全日本クラブ野球選手権大会

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全日本クラブ野球選手権大会
開催中の大会:
第41回全日本クラブ野球選手権大会
開始年 1976
主催 日本野球連盟
毎日新聞社
参加チーム数 16
加盟国 日本の旗 日本
前回優勝 ビッグ開発ベースボールクラブ(初)
最多優勝 全足利クラブ(10回)
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全日本クラブ野球選手権大会(ぜんにほんクラブやきゅうせんしゅけんたいかい)は、日本野球連盟加盟チームのうち、クラブチームを対象に毎年行われているトーナメント大会である。

歴史[編集]

日本野球連盟に加盟しているチームはすべて等しく都市対抗野球大会に参加することができるが、1940年代以降企業チームの台頭が進み、もともと都市対抗野球の表舞台で活躍していたクラブチームは本戦に出場することがきわめて厳しくなっていった。1974年に社会人野球日本選手権大会が創設されるまで、クラブチームが参加できる全国規模の大会は都市対抗野球だけであり、都市対抗の予選で敗退したチームは夏を迎える前にシーズンの主要な試合日程を終えてしまうことから、企業チームとクラブチームの実力差は拡大する一方であった。

クラブチーム間の交流と実戦機会を増やす要望がクラブチーム側から上がり、1976年に第1回大会が開かれた(第14回大会(1989年)までは「全日本クラブ対抗野球大会」の名称で開催されていた)。(以上の経緯についてクラブチーム (社会人野球)の項を参照。)

企業チームの縮小傾向が続く中クラブチームは増加しており、現在、単純計算では都市対抗野球の本戦出場よりもクラブ選手権の本戦出場の方が狭き門となっている[1]

出場資格[編集]

日本野球連盟に加盟しているチームで、登録規定に基づくチーム種別がクラブ登録であるか、会社登録である専修学校及び各種学校等のチーム。
長年にわたり、「同一の企業に所属する選手が10名以上いるチーム、及び広域複合企業チームは、クラブ野球選手権に出場することはできない」という規定が存在した[2]。しかし、社会人野球日本選手権大会の出場要件を整理した2010年からは、原則として会社登録(広域複合企業チーム含む)以外のすべてのチームがクラブ選手権の予選に出場することが可能である[3]。ただ、従来からこの規定に触れないクラブチームでも、特に企業チームから転換したチームによっては、スポンサー企業やチーム運営の方針から当大会に出場しないチームも存在する。

各大会にエントリーするには、各地区の予選が開始する1週間前までに日本野球連盟(および傘下各地区連盟・各都道府県連盟)に登録を完了させなければならない。出場する選手についても同様である。

開催時期[編集]

年により異なるが、おおむね8月後半から9月までの間に行われる。大会は近年4日間開催され、金曜日に開幕、翌週月曜日に閉幕する。

会場[編集]

当初は一定していなかったが、第4回大会(1980年)に西武球場で開催すると、その後第20回大会(1995年)まで会場が固定されていた。クラブチームの拡大を受け、またそのすそ野を広げようとする目的から、第21回大会(1996年)から第33回大会(2008年)まで、西武球場(西武ドーム(インボイスSEIBUドーム・グッドウィルドーム))と地方球場の隔年開催となった。近年は再び西武ドームで開催球場が固定されている[4]

大会の概要[編集]

主催等[編集]

第1回大会から日本野球連盟と毎日新聞社が主催を続けている。日本野球機構が共催に名を連ね、スポーツニッポン新聞社が後援、ミズノが協賛している。

大会システム[編集]

  • トーナメント方式であり、敗者復活は行われない。近年原則として本戦出場は16チームであるため、4勝すると優勝となる。
  • 大会3日目までは1日4試合を行い、最終日は準決勝と決勝を行う(優勝するためにはダブルヘッダーで連勝する必要がある)。都市対抗野球大会社会人野球日本選手権大会と異なり、前の試合が早く終了した場合、次の試合の開始時刻を繰り上げることがある。

試合形式・ルール[編集]

  • 原則として公認野球規則にのっとり行われるほか、アマチュア野球内規及び日本野球連盟内規も適用される。
  • バットは木製バットを使用。第4回大会(1979年)から第29回大会(2004年)までは金属バットの使用が認められていた[5]
  • 指名打者制度を用いる(チーム独自の判断で指名打者を置かないとすることも可能である)。指名打者制度が導入されたのは第13回大会(1988年)以降[6]
  • 第1回大会からコールドゲーム制度が設けられている。7回以後で7点以上の点差がついている場合にコールドゲームが成立する。決勝戦を含め全試合に適用される

タイブレーク[編集]

1日に3~4試合を消化することから、延長戦をスムーズに決着させるためタイブレーク制度が2003年以降導入された。当初は他大会と同様の要件で適用されていたが、現在は適用が緩やかにされている。他大会では決勝や準決勝ではタイブレークを適用しないこととしているが、クラブ選手権では決勝戦を含むすべての試合で適用される。

