へ渡った可能性がある。
『FX』では正太郎の回想シーンに登場したほか、彼のクローンであるフランケン・シュタイナー[1]が登場し、再びブラックオックスを作っている。
重馬敬著の「空想科学小説 鉄人28号」でも登場するが、こちらでは「考えるロボット」とブラックオックスを誕生させている。また、ドイツ人女性を妻とした経歴を持ち、一人娘のレナーテがいる。鉄人との「決着」をつける為に一時は娘に対しても冷酷な態度をとっていたが、終盤では正太郎達に協力的な姿勢を見せる。現在の全作品では不乱拳博士が死亡しない唯一の作品である。
牧村(まきむら)博士
長年の研究開発で自我を持つ電子頭脳ロボット・ロビーを作り出した科学者。
法律も人命も考慮しないマッド・サイエンティスト同然の危うい科学者が続出するこの作品の中では例外的に、人格者と言っても差し支えない初老の科学者で、昔はドラグネット博士と一緒に電子頭脳を研究開発していた。
ロビーを大切に人間の子供と同じように教育してから、世間に発表しようとしていたが助手の助川によってロビーを奪われ、以後、ロビーの犯罪に心を痛める事になり、警察に出頭し事態収拾に正太郎達に協力することになる。しかし助川の元から逃げ出し、人間に敵対し始めたロビーが世間に被害を与えたことで、電子頭脳研究をやめて引きこもってしまう。
後にロビーの事件を聞きつけたドラグネット博士に電子頭脳の教えを請われても、頑として頭を縦には振らなかった程、後悔の念に取り憑かれてしまう。また、この時のドラグネット博士の言質によれば、牧村博士は自分が決めた事に対しては頑固であるらしい。また、一度はロビーに嫌いだと逃げられたが、人間不信になったロビーがドラグネット博士の言葉を聞くきっかけに「生みの親の牧村博士の友人」であるという所に反応する描写がある為、少なくともロビーにとって、「親」と言う認識と微妙な感情は向けられていると思われる。
ドラグネット博士
自我を持った電子頭脳開発に執念を燃やし、牧村博士の開発したロビーに近づいた天才科学者。のような独特のヘアスタイル。原作準拠では片足を失っており、再編集版やその後のアニメ版では足の不自由な設定は無かった事になっている。
かなり独善的で偏屈な性格だが、とても優秀な科学者であり、そのプライドは高い。その能力もたしかで、急造した安物と評するロボットで鉄人と正太郎を文字通り、煙に撒いたり、乗り付けたお手製の万能カーでロビーのロボット達を次々と手玉に取って、ロビーを交渉のテーブルに着かせたりと大変優秀な人物。
超人間ケリーと高性能ロボット・ギルバートの製作者である。研究にのめり込む余りに常軌を逸した行動をとる事があり、死んだ人間の脳を使ってサイボーグをより機械化した宇宙人間の研究を進めていたが、当時助手を勤めていたケリーの計算ミスにより実験が失敗し、怒りに駆られた博士はケリーを生きたまま実験材料にして超人間を生み出してしまう。
ただし、この時の超人間ケリーは目覚める事が無く、博士は殺人者として逮捕され、裁判で精神異常が認められ施設に収監されていた。この事により博士自身はケリーの改造に失敗し、死亡したと思っていた。
施設を出所後に電子頭脳を持ったロボットに研究を切り替えたが、自身の理論では完成を見いだせず、牧村博士の完成した電子頭脳ロビーに活路を求めた。
ロビーに関わった事から、取引材料として鉄人とオックスにも負けないロボットを製作する事になり、高性能ロボット・ギルバートを完成させるが、その時にはロビーは正太郎に破壊され、失意のうちに日本を去ろうとするが、暴走して復讐者となったケリーに殺されてしまう。
超人間ケリー
改造人間にされてしまった青年、詳細は超人間ケリーを参照。
ジョンソン
ケリーの弟。兄と共にドラグネット博士への復讐を果たした。温和な兄と異なり、証拠隠滅の為に正太郎を殺害しようとするなど荒事に躊躇のない人物。
強い兄弟愛を持っており、復讐へ至る過程を切々と訴えるラストシーンは正太郎達も同情を禁じ得なかった。
門脇
モンスターに殺された警察官や、その他大勢の中につけられる名前。名前の由来は光文社で横山を担当した編集者から。たまに背景の中にも名前を見る事が出来る。
山嵐巌
白柄組の親分。巨大アリ事件を利用して密輸事件を有利に運ぼうとしたが、正太郎達に企みを見破られ、最期は巨大アリに殺害される。
ジキルスキー
S国スパイ。本国ではハバロフ閣下と呼ばれている。鉄人を奪うため偽物とすり替える作戦に失敗し、追い詰められた末に部下と共に毒を飲んで自決する。
ゴロギル博士
モンスターを作った、カリー国の科学者。王制打倒と実権掌握を狙う十字結社によりモンスターが強奪され悪用されているため、正太郎に助けを求め来日する。
十字結社(じゅうじけっしゃ)
王制を敷くある国(カッパコミクス版ではカリー国と判明するが、連載では国名ははっきりしていない)で体制転覆を狙う政治結社。自らの主張を通す為にテロ行為も辞さない。しかし、政治的な理想ではなく権力奪取のための活動であり、過激な犯罪組織となんら変わるところが無い非道な集団。ゴロギル博士を追って日本にも侵入するが、正太郎と大塚署長の活躍により撃退される。本国の結社そのものも数々の悪行から国民の怒りを買い、国王軍の総攻撃で壊滅してしまっていた。
アニメ第4作では第1話のアバンタイトルにて、モンスターと共にゲストキャラとして登場する。
ブラック博士
体が崩れていくという奇病に悩まされている医師。赤死館という館に住む。同じ病気に感染した息子の脳を、佐良という青年の体に移植しようとした。
ビッグファイア博士
科学者にしてロボット工場の経営者。利潤を追求する経営者的な面と科学者らしい知的な面を持つが、短気かつ自己陶酔的な面が目立つ。
科学者としては優秀で、学習機能を持った知能回路を開発して商業ラインに乗せる能力を持つが、自らの才能がベラネード財団に認められなかったため、犯罪行為に手を染めた。自分の名前を持つロボット、ファイア2世ファイア3世を作った。
ベラネード財団
巨大な財団。経営者のベラネード自身は良心的な人物であるが、ゼネコンとしてダムなどの大規模な工事を行うこともあり、工事現場では高性能のロボットが大量に必要となるため、メーカーや研究者がその売り込みのため鎬を削っており、それがビッグ・ファイア博士のように犯罪に走る者を生み出す元凶ともなっている。
アニメ第4作では設定が大きく異なり、物語中盤以降の悪役として登場。世界経済を牛耳る大財団として君臨する一方、犯罪結社PX団という裏の顔を持ち、表と裏の顔を使い分けながら世界の支配を企んだ。同作のベラネードの外見は下記のゴムラス司令官のものとなっており、PX団の服装はブラック団のものとなっている。
初期の単行本では頻繁に「ベネラード」と誤植されているがベラネードが正しい。
ゴムラス司令官
砂漠に存在する国の国王。悪政を布いていたため、ギド率いる革命軍によって追い詰められていたが、正太郎を誘拐し、鉄人を使って革命軍を追い返そうと画策する。その際、国外での自分の評判の悪さは自覚していた為、自らを革命軍と偽って正太郎に協力を要求した。正太郎はギドロボットによって革命軍に誘拐されたが、新しく輸入したロボット、サターンを使って革命軍を民間人諸共虐殺。更に大塚署長を人質として利用した為、正太郎の怒りを買い、鉄人の攻撃を受けて敗走。国外に逃亡する。
スノー国工作員
母国から持ち出された秘密兵器の設計図回収が目的で来日した。だが、公園の地下に基地を建設し、書類が警察に渡るとVL2号による襲撃まで行う様子は潜入工作員としては派手過ぎるように思われる。口封じに殺人を犯したにも関わらず、正太郎を子供故に見逃す面もあった。
ブラック団
世界征服を目論む犯罪組織。海底に各国の主要都市に向けたミサイル基地を建設し、世界を操ろうと画策していた。たまたま正太郎が事件に関わって来た為、鉄人に殴り込まれて壊滅してしまった。団員はすべてオバQのような覆面を被り、コードナンバーで呼び合っていた。
プレイステーション2で発売されたゲームでは、「X団」として登場する。
怪盗ブラックマスク(かいとうブラックマスク)
神出鬼没の銀行強盗。その正体は技師の有本影郎。次元操作機を操ることで瞬間移動する。最後は宝石に付けられた鉄人誘導装置で移動した鉄人によって、次元操作機を破壊され御用となった。
アニメ第4作では、影郎と父親の有本博士の開発した次元操作機を影郎が持ち出して悪用した(元ネタは帝銀事件)結果、最後は鉄人によって破壊された次元操作機の誤作動で南極に転送されてしまった。

