街 〜運命の交差点〜

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街 〜運命の交差点〜
ジャンル サウンドノベル
対応機種 セガサターン
開発元 チュンソフト
発売元 チュンソフト
プロデューサー 中村光一
小久保利己
ディレクター 麻野一哉
山﨑修
平松正樹
近藤英明
毛利昌樹
落合信也
シナリオ 長坂秀佳
山﨑修
岩片烈
平松正樹
横山至
プログラマー 板野英史
大森田不可止
川田勝美
福澤正
音楽 難波弘之
加藤恒太
三俣千代子
林秀幸
森藤晶司
板倉真一
人数 1人
メディア CD-ROM2枚
発売日
  • 日本 1998年1月22日 (1998-01-22)
対象年齢 CEROD(17才以上対象)
コンテンツ
アイコン
セクシャル
飲酒・喫煙
ギャンブル
売上本数 12万本[1]
その他 型式:T-34001G
テンプレートを表示

街 〜運命の交差点〜』(まち うんめいのこうさてん)はチュンソフトが制作したコンピュータゲーム。また、『弟切草』・『かまいたちの夜』に続く同社のサウンドノベルシリーズ第3弾である。

原作・監修は長坂秀佳

概要

渋谷の街を舞台に、8人の主人公とそれを取り巻く登場人物が物語を繰り広げる。基本的にそれぞれの主人公に面識はないが、あるシナリオで何気なく行った主人公の行為が、別の主人公の未来に重大な影響を与えることがある。時にはそれがバッドエンドなど悪影響を及ぼす場合があり、それを回避するために、ザッピング(zapping)を行ってシナリオを切り替えながら読み進めていく。

本作は実写を使用した作品であり、膨大な数の俳優が出演している。発売当時は無名だった伊藤さおり北陽)・窪塚洋介(当時の芸名・ヨースケ)なども出演。使用した静止画の枚数は6000枚、登場人物の数は400人にもおよぶ。

初めてのリリースは1998年1月22日セガサターンで発売された『サウンドノベル 街 -machi-』。その後、システムを一部変更して新要素を追加したPlayStation版『街 〜運命の交差点〜』が『かまいたちの夜 特別編』、『弟切草 蘇生篇』と同時期に「サウンドノベル・エボリューション」シリーズとして1999年1月28日(廉価版は2002年4月4日)に発売された。また、ドワンゴから携帯アプリ版も配信されている。

2006年4月27日には新たに2人分の秘蔵シナリオや、サウンドテスト機能が追加されたPlayStation Portable版『街 〜運命の交差点〜 特別篇』がセガとチュンソフトのコラボレーションで発売(廉価版のSEGA THE BESTは2007年8月30日発売)。2012年3月27日にはPlayStation Storeで、PSP版のダウンロード販売が開始された(PlayStation Vitaには配信当初は非対応だったが、現在は対応済み)。PSP版は一部シナリオで暴力内容を含んでいるためCEROレイティングでUMDが「18歳以上対象」、PS Store版は「D(17歳以上対象)」指定になっている。

ゲーム内容

以下、本作の特徴的なシステムを記す。

TIP

文章中に色の違う文字列が存在するが、これが「TIP(ティップ)」である。ボタンを押しそのTIPを選択することで別ページが開き、その語句の説明・解説が脚注形式で行われる。緑色(選択後は深緑)のTIPがこのゲームの登場人物に関する解説で、水色(選択後は青)は物や場所、一般に使用されている熟語・語句・事象の説明である。

このシステムにより、本文中に余計な文章を織り込む必要がなくなると同時に、一般生活では用いられない難しい語句説明を、その場で受けられるようになった。それだけでなく、主人公のシナリオに大きく絡まない登場人物や事象にも、シナリオのテンポを崩すことなく細かく軽妙な解説が付加できる。

ZAP

ある主人公のシナリオから、別の主人公のシナリオの特定の時間へ飛ぶ機能を「ZAP(ザップ)」と呼ぶ。そして、これを行うことを「ZAPPING(ザッピング)」という。ZAPはTIPと同様に緑色の文字列で示されており、直接主人公同士が遭遇した際、その人物名がZAPになっている以外にも、特に関係のなさそうな「TIP」の解説中に、お互いの状況の共通点を示すなどして仕組まれることがある。

また、ゲーム中画面に「つづく」と表示され、シナリオがそれ以上読み進められなくなってしまうことがある。この場合、別の主人公のシナリオを読み進め、そこで発見した「つづく」状態になっている主人公のZAPを選択し、ZAPPINGすることで「つづく」が解除され、次へと読み進めることが出来る鍵の役割も果たしている。

マルチフラグメント

作中に登場する「選択肢」を指す。この選択次第で物語の行く末が変わってくることがある。ただし全く違った展開になることはなく、違った展開=BADENDとなってその時点でシナリオは断絶されてしまう。各主人公に与えられた正解(最後まで読み進められる)の展開は一つ。

ただし、その主人公にとってはBADENDにもならない些細な選択肢(行動)が、別の主人公にとっては人生を左右するほどの大きな影響となって現れることがある。この無意識の連鎖、「運命の連鎖」の積み重ねによってゲームは進められていく。

シナリオのあらすじ

渋谷駅ハチ公口前スクランブル交差点。10月11日午前10時、人々が賑うこの場所で主人公たちの物語は始まる。(写真は2003年撮影のもの)

