正覚

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
阿耨多羅三藐三菩提から転送)
移動先: 案内検索

正覚(しょうがく)は仏教用語漢訳で正覚とされるサンスクリット語パーリ語の原語は一定ではないが[1]、最もポピュラーなものとして知られるのは、音写訳で三藐三菩提(さんみゃくさんぼだい)と表記されることのある(: samyak-sambodhi, サンミャク・サンボーディ: sammā-sambodhi, サンマー・サンボーディ)である。

三藐三菩提

正覚を含む漢訳語のうち、無上正覚(むじょう-しょうがく)、(無上)正等正覚(むじょう-しょうとうしょうがく)、(無上)正等覚(むじょう-しょうとうがく)、(無上)等正覚(むじょう-とうしょうがく)、無上菩提(むじょう-ぼだい)、無上正等菩提(むじょうしょうとうぼだい)など「無上」を付して訳されるものは、(阿耨多羅)三藐三菩提と同じ原語であることが多い[2]

(阿耨多羅)三藐三菩提(あのくたら-さんみゃくさんぼだい)(梵: anuttarāṃ-samyak-sambodhiṃ)のサンスクリット原義は「(最も優れた)正しい-知識」、「(最も勝った)完全な-理解」といった意味だが、仏教では生死の迷い等のあらゆる煩悩を取り払い(漏尽)、を滅し(苦滅)、一切を平等に正しく観ずることができる境地を指すと通俗解釈される[3]

阿耨多羅三藐三菩提は主に大乗仏教で用いられるが、部派仏典にも現れる[4]。大乗仏教が重視するのは還相としてのもので、大乗特有の生死即涅槃煩悩即菩提の教説はここから生じたとみられる。なお、三藐三菩提の漢訳は明らかに往相三十三天(忉利天)を意識した音写と考えられる。

その他

正覚と漢訳されるサンスクリット語には、ほかに : abhisaṃ-bodhi や、: abhisaṃ-buddha があるが、現前した菩提・仏といった意味あいであり、新訳では現正覚(げんしょうがく)や現等正覚(げんとうしょうがく)など、「現」を付して訳されることが多いとみられる[5]

脚注・出典[編集]

  1. ^ 『仏教漢梵大辞典』 平川彰編纂 (霊友会) 687頁「正覚」。
  2. ^ 『仏教漢梵大辞典』 平川彰編纂 (霊友会) 753頁「無上~」。
  3. ^ 等正覚とは - 大辞泉/大辞林/コトバンク
  4. ^ 阿耨多羅三藐三菩提 (阿含部) - 大正新脩大蔵経テキストデータベース。
  5. ^ 『仏教漢梵大辞典』 平川彰編纂 (霊友会) 753頁「現~」。

関連項目[編集]