京都市営地下鉄烏丸線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Hirotaro (会話 | 投稿記録) による 2016年3月8日 (火) 12:13個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

京都市営地下鉄 烏丸線
烏丸線で運用されている10系
烏丸線で運用されている10系
基本情報
日本の旗 日本
所在地 京都府京都市
種類 地下鉄
路線網 京都市営地下鉄 京都市営地下鉄
起点 国際会館駅
終点 竹田駅
駅数 15駅
路線記号 K K
開業 1981年5月29日
最終延伸 1997年6月3日
所有者 京都市営地下鉄 京都市交通局
運営者 京都市営地下鉄 京都市交通局
路線構造 地上区間:竹田駅付近
車両基地 竹田車庫
使用車両 車両の節を参照
路線諸元
路線距離 13.7 km
軌間 1,435 mm標準軌
線路数 複線
電化方式 直流1,500 V 架空電車線方式
閉塞方式 車内信号閉塞式
保安装置 CS-ATC
最高速度 75 km/h
路線図
テンプレートを表示
停車場・施設・接続路線
tKBHFa
0.0 K01 国際会館駅
tBHF
1.6 K02 松ヶ崎駅
tBHF
2.6 K03 北山駅
tWSTR
賀茂川
tBHF
3.8 K04 北大路駅
tBHF
4.6 K05 鞍馬口駅
tBHF
5.4 K06 今出川駅
tBHF
6.9 K07 丸太町駅
tKRZt tSTRq
東西線
7.6 K08 烏丸御池駅
tSTR
阪急 京都本線
tSTRq tKRZt
烏丸駅
8.5 K09 四条駅
tBHF
9.3 K10 五条駅
STR+4 tSTR
JR西山陰本線E 嵯峨野線
STR tSTR
JR西:東海道本線
ABZql
tKRZ ABZq+r
A JR京都線A 琵琶湖線
STRrg
STR
10.3 K11 京都駅
KRZu
tKRZ KRZu
JR東海東海道新幹線 東海道新幹線
STR tSTR STRlf
JR西:D 奈良線
tSTR
近鉄B 京都線
LSTR tBHF
11.1 K12 九条駅
tBHF
11.8 K13 十条駅
tWSTR
鴨川
tBHF
13.0 K14 くいな橋駅
tSTRrg tABZrf
LSTR tSTR tSTRe
STRlf tKRZ ABZlg
近鉄:B 京都線
tSTRe STR
KDSTe STR
竹田車庫
BHF
13.7 K15 竹田駅
LSTR
近鉄:B 京都線
HST
新田辺駅
LSTR
HST
大和西大寺駅
LSTR
近鉄:A 奈良線
tKHSTe
近鉄奈良駅

烏丸線(からすません)は、京都府京都市左京区国際会館駅から同市伏見区竹田駅までを結ぶ京都市営地下鉄の路線である。ラインカラーは   グリーン。

概要

京都市初の市営地下鉄路線である。1981年昭和56年)に北大路駅 - 京都駅間が開業した。1988年(昭和63年)に京都駅 - 竹田駅間、1990年平成2年)に北山駅 - 北大路駅間、1997年(平成9年)に国際会館駅 - 北山駅間と順次延伸されている。北大路駅 - 十条駅間は烏丸通の地下を通り、同市中心部を南北に貫いている。開業当初は4両編成で運行されていたが、竹田駅への南進開業後は全列車が6両編成で運行されている。竹田開業の約2か月後から近鉄京都線との相互乗り入れを行い、当初は国際会館駅 - 新田辺駅間で、後に近鉄奈良駅まで直通運転区間が拡大されている。烏丸線内はすべての駅が将来の増結に対応したホーム長となっている。

路線データ

  • 路線距離(営業キロ):13.7km
  • 軌間:1435mm
  • 駅数:15駅(起終点駅含む)
  • 複線区間:全線
  • 電化区間:全線電化(直流1500V・架空電車線方式
  • 地上区間:竹田駅付近
  • 閉塞方式:車内信号式(ATC)
  • 最高速度:75km/h
  • 総建設費:3054億円[1]

路線の特徴

京都市内の主要観光地のうち、沿線に所在するものは京都御所(今出川駅、丸太町駅)や東本願寺京都駅五条駅)などにとどまっており、その他の主要観光地へは地下鉄東西線京都市バス京都バスなどの路線バス利用となることが多い。また、沿線には以下の大学が所在している。