メインシナリオ

「オタク刑事走る!」
脚本:長坂秀佳、平松正樹
渋谷中央署の刑事である雨宮桂馬は、渋谷のオーロラビジョンに映る謎の文章を見て爆破予告だと断定する。次々と爆破予告をする犯人を探し、桂馬は5日間渋谷を走り回ることになる。
「The wrong man 牛」
脚本:山崎修
ヤクザから足を洗った牛尾政美は、宝石店の店員高峰綾にプロポーズをするため宝石店に足を運ぶ。しかしその時元舎弟の孤島三次が宝石強盗を働き、居合わせた牛尾は共犯者と間違われてしまう。しかも逃走した先では役者の馬部甚太郎に間違えられ、一時しのぎのため芝居をする羽目になる。果たして牛尾は容疑を晴らし、高峰綾にプロポーズすることができるのか?
「The wrong man 馬」
脚本:山崎修
馬部甚太郎は売れない役者である。テレビドラマで初めて大役が舞い込んでくるが、うまく演じられず自信をなくしていた。そんな時逃走中の宝石強盗犯、孤島三次に兄貴分の牛尾政美と間違えられたため、馬部は仕方なしにヤクザの世界に足を踏み入れることになる。もし元ヤクザの牛尾を演じ切れず、NGを出したら命は無い。三流役者馬部の人生最悪の3日間が始まる。
「七曜会」
脚本:長坂秀佳、岩片烈
篠田正志は平凡な大学4年生である。父親の勤める大手家電メーカーにコネで就職が決まり喜んでいたが、ある日「日曜日」と名乗る謎の女性が内定取消になるような事実をつきつけて脅迫してくる。脅迫に屈した正志は、七曜会メンバー「金曜日」となり、日曜日の命令通り他人を脅迫をしていくうちに、次第にその面白さに目覚めていく。
「シュレディンガーの手」
脚本:長坂秀佳、横山至
市川文靖はテレビドラマのプロットライターとして成功しているが、その作品は低俗極まりない上に自分が寝ている間に「誰か」が書き起こした身に覚えの無いものであった。市川は自分の作家としての良心を守るため、テレビ業界に一石を投じるため、最高傑作を書こうと作品に取り掛かる。
「で・き・ちゃっ・た」
脚本:山崎修
緑山学院高校の3年生である飛沢陽平は学校一の人気者。とにかく女の子と遊ぶのが大好き。しかしある日、呼び出された女性から「私、できちゃいました」と衝撃の事実を告げられる。本命の彼女以外にも、二股は当たり前の飛沢陽平の運命は?
「迷える外人部隊」
脚本:長坂秀佳、横山至
フランス外人部隊に身を置く高峰隆士は3年ぶりに故郷、日本へと戻ってくる。しかし戦場での出来事がフラッシュバックし悩む。久しぶりの日本にいても湧き上がる思いは苛立ちばかり。自分の存在意義を見出すために渋谷を徘徊する。
「やせるおもい」
脚本:岩片烈
細井美子は何よりも食べるのが大好きな女の子。恋人の高田洋一と一緒にケーキ屋に行くが、洋一は食欲旺盛な美子を見て5日間の間に17キロ痩せなければ別れると言い出す。美子は愛する洋一のためにと、無茶なダイエットを開始する。

隠しシナリオ

※以下のシナリオは、ある条件を満たすとプレイすることが可能になる。PS版ではNORMAL以上から遊ぶことができる。共に選択肢は存在しないが、他主人公の選択によりバッドエンドを迎えることがある。

「青ムシ抄」
脚本:平松正樹
飛沢陽平と同じ緑山学院高校に通うオタク高校生・青井則生の物語。このシナリオのみ唯一実写ではなく、デフォルメされたアニメ絵となっている。
「花火」
脚本:長坂秀佳
「迷える外人部隊」の主人公、高峰隆士の父親、高峰厚士の物語。花火が大好きだった息子のためにあることを実行する。

PSP版追加シナリオ

※以下は、PSP版のみプレイできるシナリオ。なお、TIPSやZAPは存在しない。

「パトリック・ダンディ」
自称米軍大佐のパトリック・ダンディはハチ公前で待ちぼうけを食っていた高校教師の小糸亜弓に声をかける。胡散臭い言動のダンディに、はじめは相手にしていなかった亜弓だが、熱心な行動の前にだんだんと心をひかれてゆく。しかしダンディにはある思惑があった。
「サギ山」
サギ山勇は脚本家志望である。が、現場を見ておきたいという思いから制作会社に飛び込み助監督として採用される。しかし現場の知識は全く無いままテレビドラマの現場に配属されたために、ミスを連発してしまいクマ野に散々どやされる羽目になる。「こんなはずじゃない……」と理想と現実のギャップに撮影一日目にして辞めようとする。

ゲーム以外のシナリオ

「雲烟過眼」
脚本:長坂秀佳
『「街」公式ガイド ZAP'S』に掲載されたシナリオ。主人公は海塚正治郎

登場人物

主人公

雨宮桂馬(あめみや けいま)
演 - あらい正和
25歳。渋谷中央署生活安全課少年係の刑事。自称「ゲーマー」だが、まわりからは「オタク」と言われ憤慨している。思い込みが激しいが、正義感の強い性格。
雪印コーヒー牛乳が大好物。特技はヨーヨー。身長172センチメートル。血液型はO型。
牛尾政美(うしお まさみ)
演 - 松田勝
36歳。元ヤクザ。半年前に足を洗ったあと、宝石店に勤める高峰綾に好意を抱きプロポーズを決意。武闘派として代貸(組のNo.2)に上り詰めたこともあってケンカは強い。頬に大きな傷、背中には牛頭天王の刺青がある。彼の母親と馬部の母親は従姉同士である[2]
趣味は酒、特技はケンカ。身長186センチメートル。血液型はB型。
馬部甚太郎(うまべ じんたろう)
演 - 松田勝
36歳。役者。無名で、これまで画面に出たらすぐ殺されるような端役ばかりだったが、初めて大役が任されて緊張している。顔だけは牛尾政美に似ているが、性格は正反対の小心者。頬の傷は、役のためのメイク。
甘い物が好きで、酒、タバコは駄目。特技は映画スターのものまね。身長185センチメートル。血液型はA型。
篠田正志(しのだ まさし)
演 - 草野康太
21歳。緑山学院大学4年生。父親が大手家電メーカーに勤める中流家庭の一人息子。友人付き合いは少なく、女性とも深い付き合いをしたことがない。いたって平凡な大学生活を送り、父親のコネで同じ会社に内定が決まっていたが、過去に父親が学生運動に参加していたことをネタに、謎の組織「七曜会」に脅迫される。
趣味はパチンコ、散歩。身長177センチメートル。血液型はAB型。
市川文靖(いちかわ ふみやす)
演 - ダンカン
38歳。プロットライター。「中島哲雄」のペンネームで活動している。28歳の時、文学新人賞を受賞したことをきっかけに作家として生計をたてることになる。数年前に手がけたテレビドラマが大ヒットしたことにより業界で一躍有名になり、様々なドラマのプロットを執筆しながら現在に至る。
趣味は映画鑑賞(最近はほとんど仕事の参考用)。特技は絵を描くこと。身長176センチメートル。血液型はAB型。
飛沢陽平(とびさわ ようへい)
演 - 仲田健一
18歳。緑山学院高校3年生。バスケットボール部で活躍したスポーツマンかつ成績優秀な元生徒会長。自他ともに認める人気者で常に複数の女の子と遊び歩いている。しかし、一夜の過ちで1人の女性を妊娠させてしまう。父親は病院の事務長をしている。
趣味および特技は女性と深い関係になること。身長182センチメートル。血液型はO型。
高峰隆士(たかみね りゅうじ)
演 - 増田雄一
25歳。フランス外人部隊所属。子供の頃にいじめられたことをきっかけにさまざまな挌闘技を習得した彼は、三年前に日本を離れフランス外人部隊に入隊する。しかし厳しい訓練や戦いに明け暮れるうち、己の中に血を好む残虐な一面があることに気づき、脱走同然で日本に戻ってきた。
趣味は読書。特技はテナーサックスの演奏。身長183センチメートル。血液型はA型。
細井美子(ほそい よしこ)
演 - 伊藤さおり
20歳。フリーター。食欲旺盛だが本人にはあまり自覚がない。恋人である高田洋一に指摘されてはじめて太っていることに気が付き、大好きな洋一に捨てられたくない一心で無茶なダイエットを始める。
趣味および特技は大食い。身長158センチメートル。血液型はB型。
隠しシナリオ
青井則生(あおい のりお)
演 - 武沢物語
18歳(本人は17歳と13か月と言い張っている)。通称・青ムシ。陽平と同じ緑山学院高校の3年生。オタクだが成績は優秀。「砂夢猫(しゃむねこ)」というペンネームで成人漫画雑誌に連載を持つプロの漫画家である。いつもデジタルカメラを持ち歩いてよからぬことに使っており、チクリ癖で卑劣な行いを繰り返すため皆から嫌われている。
趣味はコミック、美少女フィギュア集めと、他人の秘密を暴くこと。身長166センチメートル。血液型はA型。
高峰厚士(たかみね あつし)
演 - 塩山義高
56歳。高峰隆士の父。家電メーカー「ヨツビシ」の重役。極度にシャイな性格のため気持ちを素直に伝えられず、厳格を装うことでごまかしている。しかしそれに耐え切れなかった息子・隆士は家を出てしまった。
PSP版の追加シナリオ
パトリック・ダンディ
演 - 浮部文雄
自称48歳。米軍大佐で宇宙飛行士と自称しているが見た目から言動まで非常に胡散臭い男。緑山学院高校の教師、小糸亜弓を口説いている。本名:神尾智彦。
サギ山勇(サギやま いさむ)
演 - ヨースケ
23歳。脚本家志望。大学を卒業し現場を知るためにと助監督になるものの、あまりに厳しい仕事のため一日目にして辞めたがっている。最近とある女子高生にアタックしている。サギ山のモデルは脚本を担当した山﨑であり、過去に助監督を経験したことがあるため、ヤマザキの名前を捩ってサギ山となった[3]
『「街」公式ガイド ZAP'S』のみのシナリオ
海塚正治郎(かいづか しょうじろう)
演 - 大矢達
79歳。通称・ワニ治郎。何度か大臣を務めたこともある元大物代議士。しかし、政界を引退してからは訪ねてくる人もなく、息子たちとも絶縁状態が続き、孤独な生活を送っている。

