ISUグランプリファイナル
ISUグランプリファイナル(アイエスユー・グランプリファイナル、英: Grand Prix of Figure Skating Final)は、国際スケート連盟 (ISU) が承認するフィギュアスケートの競技会で、ISUグランプリシリーズを構成するフィギュアスケート競技会のひとつ。前身はISUチャンピオンシリーズファイナル。
概要
歴史
1995-1996シーズンの「ISUチャンピオンシリーズ」創設時に、一連の競技会の上位者による大会として「ISUチャンピオンシリーズファイナル」が創設された。第1回目は1996年2月23日から25日にかけフランスのパリで開催された。1998-1999シーズンから「ISUチャンピオンシリーズ」がISUグランプリシリーズと改称すると、同時に「ISUチャンピオンシリーズファイナル」もISUグランプリファイナルと改称した。
開催時期は当初一定していなかった。例えば、オリンピックシーズン(1997-1998シーズン、2001-2002シーズン)には12月に開催され、オリンピックシーズン以外(1995-1996シーズン、1996-1997シーズン、1998-1999シーズン、1999-2000シーズン、2000-2001シーズン、2002-2003シーズン)は1月や2月に行われていた。しかし、2003-2004シーズン以降は12月中旬に行われるようになった。なお、従来開催地はグランプリシリーズ開催6ヶ国の持ち回りであったが、2007-2008シーズンには初めてグランプリシリーズ開催国以外で開催されることになった。
出場資格
競技形式等
競技形式は一貫していない。2000-2001シーズン、2001-2002シーズン、2002-2003シーズンの大会ではショートプログラムを1度、フリースケーティングを2度行う形式であった。参加枠も、当初ペアとアイスダンスはISUグランプリシリーズ獲得ポイント上位4組によるものであり、現在のように6組になったのは2001-2002シーズンからである。
大会の位置づけ
ISUの承認する国際大会としては最高峰に位置するものともされるが、ISUランキングの算出のために各大会の入賞者に与えられるポイントは、高い順にオリンピックと世界選手権(同率)、欧州選手権と四大陸選手権(同率)、ISUグランプリファイナル、ISUグランプリシリーズの順となっている。
世界フィギュアスケート選手権やオリンピックは国際スケート連盟が国(地域)に対し出場枠を与えるものであり、選手は国(地域)を代表する。オリンピックや世界選手権は東西冷戦時代以来の国対抗メダル争いという意義付けは払拭されておらず、現在も有力選手の多寡に関わらず一ヶ国(地域)から3名までの出場しか認めていない。
これに対し、ISUグランプリシリーズは国際スケート連盟が選手個人に対して出場権を与える。選出基準において一ヶ国から多数出場することに対する難しさは残っているとはいえ、選手の所属国(地域)は基本的に出場に無関係であり、決勝大会であるグランプリファイナル出場選手が一ヶ国の選手のみであることもありうる。
世界チャンピオンは世界フィギュアスケート選手権優勝者の呼称である。ISUグランプリファイナルの優勝者には特に決まった呼称はない。
歴代メダリスト
男子シングル
女子シングル
ペア
アイスダンス
各国メダル数
男子シングル
順 | 国・地域 | 金 | 銀 | 銅 | 計 |
---|---|---|---|---|---|
1 | ロシア | 8 | 5 | 3 | 16 |
2 | 日本 | 4 | 7 | 5 | 16 |
3 | カナダ | 4 | 6 | 1 | 11 |
4 | アメリカ合衆国 | 2 | 1 | 8 | 11 |
5 | スイス | 2 | 0 | 0 | 2 |
6 | フランス | 1 | 0 | 2 | 3 |
7 | スペイン | 0 | 2 | 1 | 3 |
8 | 中国 | 0 | 0 | 1 | 1 |
女子シングル
順 | 国・地域 | 金 | 銀 | 銅 | 計 |
---|---|---|---|---|---|
1 | ロシア | 6 | 6 | 7 | 19 |
2 | 日本 | 5 | 6 | 5 | 16 |
