チョイソコ
チョイソコは、愛知県刈谷市に本社を置くトヨタグループの自動車部品メーカーアイシンが開発・運営しているデマンド型交通の名称である。
日本の地方公共団体向けに展開しており、地域の交通不便者(交通弱者)や高齢者を対象にした移動サービスで[1]、外出促進と健康増進を目的としている。
概要
2018年(平成30年)7月、愛知県豊明市においてアイシン精機(当時、現在のアイシン)とスギ薬局が主体となり運行を開始[1][2]。開始当初は運賃は無料であったが[1]、2019年(平成31年)4月より有償運行を開始した。
従来のデマンドバスは自治体による運行がほとんどであったが、チョイソコはアイシンまたはその地域のトヨタ自動車・ダイハツ工業の販売店が主体となって運営[3][4]、あるいは前述の販売店とその地域の民間企業や団体が共同で運営する形態が採用されている[2][5]。運行は地域のタクシー会社が担っており[6]、運賃有償の場合は旅客自動車運送事業として運行されている。ルートになっている店舗は、集客が見込める場合停留所を店舗前に設置することができ、その代わりに運行にかかる経費を負担する形態となっている[2]。また、愛知県豊田市や長崎県五島市などでは、利用者の減少とコロナ禍に伴い廃止された路線バスやコミュニティバスの廃止代替バスとしてチョイソコを採用している(実証実験のものも含む)[5][6]。
チョイソコを利用したい場合はその地域のチョイソコ会員になる必要があり[5]、会員資格を満たせば所定の方法で申し込むことで会員になることができる。チョイソコ会員は、電話やインターネットにて乗車申込をすることで、自宅近くの住宅地停留所から行きたい事業者停留所、公共施設停留所へと移動することができる。
また、アイシンのカーナビゲーションの技術で、利用者の目的地や到着時間を考慮した最適なルートで運行されるのが特徴となっており[2]、アイシンは予約状況や運行管理を行い運行する会社へ送迎を伝達する仕組みとなっている[6]。2019年にはデマンド型交通の新しい形としてグッドデザイン賞のグッドフォーカス賞(新ビジネスデザイン)を受賞している[1]。
運行例
2022年(令和4年)11月時点。実証実験中のものを含む。
北海道地方
関東地方
- チョイソコめいわ[3]:群馬県邑楽郡明和町[2]
- チョイソコつまごい[3]:群馬県吾妻郡嬬恋村
- チョイソコかもがわ:千葉県鴨川市長狭地域(大山・吉尾・主基)
- チョイソコさいたまいわつき号:埼玉県さいたま市岩槻区
- チョイソコガーデン号:神奈川県海老名市
- チョイソコグリスロよつかいどう:千葉県四街道市(千代田地区)
- チョイソコあきる野:東京都あきる野市(引田・渕上・代継・網代地区)
- チョイソコがうら:千葉県袖ケ浦市
- チョイソコ南房総・館山:千葉県南房総市三芳地区全域、富山地区の一部 館山市館野地区および九重地区の一部
- チョイソコかわさき:神奈川県川崎市中原区と高津区の一部
中部地方
- チョイソコとよあけ:愛知県豊明市[1][2]
- チョイソコカラタン:岐阜県岐阜市南部(柳津・日置江・鶉)・羽島郡笠松町
- チョイソコかかみがはら:岐阜県各務原市(鵜沼南エリア・須衛、各務、八木山エリア)[2]
- チョイソコこうた:愛知県額田郡幸田町(野場区・永野区・須美区・六栗区・上六栗区・桐山区)[2]
- チョイソコおかざき:愛知県岡崎市(六ツ美中部小学区)[2]
- チョイソコにこにこバス:愛知県豊田市(上郷地区・末野原地区)[6]
- デマンド交通さくっと:長野県佐久市(全域)
