WANTED! 尾田栄一郎短編集

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WANTED! 尾田栄一郎短編集
ジャンル 少年漫画、漫画短編集
漫画:WANTED!
作者 尾田栄一郎
出版社 集英社
レーベル ジャンプ・コミックス
※以下の作品では割愛
巻数 全1巻(短編集『WANTED!』)
※以下の作品では割愛
漫画:神から未来のプレゼント
作者 尾田栄一郎
出版社 集英社
掲載誌 月刊少年ジャンプオリジナル』
1993年10月号
漫画:一鬼夜行
作者 尾田栄一郎
出版社 集英社
掲載誌 WJ』1994年Spring Special
漫画:MONSTERS
作者 尾田栄一郎
出版社 集英社
掲載誌 WJ』1994年Autumn Special
ROMANCE DAWN【WJ版】

下記参照

テンプレート - ノート

WANTED! 尾田栄一郎短編集』(ウォンテッド おだえいいちろうたんぺんしゅう)は、尾田栄一郎による漫画短編集

1998年に発行された、尾田初となる短編集。連載デビュー作である『ONE PIECE』よりも前に描かれた作品が収録されている。

収録作品[編集]

  1. WANTED!
  2. 神から未来のプレゼント
  3. 一鬼夜行
  4. MONSTERS
  5. ROMANCE DAWN

WANTED![編集]

1992年下期手塚賞準入選受賞作。尾田の高校時代に描かれた[1]

あらすじ[編集]

西部劇を題材にして画かれた短編漫画。行く先々で賞金稼ぎから命をつけ狙われるガンマン、ギル・バスターが、類い稀な銃センスと才略で、苦難を乗り越えて行く。

登場人物[編集]

ギル・バスター
主人公のガンマン。類い希な銃センスを持つ。沢山の人間を殺したお尋ね者だが、実際には全て正当防衛である。懸賞金9億7千万(通貨不明)。
ワイルド・ジョー
自称「最強の賞金稼ぎ」。ギル・バスターに懸けられた莫大な賞金を狙って勝負を挑むも、ギルのだまし討ちにより、あっけなく最期を遂げてしまった。しかし、あまりにこの世に未練が有ったせいか、幽霊となってギル・バスターに憑きまとっている。一応有名だったのか、シノ・フェニックスも名を知っていた。懸賞金200万ベリー[2]
シノ・フェニックス
殺し屋の中の殺し屋。ワイルド・ジョーも恐れるほどの凄腕ガンマン。元々、非合法の殺し屋稼業だが、ギル・バスター討伐のため、相反している警察に雇われる事となった。
変なオヤジ
手配書でのみ登場。懸賞金120万ベリー[2]

神から未来のプレゼント[編集]

月刊少年ジャンプオリジナル』1993年10月号掲載。尾田が大学在学中に描いた作品[3]

あらすじ[編集]

主人公のスリ・ブランは、盗人稼業から足を洗おうと心に決めたものの、結局はスリを続けてしまっていた。「運命のペン」で人間の運命を書き綴っている天界の神様は、そんなブランの姿にあきれ果て、彼に天罰を加えようとする。だが神様は、「ブラン家(ブランち)に隕石が落ちる」と運命を書き換えようとしたところを、誤って「ブランチに隕石が落ちる」としてしまった。このままでは百貨店「ブランチ」に隕石が落ちてしまう。それを何とか回避するために神様は、「ブランチ」にいる人々を隕石の危機から救ったらブランへの天罰を無しにすると、ブラン本人に持ち掛ける。

登場人物[編集]

ブラン
主人公のスリ。盗人稼業から足を洗おうとは思っているものの、長年の習慣からか、結局はスリを続けていた。そんな時、突然、自らの運命が書かれた手帳を見知らぬ男から手渡される。自らを神様と名乗るその男に、百貨店ブランチに落ちる隕石の危機から人々を救えと無理難題を吹っ掛けられてしまう。
神様
天界の神。天界で人間の様子を見つめながら、「運命のペン」で人間の運命を書き綴っている。そんな折、目に留まったのがブラン。改心しようと心掛けながらも、ついつい悪事を働く彼の姿に立腹し、天罰を加えようと運命を書き換えようとする。なお、「運命のペン」で書いた内容は「運命の消しゴム」でのみ修正できるが、その消しゴムを紛失してしまっている。
天使
見た目はヤクザにしか見えない天使。神様に対しても少々無礼な口調で話す。「ブラン家」と「ブランチ」の書き間違いを指摘した。
百貨店ブランチの社長
ブランから、自分の店に隕石が落ちると警告を受けた百貨店の社長。箸にも棒にも掛けぬとばかりに警告を無視したため、百貨店をブランに乗っ取られた。
よしお
母親と一緒に、ブランチに買い物に来ていた男の子。ブランのブランチ乗っ取り騒動の際、母親とはぐれてブランチに置き去りにされ、隕石の脅威にさらされてしまう。

