調理

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調理(ちょうり)とは、食材を加工し、料理を作る過程あるいは行為。なお、日本語では料理が調理をも指す呼称として用いられることがしばしばある。

概要

調理とは狭義には食することができない、あるいは難しいものを食することが可能あるいは美味しいものに変換することであり、広義には食事計画から調理操作を経て給食、食卓構成までに至る過程を言う。食物の摂取は生物が生存するために不可欠な行為であり、これをより効果的に遂行するために調理は実行される。また精神的な健康にも深く関連しており、個人の食嗜好を形成する。調理は文化などによっても大きくその内容が異なり、歴史と共に継続的に変化していく。調理で用いられる様々な手法や技法は、調理法と呼ばれ、調理で用いられる道具は、調理器具と呼ばれる。

調理は、調理器具を用いた技術であり、また芸術と捉えられることもよくある。長い歴史と幅広さを持ち、専門的に学んだ上で技術を研鑽する人々は多数存在する。それは、職業として行われる一方で趣味としても行われている。調理を職業とする者はコック料理人板前などと呼ばれる。また、調理に関する専門的な資格を有する者を調理師と呼ぶ。

調理については学問的な研究も行われており、栄養や味覚などについて自然科学的アプローチを行う「調理科学」や、歴史の変遷を追う「調理史」などがある。

意義

調理の意義には以下のものが挙げられる。

まず安全性の確保がある。全ての食物がそのまま食することが出来るとは限らないために食材が有する、または付着している毒物の除去や無毒化が加熱操作などによって行われることが必要である。これはフグの卵巣除去や殺菌のための加熱などが挙げられる。

栄養の消化吸引を補助する意義もあり、調理過程で切る、刻む、すり潰すなどの操作で胃腸による食物の消化吸収を補助することができる。また、植物は加熱により組織構造が変化して消化吸収されやすくなる。ただし、ビタミンミネラルなどの微量成分は調理中に失われてしまう場合もある。

美味しさを創出することも重要な調理の意義である。美味しさは個人の味覚や外観など多様な要素が関わっており、これを追求することが調理の究極的な目的とも考えられる。

調理器具

参考文献

  • 島田敦子、今井悦子編著『調理とおいしさの科学』(放送大学教材、1998年3月)

関連項目

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