時期 適用要件 打順
2003年~2007年 (1)試合時間が4時間を超えていること
(2)延長13回以上試合が進行していること
※上記の条件のいずれもを満たすこと。
前イニング最終打者の継続打順
2008年~2010年 (1)試合時間が3時間30分を超えていること
(2)9回が成立していること
※上記の条件のいずれもを満たすこと。
前イニング最終打者の継続打順
2011年~現在 9回が成立していること 開始時に監督が任意の打者を指名

予選[編集]

本戦に出場するには各地区の予選を勝ち抜く必要がある。出場枠は登録クラブチーム数および近年の本大会等の成績により見直しが行われることがある。現行の地区割りと出場チーム数は次のとおりとなっている。(かっこ内は本戦出場チーム数)

  • 北海道地区(1)
  • 東北地区(4)
  • 北信越地区(1)
  • 北関東地区(茨城・栃木・群馬)(2)
  • 南関東地区(埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨)(2)
  • 東海地区(1)
  • 東近畿地区(滋賀・京都・奈良)(1)
  • 西近畿地区(大阪・兵庫・和歌山)(1)
  • 中国・四国地区(1)
  • 九州地区(1)

これらに加え、前年優勝チームの所属する地区はその年限りで出場枠が1つ増やされる。この措置は第39回大会(2014年)から導入される。

上記のとおりの出場枠を獲得するため各地区で予選が行われる。また、その予選に出場するために各都道府県を単位とする予選が行われることが多い。対比する意味で都道府県単位の予選を1次予選、地区ごとの予選を2次予選と呼ぶ。

組み合わせ抽選[編集]

大会前に大会本部が非公開で行う。

表彰[編集]

選手個人を対象として以下の表彰が行われる。

  • 最高殊勲選手賞
大会を通じて最も活躍した選手に贈られる。規定では明記されていないが優勝チームから選出されている。
  • 敢闘賞
大会で敢闘した選手に贈られる。規定では明記されていないが準優勝チームから選出されている。
  • 首位打者賞
大会を通じて最高の打率を残した選手に贈られる。条件として(1)決勝進出2チームの選手で、(2)全試合に出場し、(3)13打席11打数以上を記録していること。条件を満たした中で最も高い打率を記録した選手が受賞する。

優勝チームの特典[編集]

歴代優勝チーム等[編集]