一鬼夜行[編集]

週刊少年ジャンプ』1994年Spring Special掲載。第104回ホップ☆ステップ賞入選作。

あらすじ[編集]

主人公の坊主・愚公は、失踪した師匠・恒心を探すため、当て所ない旅を続けていた。愚公は、旅の途中立ち寄った集落で、人々を脅かす化け物「人食い」の退治を頼まれ、否応なしに引き受けさせられてしまう。

登場人物[編集]

愚公
坊主。失踪した師匠の恒心を探して旅を続けている。
守り神
古寺の守り神。仮面をかぶって人を脅かし、人食いから守ろうとしていた。
人食い
森に住む化け物。懸賞金150万ベリー[2]

MONSTERS[編集]

『週刊少年ジャンプ』1994年Autumn Special掲載。甲斐谷忍の元でのアシスタントを終え、徳弘正也の元で『ジャングルの王者ターちゃん♡』のアシスタントを務めていた頃の作品[4]。タイトルは「-ターズ」と言うタイトルをつけたいと考えた尾田が、竜や怪物級に強い奴が出てくるからと無理矢理につけたもの[5]

『ONE PIECE』と世界観を共有する作品であり、「スリラーバーク編」においてリューマが登場する。

あらすじ[編集]

世界一強く、立派な「兵(つわもの)の魂」を持っているであろう剣豪キングとの戦いを夢見て、各地を放浪する侍・リューマ。放浪の末、あわや野垂れ死にかという寸前に、何とか町に辿り着く。そこでリューマは、竜(ドラゴン)の襲撃事件に巻き込まれる。

登場人物[編集]

リューマ
主人公の侍。「兵の魂」を重んじる。
フレア
ウェイトレス。7年前の「大奇襲」の、ただ一人の生き残り。
シラノ
一流剣士。キングにも劣らないという剣豪。7年前の「大奇襲」からフレアを救い出した。実はディーアールとグルになっていた極悪人であり、事件の黒幕の一人。
ディーアール(D・R)
三流剣士。懸賞金180万ベリー[2]
竜(ドラゴン)
人々の恐怖の対象。7年前、山の小さな町を襲う「大奇襲」を起こした。「竜の角笛」によって操られる。

ROMANCE DAWN[編集]

ROMANCE DAWN
ジャンル 少年漫画
漫画:ROMANCE DAWN(SS版)
作者 尾田栄一郎
出版社 集英社
掲載誌 WJSummer Special1996年
その他 『ONE PIECE RED』に収録
漫画:ROMANCE DAWN(WJ版)
作者 尾田栄一郎
出版社 集英社
掲載誌 『週刊少年ジャンプ』1996年41号
その他 短編集『WANTED!』に収録
テンプレート - ノート

尾田の代表作『ONE PIECE』のプロトタイプとなった作品。「ROMANCE DAWN」の題名で描かれた作品は、『WANTED!』収録作(以下「WJ版」)と、『ONE PIECE RED』収録作(SS版)の2つがあり、本稿では一緒に記述する。なお、「ROMANCE DAWN」という題は『ONE PIECE』第1話及び第601話の副題としても使われている。

いずれも『ONE PIECE』とは設定が若干異なっており、世界設定を共有してはいないが、主人公ルフィが食べると特殊な能力のつく木の実を食べてゴム人間となっている設定は既に両読切で固まっている。また、両読切における海賊は、無法に略奪する海賊「モーガニア」と、モーガニアをカモとする海賊「ピースメイン」の2種類が存在している。

SS版[編集]

週刊少年ジャンプ』1996年Summer Special掲載。「ROMANCE DAWN」の題名で初めて発表された作品。単行本のページ数の都合と、あまりに『ONE PIECE』との共通点が多いことから『WANTED!』への収録が見送られ、後に『ONE PIECE RED』に収録された[6]

2008年には本作を原案としたアニメ『ONE PIECE ロマンス ドーン ストーリー』が製作されている。

登場人物[編集]

