履正社中学校・高等学校

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履正社学園豊中中学校
履正社高等学校

過去の名称 大阪福島商業学校
履正社中学校(旧制)
大阪福島商業高等学校
国公私立の別 私立学校
設置者 学校法人履正社
校訓 履正不畏
勤勞愛好
報本反始
設立年月日 1922年(大正11年)3月31日
創立記念日 4月20日
共学・別学 男女共学(普通コースのみ男子校
中高一貫教育 併設型(外部混合有)
旧6ヶ年特進コース
(現在は集約文理I・II類、普通III類に組み込まれている)
課程 全日制課程
単位制・学年制 学年制
設置学科 普通科
学科内専門コース 集約文理コース(I類・II類)
普通コース(III類・スポーツ)
学期 3学期制
高校コード 27509D
所在地 561-0874
大阪府豊中市長興寺南四丁目3番19号
外部リンク 履正社学園豊中中学校公式サイト
履正社高等学校公式サイト
ウィキポータル 教育
ウィキプロジェクト 学校
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履正社学園豊中中学校・履正社高等学校(りせいしゃがくえんとよなかちゅうがっこう・りせいしゃこうとうがっこう)は、大阪府豊中市長興寺南四丁目に所在し、中高一貫教育を提供する私立中学校高等学校(併設型中高一貫校)。学校法人履正社が運営し、90年以上の歴史と伝統を持つ。

歴史

校訓

  • 履正不畏…正を履んで畏れずとよむ。自ら由とするところを、自由・公正に勇気と責任を持って力強く履み行う、本校の基本的信条
  • 勤労愛好…勤労愛好は、勤勉で学問を愛することが若人の生きるしるしであり、それを正であるとして国家・社会と人間に役立つ教育をするということ
  • 報本反始…本に報い始めに返るとよむ。初心に返り、今日あらしめている本源、すなわち両親・先生などの先人の恩に報いるような教育をするということ

教育課程の類型

履正社学園豊中中学校

履正社学園豊中中学校には、次に掲げる履正社高等学校との中高一貫教育を提供するコースと他の高校入試に必要な準備教育を提供するコースが存在する。このような中高一貫コースと高校受験対策コースが設置されている他の私立中高一貫校としては、浜松修学舎中学校・高等学校白鴎大学足利中学校・高等学校及び霞南至健中学校・霞ヶ浦高等学校が挙げられる[7][8][9]

3ヵ年進学コースは、高校受験を目指す生徒が集まる。そのため濃い授業内容の割りに進度が早く(学校側は公立中学校の1.7倍の授業量としている)、五ツ木書房駿台予備学校などの模擬試験対策も行う。五ッ木や駿台の成績上位者に履正社生が挙がることもある。灘高等学校甲陽学院高等学校(甲陽学院高等学校では2009年度以降高等学校からの生徒募集をしない)には毎年数人が合格・進学する。慶應義塾・早稲田系列の学校にも合格者を出しているほか、大阪の上位公立進学校(大阪府立北野高等学校など)に合格・進学する者もいる。

6ヵ年特進コースの生徒は、卒業後原則履正社高等学校へ進学する。よって中学の勉強にあまり固執せず高等学校の範囲を先取り学習し、3ヵ年独立コースとはカリキュラムにかなりの違いがある。五ッ木テストの代わりに校内実力テスト、駿台テストは受けずにベネッセの模擬テストを受ける。

授業後には進学講座又は部活動に出席すことが出来る。

履正社高等学校

  • 集約文理 Ⅰ類・Ⅱ類
  • 6ヵ年特進コース
  • Ⅲ類(スポーツ推薦コース・普通コース・)
    集約文理クラス 6ヵ年特進コースは部活をすることはできない。これは放課後進学講座をするためである。

歴代学校長

  • 初代:釜谷善蔵(大正11年4月 - 大正14年4月)
  • 2代:西岡純平(大正14年5月 - 昭和2年2月)
  • 3代:釜谷善蔵(昭和2年3月 - 昭和15年4月)
  • 4代:梅村武次郎(昭和16年4月 - 昭和24年3月)
  • 5代:釜谷善蔵(昭和24年4月 - 昭和41年1月)
  • 6代:釜谷行蔵(昭和41年2月 - 昭和48年3月)
  • 7代:橘孝(昭和48年4月 - 昭和49年7月)
  • 8代:江川登(昭和49年8月 - 昭和58年3月)
  • 9代:井内嘉美(昭和58年4月 - 平成5年8月)
  • 10代:釜谷行蔵(平成5年9月 - 平成6年3月)
  • 11代:岸仲徹(平成6年4月 - 平成9年3月)
  • 12代:前田恭幸(平成9年4月 - 平成17年3月)
  • 13代:村瀬典弘(平成17年4月 - 平成20年3月)
  • 14代:小森重喜(平成20年4月 - )