運行形態

線内折り返し運転のほかに、竹田駅から近畿日本鉄道(近鉄)京都線に乗り入れ相互直通運転を行っている。2012年3月20日改正ダイヤでは、昼間時間帯は1時間に8本(7分30秒間隔。線内折り返し5本、新田辺駅直通普通2本、近鉄奈良駅直通急行1本)が運転される。全列車が国際会館駅と竹田駅間を通しで運転しており、途中駅を始発駅・終着駅とする区間列車は設定されていない。

線内折り返し

線内折り返し列車は、昼間は1時間あたり5本運転される。多客期(秋の観光シーズン・祇園祭大文字送り火)は増発される場合がある。

京都市交通局の車両と走行距離を合わせるため、近鉄の車両も運用されている。駅の行き先案内や列車の方向幕列車種別は表示されず、「国際会館」「竹田」などの行先のみ表示される。なお、方向幕については、3200系には列車種別を表示しないもの(行先のみの黒抜き文字)が別途用意されているが、3220系は列車種別表示を無表示(黒色)にして運行する。後述の直通列車も上り列車(国際会館行き)の場合は竹田駅で行先のみの表示に変更される。

新田辺駅直通普通

近鉄京都線新田辺駅発着の列車が、昼間は1時間あたり2本(30分間隔)運転される。方向幕は列車種別のみを青地として「 普通  新田辺」「 普通  国際会館」のように表示される。

早朝に1本のみ近鉄宮津発国際会館行き普通が運転されているが、近鉄宮津行きの列車はない。

近鉄奈良駅直通急行

2000年3月15日のダイヤ改正で登場。近鉄奈良駅発着の急行列車(烏丸線内は各駅停車)が、昼間時間帯に1時間あたり1本(60分間隔)、朝にも国際会館発のみ2本(土・休日は1本)運転される。方向幕は列車種別のみを橙地として「 急行  奈良」「 急行  [京都]国際会館」のように表示されるが、後者は竹田駅到着時に線内折り返し用のものへ変更される。なお、2012年3月20日のダイヤ改正前は昼間時間帯は1時間あたり2本(30分間隔)運転されていた。

車両

自局車両

10系
近鉄線では地下鉄線と直通運転を行う竹田駅 - 新田辺駅・近鉄奈良駅間のみで運行。近鉄線のみでの運行はない。

乗り入れ車両

近畿日本鉄道

3200系
3220系
両者とも近鉄京都線橿原線(急行のみ、主に近鉄京都発着)、天理線(急行のみ、運用数は稀少)、奈良線難波線(主に普通、区間準急、準急)でも運行されている。終日近鉄線内のみ、もしくは烏丸線内のみの運用もある。

歴史

  • 1974年(昭和49年):烏丸線起工(着工)。この年に発売された「記念メダルと乗車券のセット」で開業時の試運転に乗車可能であった。
  • 1981年(昭和56年)5月29日:北大路駅 - 京都駅間が開業。10系電車営業運転開始。
  • 1988年(昭和63年)
    • 6月11日:京都駅 - 竹田駅間が開業。
    • 8月28日:近鉄京都線新田辺駅まで相互直通運転開始。近鉄3200系電車の運用開始。
  • 1990年(平成2年)10月24日:北山駅 - 北大路駅間が開業。
  • 1997年(平成9年)
    • 5月22日東西線の開業に先立って御池駅を烏丸御池駅に改称。
    • 6月3日:国際会館駅 - 北山駅間が開業し全線開通(正午から営業開始)。
  • 2000年(平成12年)3月15日:国際会館駅 - 近鉄奈良駅間直通の急行を運転開始。近鉄3220系電車の営業運転開始。
  • 2011年(平成23年)3月25日:この日から接近放送と接近メロディが更新され、入線メロディが導入された。また、放送は男女別となりメロディも上下で異なるものを使用している[2]

延伸計画

油小路通は高度集積地区に指定されており、活性化を期待して、竹田駅から近鉄京都線と分岐し横大路付近までの4.4kmを延伸する計画がある[3]。ルートは大手筋を通り、京阪本線中書島駅淀駅の間付近までとなっている[3][4]。近畿地方交通審議会(国土交通省の諮問機関)が2004年10月8日に中長期的に望まれる鉄道ネットワークとして、竹田駅以南の延伸計画を答申した[3]