その他の主な登場人物

本作では様々な人物が登場し、複数のシナリオにまたがって登場する人物も多い。そのような人物は一番出番が多い、あるいは重要な役割を果たした主人公のシナリオに分類する。

雨宮桂馬のシナリオ

麻生しおり(あそう しおり)
演 - 雪乃五月
桂馬の先輩刑事。暴走しやすい桂馬のフォローを務める。桂馬が想いを寄せている相手でもある。
権田玄三(ごんだ げんぞう)
演 - 那須正成
通称・ゴロイチ(柔道五段、剣道六段、知能指数1と桂馬の皮肉)。桂馬の先輩刑事だが、体育会系のため桂馬とは馬が合わない。かなりの酒好き。
沼田岳義(ぬまた たけよし)
演 - 金井大
通称・ヌマさん。かつては鬼刑事だったが、現在は資料室に回されており、桂馬の先輩として的確なアドバイスをする。
土屋利男(つちや としお)
演 - 木村季果
通称・ガイ。緑山学院高校の生徒。不良というわけではないが、しょっちゅう学校をサボっては遊びまわっているゲームオタク。桂馬とはゲーム友達で仲がよい。
ジェロニモ
演 - 谷山紀章
不気味な雰囲気をかもし出している死神のような男。桂馬とゲームで勝負をする。本名:高松野平。
都倉純一(とくら じゅんいち)
演 - 中村光一
渋谷中央署の署長で東大卒のエリート。
神代恭介(かみしろ きょうすけ)
演 - 長坂秀佳
警視庁警視総監。警視庁特命捜査課長、特命捜査部長を歴任し、ヘリコプター操縦のライセンスも持つ。
柴田亜美(しばた あみ)
演 - 柴田亜美
漫画家。5年前の裏ロム事件の関係者の一人(顔写真での出演)。

牛尾政美のシナリオ

カバ沢猛(カバさわ たけし)
演 - 楠見尚己
馬部の出演ドラマ『独走最善戦』の監督。彼が喋る独特の言葉は「カバ沢語」と呼ばれ、擬音ばかりで訳が分からないが、勢いはあるので現場は活気付く。後にテレビ太陽のプロデューサーになる。
クマ野健太(クマの けんた)
演 - 久保田篤
カバ沢組のチーフAD兼カバ沢の通訳係。サギ山の教育係も担当している。
椎名みちる(しいな みちる)
演 - 和泉ちぬ
アイドル出身の中堅女優。決して主役を演じることはないが脇役として欠かせない。馬部の恋人でもある。
デューク浜地(デューク はまじ)
演 - 団時朗
『独走最善戦』の主演俳優。スターではあるものの、態度は傲慢であり自分のことしか考えていない。つい最近まで小糸亜弓と交際していた。本名:大根信太。
エビ原マリ子(エビはら マリこ)
演 - 篠崎はるく
カバ沢組の小道具担当。仕事のために結婚もせずに自分を犠牲にしてまで頑張っているらしい。
高峰綾(たかみね あや)
演 - 菊地則江
牛尾が惚れている相手。道玄坂の宝石店ボー・ダボーで働いているジュエリーコーディネーター。父親と仲の悪い弟が喧嘩して帰ってこないので心を傷めている。
鯨井刑事(くじらい)
演 - 剛たつひと
渋谷中央署の刑事。いかにも叩き上げという感じだが実は京大卒のエリート。椎名みちるの大ファンでミーハーな面もあり、『独走最善戦』の撮影現場にちょくちょく顔を出す。宝石強盗事件の解決後、渋谷爆破予告事件の捜査にも関わる。

馬部甚太郎のシナリオ

孤島三次(こじま さんじ)
演 - 鶴見亨司
通称・キツネの三次。元は牛尾の舎弟。かなり切れやすく、逃げ足が速い。宝石強盗を起こし、牛尾を巻き込む。
白峰忠道(しらみね ただみち)
演 - 竜雷太
関東一円を取り仕切る暴力団、白峰組の組長。組の看板に泥を塗った三次と牛尾を狙う。陽平、馬部、正志のシナリオを股にかけ、かなり出番が多い。
白峰るい子(しらみね るいこ)
演 - 佐藤亜里香
白峰忠道の一人娘。牛尾に想いを寄せている。性格はかなり情熱的。
山吹京一郎(やまぶき きょういちろう)
演 - 神威杏次
一流私大出のいわゆるインテリヤクザ。足抜けした牛尾に代わり代貸に就任した。武闘派だった牛尾とは仲が悪い。
柏木巌(かしわぎ いわお)
演 - 井上博一
白峰組幹部の壮年男。組員としては最古参であり、白峰の信頼も厚く組の様々な行事を取り仕切る。
大松正吉(だいまつ まさよし)
演 - NARUKO
白峰組のヤクザ。今でも牛尾を慕っている元舎弟。そのため現在では肩身が狭く、三次に拳銃を盗られた責任を問われ小指を落とす羽目になる。

