フローリング

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フローリング床

フローリングフロアリングflooring)とは、を覆うための木質系の素材、およびそれらを用いた床のことである。ただし英語の flooring は単に『床材』という意味であり、リノリウムや和室のも英語では flooring である。

一般の住宅の他、公共施設でも広く用いられており、体育館では仕上げに鉋がけを行うフローリングが用いられる事が一般的。

歴史[編集]

1913年北海道から主としてヨーロッパに輸出されたナラ材の端材を処理するため製造が始まったとされる。

分類[編集]

日本農林規格はフローリングを、木材を継ぎ合わせた一層のみで構成された「単層フローリング」と下地材と化粧材を張り合わせた「複合フローリング」に分類する。単層フローリングは、さらに「フローリングボード」、「フローリングブロック」、「モザイクパーケット」に分類されるが、本項においては、住宅において一般的なフローリングボードのみについて記述する。

単層フローリング [編集]

凹凸のついた実材

小幅の長尺材を、一方の側面が凸、他方の側面が凹になった本実(ほんざね)加工したとし、これを多数噛み合わせて床全体を隙間無く覆う。これを「実矧ぎ」ないし「実継ぎ」と称する。実材の長さ、幅は様々であるが、厚さは12mm~15mmが一般的である。

材料としては、原木を切断加工したのみのいわゆる「無垢材」を用いるのが一般的であり、オークチーク花梨などの硬い木が選ばれることが多いが、といった質感のよい木材やを使ったフローリングもある。一方で、集成材を使用したフローリングもある。

無垢ならではの風合いがあり、経年変化によってより深い趣を演出できる。表面にワックスを塗布することが多いが、無垢材の色合いや感触を生かすため、表面に焼きを入れたり研磨するに留めている場合もある。

一方で、寒暖や乾湿などの影響を受けやすく、変形しやすい。住宅の温度や湿度管理によっては実材間での隙間や不陸が生じたり、突き上げや音鳴りが生じたりすることも多い。膨張による突き上げを防止するため、施工時に0.5m程度のパッキンを噛ませながら、隙間を開けて施工する場合がある。これを「目透かし(スペーサー)」と称する。また、隙間ができやすいため、防音や断熱性能は劣る。

複合フローリング [編集]

複合フローリングの施工

一層以上の基材の表面に、0.3~2mm程度の厚さの化粧加工用の木材を張ったもの。加工材の普及に伴い、施工が増加しており、一般的な住宅の主流となっている。

基材には合板を用いることが多いが、集成材、単板積層材中密度繊維板をはじめとするファイバーボードなど多様な材料が用いられている。さらにマンションでの階下への遮音性能を高めるため、基材の下にゴム・ウレタン等のクッション材を貼り付けた「遮音フローリング」も存在する。基材にスリットが入っているため、上に乗った際に床が沈み込むのが特徴である。施工後暫くは、曲りに木が馴染むまで音鳴りする事がある。

化粧加工については、無垢材の突板を張り合わせることもあるが、床材としての耐久性を保つため、WPC(プラスティックと混成した木材)をはじめとする特殊加工化粧材が用いられることも多い。

狂いが無垢材と比較すると少なく、施工・メンテナンス・取り扱いも無垢材に比べると容易。多くは塗装されており、カラーバリエーションも豊富。(但し、表層を越える傷が付いた場合、見た目が極端に悪くなる。)

床暖房の表面に張る場合は、表面塗装や含水率が一般のものと異なる。電気式の床暖房構造を内蔵した製品もある。

製品単体形状上の分類[編集]

定尺フローリング
規定の長さで統一したフローリング。複合フローリング・WPC床材では大半を占める。長さ・幅はメーカー・製品により多様。
乱尺フローリング
一片の長さが様々なフローリング。無垢材が殆ど。幅はメーカー・製品により多様。

施工方法[編集]

日本農林規格は、フローリングの工法を根太張と直張に分類する。

根太張[編集]

フローリング材を床組を構成する根太の上に直接貼り付ける工法である。釘打により貼り付けることが一般的だが、最近では接着剤を併用する場合が多い。釘打工法は、下地により根太(ねだ)工法と捨張工法がある。

直張[編集]

フローリング材を接着剤のみで下地に施工する方法である。下地がモルタル面や捨て張りされている場合等、下地が平面で、強度を有する場合でないと用いえない。一般的には直貼り専用のフローリング材が用いられる。コンクリート建造物等の躯体床面に強度がある場合、根太や各種下地工法を省く事ができる。

体育館等、強度が求められる場合、鋼製床組上に下地材を捨て張りした後に直張を行うのが一般的。多くは、無垢材を用いビス止め→ダボを打ち→研磨→塗装の工程を採る工法を採る。

並べ方[編集]

定尺張
定尺の材料を用い、決まった長さに加工した「張り出し」を作り、その繰り返しで張る。
例1:900mmの材料で、900mm・675mm・450mm・225mmの張りだしを作り、順に並べ、その繰り返しで張る張り方。(定尺階段張り(4段))
例2:900mmの材料を450mm・900mmの張りだしを作り、順に並べ、その繰り返しで張る張り方。(レンガ張り)
乱尺張
定尺の材料をランダムな長さに加工した「張り出し」を作り、張る。階段状に張る場合もある(乱尺階段張)。乱尺の材料の場合必然的に乱尺張りになる。
網代張
網代編状に定尺フローリングを並べる。
その他
  • 複数の幅の材料を用いて張る。(列毎に幅の違うものを張る)
  • 塗装品で、違った色合いの製品、複数色で張る。(ランダム・ポイント・ライン等)

住戸での注意点[編集]

住戸におけるフローリングは住民が日々最も接触している部分でもあり、設計段階から住民の生活を考慮し、使用される材質(種別)から施工方法までを選択する必要がある。建売物件においてもその点を考慮した設計・施工がなされているか見極めて購入しないと、金銭・精神的に大きな負担になる事もある。また、日々の生活やメンテナンスによっても後々の状態を左右する事を認識し使用する事が必要である。

  • 水拭きは極力避ける。木材なので水には弱い。
  • 木材なので当然傷が生じる(材質によっては爪より柔らかい)。傷が気になる場合はカーペットを敷いたり家具の下にクッション材を付けたりする必要がある。
  • 表面保護と将来的な見た目のため、最低でも数年に1回はワックス掛けが推奨される。