奈良県立奈良高等学校
奈良県立奈良高等学校 | |
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過去の名称 | 奈良県立奈良中学校(旧制) |
国公私立の別 | 公立学校 |
設置者 | 奈良県 |
学区 | 全県一学区 |
併合学校 |
奈良県立奈良商工高等学校 奈良市立高等女学校 |
設立年月日 |
1924年(奈良県立奈良中学校) |
創立記念日 | 11月1日 |
共学・別学 | 男女共学 |
課程 | 全日制課程 |
単位制・学年制 | 単位制 |
設置学科 | 普通科 |
高校コード | 29103A |
所在地 | 〒630-8113 |
外部リンク | 公式サイト |
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奈良県立奈良高等学校(ならけんりつならこうとうがっこう、英語表記:Nara Prefectural Nara Senior High School)は、 奈良県奈良市に所在する男女共学の公立高等学校。奈良県の進学校のひとつであり、 ほぼすべての生徒が進学(大学、看護など医療系専門学校)を希望し、ほとんどの生徒が有名大学などに進学する。 創立以来生徒の自主性を重んじる校風で、文化祭や研修旅行などは生徒が中心となって企画する。 部活動も盛んであり、文武両道の精神を貫いている。 通称「奈高(なこう)」[1]。 スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の一つ。
概要
- 校地および周辺
- 東大寺や興福寺など多数の文化的建物を見渡すことができ、寺院の鐘の音が聞かれることがある。校地は隣接する常陸神社[2]旧参道(現在地への学校移設時に神社参道の付け替えが行われた)を含み、丘陵地の中腹に位置する。
- 校風
- 校訓は持たないが、校風を表す言葉として「自主創造」が掲げられ、生徒会規約の前文に於いてもその精神が強調されている。学力面のみならず体育活動や文化活動での活躍も多く、文武両道の伝統が貫かれている。全国大会に出場する部活動も多い。
- 校章
- 天平文化を象徴する「宝相華」(ほうそうげ)[4]の中央に校名の「奈高」の文字(縦書き)が刻まれている。旧制中学校時代の校章を継承したもので、もとは「奈中」の文字が刻まれていたが、1952年(昭和27年)に総合制が廃止された際に「奈高」に改められた。宝相華は、同窓会の名称(宝相華会)やセミナーハウス(研修施設)の名称ともなっている。
- 校歌
- 現校歌は1953年(昭和28年)2月11日に制定された。作詞は佐佐木信綱、作曲は信時潔による。歌詞は3番まであり、各番に校名の「奈良高校」が登場する。
- 校種・校名の変遷により、奈良中学校校歌、市立高等女学校校歌[5]、奈良高等学校校歌(総合制時代)、奈良高等学校校歌(現校歌)の4種類の校歌を有する。
- 同窓会
- 校章にちなんで、「宝相華会」と称している。
沿革
- 旧制中学校・新制高等学校(男子校)時代
- 1924年(大正13年)
- 1925年(大正14年)11月24日 - 校歌を制定。
- 1928年(昭和3年)11月1日 - この日を創立記念日に制定。
- 1947年(昭和22年)4月1日 - 学制改革(六・三制の実施)が行われる。
- 1948年(昭和23年)4月1日 - 学制改革(六・三・三制の実施)が行われる。
- 旧制・奈良県立奈良中学校が廃止され、新制高等学校「奈良県立奈良高等学校」(男子校)が発足。
- 旧制中学校卒業生(5年修了者)を新制高校3年生、旧制中学校4年修了者を新制高校2年生、併設中学校卒業生(3年修了者)を新制高校1年生として収容。
- 併設中学校も新制高校に継承され(名称:奈良県立奈良高等学校併設中学校)、在校生が1946年(昭和21年)に旧制中学校へ最後に入学した3年生のみとなる。
- 高等女学校・新制高等学校(女子校)時代
- 1941年(昭和16年)4月1日 - 「市立奈良高等女学校」が開校[6]。
- 1947年(昭和22年)4月1日 - 学制改革(六・三制の実施)が行われる。
- 高等女学校の募集を停止。
- 新制中学校を併設し(名称:市立奈良高等女学校併設中学校)、高等女学校1・2年修了者を併設中学校2・3年生として収容。
- 高等女学校3・4年修了者はそのまま高等女学校に在籍し、4・5年生となる。
- 1948年(昭和23年)
- 4月1日 - 学制改革(六・三・三制の実施)が行われる。
- 高等女学校が廃止され、新制高等学校「奈良市立高等学校」(女子校)が発足。
