IGZO

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IGZO(イグゾー)は、インジウム (Indium) 、ガリウム (Gallium) 、亜鉛 (Zinc) 、酸素 (Oxide) から構成されるアモルファス半導体の略称で、これを利用する液晶ディスプレイ形式の呼称でもある。

概要[編集]

  • 1985年、科学技術庁無機材質研究所の君塚昇が結晶IGZOの合成に初めて成功した[1]。君塚は1967年科学技術庁無機材質研究所入所し、世界で初めて結晶IGZOの合成を行った後、約10年、ホモロガス構造のIGZO等の開発に従事した。
  • 1995年東京工業大学細野秀雄が「透明アモルファス酸化物半導体」の一種[2]として設計指針を提唱する。
  • 2004年、細野がリーダーを務める研究グループが、科学技術振興機構(以下JST)の創造科学技術推進事業 (ERATO) および戦略的創造研究推進事業 発展研究 (SORST) [2]で開発する。
  • 2011年7月20日、韓国サムスン電子[2]へライセンス供与を開始した。
    • この特許は私たち科学技術振興機構(JST)のプロジェクトの研究成果を基にしており、発表直後から「日本の研究成果をライバルの韓国企業に売るとは何事か」といった批判が多数届いた。実際には、特許権を有するJSTはサムスン電子と話をする前に、多くの日本メーカーには声を掛けている。ところが、どの企業も「これまで実績のある材料で十分」などの理由でライセンス契約に至らず、断られている[3]
  • 2012年1月20日、シャープ[4]へライセンス供与を開始した。
  • 同年、シャープが商標権を取得[5]している。
  • 同年、シャープ富士通ソニー東芝への供給[6]を発表する。
  • 2014年シャープが中国の北京小米科技へ大量供給することが報道された[7]

特徴[編集]

アモルファスシリコンを用いるTFT形式液晶が静止画表示時も定期的リフレッシュを要し電力を消費するのに対し、IGZOはリーク電流が少なく、リフレッシュ回数低減により静止画表示時の電力消費を抑制して消費電力低減が可能である。電子移動度はアモルファスシリコン比20~50倍であり、TFT回路小型化による高開口率化や高精細化[2]が期待される。ただし、視野角および発色性は発展途上である。

特許権・商標権[編集]

IGZOの東工大での開発はJSTの支援事業で行われたため、IGZOの特許権や関連特許はJSTが所有している。

シャープ特許の使用許諾を受け、2011年11月に商標を登録した。JSTが2013年7月に無効審判請求を出した結果、2014年3月に特許庁から無効の審決を受けた。その理由は、物質名を商標に使えないとする商標法(3条3項)違反だからだという。

シャープは4月に知財高裁に提訴した。シャープは自分たちが量産技術をつくり、商標を普及させたとしている。対して、JST側は量産技術はJST特許の範囲だとしている。JSTの提訴は、シャープの将来に影響するとも見られている[8]

搭載機種[編集]

スマートフォン

シャープAQUOS PHONEシリーズ

タブレット端末

シャープ AQUOS PADシリーズ

液晶モニタ

  • シャープ PN-K321

脚注[編集]

  1. ^ N. Kimizuka and T. Mohri: J. Solid State Chem. 60 (1985) 382.
  2. ^ a b c d 高性能の薄膜トランジスターに関する特許のライセンス契約をサムスン電子と締結 日本の基礎研究の成果が世界のディスプレイ業界へ大きく展開”. 東京工業大学 (2011年7月). 2013年1月11日閲覧。
  3. ^ 日経BP社 日経エレクトロニクス 2013 9-30 no.1118 37ページ
  4. ^ 高性能の薄膜トランジスタに関する特許のライセンス契約を日本のメーカーと締結”. 科学技術振興機構 (2012年1月20日). 2014年1月28日閲覧。
    JSTとシャープが酸化物半導体に関するライセンス契約を締結”. 科学技術振興機構 (2012年5月29日). 2013年1月11日閲覧。
  5. ^ シャープに迫るサムスンの脅威 「IGZO」優位性は1、2年で崩れる? (2/4ページ)”. SankeiBiz (2012年12月8日). 2013年1月11日閲覧。
  6. ^ 新型液晶を富士通、ソニーに供給 シャープ - 47news 2012年12月22日
  7. ^ “シャープ、中国メーカーにIGZO大量供給 12月四半期決算、3年ぶり黒字確保へ”. 夕刊フジ. (2014年1月29日). http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20140129/ecn1401291659014-n1.htm 2014年1月29日閲覧。 
  8. ^ 「IGZO 商標無効の恐れ」日本経済新聞平成26年4月21日朝刊15面

外部リンク[編集]