リョクトウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
リョクトウ
Ryokutou.jpg
リョクトウ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : マメ類 fabids
: マメ目 Fabales
: マメ科 Fabaceae
亜科 : マメ亜科 Faboideae
: ササゲ属 Vigna
: ヤエナリ V. radiata
学名
Vigna radiata
(L.) R.Wilczek
和名
ヤエナリ/リョクトウ
英名
mung bean
green gram
Vigna radiata
リョクトウ(生)
100 g (3.5 oz)   あたりの栄養価
エネルギー 1,452 kJ (347 kcal)
炭水化物 62.62 g
- 糖分 6.6 g
- 食物繊維 16.3 g
脂肪 1.15 g
- 飽和脂肪酸 0.348 g
- 一価不飽和脂肪酸 0.161 g
- 多価不飽和脂肪酸 0.384 g
タンパク質 23.86 g
- トリプトファン 0.26 g
- トレオニン 0.782 g
- イソロイシン 1.008 g
- ロイシン 1.847 g
- リシン 1.664 g
- メチオニン 0.286 g
- シスチン 0.21 g
- フェニルアラニン 1.443 g
- チロシン 0.714 g
- バリン 1.237 g
- アルギニン 1.672 g
- ヒスチジン 0.695 g
- アラニン 1.05 g
- アスパラギン酸 2.756 g
- グルタミン酸 4.264 g
- グリシン 0.954 g
- プロリン 1.095 g
- セリン 1.176 g
水分 9.05 g
ビタミンA相当量 6 μg (1%)
- βカロテン 68 μg (1%)
- ルテインおよび
-   ゼアキサンチン
0 μg
チアミン (B1) 0.621 mg (48%)
リボフラビン (B2) 0.233 mg (16%)
ナイアシン (B3) 2.251 mg (15%)
パントテン酸 (B5) 1.91 mg (38%)
ビタミンB6 0.382 mg (29%)
葉酸 (B9) 625 μg (156%)
ビタミンB12 0 μg (0%)
コリン 97.9 mg (20%)
ビタミンC 4.8 mg (6%)
ビタミンD 0 IU (0%)
ビタミンE 0.51 mg (3%)
ビタミンK 9 μg (9%)
カルシウム 132 mg (13%)
鉄分 6.74 mg (54%)
マグネシウム 189 mg (51%)
マンガン 1.035 mg (52%)
セレン 8.2 μg (12%)
リン 367 mg (52%)
カリウム 1246 mg (27%)
塩分 15 mg (1%)
亜鉛 2.68 mg (28%)
 %はアメリカにおける成人向けの
栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)

リョクトウ(緑豆)はマメ科一年生植物ヤエナリ(八重生、学名:Vigna radiata)の種子のこと。食品および食品原料として利用される。別名は青小豆(あおあずき)、八重生(やえなり)、文豆(ぶんどう)。アズキ (V. angularis) とは同属。

特徴[編集]

インド原産で、現在はおもに東アジアから南アジアアフリカ [1]南アメリカオーストラリアで栽培されている。日本では17世紀頃に栽培の記録がある[1][nb 1]

ヤエナリは一年生草本、葉は複葉で3枚の小葉からなる。花は淡黄色。自殖で結実し、さやは5-10cm、黄褐色から黒色で、中に10-15の種子を持つ。種子は長さが4-5mm、幅が3-4mmの長球形で、一般には緑色であるが黄色、褐色、黒いまだらなどの種類もある。

利用[編集]

日本においては、もやしの原料(種子)として利用されることがほとんどで[1]、ほぼ全量を中国内モンゴル)から輸入している[3][4]

中国では、春雨の原料にする[1]ほか、甘いや、天津煎餅のような料理の材料としても食べられる。北京独特の飲料としてリョクトウからデンプンを採る際の上澄みを原料に、これを発酵させた豆汁がある[5]涼粉の原料にも使われる[6]

朝鮮半島では16世紀前半の『需雲雑方』に、リョクトウのデンプンを水溶きして加熱し、これを孔をあけたヒョウタンの殻に入れて、孔から熱湯にたらし麺状にして水にさらす食品が記載されている[7][nb 2]。1670年頃の『飲食知味方』では、同様な製法で麻糸のようにした食品を匙麺(サミョン)として記している[7]。 また、伝統的にリョクトウデンプンはネンミョンのつなぎとして利用されていた[8]咸鏡道ではリョクトウのデンプンのみを使った押しだし麺がある[9]

中国と同様ににする他、チヂミの一種ピンデトッにしたり、デンプンを漉しとってムクという寄せものにする。

香港シンガポールベトナムでは、甘く煮て汁粉の様なデザートにされることが多い。これを冷やし固めたようなアイスキャンディーもある。

緑豆糕(りょくとうこう)と呼ばれる、木型に入れて成形した菓子は、ベトナムハイズオンや中国の北京桂林などの名物となっている。

インドネパールアフガニスタンパキスタンでは、去皮して二つに割ったリョクトウをダール(豆を煮たペースト)にする。リョクトウとを炊きあわせたキチュリキチディー)という料理は、南アジアから中央アジアにかけて広く食べられている。

また、漢方薬のひとつとして、解熱解毒消炎作用があるとされる。

リョクトウには、血糖値を抑制する効果のあるα-グルコシダーゼ阻害作用がある[10]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 一時日本では縄文時代にすでに渡来していたといわれていたが、現在では否定されている[2]
  2. ^ 斉民要術』のハルサメの製造原理と同じである[7]

出典[編集]

  1. ^ a b c d 渡辺 (2000)、pp. 68-69
  2. ^ 山口・川瀬 (2003) pp. 67-68、pp. 139-140
  3. ^ 須永久美『エライ!もやしのおかず&つまみ81』p. 110
  4. ^ 農林水産省 - 消費者の部屋(平成16年3月回答)
  5. ^ 木村ほか (1993)、p.136
  6. ^ 石毛 (1991)、p. 63
  7. ^ a b c 石毛 (1991)、p. 126
  8. ^ 石毛 (1991)、pp. 122-123
  9. ^ 石毛 (1991)、p. 123
  10. ^ 豆類ポリフェノールの抗酸化活性ならびにα-アミラーゼおよびα-グルコシダーゼ阻害活性、齋藤優介ほか、日本食品科学工学会誌、Vol.54 (2007) No.12 P563-567

参考文献[編集]

  • 渡辺篤二(監修) 『豆の事典 :その加工と利用』 幸書房、2000年ISBN 4-7821-0172-4
  • 山口裕文・川瀬眞琴(編著) 『雑穀の自然史:その起源と文化を求めて』 北海道大学出版会、2003年ISBN 4-8329-8051-3
  • 石毛直道 『文化麺類学ことはじめ』 フーディアム・コミュニケーション、1991年ISBN 4-938642-03-4
  • 木村春子・藤山和子・呉祥勇 『スグに役立つ料理の中国語』 柴田書店1993年、初版。ISBN ISBN 4-388-05709-6