- チョイソコふそう:愛知県丹羽郡扶桑町(全域)[8]
- チョイソコかなざわ:石川県金沢市(北部地区)[9]
- チョイソコえちぜん:福井県丹生郡越前町(朝日区域・宮崎織田区域)
- チョイソコなかがわ:長野県上伊那郡中川村
- チョイソコなんと:富山県南砺市
- チョイソコみょうこう:新潟県妙高市(斐太地区・水上地区)
- 南越前町らくらくおでかけバス:福井県南越前町
近畿地方
- チョイソコりゅうおう:滋賀県蒲生郡竜王町[2]
- チョイソコいながわ[10][11]:兵庫県川辺郡猪名川町(大島地区・阿古谷地区・松尾台地区)
- チョイソコかこがわ:兵庫県加古川市
- チョイソコみき:兵庫県三木市吉川地区
- チョイソコすもと[4]:兵庫県洲本市(千草地区)
- チョイソコめいひめ:三重県多気郡明和町
四国地方
九州地方
- チョイソコよかまちみらい:福岡県糸島市
- チョイソコうんぜん:長崎県雲仙市(国見町・瑞穂町・吾妻町・愛野町)
- チョイソコごとう:長崎県五島市(福江[5]・奥浦・崎山・富江・岐宿)
- 島原市コミュニティバスたしろ号:長崎県南島原市
- チョイソコしぶし:鹿児島県志布志市
- チョイソコちくちゃん:福岡県朝倉郡筑前町
- チョイソコのべおか:宮崎県延岡市北浦町[13]
- チョイソコくまもとキッズ:熊本県熊本市東区の一部[14]
- チョイソコくまもと天明:熊本県熊本市南区(天明地区)[15]
- チョイソコふくおか:福岡県福岡市東区・南区・中央区・城南区
脚注
- ^ a b c d e デマンド型交通 チョイソコ - グッドデザイン賞
- ^ a b c d e f g h i j “乗り合い送迎車広がる 民間主導で高齢者の足”. 東京新聞 TOKYO Web. (2020年12月23日). オリジナルの2020年12月23日時点におけるアーカイブ。 2022年7月6日閲覧。
- ^ a b c チョイソコ - 群馬トヨタグループ
- ^ a b 乗り合い送迎サービス チョイソコ - 兵庫ダイハツ販売
- ^ a b c d “タクシー乗り合い「チョイソコ」へ 五島で10月始動”. 朝日新聞デジタル. (2021年9月29日). オリジナルの2021年9月29日時点におけるアーカイブ。 2022年7月6日閲覧。
- ^ a b c d “乗り合い交通民間主導 AI活用最適な配車 アイシンのチョイソコ導入進む”. 読売新聞オンライン. (2021年10月15日). オリジナルの2021年10月14日時点におけるアーカイブ。 2022年7月6日閲覧。
- ^ “デマンド交通実証実験「チョイソコていね」について”. 札幌市 (2022年11月21日). 2022年11月28日閲覧。
- ^ 『中日新聞』2022年10月1日付朝刊近郊版18頁、「新たな公共交通 扶桑町に」
- ^ “金沢市の乗り合い送迎サービス 試験運行スタート”. 日本経済新聞. (2022年7月1日) 2022年7月6日閲覧。
- ^ チョイソコいながわ - 猪名川町
- ^ チョイソコ事業について - ネッツトヨタ神戸
- ^ “【地域乗り合いタクシー】高齢者を元気に!『チョイソコおのくめ』始動<NEWS CH.4>”. 【公式】南海放送NEWS(チャン4) (2022年5月20日). 2022年7月6日閲覧。
- ^ 北浦町におけるオンデマンド型乗合タクシーについて(延岡市)
- ^ 「チョイソコくまもとキッズ」(AIデマンドタクシー)の実証実験を開始します!(熊本市)
- ^ 「チョイソコくまもと天明」(AIデマンドタクシー)の実証実験を開始します!(熊本市)