登場メカ

鉄人28号ブラックオックスについては独立項目を、それ以外のロボットについては鉄人28号の登場ロボットを参照。

X33(万能戦闘機)
先端にドリルの付いた黒い戦闘機。地中潜行や砲撃や体当たり等の陸上戦闘の他に、折りたたみ式の羽根で空戦までも可能な万能戦闘機。
欠点は活動時間が短い事。2、3人乗り。
XY3号
ジャネル・ファイブの乗る万能メカ。黒く流線系のようなフォルムを持ち、先端に複数のドリルを装備してあり、海底、地底を思いのままに移動する。部下共々複数の人員が乗り込む事が出来、アカエイの影響を受けながらも振り切って逃げる事が出来る程、なかなか出来た移動メカ。
どこか、X33に通じるデザインである。

用語解説

鉄人計画

マンガにおける開発計画には、連載版とカッパコミックス版の二種類が存在する。

連載版

太平洋戦争時、日本軍が進めた軍用ロボット開発計画。岐阜県乗鞍岳山中の地下に建造された研究所で、敷島博士を中心とした開発陣により研究が進められていた。等身大のロボット、1号から26号の開発には成功するものの、それらは銃撃に対する装甲防御が不十分な未完成品だった。実際、耐弾実験の際に頭部を破壊されて機能を失ってしまい、敷島博士を失望させている。

