早瀬未沙

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早瀬 未沙(はやせ みさ)は、テレビアニメ超時空要塞マクロス』および関連作品に登場する、架空の人物。主要登場人物のひとり。女性。声の出演土井美加

概要[編集]

作品の舞台となる宇宙戦艦SDF-1マクロスの航空管制主任。主人公のパイロット・一条輝の上官となる。

機動戦士ガンダム』のミライ・ヤシマに着想を得て、テレビアニメでは珍しい「地味めなヒロイン」としてデザインされた。目が小さいのは、細やかな感情表現をする演出意図のため。テレビシリーズ序盤においては視聴者に華やかなリン・ミンメイをヒロインと思い込ませるため、輝に「おばさん」呼ばわりさせるなど意図的に年齢差が強調されている(実際は19歳で輝との年齢差は2歳ほど)。

中盤以降、徐々にキャラクターの深みを増し、仕事と恋に悩む年頃の女性像が明かされていくと、従来のヒロインにない等身大の魅力がファンの支持を得ていった。作画の面においても、ヒロインとしての役割の度合いを強めていく過程で、より可愛らしく、徐々に瞳が大きく描かれるように変化していった。髪型も初期は毛先のみを大きくカールした野暮ったいロングヘア(通称「デンデン虫ヘア」)だったのが、延長パートおよび劇場版ではストレートヘアに変更されている。

設定[編集]

日本出身。1990年3月3日生まれ。19歳(劇場版では21歳)。身長168cm体重45kg。血液型A型。父は地球統合軍提督の早瀬隆司、母は早瀬沙紀子。生まれた未の刻(午後2時)と母親の一文字から「未沙」と名付けられた。少女時代は利発で愛らしく、父の部下で、後にSDF-1マクロスの艦長となるブルーノ・J・グローバル(当時中佐)にはことのほか可愛がられていた。

経歴[編集]

第一次星間大戦(『超時空要塞マクロス』)[編集]

2009年、マクロスの主任航空管制官に任命され(コールサインは「ガンサイト1」)、ゼントラーディ軍との宇宙戦争(第一次星間大戦)に巻きこまれる。階級は作品中で中尉、大尉、少佐へと昇進。

厳格な仕事ぶりから「主席の中尉は鬼より怖い」と呼ばれ、自分を「おばさん」呼ばわりし、なおかつ反抗的なパイロット一条輝とは口論が多い。ダイダロスアタックの考案、ゼントラーディ人とのファーストコンタクトの分析、プロトカルチャー説の考察など、頭脳的な貢献にブルーノ・J・グローバル艦長の信任も厚い。堅物ぶりを親友クローディア・ラサールやオペレーターたちに茶化されても、つねに軍人としての使命優先を貫く。

しかし、初恋の人ライバー・フォン・フリューリンクに似た反戦主義者リン・カイフンの出現や、早瀬提督ら軍上層部の強硬論から「異星人との和平」を模索しはじめ、共存の道をつむぐ役を務めることになる。その思いを共にする一条輝とは次第に惹かれあい、やがて本来の女性らしい一面を見せはじめる。しかし想いを素直に表現できず、恋愛ではクローディアの助言に頼ることが多い。ゼントラーディ軍との最終決戦では、和解もむなしく父の戦死に際することになる。

終戦後も新統合政府のメインスタッフとして活躍。一条輝との関係に悩み一度は退役を考えるが、グローバル総司令が提唱する人類宇宙移住計画への参加を決意する。2012年のマクロス・シティ攻防戦において、一条輝と互いの想いを認め合う。

後日談(設定)[編集]

一条輝と結婚し一条未沙に改姓、長女・未来(みく)を出産する。2012年、メガロード級移民船1番艦メガロード-01艦長に就任し、航空隊長でもある夫・輝や歌手・リン・ミンメイらとともに外宇宙へ旅立つ。2016年、銀河系中心部でメガロード-01の乗員とともに謎の失踪を遂げるも一般には公表されず。

その他の登場作品における設定・位置づけ[編集]

小説『早瀬未沙 白い追憶』[1][編集]

1990年3月3日、百年続く軍の名家の一人娘として、厳格な父と「常に夫の影に立ちたがる古風な」[2]母の間に生まれ、東京青山で育つ。東洋英和小学校[3]入学。

12歳のとき[4]、統合戦争の新部隊編成のために開かれたパーティ[5]で当時士官学校の学生[6]であった5才くらい年上[7]ライバー・フォン・フリューリンクと知り合い、これが彼女の初恋となる。次の日曜日、ニュー東京を案内するためにライバーと外出[8]。ちなみにこのとき横浜中華街の店でミンメイと出会っている[9]。未沙が中学二年生の時[10]、ライバーが少尉に昇進し、その「お祝い」として新宿御苑で[11]彼のほほにキスをする。しかしその直後、ライバーから火星への赴任を伝えられる。

ライバーとはその後も文通を続け[12]、ライバーへの初恋から軍隊に入る決意を固める。軍人であった父にも未沙を軍人にする気はなく、母は未沙から軍人になる決意を聞くと泣きだした[13]。中学二年が終わると同時に、士官候補養成所に入所、女子寮暮らしとなる[14]。2005年6月[15]、母親が倒れる。その後世界各地で多発するゲリラが原因で火星基地が閉鎖され[16]、ライバーが二年ぶり[17]に地球に帰ってくることになるが、帰還途中、反統合軍の手によって船が撃破され、未沙との再会を目前にして死亡する。未沙はライバーから届いた手書きの詩集を手に涙する。翌日、宇宙軍が正式に発足。

