インペルダウン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

インペルダウン(Impel Down)は、漫画ONE PIECE』に登場する架空の監獄

概要[編集]

世界政府が所有する世界一の大監獄。建物は「凪の帯(カームベルト)」の海中に造られている。獄内は複雑な迷路の様な構造の上、至る所に監視用の電伝虫が目を光らせている。また、付近の海には巨大海王類が泳ぎ、海上は無数の大型軍艦によって常に警備されている。その警備体制の厳重さは「鉄壁」と称され、侵入も脱獄も不可能とされる。付近の海に「正義の門」があり、門が開いた時に生まれる政府専用のタライ海流に乗らなければ辿り着くことができない。インペルダウンの永久指針もある。マークはインペルダウンの頭文字のIとDを重ね、その一部分を切り出したデザイン[1]。海賊は政府公認の王下七武海であろうと特例でもない限り近づくことすら許されない。

内部は拷問室と死刑台が立ち並び、世界中で暴れ回っていた凶悪な犯罪者達でひしめき合っている。基本的に囚人達は牢に入れられ、能力者は海楼石の手錠や足枷をさせられる。囚人達は死ぬよりも辛い拷問に日夜苦しめられることとなる。

囚人達が閉じ込められるフロアは地下1階から地下6階まで存在し、順にLEVEL1からLEVEL6の呼び名でランク付けされている(LEVEL1が最も低ランク)。囚人達の危険度(犯した罪の重さや個人的な強さ、懸賞金の額など)によってどのフロア送りにされるか決定され、危険度が高い囚人程地下深くのフロアへと送られより厳しい拷問を受ける。その光景の悲惨さは正に「この世の地獄」と呼ばれるに相応しいものである。また、収監エリアに関わらず拷問の為に下層エリアへ連行されることもある模様。

22年前の金獅子のシキの脱獄を唯一の例外に、長年にわたり鉄壁を守り抜いていた。しかし、マリンフォード頂上戦争前後の混乱の最中、ルフィ黒ひげにより多数の囚人が脱獄に成功している。

獄内のフロア[編集]