篠田正志のシナリオ

日曜日
演 - 久野真紀子
正志を脅迫して、七曜会に勧誘した謎の美女。七曜会のリーダー格。
月曜日
演 - 諏訪太朗
時代遅れなヒッピー風の男であり、自称詩人。細井美子に一目惚れする。
火曜日
演 - 鈴木覚
こわもて風の男。ハリセンで正志をどつくが根はいい人のようだ。
水曜日
演 - 留美
七曜会のメンバーであり現役女子高生。正志が想いを寄せる。ホイッスルをいつも所持している。篠田正志のシナリオでは、最後の展開を巡るキーパーソンとなる。
木曜日
演 - 小木曽玲一
柔和な老人。時折、思慮深いことを言い、正志を感心させる(丸め込む)。ステッキのコレクションが趣味。自称130歳。
土曜日
演 - 森川涼
七曜会のメンバーでありオカマ。ダンスの達人。外見は華奢な美青年だが合気道有段者でもある。
瀬山高広(せやま たかひろ)
演 - 千葉慎也
正志とたびたびパチンコで勝負する浪人生。浅見ほのかという女性に想いを寄せており、その背景には複雑な事情があるが、正志から見せればただのパチンコ男でしかない。
尾形敬治(おがた けいじ)
演 - 津村和幸
警官の格好をして街をうろつく変人。わざと妙な方言を使うが生まれは東京の成城。さらには東大を首席で卒業し、特技がバイオリンというお坊ちゃん。市川文靖に「シュレディンガーの猫」を語って聞かせた同級生と同じ苗字だが、同一人物かは不明。

市川文靖のシナリオ

末永晶子(すえなが しょうこ)
演 - 黒木真由美
市川の恋人。前衛芸術に傾倒している。高校時代は高峰隆士と付き合っていた。
木嵐袋郎(こがらし ふくろう)
演 - 野口雅弘
テレビ太陽のドラマ『独走最善戦』のプロデューサー。「えっへっへっへ」と軽率な笑いを浮かべる。しかし実は文学青年で、低俗なドラマが氾濫するテレビ界の現状に心を痛めており、市川にいい作品を生み出して欲しいと願っている。何か新しいアイデアが思いつくと「これだっ!」と叫んで指を鳴らすクセがある。

飛沢陽平のシナリオ

倉科亜美(くらしな あみ)
演 - 栗林知美
陽平がたった一夜だけ過ごした女の子。しかし、陽平の子供を身篭ってしまう。一見地味目で大人しそうな印象だが、衝動的な行動を取ることがある。職場は花屋。
秋葉美奈子(あきば みなこ)
演 - 関幸代
陽平の彼女。大手通販会社オータムリーフの社長令嬢。陽平とは同い年だが、なぜか学年は一つ下。
片瀬ユキ(かたせ ユキ)
演 - 雨宮朋絵
陽平の元彼女。しばらく長野の実家に戻っていたが、久しぶりに東京に出てきた。
秋葉雄三(あきば ゆうぞう)
演 - 並樹史朗
秋葉美奈子の父親であり、大手通販会社オータムリーフの社長。白峰は妻の兄にあたる。陽平には美奈子と結婚して跡を継いでもらおうと考えている。複数の愛人がおり、高峰綾も狙っていた。

高峰隆士のシナリオ

井端和孝(いばた かずたか)
演 - 大滝昇
隆士の数少ない親友。高校を出て現在では実家の工務店で働いている。
伍長
演 - 大矢達
「もあい」が口癖の老人。代々木公園でホームレスをしている。昔は特別な職業に就いていたらしい。実は正志編の海塚正治郎と同一人物である。

細井美子のシナリオ

秋山薫(あきやま かおる)
演 - 谷口あゆみ
美子のバイト先の後輩。世話好きで優しく、急にダイエットをはじめた美子の身体を気遣う。美子と違ってスタイルがいい。喫煙者でないのに、本人も気づかない内に煙草を持っているが、それを特に気に留める様子が無いなど、時折不審な行動を見せる。
高田洋一(たかだ よういち)
演 - 不破達也
美子の彼氏。K.O大学ボクシング部所属。女の子なのに全く容姿を気にせず食べまくりの美子に業を煮やし、ダイエットを命じる。

隠しシナリオ

青井則生のシナリオ

白田琢朗(しろた たくろう)
演 - 松山幸次
通称・白ブタ。ハンバーガーが好物の巨漢。青井と同じエロ漫画家で、ライバル同士である。ペンネームは「ムンギー」。緑山学院高校の生徒。
エンペラー黒川(エンペラー くろかわ)
演 - 豊嶋稔
エゲレス書院の編集者で、出版コードギリギリの成人漫画雑誌「ドエロH2」の副編集長。性格は自己中心的で最悪。青ムシと白ブタを家来のようにこき使う。本名:黒川イタチ。

高峰厚士のシナリオ

高峰霞(たかみね かすみ)
演 - 山崎瀬奈津
高峰厚士の妻。仲の悪い夫と息子の関係に心を傷めている。

PSP版の追加シナリオ

パトリック・ダンディのシナリオ

小糸亜弓(こいと あゆみ)
演 - 平松晶子
緑山学院高校の体育教師。ダンディにナンパされる。よく恋に落ちるが、交際しても長続きしない。ダンディと出会う前はデューク浜地と交際していた。

サギ山勇のシナリオ

深町結衣(ふかまち ゆい)
演 - 留美
サギ山が現在アタックをかけている女子高生。正体は正志シナリオに登場する水曜日。

『「街」公式ガイド ZAP'S』のみのシナリオ

海塚正治郎のシナリオ

松島キヌ(まつしま キヌ)
アパート宝荘の大家である老貴婦人。代々木公園で海塚と出会う。

ゲスト出演キャラクター

これらは主に雨宮桂馬のシナリオで登場する。

  • チュンソフトのゲーム『風来のシレン』からマムルがクレーンゲームのぬいぐるみで登場。あるシーンでマムルを選択する場面がある。
  • 警視庁のマスコットキャラクターピーポくんが「ポピーくん」としてゲスト出演している。

移植機種と変更点

No.タイトル発売日対応機種開発元発売元メディア型式売上本数
1街 〜運命の交差点〜
サウンドノベル・エボリューション3
  • 日本 1999年1月28日 (1999-01-28)
PlayStationチュンソフトチュンソフトCD-ROM2枚組SLPS 01845〜6-
2街 〜運命の交差点〜
PS one Books
  • 日本 2002年4月4日 (2002-04-04)
PlayStationチュンソフトチュンソフトCD-ROM2枚組SLPS-91489〜90-
廉価版
3
iチュンソフト
  • 日本 2005年10月11日 (2005-10-11)
FOMA900i以降
iアプリ
チュンソフトドワンゴダウンロード--
4街 〜運命の交差点〜 特別篇
  • 日本 2006年4月27日 (2006-04-27)
PlayStation PortableチュンソフトセガUMDULJM-05111-
新規シナリオ追加
5街 〜運命の交差点〜 特別篇
SEGA THE BEST
  • 日本 2007年8月30日 (2007-08-30)
PlayStation PortableチュンソフトセガUMDULJM-05267-
廉価版
6街 〜運命の交差点〜 特別篇
  • 日本 2012年3月27日 (2012-03-27)
PlayStation Portable
(PSN)
チュンソフトスパイク・チュンソフトダウンロード--

