オクラ
オクラ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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Abelmoschus esculentus
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分類(APG III) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Abelmoschus esculentus (L.) Moench[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
アメリカネリ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
okra | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Worldwide okra production
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100 gあたりの栄養価 | |
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エネルギー | 129 kJ (31 kcal) |
7.03 g | |
糖類 | 1.2 g |
食物繊維 | 3.2 g |
0.1 g | |
飽和脂肪酸 | 0.026 g |
一価不飽和 | 0.017 g |
多価不飽和 | 0.027 g |
2 g | |
ビタミン | |
ビタミンA相当量 |
(2%) 19 µg(2%) 225 µg516 µg |
チアミン (B1) |
(17%) 0.2 mg |
リボフラビン (B2) |
(5%) 0.06 mg |
ナイアシン (B3) |
(7%) 1 mg |
パントテン酸 (B5) |
(5%) 0.245 mg |
ビタミンB6 |
(17%) 0.215 mg |
葉酸 (B9) |
(22%) 88 µg |
ビタミンB12 |
(0%) 0 µg |
コリン |
(3%) 12.3 mg |
ビタミンC |
(25%) 21.1 mg |
ビタミンD |
(0%) 0 IU |
ビタミンE |
(2%) 0.36 mg |
ビタミンK |
(50%) 53 µg |
ミネラル | |
ナトリウム |
(1%) 8 mg |
カリウム |
(6%) 303 mg |
カルシウム |
(8%) 81 mg |
マグネシウム |
(16%) 57 mg |
リン |
(9%) 63 mg |
鉄分 |
(6%) 0.8 mg |
亜鉛 |
(6%) 0.6 mg |
マンガン |
(47%) 0.99 mg |
セレン |
(1%) 0.7 µg |
他の成分 | |
水分 | 90.17 g |
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%はアメリカ合衆国における 成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。 出典: USDA栄養データベース(英語) |
項目 | 分量 |
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炭水化物 | 6.6 g |
食物繊維総量 | 5.0 g |
水溶性食物繊維 | 1.4 g |
不溶性食物繊維 | 3.6 g |
オクラ(英語: okra、秋葵、学名: Abelmoschus esculentus)は、アオイ科トロロアオイ属[3]の植物、またはその食用果実である。英名 okra の語源は、ガーナで話されるトウィ語の nkrama から。その形状からLady's finger(婦人の指)とも呼ばれる[4]。
原産地はアフリカ北東部(エチオピアが有力)。原産地や熱帯では多年草で、何年も繰り返し果実をつけるが、日本では冬越しができないため一年草である。
和名をアメリカネリと言い、ほかに陸蓮根(おかれんこん)の異名もある。沖縄県や鹿児島県、伊豆諸島など、この野菜が全国的に普及する昭和50年代以前から食べられていた地域では「ネリ」という日本語で呼ばれていた。今日では当該地域以外では「オクラ」という英語名称以外では通じないことが多い。
角オクラは10cm、丸オクラは15-20cmくらいに成長した段階の若い果実を食用とし、日本でも広く普及している。大きくなりすぎると繊維が発達して食感が悪くなり、食品価値を失う。
形態・生態
短期間で50cm-2mほどに生長し、15-30cmの大きさの掌状の葉をつける。
黄色に中央が赤色のトロロアオイに非常に似た花をつける。開花は夜から早朝にかけてで、昼にはしぼんでしまう。開花後、緑色もしくは赤い果皮で長さ5-30cmの先の尖った形の五稜の果実をつけ、表面に短毛が生えており、熟すと木質化する。寒さに弱く霜が降りる気候では結実しない。
分布・栽培
熱帯から温帯で栽培されている。エジプトでは、紀元前元年頃にはすでに栽培されていた。アメリカ州では、主に西アフリカから移住させられた奴隷によって栽培が始まり、現在でもアメリカ合衆国南部、西インド諸島、ブラジル北部など、アフリカ系住民の多い地域でよく栽培されている。熱帯では多年草であるが、オクラは少しの霜で枯れてしまうほどに寒さに弱いために、日本では一年草となっている。
日本に入って来たのは明治初期である。従来「ネリ」と呼んでいたトロロアオイの近縁種であるため、アメリカネリと名付けられた。現在の日本で主流を占めるのは、稜がはっきりしていて断面は丸みを帯びた星型になる品種だが、沖縄や八丈島などでは大型で稜がほとんどなく、断面の丸いものが栽培されている。他にも莢が暗紅色になるもの(赤オクラ)など品種は多い。
