交通事故死亡1名

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交通事故死亡1名
作者 松本清張
日本の旗 日本
言語 日本語
ジャンル 短編小説
シリーズ 死の枝
発表形態 雑誌掲載
初出情報
初出小説新潮1967年2月
出版元 新潮社
刊本情報
収録 『死の枝』
出版元 新潮社
出版年月日 1967年12月15日
ウィキポータル 文学 ポータル 書物
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交通事故死亡1名』(こうつうじこしぼういちめい)は、松本清張短編小説。「十二の紐―赤い紐」の副題で『小説新潮1967年2月号に掲載され、1967年12月に短編集『死の枝』収録の1作として、新潮社(新潮小説文庫)より刊行された。

1982年にテレビドラマ化されている。

あらすじ[編集]

タクシー運転手の小山田晃は、吉祥寺駅から拾った客・栗野兼雄を乗せてI街道を走っていたが、前方に入った車が同じ方角へ向かい、前を塞いでいた。K町の入口に架かる橋の途中で前の車が急停車、追突を回避するため左へハンドルを切った小山田のタクシーは、前方車の陰に居た飲食店主・吉川昭夫を撥ねてしまう。

小山田が業務上過失致死に問われ、賠償金の支払いを要求される状況の中、タクシー会社の事故係・亀村友次郎は、吉川の妻の杉枝、前方車を運転していた浅野二郎や、客の栗野に会い、また現場で吉川に走り寄ろうとしていた吉川の不倫相手・池内篤子の周辺を調べる。小山田の不利を覆す材料の出ない中、新たな事件発生を聞いた亀村は、タクシー事故の真相に疑問を抱く。

エピソード[編集]

  • 著者は本作の手控えのメモを「警察署の前に交通事故の掲示板あり。「本日の事故 死亡一名」と出ているのを見る。この事故死には、実は犯罪がかくされているのではないかと疑う」と記している[1]

テレビドラマ[編集]

松本清張の交通事故死亡1名
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『交通事故死亡1名』
企画 小坂敬(日本テレビ)
山本時雄(日本テレビ)
脚本 柏原寛司
監督 貞永方久
出演者 林隆三
あべ静江ほか
エンディング 岩崎宏美聖母たちのララバイ
製作
プロデューサー 小杉義夫(日本テレビ)
鍋島壽夫
制作 日本テレビ
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1982年12月7日
放送時間21:02 - 22:54
放送枠火曜サスペンス劇場
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松本清張の交通事故死亡1名」。1982年12月7日日本テレビ系列の「火曜サスペンス劇場」枠(21:02-22:54)にて放映。亀村から示唆を受けたタクシー運転手・小山田晃が、服役を終えて出所後、復讐のため真相を追及するストーリーとなっている。視聴率21.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)[2]

キャスト
スタッフ
日本テレビ系列 火曜サスペンス劇場
前番組 番組名 次番組
妻よ睡れ
(原作:ユベール・モンテイエ
(1982.11.30)
松本清張の交通事故死亡1名
(1982.12.7)
孤独な狩人
(原作:エラリー・クイーン
(1982.12.14)

脚注[編集]

  1. ^ 「創作ヒント・ノート」(『小説新潮』1980年2-3月号掲載、『作家の手帖』(1981年、文藝春秋)に収録)参照。
  2. ^ 林悦子『松本清張映像の世界 霧にかけた夢』(2001年、ワイズ出版
  3. ^ 「松本清張生誕110年記念特集」がスタート!「砂の器」「熱い空気 家政婦は見た!」「黒革の手帖」など計37作品を放送”. PR TIMES (2019年4月23日). 2022年5月6日閲覧。