PlayStation版

特に表記が無い限り、セガサターン版との比較である。

  • 3×3のマスの中に顔だけ表示されていた主人公選択画面が全身像から選んで選択する方式に変更された。
  • 移動マップの追加
    • 各主人公の現在位置と時間がチャート化され、一目でどこまでプレイしているか分かるようになった。「分岐」「ZAP」のある箇所もアイコンが表示されるので、プレイヤーがどこに「バッドエンドフラグ」「つづく解除のZAP」があるのか把握しやすい。
  • エンディング映像の変更
  • 音楽の音色(ゲーム機の内蔵音源が違うため)
  • シルエットモードの追加
    • 『かまいたちの夜』のように人物が影で表示される。実写モードも選択可能である。
    • シルエットモードでは影になる以外も、一部の演出が簡略化されたり、一部のムービーがカットされて一枚絵になる。なお、『青ムシ抄』のみこのモードでもシルエットにはならず、人物の表示は顔が表示されるアニメ絵のまま。
  • 難易度選択の追加
    • 難易度を日付別にEASY / NORMAL / HARDの3つの中から選択できるようになった。その日を初めて開始するときに選択し、一度選んだ難易度は変更できない。セガサターン版の難易度はHARDにあたる。NORMALとEASYではバッドエンドの数が減らされているため、すべてのエンディングを見るには「HARD」を選択してプレイする必要がある。なお、セガサターン版でピンクのしおり以降に解禁された選択肢はHARD選択時に最初から出現するようになっている。
    • EASY / NORMALの違いは、HARDと比べてバッドエンドに遭遇しにくくなる点。たとえばEASYの場合、一人のシナリオが進む時、「つづく」までバッドエンドにつかまらずにそのまま話が進むことができる。
    • バッドエンド時に出る攻略のヒントの表示も、難易度によって違いがある(HARDは1日目の前半部分のみ。NORMALは1日目のみ。EASYは最後の日までヒントが出る)。
  • 隠しシナリオのプレイ条件変更
    • プレイするために特殊な操作が必要だった『花火』が、ピンクのしおりになるだけで見られるように変更された。その一方で『青ムシ抄』をプレイするためには難易度HARDでのプレイが必須になった。
  • 真犯人のシルエットが変更(雨宮桂馬シナリオの最後)
    • より暗いシルエットで表現されている。
  • 文章・設定の一部変更
    • セガサターン版の青井則生のシナリオでホームレス狩りをする展開があったが、倫理上問題があるということでカップル狩りに変更されたり、性的描写を減少させたことなど。その他のシナリオではTIPなどの一部変更が見られる(牛尾、馬部のシナリオ公募の削除など)。
  • 過激映像の削除と修正
    • 市川のシナリオの腕の断面図の画像が修正されていたり、青井のシナリオのパンチラシーンが一瞬しか見られなくなっているなど、暴力や性的なシーンの画像が削除もしくは修正されている。
  • プリクラの削除
    • セガサターン版ではピンクのしおりにした場合、一般公募したプリクラを鑑賞、さらに金のしおりにした場合はところどころでプリクラにすげ代わっていた(犬の顔が人間の顔に代わっているなど)が、PlayStation版では全て削除された。また、桂馬シナリオで犯人入力の際に数名のプリクラ公募ユーザーの名前を入力すると、その人物が表示される部分もカットされた。
  • セーブ方式の変更
    • セガサターン版ではオートセーブが採用されていたが、PlayStation版はメニュー画面でセーブする方式に変更された。

携帯アプリ版

特に表記が無い限り、PlayStation版との比較である。

  • シナリオの削減
    • 「雨宮桂馬」「牛尾政美」「馬場甚太郎」「高峰隆士」「細井美子」「篠田正志」の6人のみのシナリオである。

PSP版

特に表記が無い限り、PlayStation版との比較である。

  • シナリオの追加
    • 「サギ山」と「パトリック・ダンディ」の秘蔵シナリオが追加された。
    • この2本はゲーム形式にはなっておらず、TIP・ZAP・効果音・文字の大きさ、表示速度の変更などの演出も無い。
  • サウンドプレイヤーの追加
    • ゲーム本編で流れるBGMが100曲以上聞ける「サウンドプレイヤー機能」の追加。
    • BGMはそれぞれの人物ごとにカテゴリ分けされている。青井則生は飛沢陽平のカテゴリに、全員共通のBGMと高峰厚士は街のカテゴリに含まれている。フランダースの犬、スターダストメモリー、ゴジラのテーマといった作品のよく似た曲は再生できない。
  • 続編を匂わす文章の削除。
  • シルエットモードの削除。
  • また、いくつかのシナリオで麻薬を扱うセリフや、性的なセリフが変更されている(篠田正志のシナリオで、正志が相手を脅迫する際の台詞「ハシシ…って笑うのかと思った」が、「クスリ…って笑うのかと思った」に変更されているなど)。

開発

本作の開発の経緯は、脚本を担当した長坂秀佳が渋谷にある電話ボックスで電話をしていたところ、「早く出ろ」とドアを叩く者がおり、不快感を覚えたが、同時に「そいつにとっての俺は、電話を占領してるただのオヤジであって、脇役に過ぎないんじゃないか・・・と思ったんだ。逆に、俺の視点でのそいつは、やけにうるさいヤツだ、と感じるだけの脇役になっている。同じ状況でもそれぞれのドラマがあるんだ」と感じたと語っている[4]

サウンドノベル第一作である『弟切草』の開発が終盤に差し掛かった頃、上記の体験から渋谷のスクランブル交差点で行き来する人々に対し、それぞれが主人公であり脇役でもあるというアイデアを次のゲームの企画として検討していた[4]

その後、構想としては100人分程のストーリーを作成、それが全てザッピングするシステムを考案し、実際に形になったのは20本ほどとなった[4]

また、作中の人物である海塚正治郎に関して長坂は「彼は従軍経験があったり、雲を動物にしたり、いろんな行動をとるんだけれど、すべて俺の経験に基づく話なんだ。俺の親父が南京に従軍してたし、雲を動物に変えるというのは、俺自身にそういう不思議な力があるんだよ」と語っており、公式ガイド本の中に「雲烟過眼」というタイトルで海塚を主人公とした小説を上梓している[4]

長坂の発案を受けた麻野一哉は「『弟切草』の時も思ったけど、長坂さんのアイデアってゲームゲームしていないところが新鮮なんですよ。当時はホントにあんまりゲーム性を考えずに、ザッピングそのものがテレビよりもゲームに適しているのならば、面白いものができるんじゃないかなって思ってましたから。だから、あんまり『ゲームを作ろう』という意識は薄かったですね」と語っている[5]