特徴

  • スポーツクラスは野球部サッカー部テニス部バレー部など全国レベルである。
  • 読売新聞』web版2007年7月27日配信記事によると、指定校推薦受験する生徒に対し、学校側が「関関同立」の6学部以上の一般受験を義務づける誓約書を書かせていたことがわかっている。
  • 昭和初期は大阪の学校では珍しく、修学旅行には満州国へ行っていた。これは大東亜戦争太平洋戦争)が進むにつれ、反日運動が激化したために打ち切られることになった。ルートとしては大阪から下関まで急行で行き、そこから船で釜山へ渡り、そこから朝鮮にて朝鮮神宮朝鮮総督府南大門などの観光をして満州へ入り、同国の観光をするといった経路であった。これを当時は朝鮮・満州の名前から取って、鮮満旅行と呼んでいた。1925年(大正14年)から1936年(昭和11年)まで11回実施され、771名の生徒が参加した。
  • 1944年(昭和19年)に大阪府福島商業学校の廃校が決定したのは、戦局が悪化しつつあった当時、工業教育が重視され、商業学校は工業学校に転換せよと政府から命令があったのにも関わらず、創立者の釜谷理事長が強固に反対したためである。これは釜谷理事長は戦時中でも商業は必要であると考えていたからである。
  • かつて、敷地内には合宿のためにブルートレインの車両が置かれていた。ブルトレの名前は「正夢号」で、1987年(昭和62年)、国鉄(現・JR)より、大阪長野間を走っていた急行「ちくま」号の最後尾車両を学校が1600万円で購入したものであった。車掌室に畳を敷き、教師の宿泊室に、更に冷暖房、水洗トイレ、外に3台シャワー室を取り付けて使用した。中は3段ベッドで定員は48人、ちょうど1クラス分であった。1987年に、NHKや新聞でこの合宿が報道されている。

交通

  • 最寄り駅は、阪急宝塚本線 曽根駅および北大阪急行緑地公園駅
  • 阪急曽根駅から国道176号線を越えて東に徒歩15分ほど。緑地公園駅からは西へ徒歩18分ほど。服部緑地内を通過し天竺川を渡ったところであるが、校門は反対側にあるため大回りをしなくてはならない。
  • 下校時の緑地公園駅まで、女子生徒にのみ送迎バスがある。緑地公園駅行きの下校時だけ通学バスがある理由は、服部緑地内は夜間に痴漢等の不審者が出る可能性があるためであり、かつ曽根駅前ロータリーには大型車は路線バス以外は入れないからである。バスは3台あるが、下校時に普段使われるのはそのうち一番小さいものである。他のバスは運動系クラブ員の学校から茨木グラウンドの輸送などに使われる。
  • また自転車で通学する生徒も多い。
  • 自動車での送り迎えは原則禁止である。
  • 学校に専用の駐車場はない。学校のスクールバスの駐車場は学校前の郵便局横に2006年(平成18年)に設置された。

設備

敷地の南側に4階建ての体育館、校舎の上には屋外プールと弓道場がある。本館4階にはホール(釜谷記念ホール)があり、入学試験や、中学校のみの始業・終業式、卒業式、生徒向けの各種検定試験などが催され、文化祭催行時には舞台となる。ホールを含む本館4階は許可なし(4階のトイレ掃除の係の生徒を除く)に生徒だけでは入れない。校舎は古いが、2004年ごろからラグビー部などの部室を廃止して生徒指導室の拡張工事(その後、グラウンド近辺にラグビー部の部室ができ、野球部やサッカー部などの部室は茨木グラウンドの方に完成した)、教室の更新工事が行われた。教室に関しては廊下側と服部緑地側の窓枠の交換・ドアの交換・教室内のフローリング化が行われた。また、校舎側面のガラス防護用のネットも貼り直された。