3 | アメリカ合衆国 | 5 | 6 | 3 | 15 |
4 | 韓国 | 3 | 1 | 0 | 4 |
5 | イタリア | 1 | 1 | 2 | 4 |
6 | ウズベキスタン | 1 | 0 | 0 | 1 |
7 | ドイツ | 0 | 1 | 0 | 1 |
8 | カナダ | 0 | 0 | 2 | 2 |
9 | スイス | 0 | 0 | 1 | 1 |
ペア
順 | 国・地域 | 金 | 銀 | 銅 | 計 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 中国 | 7 | 6 | 9 | 22 |
2 | ロシア | 6 | 11 | 8 | 25 |
3 | ドイツ | 5 | 2 | 4 | 11 |
4 | カナダ | 3 | 1 | 0 | 4 |
5 | フランス | 0 | 1 | 0 | 1 |
アイスダンス
順 | 国・地域 | 金 | 銀 | 銅 | 計 |
---|---|---|---|---|---|
1 | ロシア | 8 | 5 | 2 | 15 |
2 | アメリカ合衆国 | 5 | 4 | 2 | 11 |
3 | カナダ | 4 | 6 | 2 | 12 |
4 | フランス | 2 | 3 | 9 | 14 |
5 | ブルガリア | 1 | 1 | 2 | 4 |
6 | イタリア | 1 | 1 | 1 | 3 |
7 | ウクライナ | 0 | 1 | 0 | 1 |
8 | リトアニア | 0 | 0 | 3 | 3 |
テレビ放送
グランプリファイナルは2004年まではNHKが放送し、2005年からテレビ朝日系列で放送している。(翌2006年より日本大会を除くグランプリシリーズもテレビ朝日系列で放送され、2009年度は全大会を放送している)。テレビ朝日はこの大会に「世界一決定戦」とのキャッチコピーをつけているが、世界一を決める大会は世界選手権であり、これは虚偽広告に当たる。実際、トップ選手がファイナルを欠場することも多い。ブライアン・ジュベールは2006年のGPファイナルで優勝した際のインタビューで「(ファイナルが)欧州選手権と世界選手権のいい練習になった」と話している。なお、2014年度のグランプリファイナルは第47回衆議院議員総選挙と急遽日程が被ることになったため12月14日の男女フリー演技の模様は当初[1]より1時間17分繰り上げの17:40-19:58に変更されることになり[2]、後半に生中継を予定していたエキシビションの模様は選挙ステーションの放送終了時間を早めた上で23:30-翌1:30に録画中継で放送する事になる。[3]なお、男女フリー演技・エキシビションの完全版は後日改めてBS朝日で放送される。
NHKが1時間30分の間に男女シングル、アイスダンス、ペアの3位までの演技を全て放送し、かつ日本人選手の演技も全て放送していたのに対し、2005年時のテレビ朝日の放送では男女シングルの日本人選手及び優勝者しか放送しなかった。また、演技中にアナウンサーが絶叫を繰り返すなどしたため、同局に批判が殺到した[4]。2007年より男女シングル出場者全員の演技を放送している。テレ朝チャンネル2では男女シングルに加えてアイスダンス、ペアも録画放送している。
脚注
- ^ 予定していた放送時間は18:57-23:10での放送だった。
- ^ 急な放送時間変更に伴い「ANNスーパーJチャンネル」は17:30-17:40に大幅縮小し、「相葉マナブ」と「坂上忍の成長マン!!」を急遽休止することにする。なお日曜日は21:00-23:10に「日曜エンターテインメント」(単発枠)が組まれている曜日であるが、スポーツ中継が行われる場合は必ず別枠特番となるため、元から「日曜エンタ」としての放送ではなかった。
- ^ こちらも急な変更により「初めて○○やってみた」と「やべっちFC」を臨時休止する。なお大阪ABCテレビは「なるみ・岡村の過ぎるTV」と「やべっちFC」を臨時休止で対応「初めて○○やってみた」は「ANN選挙開票速報」(翌1:30-1:55)の特別編成で休止する。
- ^ フィギュアスケート 2007─2008シーズン オフィシャルガイドブック (アサヒオリジナル) アナウンサー対談より