渋谷が舞台となったのは、長坂が渋谷を好んでおり、長坂による独断で決定した[3]

撮影に関しては、期間は合計で120日、朝7時に渋谷に集合して夜12時まで掛けて行われ、後片付けがあると2時頃まで掛かり、次の日は5時に起きるようなスケジュールで行われていた[3]

音楽

主題歌

オープニングテーマ「夜明けのうた」
作詞・作曲・歌 - 鈴木結女、編曲 - 難波弘之
細井美子のシナリオの途中で、鈴木結女本人が登場するプロモーションビデオを見ることができる。(ここで流れる「夜明けのうた」はショートバージョンとなっている。)
エンディングテーマ「One and Only」
作詞・歌 - 鈴木結女、作曲・編曲 - 難波弘之

サウンドトラック

街 オリジナル サウンド トラック
加藤恒太難波弘之・三俣千代子 他サウンドトラック
リリース
録音 Studio Neuve
㈱タバック(ボーナスCD)
ジャンル ゲームミュージック
時間
レーベル ポニーキャニオン/ファーストスマイル
プロデュース 江口勝敏
遠藤智博(ボーナスCD)
テンプレートを表示

街 オリジナル サウンド トラック』は、ゲームソフト発売日の前日である1998年1月21日にリリースされた。

一部を除き、ゲーム中のBGMをほぼ全て収録。ゲーム中に使用された音源をそのままの曲と、MIDIアレンジによる曲がそれぞれ収録されている。全58曲。

2枚組となっており、スペシャルドラマ『ピンクなCD:青ムシSHOW』を収録した8センチCDがボーナスディスクとして付属している。

収録曲

DISK-1
#タイトル作詞作曲編曲時間
1.オタク刑事、走る! 加藤恒太加藤恒太
2.油断 加藤恒太加藤恒太
3.WOLFIRE 3 加藤恒太加藤恒太
4.哀愁 加藤恒太加藤恒太
5.慟哭 加藤恒太加藤恒太
6.シルベール 板倉真一板倉真一
7.Panic Dance 加藤恒太加藤恒太
8.ロケ隊出撃! 藤森晶司藤森晶司
9.ひだまり 難波弘之難波弘之
10.The wrong men 藤森晶司藤森晶司
11.刑事魂 林秀幸林秀幸
12.野良犬 板倉真一板倉真一
13.タイム・リミット 藤森晶司藤森晶司
14.おてんばサンバ 藤森晶司藤森晶司
15.不安だわ…… 難波弘之難波弘之
16.仁義なき渋谷番外地 林秀幸林秀幸
17.ティー・ブレイク 難波弘之難波弘之
18.悪の目覚め 三俣千代子三俣千代子
19.脅迫の極意 三俣千代子三俣千代子
20.氷の美女 三俣千代子三俣千代子
21.儀式 三俣千代子三俣千代子
22.WHISTLE 三俣千代子三俣千代子
23.郷愁 三俣千代子三俣千代子
24.武者震い 三俣千代子三俣千代子
25.昼下がりの庭園 難波弘之難波弘之
26.讃美歌 加藤恒太加藤恒太
27.出会いと別れ 藤森晶司藤森晶司
28.昌子 〜無駄にあがくヴィーナス〜 加藤恒太加藤恒太
29.B・O・D・Y 加藤恒太加藤恒太
合計時間:
DISK-2
#タイトル作詞作曲編曲時間
1.やせるおもい 難波弘之難波弘之
2.ピンチ!ピンチ!!ピンチ!!! 板倉真一板倉真一
3.ああ無情…… 藤森晶司藤森晶司
4.しあわせはどこに 難波弘之難波弘之
5.さわやかな風、かおる 藤森晶司藤森晶司
6.エステ・デ・エリザベス 難波弘之難波弘之
7.美子狂想曲 藤森晶司藤森晶司
8.たたかえ!美子!! 板倉真一板倉真一
9.ハッピー・マンデー 林秀幸林秀幸
10.愛を夢みて 難波弘之難波弘之
11.美子ロボ!GO!! 林秀幸林秀幸
12.MOVE ON TO THE CITY 板倉真一板倉真一
13.遥かなる故郷あのひ 加藤恒太加藤恒太
14.血の記憶 加藤恒太加藤恒太
15.これが男のいばら道 板倉真一板倉真一
16.Moonstone 藤森晶司藤森晶司
17.Cheap Thrill 難波弘之難波弘之
18.もあい 〜彷徨の果てに〜 加藤恒太加藤恒太
19.Maze of Nightmare 林秀幸林秀幸
20.街へ出ようよ 三俣千代子三俣千代子
21.優しい風 三俣千代子三俣千代子
22.どっちをとるの!? 三俣千代子三俣千代子
23.きっとハッピーエンド 三俣千代子三俣千代子
24.二人だけの秘密 三俣千代子三俣千代子
25.Over Night 藤森晶司藤森晶司
26.マイ・ベイビー 三俣千代子三俣千代子
27.私達の愛 三俣千代子三俣千代子
28.The West 難波弘之難波弘之
29.遠く、儚く、愛しいもの 加藤恒太加藤恒太
合計時間:

ボーナスCDスタッフ

  • プロデューサー、ディレクター - 遠藤智博
  • ミキシング・エンジニア - 市川修
  • アシスタント・エンジニア - 阿部智佳子
  • レコーディング&ミキシング・スタジオ - ㈱タバック
  • シナリオ - 平松正樹、野口みずほ
  • バックグラウンドミュージック - 加藤恒太、飯塚博
  • サウンド・エフェクト - 柴田浩明
  • アーティスト・マネジメント - 長谷川たか子
  • エンディング曲「無敵美少女セーラードールズ」
    • 作詞:平松正樹、作曲:加藤恒太、編曲:飯塚博、歌:浅川悠
  • キャスト
    • セーラードールズ1号 - 奥島知美
    • セーラードールズ2号 - 幸田夏穂
    • セーラードールズ3号 - 増田ゆき
    • セーラードールズ4号 - 浅川悠
    • セーラードールズ5号 - 増田ゆき
    • 青ムシ - 斉藤周
    • お姉さん - 雪絵れな
    • ブルマクィーン - 幸田夏穂
    • 飛沢 - 加瀬康之
    • 雨宮 - 高瀬右光
    • 麻生 - 増田ゆき