さらに、宇治川を越えて南進し、宇治川南部に計画されている洛南新都市[5]まで延伸する構想もあったが、近畿地方交通審議会の答申では触れられていない。

北端も岩倉地区まで延伸する構想があったが、こちらも近畿地方交通審議会の答申で一切触れられていない。

駅一覧

  • 全駅京都府京都市に所在。
  • 普通・急行:烏丸線内は各駅に停車。
  • 乗り入れ区間である竹田 - 新田辺・近鉄奈良間の停車駅は「近鉄京都線」を参照。
  • 2013年1月現在、九条駅を除く各駅の駅名標には近隣施設名が広告として併記されている[6]
駅番号 駅名 駅間キロ 営業キロ 1日平均
乗降客数[7]
(2014年度)
接続路線 所在地
K01 国際会館駅 - 0.0 25,254   左京区
K02 松ヶ崎駅 1.6 1.6 11,727  
K03 北山駅 1.0 2.6 13,705   北区
K04 北大路駅 1.2 3.8 29,217  
K05 鞍馬口駅 0.8 4.6 9,494   上京区
K06 今出川駅 0.8 5.4 26,325  
K07 丸太町駅 1.5 6.9 20,873   中京区
K08 烏丸御池駅 0.7 7.6 [* 1]42,937 京都市営地下鉄T 東西線(T13)
K09 四条駅 0.9 8.5 94,111 阪急電鉄京都本線烏丸駅:HK-85) 下京区
K10 五条駅 0.8 9.3 12,461  
K11 京都駅 1.0 10.3 117,205 東海旅客鉄道東海道新幹線
西日本旅客鉄道東海道本線JR京都線琵琶湖線)・湖西線[* 2]山陰本線嵯峨野線)・奈良線
近畿日本鉄道京都線(B01)
K12 九条駅 0.8 11.1 4,349   南区
K13 十条駅 0.7 11.8 6,266  
K14 くいな橋駅 1.2 13.0 5,438   伏見区
K15 竹田駅 0.7 13.7 [* 3]50,142 近畿日本鉄道:京都線(B05)(直通運転・下記参照)
近鉄線直通運転区間 ○普通…京都線新田辺駅まで(ただし近鉄→烏丸線は近鉄宮津駅発国際会館駅行きが1本あり)
○急行…奈良線近鉄奈良駅まで
  1. ^ 東西線の乗降客数を含み、烏丸線・東西線相互間の乗り換え客数は含まない(つまり、烏丸御池駅の改札を通過した人数である)
  2. ^ 名目上の湖西線分岐駅は東海道本線(琵琶湖線)山科駅だが、すべての列車が京都駅に乗り入れる
  3. ^ 近鉄京都線直通客を含む

近鉄との連絡乗車券は、京都線の竹田以南の各駅と奈良線・橿原線の一部の駅までしか購入できない。

以下の駅は、近鉄線や周辺路線などに同名の駅がある。鴨川を挟んで1駅分ほど離れた場所にある京阪本線鴨東線の駅と同名だった駅もあったが、京阪側が中之島線開業時に駅名を変更した。

駅の案内サインは開業時からの独特のものが使われているが、利用客の多い駅では駅ナカ商業施設「KOTOCHIKA」開業に合わせてユニバーサルデザインに準拠したものに更新されている。

2014年度(平成26年度)から駅に可動式ホーム柵を設置する予定である(2014年度は烏丸御池駅、2015年度は四条駅・京都駅に設置)[8]

歴史的遺構の発見

烏丸線建設に先立って行われた発掘調査では、多数の遺構が発見された。遺物の一部は開通時に御池駅(現在の烏丸御池駅)のギャラリーで展示された。最大のものは旧二条城遺構であった。

脚注

参考文献

  • 『京都市営地下鉄烏丸線建設記録』北大路・京都間(1986年)、 京都・竹田間+北山・北大路間(1993年)、国際会館・北山間(1999年)
  • 今尾恵介(監修)『日本鉄道旅行地図帳 - 全線・全駅・全廃線』 9 関西2、新潮社、2009年。ISBN 978-4-10-790027-2 

関連項目