その後、敷島博士はこれまでの失敗を踏まえて設計を大幅に変更、巨人型ロボット27号の開発を進めた。27号は一定の成功を収めたものの、実用機とするまでに至らなかった。27号の成功を活かして建造されたのが28号なのだが、戦時中に建造された機体(便宜上、1号機とする)のスタイルは27号とまったく同じだった。完成した28号の起動実験が行われるが失敗、機体は爆散してしまう。その後、戦況の悪化に伴い軍は鉄人計画の放棄を決定、敷島博士たち技術者陣は南方の孤島に設けられた、秘密の特攻兵器研究所へ移動することになる。

戦争末期、孤島研究所の存在を察知した米海軍による空襲が行われ(空母艦載機を用いている描写がある)研究所は全滅、辛うじて生き残った敷島博士は終戦を知らず、長年に亘り助けてくれた原住民のもとで暮らしていた。戦後10年後にインドへ渡り、そこで終戦と日本を騒がせている鉄人事件を知って帰国した、と本人が家族と正太郎に語っている。

しかし敷島博士以外にも生き残り、内地へ帰還を果たした技術者がいた。それが改設計28号を建造した「白覆面の男」である。根拠は、敷島博士による「鉄人の作り方は旧研究所員でなくては分からないはずだ」との発言である。

本編中、市街地で暴れる27号(このときは28号と思われていた)を目にした敷島博士は「28号にしてはおかしい」とつぶやき、乗鞍岳の研究所内で暴走する28号を目撃した際には、居合わせた正太郎たちに「あれが本物の28号だ」と言って聞かせるという演出がある。以上のことから、以下のことが推察できる。

  1. 27号と28号1号機のスタイルは同じ。
  2. 27号と28号1号機はスタイルは同じだが、動作の部分で差異がある。
  3. 1号機の起動失敗と計画放棄が決定される間には、改設計が行えるほどの時間的余裕がある。
  4. 1号機爆発後、敷島博士たちはスタイルを大幅に変更する改設計を行った。

カッパコミックス版

太平洋戦争末期、日本軍が起死回生を目論んで構想したロボット兵器開発計画。

南方の島の地下に偽装した秘密研究所を作り、敷島博士等の日本の科学者や技術者を総動員して開発を始めたが、完成前に事態を察知したアメリカ軍の爆撃を受け、計画は灰燼に帰したはずだった。しかし計画の主任で正太郎の父である金田博士が、同様に南方での爆撃を生き残り、鉄人28号の完成をあきらめきれずに、戦後に敷島と共に鉄人28号を誕生させた。アニメ第4作でもこのストーリーを採り、鉄人28号は金田博士が南方の島で完成させた事になっている。

計画では人員不足を補う事、弾丸等の補給が無くても破壊活動を継続させる能力がある事、多少の破損でも戦闘行動を継続できる事等が伺われるが、有用性については謎のままである。

アニメ第4作では、巨大砲弾にて巨大なロボット兵を敵国に送り込み破壊の限りを尽くさせる「鉄人第一計画」、死した兵士の肉体を甦生させ強靭な肉体を持った兵士に作り替える、あるいは人工知能を搭載して鉄人を制御する「鉄人第二計画」が存在した。またこれに付随して、鉄人自体に新元素バギュームを使用した爆弾、太陽爆弾を埋め込み敵地を破壊せしめる事を考案されたが、計画責任者である金田博士には却下された。しかし、実際にはビッグファイア博士による独断で、鉄人の心臓部に太陽爆弾が埋め込まれていた。日本軍や戦後の政府関係者は鉄人に太陽爆弾が内蔵された事実を知っていたようである。

少年探偵
昭和30年代には、『少年探偵団』『少年ジェット』『まぼろし探偵』のような、少年でありながら、大人に引けを取らない少年探偵がテレビ、漫画、小説で活躍していた。彼らは拳銃を使い、車やバイクを走らせ、刑事や警官と協力して難事件を解決し、悪漢を退治する。
まだら岩
不乱拳博士が根城にしていた、棒状に隆起した岩礁の集まった海域。新型鉱石バギュームの鉱脈でもあった。
海底の墓場
バギューム
不乱拳博士がまだら岩で発見し、研究していた新鉱石。強力なエネルギー源であったようである。
独立連動装置
鉄人28号の持つ機能の1つ。戦闘兵器である鉄人が故障で動けなくならないように、手足等に分散配置された動力機関。これによって手足を1、2本失っても安定して稼働して戦闘を継続する事が出来、整備が受けにくい状況などでも闘える。また、鉄人の怪力の源は、これらの機関の出力によって得ているのではないかと考えられている。
電子頭脳と知能回路
自己判断で動く機械と自我を持つロボットの境界の定義は難しいが、ロビーが持つ電子頭脳とビッグファイア博士の知能回路は微妙に趣きを異ならせている。
ロボット見本市(博覧会)
各国の新型ロボットを展示、その能力を世界に知らしめるために開催された。鉄人と正太郎も日本ロボット代表として招致され、正太郎とビッグファイア博士の出会いの場ともなった。開催国はパガオニア国。
ロボット王国
密かに生き延びていたロビーが人類の支配を目論み、作ろうとした国家。国とは言うものの、人工知能を持ったロボットはロビー以外存在しない。ロビーは数々のロボットを作り出して自衛隊や警察を圧倒、遂には鉄人の鹵獲にすら成功するが、妨害電波発生装置を持つブラックオックスの参戦によって戦況は逆転、手持ちのロボットを鉄人とオックスのタッグにより粉砕されたロビーは、ドラグネット博士に助けを求める。しかし、正太郎の存在に焦って暗殺ロボットを送り込んだ際、逆に隠れ家を突き止められてしまった。結果、ロビーは破壊され、王国の夢は潰えた。