- 高等女学校卒業生(5年修了者)を新制高校3年、高等女学校4年修了者を新制高校2年、併設中学校卒業生(3年修了者)を新制高校1年生として収容。
- 併設中学校は新制高校に継承され、奈良市立高等学校併設中学校となる。
- 9月1日 - 奈良県立奈良高等学校に統合され、閉校。
- 4月1日 - 学制改革(六・三・三制の実施)が行われる。
- 新制高等学校(男女共学)
- 1948年(昭和23年)9月1日 - 高校三原則に基づく公立高等学校の統合・再編が行われる。
- 1949年(昭和24年)
- 1950年(昭和25年)4月10日 - 北倭[8]分校(定時制家庭課程)を設置。
- 1952年(昭和27年)4月1日 - 商業・工業の2課程が分離し、奈良県立奈良商工高等学校[9]として独立(統合を解消)。そのため普通科のみとなる。
- 1953年(昭和28年)
- 1956年(昭和31年)4月1日 - 通常制女子課程(家庭課程)を設置。
- 1960年(昭和35年)3月31日 - 通常制女子課程を廃止。
- 1962年(昭和37年)4月1日 - 奈良県教育委員会規則改正により設置課程の名称を改称。
- 1964年(昭和39年)8月31日 - 現在地に新校舎本館が完成。
- 1966年(昭和41年)3月19日 - 新校舎北館が完成。
- 1967年(昭和42年)
- 1968年(昭和43年)3月15日 - 体育館兼講堂が完成。
- 1972年(昭和47年)3月31日 - 北倭分校を廃止。
- 1974年(昭和49年)
- 1983年(昭和58年)10月15日 - 学校図書館・視聴覚教室棟が完成。
- 1988年(昭和63年)5月11日 - 新館が完成。
- 1991年(平成3年)3月29日 - 第63回選抜高等学校野球大会(春のセンバツ甲子園)に出場。
- 1993年(平成5年)
- 1995年(平成7年)4月1日 - この時の入学生から単位制(学年の区分によらない教育課程)を適用。
- 1999年(平成11年)8月5日 - アーチェリー部男子団体が全国高等学校総合体育大会で優勝。
- 2001年(平成13年)2月21日 - 全日本学校関係緑化コンクールで特選(文部科学大臣賞)に選定。
- 2003年(平成15年)10月31日 - 部活動振興館「パラフォーラ」が完成。
- 2004年(平成16年)4月1日 - 文部科学省よりスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定される。
- 2007年(平成19年)4月1日 - 文部科学省よりスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定される(第二期)。
- 2008年(平成20年)3月31日 - 通信制課程を廃止(奈良県立大和中央高等学校に統合)。
- 2011年(平成23年)3月31日 - 定時制課程を廃止(奈良県立大和中央高等学校に統合)。
- 2012年(平成24年)4月1日 - 文部科学省よりスーパーサイエンスハイスクール(SSH)及びコアスーパーサイエンスハイスクール(コアSSH)に指定される(第三期)。
学校行事
青丹祭(文化祭)などの行事では総務委員会(他校の、いわゆる生徒会役員にあたる)を中心に生徒が主体的に企画運営に取り組む。夏に球技大会、秋に青丹祭、体育大会、初春に予餞会などの行事が行われる。生徒総会などに於いても生徒会運営について活発な議論が交わされ、予算など事務的な運営に関しても主体性が行き届いている。入学式や卒業式の儀式なども厳かに執り行われるが、生徒は主体的にその準備等にも関わる。
部活動
クラブ活動では、毎年9割強の生徒が何らかの部活に参加し、近畿大会・インターハイ等で上位の成績を修めている。
多くの生徒が何らかのクラブに所属している。野球部が1991年(平成3年)に春の甲子園に出場したほか、バレー部が2006年(平成18年)に、テニス部が2009年(平成21年)に、バスケットボール部が2010年(平成22年)に全国大会、ロボット研究会が2011年(平成23年)ロボカップジュニア世界大会(トルコ:イスタンブール)に出場するなど、スポーツ面や文化活動、科学活動において優れた成績をおさめている。特に、アーチェリー部はほぼ毎年全国大会へ出場しており、平成11年度全国高等学校総合体育大会において男子が団体の部で全国制覇を果たした。 吹奏楽部は過去に関西コンクールに出場していたこともあり、最近では第48回及び第51回奈良県吹奏楽コンクールにてA・J組共に金賞を受賞した。 ダンス部は『春の日本高校ダンス部選手権』西日本大会において、2016年入賞を受賞している。