モンキー・D・ルフィ
主人公の海賊。ピースメインとして旅をしている。
本作では自分の村を拠点としていたピースメイン赤髪のシャンクスにあこがれ、旅に連れて行って貰うよう懇願していた。ある時「ゴムゴムの実」を食べてカナヅチとなり、海で溺れて鮫に襲われたところをシャンクスに救われる。その後シャンクスから麦わら帽子を貰い、海賊となって返しに来るよう約束する。
村を旅立つ前に魔性の木の実「ゴムゴムの実」を食べていることでカナヅチのかわりに全身ゴム人間となっている。戦闘の際には手や足を伸ばして攻撃する。どちらの作品でも小舟で旅しているが、本作では船に「快速メルヘン号」と名前を付けており、カモにした相手の海賊旗を帆にしている。『ONE PIECE』のルフィとは異なり、頬に傷はない。
本作のラストシーンでは、大海賊となってヒゲを生やした大人の姿で登場する。作者は「『ONE PIECE』のルフィもその領域に達するのかは自分でもわからない」と言っている。
シルク
本作のヒロイン。赤ん坊の頃に町を襲った海賊によって置き去りにされ、その町の人々に育てられた。
ラストシーンではルフィの仲間になっている。
ギャリー(三日月のギャリー)
本作の敵であるモーガニア。通り名の由来は三日月形の口ひげ。
船を訪ねて来たルフィに「変なヒゲ」と言われて攻撃するが、逆に全員拘束された。その直後着いたシルク達の町で、ルフィが町民達からギャリーと間違われて拘束されたのに乗じて拘束を解き、町から略奪した上にルフィの麦わら帽子を踏みつけ、彼を海に放り込む。だがシルクに助けられたルフィに追いつかれ、「宝を踏みつけられた」報復に船を踏み沈められる。積荷の大半はルフィによってシルクの町に贈られた。
船を沈められる時にルフィに報復を誓っていたが、ラストシーンではシルク同様にルフィの仲間になっている。

WJ版[編集]

週刊少年ジャンプ(WJ)』1996年41号掲載。『WANTED!』に収録。尾田が『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』のアシスタントをしていた時期に描かれた作品[6]

『WJ』本誌に掲載されることから、後の連載時のインパクトを意識し、「SS版」で完成していたルフィとシャンクスとの麦わら帽子のエピソードを変更して描かれた作品[7]。このため「SS版」とは色を変えて描かれた作品であり、「SS版」と比べると『ONE PIECE』との共通点は少ない。

登場人物[編集]

モンキー・D・ルフィ
主人公の海賊。SS版同様、ピースメインとして旅をしている。
本作では、麦わら帽子はピースメインである祖父(ルフィ曰く「暴力じじい」)[8]から貰ったものと設定されている。前作のルフィ同様、頬に傷はない。
本作でも村を旅立つ前に魔性の木の実「ゴムゴムの実」を食べていることでカナヅチのかわりに全身ゴム人間となっている。戦闘の際には手や足を伸ばして攻撃する。
アン
本作のヒロイン。怪鳥のバルーンと親しかったために海賊シュピールにさらわれた。
バルーン
アンの友達で、パンダの様な顔をした「怪鳥(ルク)」。ルクの血は妖力が宿るとされ、バルーンは最後の一羽と言われる。
シュピール(六角のシュピール)
本作の敵であるモーガニア。通り名の由来は六方向に束ねた髪で、ルフィからは「変な頭」「アメンボに似てる」と言われる。
妖術使いで、作中では炎や爆発、物体(巨大ハンマー)の呼び寄せ、箒での飛行といった妖術を使っている。あまり名は知られていないが、その妖術は町一つ焼き払う威力がある。
ルクの血で妖力を高めようとバルーンを狙い、逃げない様にその友人であるアンをさらった。バルーンが手に入ると邪魔するルフィを仲間や船ごと沈めて自分だけ逃げようとしたが、ゴムゴム能力で飛んできたルフィに殴り飛ばされ、バルーンを奪回された。
アニメ『ONE PIECE』では手配書のみ登場。懸賞金350万ベリー[2]

書誌情報[編集]

全て作者は尾田栄一郎集英社ジャンプ・コミックスより発行。

脚注[編集]

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  1. ^ 『WANTED!』36頁
  2. ^ a b c d e ONE PIECE THE MOVIE エピソードオブチョッパー+ 冬に咲く、奇跡の桜
  3. ^ 『WANTED!』78頁
  4. ^ 『WANTED!』156頁
  5. ^ 『WANTED!』156頁
  6. ^ a b 『WANTED!』202頁
  7. ^ 『ONE PIECE RED』260頁
  8. ^ この祖父の顔形は連載版での祖父ガープに受け継がれている。