原作完全版

2005年11月より「巨匠・横山光輝『鉄人28号』執筆50周年記念」プロジェクトとして潮出版社光プロダクションの共同企画の元、発刊された。横山の元アシスタントとコンピュータによる最新技術で痛んでいた原画を復元し、コミックス未収録の読み切り8本を加えて発刊された。2007年9月に全24巻で完結。★は読みきり作品。

  1. 鉄人28号誕生(月刊『少年』1956年7月号別冊付録 - 1957年1月号別冊付録)
    • 第2次世界大戦の末期 敷島家であったギャングと怪人 あいつぐ事件 おそるべき威力 第十一監房 正太郎の活躍 鉄人あらわる 雷雲 秘密科学研究所 鉄人28号 大PX団 くずれるダム 生きていた敷島博士 浮上するモンスター号 おそるべき秘密結社! おそるべき秘密結社その2
  2. 怪ロボットあらわる(月刊『少年』1957年2月号別冊付録 - 1957年8月号別冊付録、1957年8月増刊『探偵ブック』)
    • 海底にねむる鉄人 魚雷発射命令 海中の戦い 敷島博士邸 第二計画 雨の中の乱戦 怪ロボットあらわる クロロホルム名探偵 暗殺計画 地下の乱戦 あらわれた怪ロボット 脱出できるか 8号車追跡 怪ジェット機 しのびよる影 PX団支部長の最後 正太郎の危機 うばわれた鉄人 ★大金塊の巻
  3. 鉄人大実験!(月刊『少年』1957年8月号別冊付録 - 1958年1月号別冊付録)
    • 水中の怪物 その場所はどこだ 脱出計画第一歩 脱出と攻げき 怪人対正太郎 大爆発 その顔を見た! なかまわれ 山小屋の怪人 X33 二回目の実験 村雨健次の危機 人体実験 鉄人出動 一大決戦 うばわれた鉄人 海上の乱戦 村雨健次の大てがら ねらわれた正太郎 正太郎暗殺団
  4. 鉄人暴走する!(月刊『少年』1958年1月号別冊付録 - 1958年6月号別冊付録)
    • なぞの物体 対決 攻撃 空中戦 生きていたニコポンスキー 海底の鉄人 クロロホルムとニコポンスキー 警官隊あぶない ふたりめのクロロホルム サスペンス氏の登場 操縦器のゆくえ 動く巨人 ニコポンスキーの計略 怪盗ジャネル・ファイブ スペードホテル 恐竜の出現! 鉄人の敗北
  5. 出現! 二つの操縦器(月刊『少年』1958年6月号別冊付録 - 1958年10月号別冊付録、1958年7月増刊『探偵ブック』)
    • てつや作業一週間 ふたりのスパイ ニコポンスキーの計略 敷島博士はにせものか? 正太郎のぎもん ペテンにかかった敷島博士 あばれる恐竜ロボット 敷島博士のかつやく 鉄人対恐竜ロボット 正太郎の地下室 非常線突破 あばれる鉄人 鉄人のかくし場所 奇厳城 正太郎のきけん ★うかぶX島の巻
  6. 空飛ぶアカエイ軍団(月刊『少年』1958年10月号別冊付録 - 1959年2月号別冊付録、1959年1月増刊『探偵ブック』、1958年11月号付録『とびだすまんが』)
    • おそるべき鉄人 サスペンスたいほ 空とぶアカエイ ゆめかまことか あらわれたアカエイ 奇巖城発見 海底のアカエイ アカエイの襲撃 決戦奇巖城 ふしぎな老人 モンスターあらわる 殺人鬼モンスター 第一のぎせい者 鉄人対モンスター ★なぞの飛行機事故の巻 ★オーパナ博士の挑戦の巻
  7. 難敵アカエイ & モンスター(月刊『少年』1959年3月号本誌 - 1959年7月号別冊付録)
    • とらわれたモンスター モンスターの脱ごく アカエイの来襲 ついせき アカエイあらわる なぞの「まだら岩」 海底の墓場 まだら岩の正太郎 正太郎とモンスター サスペンスの脱走 サスペンス発見 モンスターの最後 海底の墓場
  8. 暴れまくるバッカス(月刊『少年』1959年7月号別冊付録 - 1959年11号別冊付録、1959年8月増刊『探偵ブック』)
    • 不乱拳博士の発明 完成したロボット 鉄人対バッカス おそわれたメリー丸 あばれるバッカス 第六非常線突破 にげのびたサスペンス モンスターの復活 鉄人とバッカス とびさったバッカス 正太郎の危機 時限金庫 十時三十七分六秒 おどりこんだモンスター 十時三十七分六秒 あらわれたバッカス ★あやしい落下物体の巻
  9. 海底墓場の決戦!(月刊『少年』1959年11月号別冊付録 - 1960年3月号別冊付録、1960年1月増刊『探偵ブック』)
    • 人工雷 きえたやしき スーパーアトミック くるったバッカス あばかれていた海底の墓場 ぬすまれていた死体 生きかえった博士 鉄人のかつやく まちぶせていた人夫 つきまとう暗殺者 魚雷攻撃 海底と海上 ★自動車レースの巻
  10. ブラックオックス始動(月刊『少年』1960年3月号別冊付録 - 1960年7月号別冊付録)
    • かんがえるロボット 岩風と光の爆発 くずれるまだら岩 ブラックオックス あらわれたオックス ブラックオックスの力 ブラックオックスのなぞ たばこの火 鉄人とオックス うばわれた鉄人 陸海空軍出動 おそいかかる鉄人 磁気嵐 ふく面団の最後
  11. 驚異の電脳ロボ・ロビー(月刊『少年』1960年8月増刊『探偵ブック』、月刊『少年』1960年8月号別冊付録 - 1960年12月号別冊付録、1960年10月号付録『とびだすまんが』)