開催球場 参加チーム数 優勝チーム 準優勝チーム 最高殊勲選手賞
(すべて優勝チームから選出)
1 1976 明治神宮野球場 10 全浦和野球団 全足利クラブ 大沢尭(投手)
2 1977 後楽園スタヂアム 10 全浦和野球団 山梨クラブ 高田曠晴(投手)
電電関東グラウンド
明治神宮野球場
3 1978 横浜スタジアム 12 全浦和野球団 全足利クラブ 横田晃明(捕手)
4 1979 西武球場 12 山梨球友クラブ オール防府クラブ 沢登公(投手)
5 1980 西武球場 11 オール常交 全足利クラブ 鈴木秀幸(投手)
6 1981 西武球場 11 大和クラブ 全足利クラブ 高田光(投手)
7 1982 西武球場 11 全足利クラブ 全浦和野球団 田代賢司(捕手)
8 1983 西武球場 11 全足利クラブ 全府中倶楽部 吉田慎司(投手)
9 1984 西武球場 12 全府中倶楽部 全足利クラブ 恩田雅一(内野手)
10 1985 西武球場 12 全足利クラブ オール常交 今井勉(投手)
11 1986 西武球場 12 全足利クラブ 函館太洋倶楽部 瀧澤昭雄(捕手)
12 1987 西武球場 12 全足利クラブ 函館太洋倶楽部 吉沢勇(投手)
西武第三球場
13 1988 西武球場 15 五大化学クラブ 静岡クラブ 木佐貫功(内野手)
西武第三球場
14 1989 西武球場 15 全足利クラブ 一関三星倶楽部 亀田明(投手兼指名打者)
西武第三球場
15 1990 西武球場 13 静岡硬式野球倶楽部 札幌倶楽部 石川勝則(投手)
西武第三球場
16 1991 西武球場 13 天城ベースボールクラブ 一関三星倶楽部 永吉慎一(内野手)
西武第三球場
17 1992 西武球場 13 一関三星倶楽部 郡山ベースボールクラブ 渡辺政史(投手)
西武第三球場
18 1993 西武球場 13 全足利クラブ 全太田野球倶楽部 野中俊正(内野手)
西武第三球場
19 1994 西武球場 13 全伊勢崎硬建クラブ 全太田野球倶楽部 清水純(内野手)
西武第三球場
20 1995 西武球場 13 全足利クラブ WIEN BASEBALL CLUB 五江渕誠司(投手)
西武第三球場
21 1996 函館オーシャンスタジアム 14 鹿島レインボーズ 水沢駒形野球倶楽部 高橋純一(投手)
上磯運動公園球場
22 1997 西武球場 13 全足利クラブ 熊球クラブ 椎名博士(外野手兼指名打者)
川崎球場
23 1998 岩手県営球場 14 アムウェイ・レッドソックス 全府中倶楽部 貝塚茂夫(捕手)
雫石町営球場
24 1999 西武ドーム 12 WIEN'94 全伊勢崎硬建クラブ 小野裕之(外野手)
25 2000 長野オリンピックスタジアム 14 全伊勢崎硬建クラブ 大和高田クラブ 星野誠司(内野手)
26 2001 西武ドーム 15 大和高田クラブ 水沢駒形野球倶楽部 山下浩之(投手)
27 2002 橿原公苑野球場 16 大和高田クラブ 全足利クラブ 中井修(内野手)
鴻ノ池野球場
28 2003 西武ドーム 15 札幌ホーネッツ 静岡硬式野球倶楽部 澤田真一(投手)
29 2004 静岡草薙球場 16 全足利クラブ 大和高田クラブ 津久井進之介(外野手)
西ヶ谷球場
30 2005 インボイスSEIBUドーム 15 NOMOベースボールクラブ 大和高田クラブ 藤江均(投手)
31 2006 足利市硬式野球場 21 和歌山箕島球友会 大和高田クラブ 吉岡大志(投手)
太田市運動公園野球場
32 2007 グッドウィルドーム 16 茨城ゴールデンゴールズ NOMOベースボールクラブ 北野偉也(投手)
33 2008 周南市野球場 20 茨城ゴールデンゴールズ 大和高田クラブ 佐々木健太(外野手)
防府市スポーツセンター野球場
34 2009 西武ドーム 16 トータル阪神 松山フェニックス 上里田光正(投手)
35 2010 西武ドーム 16 所沢グリーンベースボールクラブ 大和高田クラブ 片山文男(投手)
36 2011 西武ドーム 16 大和高田クラブ 新日鐵大分ベースボールクラブ 中須賀慎之介(外野手)
大田スタジアム
37 2012 西武ドーム 16 滋賀・高島ベースボールクラブ 和歌山箕島球友会 福田佳三(外野手)
38 2013 西武ドーム 16 和歌山箕島球友会 ミキハウスREDS 三宅悠(投手)
39 2014 西武ドーム 16 茨城ゴールデンゴールズ 松山フェニックス 岩田紀彦(外野手/投手)
40 2015 西武プリンスドーム 16 和歌山箕島球友会 茨城ゴールデンゴールズ 寺岡大輝(投手)
41 2016 西武プリンスドーム 16 ビッグ開発ベースボールクラブ 千曲川硬式野球クラブ 知念正弥(投手)

放送[編集]

  • 長年にわたり本大会の放送は行われず、試合は現地で観戦する以外の方法がなかったが、第38回大会(2013年)以降、J Sportsで準決勝以降3試合が中継された[9]

注釈[編集]

  1. ^ 2011年末現在、都市対抗野球は日本野球連盟全加盟342チーム中32チームが本戦出場。クラブ選手権は全クラブ259チーム中16チームが本戦出場。
  2. ^ 会社登録チームがクラブチームに衣替えする場合、しばらくの間は企業チーム並みの実力を維持することがみられ、既存のクラブチームとの実力差が大きくなるおそれがあったため。
  3. ^ クラブ選手権の予選にエントリーするチームは、日本選手権の予選に出場することはできない。日本選手権の予選出場を選択したチームは、当該年の2月末日までに日本野球連盟に申請を行う。
  4. ^ 第36回大会(2011年)は東日本大震災による節電対策を進めるため、西武ドームに加え大田スタジアムも会場となった。
  5. ^ 企業チーム間の試合では2002年シーズンから金属バットの使用が禁止されたが、経済的負担を考慮してクラブチームについては2005年シーズンから使用が禁止されることとされた。
  6. ^ 都市対抗、日本選手権での指名打者制度導入は1989年であり、これに先んじて導入されている。
  7. ^ 平岡凞を記念したカップ。第35回大会(2010年)から授与されている。
  8. ^ 日本選手権大会改革の一環として、第31回大会(2006年)から、本大会の優勝チームには社会人野球日本選手権大会の出場権が与えられることとなった(ただしJABA地区連盟主催大会のうち、日本選手権の出場選考大会と重複優勝した場合は、規定により優勝チーム所属地区の出場枠を1つ増やす)。2011年東日本大震災の影響で日本選手権が中止(第82回都市対抗野球大会と共催)されたことから、優勝チームの推薦出場は行われなかった。
  9. ^ 2013年は録画中継、2014年は生中継された。

関連項目[編集]