平成24年度における全国作付面積は799ha、年間国内出荷量は11,224tであり、主な生産地は鹿児島4,383t(39%)、高知1,946t(17%)、沖縄992t(9%)、熊本898t(8%)、宮崎523t(5%)である[5]。また、国内出荷量が減る冬季を中心にタイ、フィリピンなどから輸入している。
人間との関わり
オクラは、刻んだ時にぬめぬめした粘り気が出るが、この粘り気の正体は、ペクチン、アラピン、ガラクタンという食物繊維で、コレステロールを減らす効果をもっている。他の栄養素としては、ビタミンA、B1、B2、C、ミネラル、カルシウム、カリウムなどが含まれるため、夏ばて防止、便秘・下痢に効く整腸作用などが期待できる。 粘り気を外に出さないように、莢のままやさしく加熱する料理もある。また、穀粉と一緒に加熱する、酸味の水に漬ける、先に油通ししておくなど、粘り気を抑えるための調理法がある[6]。
日本では、生あるいはさっと茹でて小口切りにし、醤油、鰹節、味噌などをつけて食べることが多い。他にも、煮物、天ぷら、炒めもの、酢のもの、和えもの、スープ、すりおろすことによってとろろの代用にするなどの利用法がある。
インドグジャラート州では、輪切りにしたオクラをひよこ豆の粉(ベサン besan 英語版)と炒めたビンディ・ヌ・シャーク (bhindi nu shāk) という料理があり、南インドには、炒めたオクラをヨーグルトで和え、油で炒めた香辛料で香りをつけたヴェンダッカイ・タイール・パチャディ (vendakkai thair pachadi) という料理がある。
パキスタンから中東、北アフリカ、西アフリカ、西インド諸島では、輪切りにしてトマトや肉と煮込み、ご飯にかけて食べることが多い。
キューバでは、煮込み料理にする他、ピラフのように米と炊き込む。ブラジルバイーア州には、オクラ、タマネギ、干しえび、ラッカセイまたはカシューナッツを煮込んで作る「カルル・ド・パラ」(caruru)というソースがある。
アメリカ合衆国では、南部の料理によく用いられる。北部ではオクラ特有の粘り気が嫌われることが多く、21世紀現在でもあまり栽培されていない。南部ではスープの具にしたり、輪切りにしてコーンミール(トウモロコシの粉)をまぶして揚げたり、ピクルスにする他、オクラをベーコンと米と一緒に炊き込んだ、リンピン・スーザン (Limpin' Susan) というピラフのような料理もある。ルイジアナ州のクレオール/ケイジャン料理では、ガンボ (gumbo) と呼ばれる煮込み料理にとろみをつけるのに、オクラが使われることが多い。オクラを入れたスープもしばしばガンボ・スープと呼ばれるが、これはフランス語の「ゴンボ」(gombo) が英語に導入されガンボとなったものである。なお、「ゴンボ」は「オクラ」を意味するアンゴラ語の「キンゴンボ」(ki ngombo) もしくは中央バントゥー語の「キゴンボ」(kigombo) に由来する。ちなみにオクラのことを、キューバでは「キンボンボ」(quimbombó)、プエルトリコでは「キンガンボ」(guingambó) と呼ぶ。
ベトナムでは、大振りのオクラをスライスしたものを、ヤギ肉の焼き肉と一緒に焼いて食べる。
西アフリカでは、細かく刻んだオクラをヤシ油で煮込んだソースを、米やフフなどの主食につけて食べる。
加工食品として、ソースやケチャップの原材料としても用いられる。種子は煎じてコーヒーの代用品として飲まれた歴史がある。
脚注
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Abelmoschus esculentus (L.) Moench”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2013年9月16日閲覧。
- ^ 五訂増補日本食品標準成分表
- ^ 以前はフヨウ属(Hibiscus)に分類されていたが、現在ではトロロアオイ属に分類されている。
- ^ Okra BBC Good Food 2015年5月13日閲覧
- ^ “地域特産野菜生産状況調査”. 農林水産省. 2014年8月23日閲覧。
- ^ バーバラ・サンティッチ、ジェフ・ブライアント監修 山本紀夫監訳『世界の食用植物文化図鑑』、柊風社、2010年、p190
参考文献
- 板木利隆ほか『校庭の作物』全国農村教育協会〈野外観察ハンドブック〉、1995年、73頁。ISBN 4-88137-054-5。
関連項目
外部リンク
- "Abelmoschus esculentus (L.) Moench" (英語). Integrated Taxonomic Information System. 2013年9月16日閲覧。 (英語)
- "Abelmoschus esculentus (L.) Moench". Germplasm Resources Information Network (GRIN). Agricultural Research Service (ARS), United States Department of Agriculture (USDA). 2013年9月16日閲覧。 (英語)
- "Abelmoschus esculentus". National Center for Biotechnology Information(NCBI) (英語). (英語)
- "Abelmoschus esculentus" - Encyclopedia of Life (英語)
- 波田善夫. “オクラ”. 植物雑学事典. 岡山理科大学生物地球学部. 2013年9月16日閲覧。