    • 怪ロボット・ロビーの巻 あらわれた池のぬし 二つの池 鉄人のかつやく うばわれた鉄人 地底のロビー ブラックオックス ロビーのたくらみ 地底のたたかい あらわれたロボット部隊 鉄人をねらうロビー ロビーの新しい基地 ★ロビーの逆襲の巻
  12. 猛襲! ロビー・ロボ群(月刊『少年』1960年12月号別冊付録 - 1961年4月号別冊付録、1961年1月増刊『探偵ブック』)
    • むかでロボット さらわれた鉄人 オックスのかつやく ドラグネット博士 やってきたロビー 敵か味方か こうかん条件 あらわれた鉄板 なおった操縦器 もぬけのから 海底のロボット 警備艦出動 あやしい男 殺人ロボットV ★怪盗ブラックマスクの巻
  13. ギルバート強い!(月刊『少年』1961年4月号別冊付録 - 1961年9月号本誌)
    • 殺人ロボット発見 かくれ家発見 新しいロボット 地下室の死体 YE6W5のなぞ 東と西のなぞ ギルバートのゆくえ ドラグネット博士の秘密 追跡 あらしの夜のできごと 4747号車 あらわれたギルバート
  14. 巨大アリ事件(月刊『少年』1961年9月号別冊付録 - 1962年3月号本誌)
    • がけのほらあな 黒いレインコート かいならした小鳥 洞くつ発見 あばれるケリー ギルバートあらわる オックスの到着 ケリーの最後 なぞのことば ジェット気流 女王アリ 山嵐のたくらみ 密輸ダイヤ 鉄人の出動 足あと発見 浮きあがった死体
  15. 陰謀の偽鉄人28号(月刊『少年』1962年3月号別冊付録 - 1962年7月号別冊付録)
    • おそってきた大群 事件解決 にせもの事件 うばわれた鉄人 にげだした英二くん たおれていた大木 さらわれた敷島博士 なぞの屋敷 信号 うばわれた鉄人 鉄人の襲撃 救助作業 とらえた怪人 攻撃開始
  16. 十字結社の野望(月刊『少年』1962年7月号別冊付録 - 1962年11月号別冊付録)
    • 追撃 おそるべき鉄人 電波かくらん器 くるう鉄人 深夜の来訪者 十字結社 十字結社の暗躍 かきのこした手紙 神戸へ うずもれたトラック あらわれたモンスター モンスターを追って
  17. 十字結社の逆襲(月刊『少年』1962年12月号本誌 - 1963年4月号別冊付録)
    • あばれるモンスター やってきた十字結社 モンスターの来襲 にげたモンスター 非常線突破 モンスターのゆくえ 車体番号5781 被害者の身元 モンスター発見 はかりごと
  18. ブラック博士の真実(月刊『少年』1963年4月号別冊付録 - 1963年9月号本誌)
    • 地下脱出 決戦 ほろびていった結社 追う者追われる者 怪人ブラック博士 赤死館 その顔を見た者は にせ電話 あの屋敷を見張れ ブラック家の病気 ブラック家の最期 ミスターX
  19. ファイア博士の大野心(月刊『少年』1963年9月号別冊付録 - 1964年2月号本誌)
    • ファイア二世 ファイア二世の力 ホワイト・バッファロー 鉄人出発 くずれた氷 バッファロー山のなぞ ファイア三世 黒メガネの男 ホワイト・バッファロー山 監視ロボット あらわれた怪ロボット こわされたスカイ・レッド工場 消えた怪ロボット 工場見学
  20. 激闘!ファイア三世(月刊『少年』1964年2月号別冊付録 - 1964年7月号別冊付録)
    • ファイア三世の内部 カギはだれのもの 行方不明の技師 挑戦 はずれた外装 オリンパスホテル20号 危機一髪 あらわれたファイア三世 勝利 なぞの潜水艦 つれさられたふたり
  21. 砂漠の鉄人28号(月刊『少年』1964年7月号別冊付録 - 1964年12月号本誌、1964年7月増刊「スリラーブック」)
    • ギド 砂風 ギドの軍隊 到着したロボット サターンの威力 大塚署長の救出 人質 総攻撃 大団円 なぞのカバン ★沈没船のなぞの巻
  22. 出撃!VL2号(月刊『少年』1964年12月号別冊付録 - 1965年4月号別冊付録)
    • カバンの秘密 あらわれた怪人 きえた自動車 VL2号 脱出 強行突破 VL2号 追跡 軌道 あやしい町工場
  23. 戦慄の光る物体(月刊『少年』1965年5月号本誌 - 1965年10月号別冊付録)
    • 決戦 死体のなぞ 光る怪物 にげた怪物 あらわれた警部 にげた怪物 山田野ロボット工場 おいつめられた怪物 モンタージュ写真 X2号 あらわれた怪ロボット こわされたスカイ・レッド工場 消えた怪ロボット 工場見学
  24. 恐竜ロボギャロン(月刊『少年』1965年11月号本誌 - 1966年5月号別冊付録『少年パンチ』、月刊『中一時代』1971年1月号、月刊『少年ジャンプ』1976年9月号、『ソノシート』1964年3月15日、『ソノシート』1964年8月25日)
    • とらわれた署長 なぞの地図 なぞの怪獣 怪物ギャロン ★ベビーハイジャック事件 ★対決モンスターロボットの巻 ★新作鉄人28号 コンピューター殺人事件の巻 ★銀行ギャング粉砕 ★鉄人 超特急を守れ

