MSN

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MSN
URL www.msn.com
タイプ ポータルサイト
運営者 マイクロソフト
登録 任意
開始 1995年08月24日
現在の状態 運営中

MSN: The Microsoft Network、ザ、マイクロソフトネットワーク)は、マイクロソフトが運営するポータルサイトサービスである。一部の国と地域では、インターネットサービスプロバイダ事業を継続しているが、日本ではNTTぷららに売却済みである(後述)。

概要

MSNは1995年のWindows 95の発売と共にサービスを開始した。当時の名称は "The Microsoft Network" であった。当初はいわゆるパソコン通信サービスとして提供されていたが、インターネットの急成長にともにインターネットの接続サービスに転換、ポータルサイトのサービスも開始した。

インターネットサービスプロバイダとしての事業はアメリカ合衆国およびカナダを除いて終了している。日本ではぷららに売却された[1]

アメリカ版ではニュースをマイクロソフトが出資するMSNBCに、スポーツニュースをフォックス スポーツネットに委託している。オンラインマガジン「Slate」も運営していたが、こちらはワシントンポストに売却している。

沿革

以下では主に日本国内における沿革を記す。

  • 1995年 - パソコン通信サービス "The Microsoft Network" として、Microsoft Windows 95発売と同時にサービスを開始(米国では8月、日本では11月23日)。モデム電話回線を使って専用のアクセスポイントに接続し、接続時間に応じた従量制料金を取るなど、パソコン通信そのものであった。内容的にもAOLニフティサーブといったパソコン通信業者と同様に、内部で閉じた掲示板やチャット、ニュースなどのサービスを提供していた。
当時はまだ一般家庭からのインターネットサービスプロバイダ(ISP)の利用は一般的ではなかったが、大手パソコン通信業者の一部はインターネットと相互接続しており、パソコン通信のメニューを通じてe-mailFTPを利用することができた。"The Microsoft Network" もこれらと同様、e-mailをはじめとするインターネットとの相互接続を当初から提供していた。あくまでパソコン通信でありIP接続ではないため、インターネットの利用はログイン後の専用メニューから間接的に操作する必要があった。
最大の特徴は、非公開の専用プロトコルを使用していたため、Microsoft Windows 95以外からはアクセスできないようになっていたことである。このため、米国では独占禁止法上の違法性が話題となった。また、Windows 95 のデスクトップにMSNへのオンラインサインアップを促すアイコンが常時表示され、簡単には削除できない点も非難の対象となった(削除するにはレジストリを手動で操作する必要があった)。
技術的にはWindows Explorerに専用のコンポーネントインストールすることでGUI端末として機能させていた。掲示板などの表示フォーマットHTMLではなくリッチテキスト(.RTF)であり、電子メールクライアントMicrosoft Exchange用の受信トレイ(後のMicrosoft Outlook)を使用していた。マイクロソフト側のサーバーにはWindows NTマシンが使われていた。
ただ、当時すでにインターネットの爆発的な普及の前段階に入っており、この時期になってインターネットに対抗するように閉じたネットワークを構築するマイクロソフトの戦略に首をかしげる専門家も多かった[要出典]。そして実際、サービス開始と前後してISPによるダイヤルアップ接続が流行しはじめ、パソコン通信の陳腐化が始まった。このためマイクロソフトは1995年末にThe Microsoft Networkの方向転換を発表し、インターネットプロバイダ事業へと舵を切りはじめる。
  • 1996年04月 - NTTPCコミュニケーションズとの提携により、従量価格制のインターネットプロバイダ事業 "MSN Internet Access" を開始。同社のアクセスポイントを利用してインターネットへのアクセスが可能になった。
  • 1997年 4月
  • 1998年 - インターネット全文検索サービス「MSNサーチ」提供開始。
  • 1999年 - 虹色ののシンボルマークの使用を開始する。
  • 2000年12月01日 - 日本国内のインターネットプロバイダ事業を終了、全顧客をぷららに移管。コンテンツプロバイダ事業に完全に移行する。この頃を境に "The Microsoft Network" の名称は使われなくなり、"MSN" にほぼ一本化される。
  • 2003年12月16日 - 有料サービス「MSNエンカルタ百科事典」開始。
  • 2004年
  • 2006年 - 「MSNサーチ」の検索エンジンを変更し、「Windows Live Search」に名称変更。
  • 2007年10月 - 「MSN毎日インタラクティブ]」を終了(毎日新聞社は独自に「毎日jp」を開始)し、産経新聞グループと提携した「MSN産経ニュース」を開始、デフォルトのホームページとして登録された。
  • 2009年 - 「Windows Live Search」を新ブランド名「Bing」に名称変更。
  • 2011年01月17日 - ロゴマーク・サイトデザインを一新。
  • 2013年 - チャットサービスを「Windows Live メッセンジャー」から「Skype」に(中国本土を除く)、Webメールサービスを「Windows Live Hotmail」から「Outlook.com」に移行。
  • 2014年10月01日 - 世界共通のプラットフォームとしてリニューアル。「MSN産経ニュース」を終了し、複数紙の記事を配信するようになった[3][4]

主な無料サービス

  • Outlook.com - Webメール(Windows Live Hotmailから移行)
  • Skype - チャット(中国本土のみWindows Live メッセンジャーを継続)
  • OneDrive - オンライン
  • Bing - 全文検索
  • Bing Maps - 地図
  • Windows Live Spaces - ブログ(2011年03月16日にサービス終了)

日本国内で提供される有料サービス

  • MSN9 Premium
  • 広告なしのOutlook.com - 「MSN Hotmail Plus」から移行
  • MSN オークション(DeNAショッピングと提携)
  • MSN Music(2007年9月に音楽配信を終了、それ以降は音楽情報サイトとして継続)
  • MSN エンカルタ百科事典(1回あたり2時間まで無料でダイジェスト版の利用が可能。2009年12月31日にサービス終了)

関連項目

出典・脚注

  1. ^ MSNネット接続事業をぷららに移管、コンテンツはMSNに併合日経BP、2000年07月06日。 オリジナルの2014年07月22日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20140722191330/http://www.nikkeibp.co.jp/archives/106/106794.html 
  2. ^ 毎日新聞とマイクロソフト協業の真相から考察する新聞社サイトの将来 - ハフポス
  3. ^ 「MSN」リニューアル、マルチデバイス対応強化、ニュースは複数社からの提供に -INTERNET Watch”. 株式会社インプレス (2014年9月8日). 2017年12月25日閲覧。
  4. ^ ポータルサイト“MSN”がリニューアル、“Bing”ブランドアプリも“MSN”ブランドに - 窓の杜”. 株式会社インプレス (2014年10月1日). 2017年12月25日閲覧。

外部リンク