地上1階 地獄のぬるま湯
インペルダウンに送られた囚人が最初に受ける、殺菌消毒を兼ねた拷問であり「洗礼」。
着ている衣服を全て脱いだ後、温度100℃の煮え滾る熱湯の中に突き落とされる。
地下1階 「LEVEL1」“紅蓮地獄”
刃物の様に切れ味鋭い葉を持つ木「剣樹(けんじゅ)」と、踏めば針の様に突き刺さる草「針々草(はりばりそう)」で構成された森があるフロア。
囚人達は、獄卒達や足元に放たれた毒蜘蛛から森の中を逃げ回るうちに、葉に切られ針に刺さり、体中血まみれになり苦しむ。その為、森全体が囚人達の血で真っ赤に染まっている。
主な囚人はバギー。
地下2階 「LEVEL2」“猛獣地獄”
一般には存在しない凶暴な怪物達が放し飼いにされているフロア。
囚人達はいつ怪物の餌にされるか分からない恐怖に苛まれる。
主な囚人はMr.3。
地下3階 「LEVEL3」“飢餓地獄”
水も食料も殆ど与えられない責め苦が与えられるフロア。かつて5千万ベリー以上の懸賞金をかけられていた犯罪者達が主に収監されている。
囚人達は下のフロアから立ち上る熱気で皮膚がカラカラに干乾び、筋肉は無くなりガリガリに痩せこけ、半死半生の状態にある。
主な囚人はMr.2・ボン・クレー。
地下4階 「LEVEL4」“焦熱地獄”
超巨大な鉄釜の中に全体が入っているフロア。
煮えたぎる血の池と燃え盛る火の海があり、呼吸するだけで肺が熱くなる程の熱気で充満している。また看守室や調理場、署長室など職員用のスペースもこのフロアにあり、防熱壁に守られている。
主な囚人はMr.1。
地下5階 「LEVEL5」“極寒地獄”
雪と氷に覆われたフロア。懸賞金額1億ベリーの大台を超える犯罪者達が主に収監されている。
囚人達は防寒着も無いため、凍傷で指が落ちたり凍死してしまう者もいる。極寒の為、監視用の電伝虫も設置されていない。牢屋の外には凶暴な軍隊ウルフが放し飼いにされている。軍隊ウルフの巣がある牢獄内の林に、ニューカマーランドに繋がる秘密の抜け穴がある。
主な囚人はイワンコフ[注 1]、イナズマ[注 1]、ルフィ。
「LEVEL5.5番地」“ニューカマーランド”
「LEVEL5」と「LEVEL6」の中間に存在する、囚人たちの秘密の楽園。大昔に幽閉されていた穴掘りの能力者が作り上げた。
インペルダウンの様々な場所に入り口が存在しており、看守たちはその存在に全く気付いていないため、囚人が突然消えることを「鬼の袖引き」と呼んでいる。
ニューカマーランドを仕切っているのはオカマ王エンポリオ・イワンコフ。その影響で、ここにたどり着いた迷える囚人は一人残らず性別を超えた新人類(ニューカマー)に変貌している。飲食物や衣類、新聞などの物資は、囚人達の私物の保管場所や看守室から盗んで調達しており、何も不自由は無い[2]。さらに映像電伝虫もいるため獄内の情報も得ている。
後にエース救出のためインペルダウンに侵入したルフィに住人総出で力を貸し、ルフィと共に脱獄した。2年後の現在はボン・クレーが新女王となっている。
地下6階「LEVEL6」“無限地獄”
その多くが過去に起こした事件が残虐の度を超えた者、政府に不都合な事件を起こした事により政府から存在をもみ消された終身囚・死刑囚が幽閉されるフロア。超大物や伝説級の危険人物が幽閉されているため、存在は秘匿されている。
このフロアではLEVEL1~5とは異なり、監獄が苛酷な環境下に置かれているわけでも、拷問が行われるわけでもなく、囚人達には「無限の退屈」が与えられる。
黒ひげによって囚人達が殺し合いをさせられ、生き残った者が脱走を図ったため、甚大な被害を被った。しかし、その事実は世界政府の命令で隠蔽された。
主な囚人はシキ、エース、ジンベエ、クロコダイル、シリュウ、ウルフ、ショット、デボン、ピサロ、レッドフィールド(ゲームオリジナル)、ワールド(アニメオリジナル)。

署員[編集]

人物[編集]