ラジオドラマ

1959年版

1959年8月31日 - 1960年4月29日、ニッポン放送にて放送。

  • 主題歌:『鉄人28号』(作詞:鈴木厚、作曲:渡辺岳夫、歌:上高田少年合唱団)

1978年版

1978年11月23日 - 12月22日、ニッポン放送「キリンラジオ劇場」にて放送。主役の正太郎役の高橋和枝を初めとして、主要な登場人物がアニメ第一作のキャストで演じられた。

実写版テレビドラマ

1960年2月1日 - 同年4月25日に日本テレビ系列で放送された。全13話でモノクロ。

鉄人28号は着ぐるみで、身長2メートル程度、第6話までの樽型と第7話以降のドラム缶型の2種類がある。前者は眼から、後者は胸から怪光線を出す。第13話で仮面団のロケットを取り付け、飛行可能になる。ロボットは他にも、鉄人26号、27号、仮面団の怪ロボットXが登場する。なお鉄人26号には少年ジェットに登場したロボットが使われた。

ストーリーは、鉄人の出現、村雨兄弟の登場、QX団(原作ではPX団)との攻防、怪ロボットXの出現、サルバチア国(原作ではS国)のスパイ・仮面団との戦いと続くが、敵の基地から脱出した正太郎が謎の爆撃に遭う所で続きがないまま打ち切られたために、正太郎が鉄人28号の操縦者になる事はなかった。第10話のナレーションによると、第1話から第10話までの間に、数年の月日が経っていることになっている。

打ち切りの理由としては、一説には提供スポンサーの日立製作所一社提供)との間にトラブルが有ったのではないかと言われている。しかし当時は、裏番組に『私の秘密』(NHK)が有る事から、視聴率にも関係が有ったのではないかと思われる。作家の菊池秀行は「当時の子供心に見ても(実写の)鉄腕アトムともども、あまりにもお粗末だったのですぐ打ち切られたのだろう」と語っている。

放映リスト

  1. 恐怖の一夜
  2. 法師が岳の対決
  3. 深山の雷鳴
  4. 岸壁への追跡
  5. 怪潜水艦
  6. 海辺の争闘
  7. 怪ロボットX出現
  8. クロロホルム探偵登場
  9. QX団本部の急襲
  10. トラックを追え
  11. 新たなる強敵
  12. 仮面の怪人
  13. 鉄人空を飛ぶ

※ビデオ・LDが発売されたが、第4話・第12話はフィルム紛失のため未収録。

出演

スタッフ

主題歌はレコード発売に伴い児童合唱に変更された。

日本テレビ 月曜19:30 - 20:00
前番組 番組名 次番組
鉄人28号
(実写版テレビドラマ)

テレビアニメ第1作

1963年10月20日 - 1966年5月25日、フジテレビ系列で放送された。84話で一旦終了した後、3か月後に新作13話が放送され、全97話となった。モノクロ作品。詳細は『鉄人28号 (テレビアニメ第1作)』を参照のこと。

以降の派生作品

映像作品

1966年『少年』での人気第1位を続けている中、横山はストーリー展開の限界を感じて漫画の連載を終了した。また同時期にテレビアニメの放送も終了した。しかし、1978年頃から再びその人気に火が付き、繰り返しリメイクが行われ、派生作品が制作された。テレビアニメは4作を数え、実写映画版も作成された。

コンピューターゲーム

家庭用ゲーム
携帯電話アプリ
  • 鉄人28号 -対決!PX団- - 正太郎と鉄人の2パートの横スクロールアクション。

小説

  • 鉄人28号-空想科学小説
    • 角川書店発行。著者は重馬敬。光プロ公認のオリジナルストーリー。

演劇

舞台『鉄人28号』
2009年1月10日より東京および大阪で梅田芸術劇場により公演。押井守監督初の舞台脚本演出作品。鉄人デザインは末弥純。また舞台版を元にしたメイキング風映画『28 1/2 妄想の巨人』(2010年7月31日公開)も作られている。
出演は南果歩池田成志ダイアモンド☆ユカイサンプラザ中野くん、ほか。