外部リンク

スタッフ

オリジナル版

  • 製作:中村光一
  • 原作・脚本・監修:長坂秀佳
  • 脚本:山﨑修、岩片烈、平松正樹
  • プロデューサー:小久保利己
  • 音楽プロデューサー:難波弘之
  • 撮影スタッフ
    • 制作プロデューサー:上田利夫、田中彰
    • スチール:大野博史、笹田和俊、工藤勝彦
    • 照明:田村文彦、市川徳充、木村国博
    • 美術:澤路和範
    • 監督補:蝶野博
    • 制作担当:菖蒲昌弘
    • 助監督:中村隆彦、清水利晃、近藤俊明
    • 制作主任:岩下真司、日比崇裕、益岡正志
    • 装飾:秋田谷亜矢子
    • 衣装:宮田弘子
    • メイク:清水ちえこ、長井桂子、塚越裕美
    • 小道具:山内栄子、山内康裕、杉本れいら
    • VTR撮影:北信康
    • VTR・VE:香山達也
    • 監督助手:谷口昌史、細川光信、本多繁勝
    • 衣装助手:斉藤真喜子、松井郁子
    • 制作進行:井上順、浅井洋一、松田和大
    • 制作デスク:矢吹祐子
    • キャスティング:オフィス・N、アンフィニー
    • 演出:鳥島和也、柏本俊平、鈴木達郎
  • 開発スタッフ
    • メインプログラム:板野英史
    • プログラム:大森田不可止、川田勝美、福澤正
    • 実写グラフィック:
      • TOMCAT SYSTEM INC.
        • 冨樫正樹、青柳利実、佐々木真治、落合信也
    • アニメグラフィック:
      • 株式会社ビジョンユニバース
        • 中川祐子、小泉冬彦
    • 音楽:加藤恒太、三俣千代子、林秀幸、森藤晶司、板倉真一
    • サウンド:佐藤剛 (T's music)
    • 音効:金丸孝彦(音塾)、坂井享太良(音ランドSAKAI)、石井梅夫(サウンドフリーク)、吉田茂(サウンドプロ)
    • サンプリング:T's music、BEAT MANIAC
    • アシスタント:藤井雅子
    • 脚本協力:横山至、今井恭子
    • スペシャルサンクス:
      • SEGA
        • 入交昭一郎、前田雅尚、菅野広和、鵜木健栄、佐野浩章、相川泰一
    • 監督:山﨑修、平松正樹、近藤英明、毛利昌樹、落合信也
    • 総監督:麻野一哉

PlayStation版

  • 製作総指揮:中村光一
  • 原作・脚本・監修:長坂秀佳
  • 脚本:山﨑修、岩片烈、平松正樹
  • プロデューサー:小久保利己
  • 音楽プロデューサー:難波弘之
  • 撮影スタッフ
    • 制作プロデューサー:上田利夫、田中彰
    • スチール:大野博史、笹田和俊、工藤勝彦
    • 照明:田村文彦、市川徳充、木村国博
    • 美術:澤路和範
    • 監督補:蝶野博
    • 制作担当:菖蒲昌弘
    • 助監督:中村隆彦、清水利晃、近藤俊明
    • 制作主任:岩下真司、日比崇裕、益岡正志
    • 装飾:秋田谷亜矢子
    • 衣装:宮田弘子
    • メイク:清水ちえこ、長井桂子、塚越裕美
    • 小道具:山内栄子、山内康裕、杉本れいら
    • VTR撮影:北信康
    • VTR・VE:香山達也
    • 監督助手:谷口昌史、細川光信、本多繁勝
    • 衣装助手:斉藤真喜子、松井郁子
    • 制作進行:井上順、浅井洋一、松田和大
    • 制作デスク:矢吹祐子
    • キャスティング:オフィス・N、アンフィニー
    • 演出:鳥島和也、柏本俊平、鈴木達郎
  • 開発スタッフ
    • メインプログラム:中島実、板野英史
    • プログラム:高橋和典、石田義昭、阿部敏昭
    • プログラム制作管理:大和宏美(株式会社サン・テック)
    • 実写グラフィック:
      • TOMCAT SYSTEM INC.
        • 冨樫正樹、青柳利実、佐々木真治、落合信也
    • アニメグラフィック:
      • 株式会社ビジョンユニバース
        • 中川祐子、小泉冬彦
    • シルエットモード:
      • 落合信也、吉田佳代、常盤明彦、松本剛、小谷野柾魚
      • 高橋敦、小林貴子、森万紀、堀内ルミ子、児玉優介
      • 佐下橋香津裕、町田千恵、河村夕香理、石井裕子、水内智美
      • 河野光二(株式会社ネクセス)、市川元信、及川信正、岡野聡司、大平兼代、佐野宏嗣
    • 音楽:加藤恒太、三俣千代子、林秀幸、森藤晶司、板倉真一
    • サウンド:佐藤剛 (T's music)、角岡義行 (T's music)
    • 音効:金丸孝彦(音塾)、坂井享太良(音ランドSAKAI)、石井梅夫(サウンドフリーク)、吉田茂(サウンドプロ)
    • サンプリング:T's music、BEAT MANIAC
    • アシスタント:藤井雅子、坂本理
    • 脚本協力:横山至、今井恭子
    • 監督:山﨑修、平松正樹、近藤英明、毛利昌樹、落合信也
    • 検査:曽根康征、石神宏紀
    • 製作補佐:中西一彦、西畑幸雄
    • 宣伝・広報:
      • 有限会社ピース
        • 山本啓介、清水妙子
    • 構成:毛利昌樹
    • 製作:大森田不可止
    • 総監督:麻野一哉

評価

評価
レビュー結果
媒体結果
ファミ通34/40点 (SS)[6]
(ゴールド殿堂)
33/40点 (PS)[7]
(ゴールド殿堂)
SATURN FAN22.9/30点 (SS)[8]
受賞
媒体受賞
第3回CESA大賞シナリオ部門賞
ファミ通読者が選ぶ心のベストゲーム100 5位(2006年)
ファミ通読者が選ぶ未来に伝えたいゲーム大発表! 38位(2008年)
セガサターン版
  • ゲーム誌『ファミ通』のクロスレビューでは9・8・8・9の合計34点(満40点)でゴールド殿堂入りを獲得[6]、レビュアーの意見としては「パズル自体の楽しさもあるが、話が興味深く奇っ怪でおもしろい。先が読みたくて夢中になる。主人公の切り替えで話を見失いがちになるのが困るとこ」、「よくもここまで複雑なシナリオを構成したもんだと感服。それゆえ難易度も高くなっている。(中略)シナリオのセンスも気になる。オジサンがムリしているような感覚があって」、「大勢のキャラの複雑な関わりを矛盾なく練り上げた、シナリオがすばらしい。主人公の多さと、ザッピングシステムのせいか、難しめだし根気も必要」、「取り込み画像が超美麗。(中略)ボリュームも大で、長く遊べる。ただ、調子に乗りすぎな文章が、チト気になる」などと評されている[9]
  • SATURN FAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、22.9点(満30点)となっている[8]
項目 キャラクタ 音楽 お買い得度 操作性 熱中度 オリジナリティ 総合
得点 3.7 3.7 3.8 3.5 4.0 4.2 22.9
PlayStation版
  • ゲーム誌『ファミ通』のクロスレビューでは8・9・8・8の合計33点(満40点)でゴールド殿堂入りを獲得[7]、レビュアーの意見としては「サターン版で気になったのは、①難易度の高さと②シナリオのセンス。①は難易度設定ができてクリアー。(中略)②については、のれない人はやはりしらけると思う」、「各シナリオの絡みやバッドエンドのディテールなど、じつに丁寧に作られている。個人的にはシルエットモードより実写モードを支持」、「かなり敷居を低くしたリメイクです。役者の演技もすばらしいので、シルエットにしちゃうのはもったいないし、再プレーする魅力には欠けるかな」、「想像力をかき立てるシルエットモードは、うれしい配慮かな。でも、実写のほうで遊んでほしいけどね。俳優の微妙な表情がいいんだよな」などと評されている[10]