マゼラン
声 - 星野充昭
インペルダウン監獄署長→副署長。
真っ黒なコートを着たマンドリルの様な巨漢で、悪魔のような角[注 2]と翼を身につけている。自らの判断で囚人をその場で処刑できる絶大な署長権限を持つ。実力もそれにふさわしく絶大で、長年インペルダウンの鉄壁を、「看守長」シリュウと守り続けてきた。指揮能力も高く、看守たちからの信頼は厚いが能力の恐ろしさ故、同時に畏怖されてもいる。悪人ではないが、自身の能力で部下を攻撃してしまっても「自分の範囲に入るからこうなるのだ」と突き放すなど冷酷な一面がある。ただし、美人に弱い部分がある。22年前は副署長の座に就いており金獅子のシキの脱走を当時の署長に報告した。誕生日は10月9日[3]
超人系悪魔の実「ドクドクの実」の能力者。全身から強力なを分泌できる「毒人間」。毒液に生身で接触すると立ち所に毒に侵されてしまい、身動きひとつ取れなくなってしまう。口からの吐息で「毒ガス」を作ったり、分泌した毒液を自在に操ることもできる(「毒液を竜の形にして飛ばす」「毒液でつくった管の中を自身が移動する」など)。毒人間故に毒物が好物であるが、食べた毒を消化しきれなかったり、技の使いすぎにより頻繁に下痢を起こし、毎日約10時間トイレに籠っている。一方で睡眠はしっかり8時間は取るため、食事と休憩の時間を差し引けば実際の勤務時間は1日当たり4時間程度しかない。
ポートガス・D・エースを奪還するために侵入したルフィの進撃に業を煮やし、焦熱フロアにて自らが戦場に降り立ちルフィと対峙する。そしてルフィを一度は死の淵に追いやり、その後に進入した黒ひげ海賊団全員をも一撃で倒した。ルフィを先に行かせるために足止めしようとしたイワンコフやイナズマも圧倒し、脱獄を図るルフィ達に迫るも、Mr.3の能力で毒を一時的に防がれ、自分に変装したMr.2の画策などにより、ルフィを含む数百人の囚人たちに脱獄を許してしまった。さらに水面下で裏切りを行っていたシリュウに加え、黒ひげがLEVEL6の囚人たちを解き放った事でインペルダウンを壊滅状態にさせられ、自身も瀕死の重体となった。これらの失態に関しては自害をしかねないほど責任を感じていたという。
新世界編では、顔面に大傷を負っている。前述の失態の責任をとる為に署長の座をハンニャバルに譲り、自ら副署長に降格した。
ハンニャバル
声 - 後藤哲夫
インペルダウン副署長→監獄署長。
般若のような顔付きに餓鬼のように膨らんだ腹部をした男。古代エジプト風の兜やマゼランの様な翼を着用している[注 3]。「します」を「スマッシュ」、「ます」を「マッシュ」と言う癖がある。脱獄をわざと見逃してまで署長責任にしようとするなど、マゼランを失脚させて自分が署長になる事を常に考えている野心家で、つい野心を口走ることがある。だがその実、海賊や犯罪者を断固「悪」「社会のゴミ」とみなし、市民が安全に眠れるよう体を張って脱獄囚を食い止めんとする強い正義感の持ち主。ハンニャバルの姑息な野心を知りつつもマゼランは彼を高く評価しており、同様に署員たちからも非常時には頼られている。誕生日は8月28日[3]
武器は三叉槍。本気で戦う時のみ、柄の両側に刃のついた薙刀血吸(けっすい)」を用いる。能力者ではないが、バギーとMr.3をまとめて倒す実力の持ち主。防寒服なしで極寒地獄を巡回し、ルフィの「ギア2」の攻撃を体を張って耐えるなど、耐久力にも優れる。
22年前は看守を務めており、脱獄を図った金獅子のシキを最初に発見した。
ナミに変装したMr.2の色仕掛けに簡単にはまり一時的に監禁された。LEVEL4で足止めのためにルフィと戦うが、突如現れた黒ひげの一撃によって倒された。
頂上戦争後の2年の間に、マゼランに代わり署長に就任した。
焦熱地獄車(しょうねつじごくぐるま)
炎を纏った「血吸」での攻撃。
ドミノ
声 - 進藤尚美
インペルダウン副看守長→看守長。
右目を長い髪で隠しサングラスをかけた女性看守。有能かつ厳格な性格。誕生日は10月30日[3]
頂上戦争後の2年の間に、看守長に昇格した。
サルデス
声 - 粗忽屋西神戸店
インペルダウン牢番長。ブルーゴリラ(ブルゴリ)指揮官。
とても小柄で、頭部には角が二本生えている。持っている三叉の槍は、ブルゴリを操る笛にもなる。誕生日は6月8日[3]
新世界編では、サディちゃんと同じほどまで背が伸びている。
サディちゃん
声 - 小山裕香
インペルダウン獄卒長。獄卒獣の指揮官。
目元が前髪で隠れている、スタイルの良い女性。武器は。他人が発する痛みや恐怖の悲鳴を聴くことが何よりも好きな、真正のサディスト。合間に「ん~~~~~~♡」と入れて喋るのが癖。他人には自分を「ちゃん」付けで呼ばせている。誕生日は3月5日[3]
LEVEL4で女体化したイワンコフと戦い、敗れる。その後もあきらめず獄卒獣4人を上の階に送り込むが、あっさり返り討ちにされた。
新世界編では、新任副署長のマゼランに恋している。
興奮の檄「赤魔鞭」(こうふんのげき あかまむち)
手に持つ鞭の一撃。石造りの橋を砕くほどの威力がある。
シリュウ(雨のシリュウ)
元インペルダウン看守長。後に黒ひげ海賊団に入団。
先代署長
声 - 矢田耕司
22年前のインペルダウン署長。金獅子のシキが脱獄した際、当時の副署長マゼランからその報告を受けた。