2004年夏にグラウンドが全面人工芝となった。テニスコートは1面しかなく、茨木グラウンドの方にテニスコートがあるので、テニス部はここではあまり練習をしていない。茨木グラウンドはその名の通り茨木市にある運動場であり、部活動や生徒の親睦を深める為の球技大会などに使用される。野球場一つと球技を同時に2試合が出来る運動場があり、どちらにも観客席がある。また、野球場は高等学校野球秋季大会で使用されている。

かつて、学校内で合宿を行うことがあり、その宿舎として使用する国鉄20系客車の3段寝台車があったが[12]、解体されて今はない。この寝台車を使った合宿は、1980年代に全国版の新聞に取り上げられて記事になったこともある。

それぞれ1つだけある音楽室と美術室と家庭科室と視聴覚室と情報教室や体育館やグラウンドは高校と共用している。全ての教室の他に、体育館にも冷暖房機が付けられており、勉学に励みやすい環境を作っている。食堂のほかに自由に団欒できるカフェテリアがある。ただし、中学校及び高等学校を合わせた生徒数と比べると座席は少ない。

学校行事

履正社学園豊中中学校の修学旅行は、3ヵ年コースは北海道(23期生より富良野・それより前はキロロ)へのスキー合宿(2年次3月)、6ヵ年コースはカナダまたは沖縄の選択(3年次中盤)となっている。3ヵ年コースは高校受験のため、6ヵ年コースより先に修学旅行に行く。

部活動

社会科部や理科部、空手部などには合宿もある。鉄道研究会は、23年度にに格上げされた。空手部は文化祭時に板割りなどの演舞を行う(現在は休部)。尚、本校では勉学中心のため部活動は盛んではなく、部活はあってないようなものである。 校内では同好会と呼ばれることが多く週に一度二時間だけ行われる。また、同好会はそれぞれ人数枠が決まっており、それに外れたものは強制的に自学自習同好会に入ることになっている。

高等学校硬式野球部

硬式野球部に所属できるのはⅢ類の生徒のみである。

著名な出身者

合格実績水増し問題

  • 進学実績が、1990年代後半より急激に数字の上では向上したが、学校が一部の優秀な生徒に、有名大学の入試を数多く受験させ、学校側が全額受験料を負担して合格実績を水増ししていたことが背景にある。このことについて学校側は、2007年(平成19年)7月23日付けの読売新聞上で、「経済的支援が必要な生徒への奨学金のようなもの。合格実績を上積みした認識はなく、今後も続ける」と説明。

系列校

脚注及び参照

  1. ^ 選手権大会出場校一覧 (第75回~第80回大会)”. 日本高等学校野球連盟. 2016年3月24日閲覧。
  2. ^ a b 選抜大会出場校一覧 (第76回~第80回大会)”. 日本高等学校野球連盟. 2016年3月24日閲覧。
  3. ^ 選手権大会出場校一覧 (第91回~第95回大会)”. 日本高等学校野球連盟. 2016年3月24日閲覧。
  4. ^ 試合日程 (第92回全国高校野球選手権大会)”. SANSPO.COM (サンケイスポーツ/産業経済新聞社). 2016年3月24日閲覧。
  5. ^ a b c 選抜大会出場校一覧 (第81回~第85回大会)”. 日本高等学校野球連盟. 2016年3月24日閲覧。
  6. ^ 選抜大会出場校一覧 (第86回~第87回大会)”. 日本高等学校野球連盟. 2016年3月24日閲覧。
  7. ^ コースガイド-白鴎大学足利中学校では、中高一貫教育コースと、進学教育コースに分けられ、「進学教育コース」では中学校卒業時に自由に高等学校を選択できる制度を採用するものの、白鴎大学足利高等学校への進学の道も開かれている。
  8. ^ 浜松修学舎中学校には、6ヵ年難関大学特別進学コース3ヵ年難関高校独立進学コースに分かれている。
  9. ^ 霞南至健中学校のコース制の詳細については、進路指導(進路選択)-霞南至健中学校を参照すること。
  10. ^ 6ヶ年特進コース-履正社学園豊中中学校による。
  11. ^ 3ヶ年独立コース-履正社学園豊中中学校による。
  12. ^ 鉄道ジャーナル』第21巻第5号、鉄道ジャーナル社、1987年4月、124頁。 

関連項目

外部リンク