2005年12月[18]母親も病没する。ライバーと母親の相次ぐ死のショックから、未沙は軍人をやめることを思い立つ。しかし当時同室だったメリッサは、彼女の甘えを強く指摘し、未沙が父親の根回しによって養成所に入れたことを教える。それ以後、一人前の軍人となることで自分を子供扱いして根回しした父親を見返すことを目標にして、 いっそう教練に励む。2006年2月[19]、養成所の第二課程を終了して准尉になる。同時期にアラスカの統合軍司令部に転属となった父親から、一緒に来るよう誘われる。しかし未沙はこれまで親の七光りの元出世してきたという意識から、自身の力で一人前になるため、准尉とアラスカ行きを放棄し、自身の手で士官になることを決意する。

統合宇宙軍の士官学校に入った彼女は、16才ながら20代の男女に混じってそこで半年間の厳しい訓練をつむ。厳しい訓練故に、卒業時には学生は四分の一[20]に減っていたが、そんな中彼女は卒業生総代として卒業証書を受け取る。その後3か月の地上任務の後[20]、2007年1月[21]に初の実戦参加の機会が与えられる。「反統合軍があるロシアの一地区に対し、衛星軌道からの降下攻撃作戦が計画」[20]され、その作戦に「オペレーターの一員として参加する事が決まった」[20]のである。HLLV(大重量シャトル)に乗り込んで宇宙へ行き降下にそなえるが、降下のカウントダウンが終わった瞬間、作戦が中止になったという連絡を受ける。「最後まで抵抗していた反統合軍組織が、未沙たちの降下する直前に降伏したのである」[22]

こうして2007年1月20日[23]、統合戦争が終了。戦争が終了したことから軍の存在に必要性を感じなくなった未沙は、復員の誘いにのり、軍を去る。むなしさ故に酒の味を覚えるが、偶然南アタリア島のSDF-1(後にマクロスと命名)乗員訓練選抜センターの募集を知り、再び軍に入り直すことになる。

超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか[編集]

年齢以外設定に変更なし(コールサインは「デルタ1」)。テレビシリーズでは気丈さが長所であり、恋愛面の欠点であった。劇場版では一条輝と地球を放浪しながら、弱さをさらけ出し、素直に愛を受け入れるなど、ひとりの優しい女性へ変わりゆく様が丹念に描かれている。

超時空要塞マクロス Flash Back 2012[編集]

超大型移民船メガロード-01の艦長として、ブリッジで指揮をとる姿が登場する。艦長用の帽子・制服などが新たにデザインされた。

備考[編集]

企画初期の名前は「早瀬亜綺(アキ)」であった。テレビ版のエンディングテロップでは、早瀬「美」沙と誤植されており、最終回まで修正されなかった。また、2011年6月25日に発売された『超時空要塞マクロス THE FIRST』第3巻の帯においても、同様に美沙と誤植されている。

科学救助隊テクノボイジャー』第10話に登場する女性科学者、花岡咲子は未沙の髪型のテストモデルである。この回をアートランドが制作協力し、美樹本晴彦(当時は良晴)のオリジナルキャラクター第一号となった。

関連作品[編集]

  • 小説 大野木寛 『早瀬未沙 白い追憶』徳間アニメージュ文庫、1984年
  • ドラマレコード(ドラマCD)『超時空要塞マクロス4 遥かなる想い』ビクターエンタテインメント、1983年

ロボテック版[編集]

海外版『ロボテック』では、「リサ・ハイエス」 ( Lisa Hayes ) という欧米人風の名前に変えられた。

テレビシリーズ最終話の「キーロン」(Khyron≒カムジン・クラヴシェラ)らによる砲艦の特攻を受けた際に「ヘンリーJ.グローバル」(Henry J.Grobal≒日本版の「ブルーノ・J・グローバル」)艦長の最後の献身で脱出ポッドで射出され、唯一の生存者となる。

海外版オリジナルである『ロボテック II:センチネルズ』 ( Robotech II: The Sentinels ) にも登場し、艦隊司令となったリサ・ハイエス(Lisa Hayes ≒ 早瀬未沙)大佐と、リック・ハンター(Rick Hunter ≒ 一条輝)との結婚のエピソードが描かれている。

最初の『マクロス・サーガ 』 (The Macross Saga)から33年後の時代を描いた漫画単行本の『ロボテック:シャドウ・クロニクルへの序曲』 (Robotech: Prelude to the Shadow Chronicles)とOVA(或いは「劇場映画」)『ロボテック:シャドウ・クロニクル』(Robotech: The Shadow Chronicles)にも、遠征艦隊軍司令長官(役職提督階級海軍大将)に昇進して登場する。

海外ロボテック漫画版では、主にロボテック版ハーレクイン・ロマンスレーベルのヒロイン役としての登場が多く、また海外女性コスプレイヤーの定番キャラクターになるなど、人気も高い。

詳細は、ロボテック漫画

の各記載を参照のこと。声の出演はメラニー・マックィーン(Melanie MacQueen)。

脚注[編集]

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  1. ^ この節の引用は断りがなければ小説『早瀬未沙 白い追憶』から。
  2. ^ p34
  3. ^ p72
  4. ^ p39
  5. ^ p30
  6. ^ p32
  7. ^ p60
  8. ^ p35
  9. ^ p40
  10. ^ p60
  11. ^ p78
  12. ^ 以下第二章「白い手紙」
  13. ^ p71
  14. ^ p74
  15. ^ p89
  16. ^ p93
  17. ^ p95
  18. ^ 12月なのはp117より。2005年なのは118pに「そして2006年」とあるため。
  19. ^ p124
  20. ^ a b c d p131
  21. ^ p130に「弱冠16歳」とあり、p131に「翌年1月」とあるため。
  22. ^ p133
  23. ^ p133