支払い過ぎた縁談

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支払い過ぎた縁談
作者 松本清張
日本の旗 日本
言語 日本語
ジャンル 短編小説
発表形態 雑誌掲載
初出情報
初出週刊新潮1957年12月2日
出版元 新潮社
刊本情報
収録 『紙の牙』
出版元 東都書房
出版年月日 1959年9月15日
装幀 中島靖侃
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支払い過ぎた縁談』(しはらいすぎたえんだん)は、松本清張短編小説。『週刊新潮1957年12月2日号に掲載、1959年9月に短編集『紙の牙』収録の1編として、東都書房より刊行された。

過去4度テレビドラマ化されている。

あらすじ[編集]

萱野徳右衛門の家は田舎の旧家であった。娘の幸子はいい年齢になり、縁談も持ち込まれていたが、萱野家は相手の家柄・財産・教養(学歴)を理由に断ってきた。ある日、東京の大学講師の高森正治という男が、所蔵の古文書を見せてほしいと言って萱野家を訪問、幸子に好意的な視線を示す。その後一週間足らずのうちに高森の叔父・剛隆が萱野家を訪ね、高森が幸子に一目惚れしたのでお嬢様を頂戴したいと申し出る。徳右衛門の目から見て、条件は申し分なかった。幸子も、自分に相応しい相手だと満足し、同意を示した。

だが、しばらくして萱野家に桃川恒夫という青年が現れる。桃川の身なりは近代的で洗練され、加えて相当の資産家のようであった。徳右衛門に迷いが出た。幸子も桃川恒夫のほうに惹かれており、高森との縁談は断る方向で考え始める。三日後、桃川の母が綺麗な身支度で訪問し、結納には大金を包むと云った。東京への招待も受け、すっかり幸子の気持ちは桃川に傾いた。一方、高森には断りの手紙を書いた。しかし叔父の剛隆が萱野家に乗り込み、慰謝料を払えと要求してきた…。

エピソード[編集]

  • 著者は「軽い短篇として週刊誌に載せた。そのころは、O・ヘンリィのような短篇の味を狙ったものである」と記している[1]

テレビドラマ[編集]

1961年版[編集]

1961年4月17日TBS系列の「ナショナル ゴールデン・アワー」枠(20:30-21:00)、「松本清張シリーズ・黒い断層」の1作として放映。

キャスト
スタッフ

1962年版[編集]

1962年11月1日11月2日(22:15-22:45)、NHKの「松本清張シリーズ・黒の組曲」の1作として2回にわたり放映。

キャスト
スタッフ

1965年版[編集]

1965年10月5日関西テレビ制作・フジテレビ系列(FNS)の「松本清張シリーズ」(火曜21:00-21:30。早川電機工業一社提供)第1作として放映。

キャスト
スタッフ

1985年版[編集]

松本清張スペシャル
支払い過ぎた縁談
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『支払い過ぎた縁談』
脚本 佐藤繁子
監督 瀬川昌治
出演者 名取裕子
若山富三郎ほか
製作
プロデューサー 板橋貞夫(松竹)
樋口祐三(TBS)
林悦子(霧企画)
制作 TBS
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1985年10月2日
放送時間21:00 - 22:54
放送枠月曜ドラマスペシャル
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松本清張スペシャル・支払い過ぎた縁談」。1985年10月2日TBS系列の「水曜ドラマスペシャル」枠(21:00-22:54)にて放映。視聴率19.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)[2]

キャスト
スタッフ
TBS系列 ナショナルゴールデンアワー
(松本清張シリーズ・黒い断層)
前番組 番組名 次番組

(1961.3.27 - 4.10)
支払い過ぎた縁談
(1961.4.17)
青春の彷徨
(1961.4.24)
関西テレビ制作・フジテレビ系列 松本清張シリーズ
前番組 番組名 次番組
(なし)
支払い過ぎた縁談
(1965.10.5)
ある小官僚の抹殺
(1965.10.12)
フジテレビ系 火曜21時台前半枠(ここから関西テレビ制作枠)
プロ野球中継または映画
(20:00 - 21:26)
待ッテマシタ!
(21:26 - 21:30)
【30分繰り上げ】
支払い過ぎた縁談
ある小官僚の抹殺
TBS系列 水曜ドラマスペシャル
前番組 番組名 次番組
糸井重里
たとえばこんなメロドラマ
(1985.9.25)
松本清張スペシャル
支払い過ぎた縁談
(1985.10.2)
おかあさん
(1985.10.9 - 30)

脚注・出典[編集]

  1. ^ 『松本清張全集 第37巻』(1973年、文藝春秋)巻末の著者による「あとがき」参照。
  2. ^ 林悦子『松本清張映像の世界 霧にかけた夢』(2001年、ワイズ出版)参照。