豆汁

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左から豆汁と焦圏と辣絲

豆汁(とうじゅう、中国語: 豆汁儿dòuzhīr)、酸豆汁儿suān dòuzhīr))は、緑豆を煮てから、すりおろして作った豆乳乳酸発酵させた、少し酸味のある飲料。北京の伝統的な栄養食品のひとつ。春雨の製造過程ででる上澄み液も利用する事が出来る。

概要[編集]

ヨーグルト乳製品の動物性タンパク質を発酵させるが、豆汁は緑豆に25%程度含まれる植物性タンパク質を発酵させたもので、味にも共通性がある。もともと、春雨の製造過程で、緑豆をすりつぶして沈殿する部分にはでん粉が多いため、春雨を作るのに用い、上澄み液にはタンパク質が溶け込んでおり、これをさらに沈殿させながら発酵させると原液が出来あがる。飲用する前に土鍋などで煮沸される。

緑豆を水につけてふやかし、ミキサー擂り鉢ですりつぶして「生豆汁」とし、これを元に作るものもある。「生豆汁」を発酵させないレシピ[1]もあるが、それでは酸味がほとんど出ず、風味が異なる。

北京の庶民の味といわれ、他の都市ではほとんど見かけないが、地元北京でも独特の酸味と臭いを嫌う人が多い。朝食のひとつとして、焦圏辣絲細切りにした大根漬け物)などとともに食べられることが多かったが、現在ではこれを出す店を見つけるのも一苦労するほど消費は減っている。現在、北京市内には、錦芳小吃店、護国寺小吃店、南来順、牛街宝記豆汁店、磁器口豆汁店などの店が営業している。

歴史[編集]

宋代に既にあったことが知られている。20世紀初頭までは、「売豆汁児的」と言われる行商人天秤棒で担いで北京の町を売り歩いていた。天秤棒の片側には豆汁を入れ、木の蓋をかぶせた土鍋を下げ、もう片方には木の枠に、薬味にする賽の目切り細切りにした大根漬け物、洗い水、ブラシを入れて、腰掛けとともにぶら下げて担いだ。焦圏や焼餅も合わせて売る例もあったという[2]

麻豆腐[編集]

豆汁を発酵させる過程で、タンパク質が多く沈殿する場合があるが、それを用いて麻豆腐というものを作ることも行われた。

脚注[編集]

  1. ^ 張鉄元 編、『老北京風味小吃』p4、2010年、北京・化学工業出版社、ISBN 978-7-122-08601-3
  2. ^ 斉放 編、『消逝的職業』p78、1998年、北京・百花文芸出版社、ISBN 7-5306-2656-6

関連項目[編集]