ヴェルミチェッリ

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イタリアのさまざまなロングパスタ。下のほうにヴェルミチェッリがある

ヴェルミチェッリイタリア語: Vermicelli, [veɾmiˈtʃɛlːi])とは、イタリア料理で使われる麺類であるパスタのひとつ。名称はミミズやヒルのような長い虫という意味の「ヴェルメ」(verme)の指小形で、「小さいヴェルメ」の意。スパゲッティよりやや太めの2.08mm~2.14mm。

英語読みの「ヴァーミセリ」、あるいは「バーミセリ」という名でも知られている。

歴史[編集]

14世紀イタリアでは地方ごとに呼び名は異なっていた。レッジョ・エミリア出身の Barnaba da Reatinis は、著書の中で、トスカーナでいうヴェルミチェッリのことを、ボローニャでは「orati」と呼び、ヴェネツィアでは「minutelli」と呼び、レッジョでは「fermentini」と呼び、マントヴァでは「pancardelle」と称していたことを書き記している[1]

ヴェルミチェッリのレシピは、カメルレンゴ(ローマ教皇の秘書長)の料理人などを務め、15世紀のイタリアで並ぶ者がないと称された高名な料理の名匠、マンティーノ・ダ・コモMartino da Como)が編纂した『シチリアマカロニとヴェルミチェッリの調理法』(De arte Coquinaria per vermicelli e maccaroni siciliani)に初出している。同じくマンティーノの編集した『調理法の書』(Libro de arte coquinaria)でもヴェルミチェッリの調理法はいくつか登場している。これによれば当時のヴェルミチェッリは2年間から3年間かけて天日干しされたという。

各国のヴェルミチェッリ[編集]

世界には以下のようなさまざまな麺があるが、いずれも英語ではヴェルミチェッリに似ていることからバーミセリと訳されることがある。

南アジアでは、ウルドゥー語およびヒンディー語セヴィヤン(seviyan、同じような麺はベンガル語では shemai, グジャラート語では sev, カンナダ語では shavige, テルグ語では sevalu /semiya, タミル語では semiya などと呼ばれる)というデュラムセモリナ小麦粉から作る麺がある。これらは、ウプマ(Upma, 麺あるいは小麦粉を野菜などと共にスパイスで炒める料理)に使われたり、キール(Kheer, ライスプディングとも)という甘いデザートに米の代わりに使われることもある。

メキシコのフィデオ

東アジアには、米で作った米粉(ビーフン)、小麦で作った麺線(メンセン)や素麺(そうめん)、緑豆で作った粉糸(春雨)などといった麺があるが、これもバーミセリと訳される。

中南米にはフィデオ(fideo)という極細麺があり、チキンスープなどに使われる。

エジプトなどでは米から作るシェレヤ(she'reya, شعريه )という細麺があり、炒め物などに使われている。イランにはレシュテ(reshteh, رشته )という細麺があり、アーシュ・レシュテというスープのほか、デザートなどにも使われている。

脚注[編集]

  1. ^ Professional Pasta website(2004年6月17日時点のアーカイブ

関連項目[編集]

  • パスタ
  • ビーフン(「ライス・ヴァーミセリ」とも呼ばれる)
  • 春雨(「チャイニーズ・ヴァーミセリ」とも)
  • 素麺(「ジャパニーズ・ヴァーミセリ」とも)
  • ゴリオ爺さん(登場人物のゴリオはヴァーミセリ職人)