獄卒獣[編集]

LEVEL3以下の階層を徘徊している獄卒たち。全員が「覚醒」した動物系悪魔の実の能力者で、常人の3倍ほどの体躯を持つ。間の抜けた顔つきで鼻水を垂らしているが、スピード・パワー・タフネスを兼ね備え、血に飢えているため、囚人からは署長マゼランと同様に恐れられている。

ミノタウロス
声 - 粗忽屋東品川店
ホルスタイン)の姿をした獄卒獣。武器は棘だらけの金棒。誕生日は3月4日[3]
ルフィ、バギー、Mr.2、Mr.3の4人によって撃退された。その後復活するが、再びルフィに倒された。
ミノリノケロス
声 - 宮崎寛務
サイの姿をした獄卒獣。内気。武器は2本の金棒。誕生日は3月1日[3]。ジンベエに倒された。
ミノコアラ
声 - 平井啓二
コアラの姿をした獄卒獣。武闘派。武器は棘付きのナックルダスター。常に笹を口にしている。誕生日は3月5日[3]。ルフィに倒された。
ミノゼブラ
声 - 藤本たかひろ
シマウマの姿をした獄卒獣。人見知り。武器はモーニングスター。誕生日は3月7日[3]。クロコダイルに倒された。
ミノチワワ
チワワの姿をした獄卒獣。頂上戦争後の2年の間に配属された。中華風の服を着ている。

牢番[編集]

主にLEVEL1とLEVEL2を徘徊し、脱獄しようとする囚人を捕らえる怪物たち。

ブルーゴリラ
主にLEVEL1の牢番(LEVEL1にはブルゴリに敵う囚人がいないため)。通称ブルゴリ。「海の格闘家」とも呼ばれる。
大勢おり、全員が大きな両刃の斧を所持している。食料調達の為に海に出て、海獣や海王類を仕留めることもある。
バシリスク
LEVEL2の牢番。突然変異で生まれた、ニワトリが産んだ
マンティコラ
声 - 粗忽屋東品川店、平井啓二
LEVEL2の牢番。人の顔を持つ人喰いライオン。人の言葉を真似して喋ることができる。囚人たちの暇つぶしで変な言葉を色々と覚えさせられているが、意味を理解しているわけではない。黒ひげが起こした騒動で逃げ出した一匹がビッグ・マムのコレクションになっている。
パズルサソリ
LEVEL2の牢番。複数連結することで1匹の大ムカデのように見えるサソリ。有毒。
スフィンクス
声 - 粗忽屋雑司ヶ谷店
LEVEL2の牢番。LEVEL2の猛獣たちの主である巨大な「人面羽毛ライオン」。マンティコラ同様、囚人たちの暇つぶしで言葉を覚えさせられている(その語彙はほぼ麺類)。知能は高くない。
軍隊ウルフ
LEVEL5の牢番。極寒地獄の厳しい気候にも耐えるタフなオオカミ。非常に凶暴な性格で、バシリスクやスフィンクスなども食べてしまうため、LEVEL2に入れられていない。
カバ(正式名称不明)
アニメオリジナル。LEVEL2の牢番。体は小さいが、口を大きく開け、獲物を丸呑みにする。足が非常に速い。
カマキリ(正式名称不明)
アニメオリジナル。LEVEL2の牢番。両手の鎌が武器。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a b 後にニューカマーランドへ移動。
  2. ^ 取り外しが可能。これを手に付けることで肉弾戦を可能にする。又、強酸性の毒を付けると、石を溶かすほどの攻撃力になる。
  3. ^ 冠はアヌビスの様な頭部を頭上に付けた物も所持している。

出典[編集]

  1. ^ 第55巻SBS
  2. ^ 第56巻SBS
  3. ^ a b c d e f g h i 『ONE PIECE BLUE DEEP』より。