テレビCM

  • ニッパツ・日本発条株式会社 (2008年10月)
    • tvk『岡崎五郎のクルマでいこう!』番組スポンサーとして提供。
  • ドコモ for PC (2009年10月)
    • オリジナルCGデザインの鉄人28号が登場。

鉄人28号モニュメント

ファイル:Kobe Tetsujin Project WAKAMATSU PARK.JPG
神戸市若松公園に設置されたモニュメント像

阪神大震災後の復興・商店街活性化活動の『KOBE鉄人PROJECT(神戸鉄人プロジェクト)』の一環として、兵庫県神戸市長田区の若松公園内に高さ15.6m(全長18m)の実物大モニュメント像が作られた。外装は耐候性鋼板製、重量は約50t。総工費は1億3,500万円で、神戸市から補助金4,500万円で残りは個人や企業からの寄付や協賛金によって集められた。2009年7月27日に起工式が行われ、9月29日に完成し(完成セレモニーは10月4日)公園内に恒久設置された。なおこれに合わせ、周辺の街路灯も鉄人の頭部を模したデザインのものに変更して使用している。

その他

  • ハリウッドのスタジオ20世紀フォックス社が実写映画化権を90年代初頭に取得。英題は“The Gigantor”。
  • アメリカの会社エンターカラー・テクノロジーズ・コーポレーションが、アメリカの漫画家ベン・ダンが経営する会社ベン・ダン・コーポレーションに対し、鉄人28号を複製した漫画作品『Gigantor』の発行とその絵を使用したTシャツの販売を許可していたが、これは光プロダクションの許可を得ていなかった為日本国内で訴訟に発展している。訴訟は日本の裁判権がアメリカ合衆国には及ばないとして却下された[2]
  • 主人公、金田正太郎の名前のモデルは、元読売ジャイアンツ(連載開始当時は国鉄スワローズ)投手の金田正一。大塚署長の名前は、雑誌『少年』の発行元である光文社の隣にある大塚警察署(文京区)に由来する。
  • 横山光輝によると鉄人28号はフランケンシュタインB-29から着想を得た。当初、鉄人は「アメリカの憎きB29」から着想しただけあって「悪の権化」だった。そして悪の鉄人は溶鉱炉に落ちて死ぬという短期連載の予定だった。ところが連載第1回で掲載誌『少年』での読者アンケートにおいて上位になった。編集部からは長期連載が可能にするために鉄人を生き延びさせて正義の味方にするように指示された。さらに読者から「悪人をこらしめる鉄人の活躍がみたい」との要望が多く寄せられた。こうした意見に押されて[3]当初鉄人28号として登場していたロボットは実は鉄人27号だったということにされ、後に本物の鉄人28号が登場して正太郎少年の手に渡り「正義の味方」となった。
  • 原作漫画の原稿は一部紛失しており、現存するものも過去の単行本化の際に切り張りされたため部分的に欠損している。「原作完全版」はデジタル画像処理を駆使して原稿を連載当時の形に戻し、欠損部分は誌面からのトレースで復元するという非常に手間のかかる作業を経て、現著作権者の許諾を得て再編集し発刊の運びとなった。なお、原作完全版の発売後に新たに原稿の一部が発見され、2009年に刊行された文庫版では、同様の作業を経てそちらに差し替えられている。
  • テレビアニメ第1作において、オープニング曲と続くスポンサークレジット曲とがつながっている。これは本放送の視聴者のみならず広く知られており、CSで再放送される際には特別に本放送当時のスポンサークレジットがそのまま流れることもある。スポンサーであった江崎グリコも了承している。
  • テレビアニメ第4作の最終回は、横山が当初予定していた「溶鉱炉に落として退治する」に似た終わり方を行ったことから議論を呼んでいる。これは今川監督とプロデューサーで実質的な企画者でもある大月俊倫が「本来予定されていた終わり方を踏襲する」事を製作当初より予定し、横山より承諾を得て決定したものである。今川監督はドラマを中心にした展開ではなく、ロボットアニメらしい痛快活劇をやりたかったが、大月俊倫に予算を制限されすぎてできなかったことを吐露している。
  • 鉄鋼アーティストの倉田光吾郎鉄人の製作を企画していたが、上記プロジェクトから権利関係の中傷トラブルや嫌がらせが相次ぎ製作半ばで中止に追い込まれた。
  • 主人公の金田正太郎は「ショタコン」の由来となっている。