売り上げ自体はミドルヒットの域を出なかったが、熱烈なファンが多数存在し、根強い人気を誇っている。発売から10年以上に渡り、ゲーム雑誌『週刊ファミ通』の「読者が選ぶTOP20」ランキングに、毎号入り続けていた(現在、同コーナーは終了)。また同誌2006年3月17日号「週刊ファミ通 通巻900号記念企画 読者が選ぶ心のベストゲーム100」で第5位にランクイン。さらに2008年2月15日増刊号「週刊ファミ通 通巻1000号記念特集 読者が選ぶ未来に伝えたいゲーム大発表!」では38位。第3回CESA大賞・シナリオ部門賞受賞。

続編

作中には次回作への予告や、伏線ともとれる内容が多数存在した。しかしチュンソフト代表取締役・中村光一へのインタビュー記事によると続編の企画は表れては消えるを繰り返しており、結果的に制作には至っていない。制作費を回収できるほどの売り上げがなかったことが主な原因であるという。『ゲームセンターCX』でのインタビューで、よゐこ有野晋哉から続編についての質問をされた際に製作への意欲を強く示したものの、当時出演した役者は現在では故人、引退した者も多数おり再集結が困難なことも続編を作れない要因としてあげていた。

原作・監修・いくつかのシナリオを手がけた長坂秀佳も、著作『術』(ISBN 4886419836)で続編が出ないことを明言している。

2008年12月にチュンソフトより発売された『428 〜封鎖された渋谷で〜』は『街』で登場した固有名詞がいくつか登場したり、10年前の出来事として本作の内容が語られるなど、両作の世界設定が繋がっていることがほのめかされているが、ストーリーに直接的関係はない。刑事を引退し探偵となった雨宮桂馬がスピンオフ登場する案もあったが、『街』との関連性が強くなりすぎることと、桂馬のキャラクターが『428』の世界観と合わないとの理由で没になっている。

幻となった企画

セガサターン版には小冊子「チュンソフトニュース」が付属しており、以下の募集があった。

  • 『街』シナリオライター募集
  • 『街2』(仮称)登場人物募集

セガサターン版発売直後にチュンソフトより発売された『「街」 公式ガイド ZAP'S』では、新シナリオを一般公募する上記の企画が紹介されていた。『かまいたちの夜』でも同様の企画が展開され、その際は応募されたシナリオで『あなただけのかまいたちの夜』が出版された。

この企画も相当数の応募があったようだが、『街』自体の販売本数が伸びなかったこともあり、チュンソフトのホームページで一部の作品が公開されただけで、続編への採用は見送られた。その後、PlayStation版が発売された時は増補版の『「街」 公式ガイド ZAP'S』が発売されたが、セガサターン版と異なり、公募企画の掲載は無い。

関連書籍

  • 『「街」公式ガイド ZAP'S』 ISBN 4-924978-08-6
  • 『「街」スペシャルガイド サウンドノベルシナリオ入門』 ISBN 4-889915-80-X
  • 『「街」公式ガイド ZAP'S 増補版』 ISBN 4-924978-10-8
  • 『「街 〜運命の交差点〜」スペシャルガイド サウンドノベルシナリオ入門』 ISBN 4-889918-52-3
  • 『長坂秀佳 術(NAGASAKA SHUKEI JUTSU)』 ISBN 4-88641-983-6
    • 『街』の原作者、長坂秀佳の自伝エッセイ。タイトル、装丁が意図的に「街」に似せられている。

ラジオドラマ

文化放送ラジオ大阪の『佐竹・林原の無法塾』内でこのゲームのドラマ『第Qの男 〜QはquestionのQ〜』が放送された。のちにCDが3巻発売された。ゲーム中では脇役であった小糸亜弓、パトリック・ダンディが主役となっている。他にもゲームでの主役達が登場するがストーリーや設定がゲームと若干異なる。

ストーリー

高校教師の小糸亜弓を突如口説いてきた"自称"米軍パイロットのパトリック・ダンディ。姿も言動もうそ臭く、しつこく迫るダンディを最初は疎ましく感じる亜弓だったが、だんだんダンディに惹かれていき、彼の言葉に踊らされていく。亜弓とダンディの恋の行方は?

声の出演

関連項目

透明少女エア
本作と同じく長坂秀佳が原作・脚本を担当したテレビドラマ。『街』の中には「透明な少女」について言及される箇所がいくつかある。
なお、同作の放映当初、エアが本作続編の主人公の1人となる予定であると発表されていた。
特捜最前線
長坂秀佳が脚本担当の1人であった刑事ドラマ二谷英明が演じる特命課課長・神代恭介警視正の後日談が本作品で触れられている。
ダウンタウンのガキの使いやあらへんで 24時間耐久鬼ごっこ
本作のBGMが使用されている。

脚注

  1. ^ ITmedia +D Games:業界に一石を投じたジャンル“サウンドノベル”を今一度振り返る (2/2)
  2. ^ 『「街」公式ガイド ZAP'S』
  3. ^ a b c 「MAIKING of MACHI 街を創った男たちが語る製作秘話」『街 公式ガイド ZAP'S』チュンソフト、1998年3月1日、172頁。ISBN 9784924978089 
  4. ^ a b c d 「What's Another STORY 長坂秀佳インタビュー」『街 公式ガイド ZAP'S』チュンソフト、1998年3月1日、6頁。ISBN 9784924978089 
  5. ^ 「MAIKING of MACHI 街を創った男たちが語る製作秘話」『街 公式ガイド ZAP'S』チュンソフト、1998年3月1日、171頁。ISBN 9784924978089 
  6. ^ a b 街 〜運命の交差点〜 まとめ [セガサターン] / ファミ通.com” (日本語). KADOKAWA CORPORATION. 2015年1月25日閲覧。
  7. ^ a b 街 〜運命の交差点〜 まとめ [PS] / ファミ通.com” (日本語). KADOKAWA CORPORATION. 2015年1月25日閲覧。
  8. ^ a b 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、803頁。 
  9. ^ 「6月16日増刊号特別付録 クロスレビュー優良ソフトパーフェクトカタログ 上巻」『ファミ通』、エンターブレイン、2005年6月16日、66頁。 
  10. ^ 「6月30日増刊号特別付録 クロスレビュー優良ソフトパーフェクトカタログ 中巻」『ファミ通』、エンターブレイン、2005年6月30日、5頁。 

外部リンク