- 文化部
- 書道部
- 美術部
- 文芸部
- 吹奏楽部
- 茶道部
- 華道部
- 邦楽部
- コーラス部
- ギターマンドリン部
- 写真部
- 物理部
- 化学部
- 生物部
- 地学部
- ESS(English Speaking Society)
- 料理部
- 軽音楽部
- 小倉百人一首かるた部
- 人権文化研究会
- 新聞局
- 放送局
- 運動部
- 水泳競技部
- 陸上競技部
- 登山・スキー部
- 剣道部
- 卓球部
- ハンドボール部
- バレーボール部
- バドミントン部
- バスケットボール部
- ソフトテニス部
- サッカー部
- 野球部
- 弓道部
- 柔道部
- アーチェリー部
- テニス部
- ダンス部 ・・・前身の「ダンス愛好会」結成から10年目となる2014年度に部活動へ昇格する。
交通アクセス
各駅より徒歩15~25分ほど。(近鉄線で通学する場合は新大宮駅の利用者が多い。)
周辺施設
著名な出身者
- 政治
- 法曹
- 経済
- 石村繁一(ナムコ代表取締役社長)
- 千本倖生(イー・アクセス株式会社 代表取締役会長兼CEO)
- 樋口泰行(マイクロソフト日本法人代表執行役兼COO)
- 春田真 (ディー・エヌ・エー会長、横浜DeNAベイスターズオーナー)
- 報道
- 岩崎和夫(フリーアナウンサー、元ラジオ関西アナウンサー)
- 笛吹雅子(日本テレビ報道部のキャスター)
- 國友真由美(フリーアナウンサー、元テレビ埼玉アナウンサー)
- 三代澤康司(朝日放送アナウンサー)
- 重松圭一(関西テレビプロデューサー)
- 喜多恒雄(日本経済新聞社長)
- 学術
- 井上京(北海道大学大学院農学研究科准教授)
- 岩井成憲(大阪大学大学院基礎工学研究科教授)
- 岩城正宏(近畿大学教授)
- 岩山三郎(元神戸大学教授)
- 上木直昌(京都大学大学院人間・環境学研究科准教授)
- 浦井憲(大阪大学大学院経済学研究科准教授)
- 小野芳朗(京都工芸繊維大学建築造形学部門教授)
- 片山徹(大阪府立大学准教授)
- 上之郷高志(東北学院大学教授)
- 河合俊雄(京都大学こころの未来研究センター教授)
- 河合幹雄(桐蔭横浜大学法学部教授)[11]
- 木内敦詞(筑波大学体育系教授)
- 岸俊男(元京都大学教授)
- 齊藤誠(一橋大学大学院経済学研究科教授)
- 薩摩順吉(青山学院大学教授、東京大学名誉教授)
- 島田浩二(東京海洋大学准教授)
- 鈴木徹(東北大学大学院農学研究科教授)
- 中谷彰宏 (工学者)(大阪大学大学院工学研究科教授)
- 西宮一民(国文学者、元皇學館大学学長)
- 松村浩由(大阪大学大学院工学研究科准教授)
- 向川康博(奈良先端科学技術大学院大学教授)
- 村上伸也(大阪大学大学院歯学研究科教授)
- 吉村誠(山口大学教授)
- 山内邦臣(米文学者、京都大学名誉教授、元奈良女子大学文学部部長)(旧姓姉嵜)
- 芸術・文化
- 井筒和幸(映画監督)
- 上野道善(東大寺長老、第219世東大寺別当・華厳宗管長)
- 織田英子(作曲家)
- 金春信高(能楽師)
- 加藤雅也(俳優)
- 芳岡ひでき(イラストレーター)
- 絹谷幸二(洋画家・東京芸術大学教授)
- 古瀬幸広(ジャーナリスト・科学技術評論家)
- 平田研也(脚本家)
- 前登志夫(歌人)
- 安田真奈(映画監督・脚本家)
- 哲夫(お笑い芸人「笑い飯」)
- 本多亜弥(染付作家)
- 山中拓也 (THE ORAL CIGARETTES)
- 村上彬 (THE ORAL CIGARETTES)
- スポーツ
- 西野努(サッカー・元浦和レッドダイヤモンズ選手)
脚注
- ^ 本校生以外の者は「奈良高(ならこう)」と呼ぶ場合もある。 通称「なこう」は奈良県のバス会社奈良交通を指すこともあるため。
- ^ 常陸の読みは「ひだち」。
- ^ 奈良県教育委員会公立高等学校・特別支援学校紹介 奈良高等学校(2014).
- ^ 唐草模様の一種。唐草に架空の5弁花の植物を組み合わせた空想的な花文で、中国では唐代、日本では奈良・平安時代に装飾模様として使用された。
- ^ 作詞・作曲は東京音楽学校による。
- ^ 奈良のあゆみ - 奈良市ウェブサイト
- ^ 大柳生の読みは「おおやぎゅう」。
- ^ 北倭の読みは「きたやまと」。
- ^ 現・奈良県立奈良朱雀高等学校。
- ^ 跡地は興東公民館大平尾分館となっている。
- ^ “河合幹雄 OFFICIAL SITE”. 2015年8月12日閲覧。