他作品からの影響

他作品等への影響

  • 永井豪はイラスト付エッセイで小学生時代初めて「鉄人」を読んだ時の衝撃を語り、「当時自分はアトムの方が好きだったが、『マジンガーZ』を読み返すと鉄人の影響をより多く受けていたのがわかる」という趣旨の発言をしている[4]
  • 今川泰宏監督のOVA『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』には様々な横山作品のキャラが出演しており、『鉄人28号』からも村雨健次(健二と改名される)を筆頭に数人が名を変えて登場している。他にも『鉄人』の敵ロボットが多数オープニングにのみ登場する。同OVAの外伝作品『鉄腕GinRei』では主人公の草間大作が敵方のBF団に寝返り、正太郎同様、格子模様のブレザー姿で「JINTETSU(人鉄)」という鉄人風のロボット(メカデザインは石川賢)を操縦している。同じく外伝作品の『青い瞳の銀鈴』では、アニメ第1作の金田正太郎役だった高橋和枝が正太郎の姿をした少年のルード役でゲスト出演している。
  • 機動警察パトレイバー』の漫画版で展開された、主役機イングラムのメインシステムを奪取しようという構図と一連の企画七課絡みの事件は、『鉄人28号』のオマージュでもある[要出典]。同作品に登場するブロッケンはバッカス、グリフォンはブラックオックスが下敷きになっている[5]
  • 究極超人あ〜る』の主人公「R・田中一郎」の誕生過程は、発端は『鉄腕アトム』、製作状況は『鉄人28号』のパロディで、製作者である成原博士は「R28号」と呼ぶ。兄は27号。後に妹が開発され、「R29号」(彼女自身は自分を「アール・デコ」と自称)と呼ばれた。
  • 藤子・F・不二雄のSF短編「鉄人をひろったよ」では「黒部の山奥」(鉄人誕生の地の1つに乗鞍岳秘密研究所がある)「モサドやKGB」などの言葉を途切れ途切れに吐く男が登場し、老人に音声認識タイプのリモコンを渡す。
  • クレヨンしんちゃん』の外伝「しんちゃんズエンジェル」において敵のミスタークールキッドがミサイルを遠隔操作するリモコンが鉄人を操るリモコンとほぼ同じデザイン(ただしアンテナが付属)であるが、まつざか先生に「古臭くて正太郎少年が持ってたヤツみたい」と毒づかれた。
  • 浦沢直樹の漫画『20世紀少年』では、ロボット工学者の敷島教授なる人物が登場し、リモコン操縦の巨大ロボットを制作する。
  • 漫画及びアニメ映画となった『AKIRA』では、本作品の登場人物に類似した名前の人物がいる。
  • パロディとして鳥山明の『Dr.スランプ』のマシリト製作のキャラメルマンシリーズや麻宮騎亜の『快傑蒸気探偵団』の強力、唐沢なをきの『鉄鋼無敵科學大魔號』や『近未来馬鹿』の短篇「鋼鉄人間28号」「大塚署長自身の事件」等がある。
  • 映画『ロボコップ2』において、ロボコップの開発記録の映像が旧実写版『鉄人28号』の開発記録の映像のパロディであるという指摘がある[要出典]
  • フジテレビで放送された子供向け番組『ウゴウゴルーガ』では、「おやじん28ごう」という本作のパロディ作品が存在する。
  • フジテレビで放送されたバラエティ番組『ダウンタウンのごっつええ感じ』では、ヒーロー物コント「結婚前提戦士ラブラブファイヤー」にて「鉄人2888(てつじんにじゅうバババー)」という本作のパロディキャラが登場する。
  • アニメ第1作のエンディングテーマ『正太郎マーチ』は、アニメ『彼氏彼女の事情』でしばしばアバンタイトルのBGMとして使われた。
  • フジテレビ系ドラマ『カバチタレ!』で陣内孝則が演じた大野勇は、本作品のファンであるというドラマオリジナルの設定があり、誰も居ないオフィスで鉄人28号のフィギュアを使って遊んでいたことがある。また、ドラマの後半部分では本作品の「良いも悪いもリモコン次第」というコンセプトが物語の大きな主題となっている。自分達の仕事は決して弱者を守る為だけにあるのでなく、時には自分の意に反する仕事もしなければならないという事を、大野は自分たちのような代書屋を「鉄人」、決定権を持つ依頼者を「リモコン」に例えていた。なお、劇中においてアニメ第1作の映像が度々使われている。
  • 富野由悠季は小学生の頃に鉄人28号を見て[6]、現実的な科学の観点から「こんなの嘘だ!(あの体格のロボットが、ビルの間で悠然と立ち回って戦闘できるわけが無い)」と毒づいている[7]。そのアンチテーゼは、無敵超人ザンボット3機動戦士ガンダムなど富野の手がけた諸作品に表れている。
  • 1980年代に少女愛のロリコンが話題になったとき、アニメ雑誌ファンロードの記事をきっかけにショタコン( = 正太郎コンプレックス)なる言葉が用いられるようになった。
  • 関西国際空港への空港連絡鉄道ラピート」に使われている南海50000系電車が「鉄人28号」に似ており、鉄道ファン等は同車両を「鉄仮面」・「鉄人28号」等の愛称で呼んでいる。

参考文献

外部リンク

脚注

  1. ^ 出典はこれではないが、同名のプロレス技が存在する。
  2. ^ 「鉄人28号」著作権侵害事件
  3. ^ ササキバラ・ゴウ『戦時下のオタク』角川書店、2005年
  4. ^ 『「鉄人28号」大研究 - 操縦器(リモコン)の夢』収録
  5. ^ masyuuki 2011-02-01 19:37:28 グリフォンも、ブラックオックスがモデルと言ってしまうとちょっと語弊がありまして、「イングラムよりちょっと先進的なやつ」と頼んだら「ああ、ブラックオックスね」といった感じでイメージされたのです
  6. ^ 富野は昭和16年生であり小学生で作品を見ることは不可能。
  7. ^ 『声優グランプリ VOL.23』 ガンダム誕生20周年記念企画「機動戦士ガンダム」座談会 古谷徹の発言より