ロイ・フォッカー

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ロイ・フォッカー (Roy Focker) は、テレビアニメ超時空要塞マクロス』関連作品およびOVAマクロス ゼロ』に登場する架空の人物。男性。声の出演神谷明

概要[編集]

『超時空要塞マクロス』においては主人公のパイロット・一条輝の「先輩」であり、輝が所属するバルキリースカル大隊の隊長を務める歴戦のエース・パイロット。前日譚となる『マクロス ゼロ』では主人公・工藤シンが所属するスカル小隊の隊長を務める。各作品では酒と女を愛する豪放磊落な面と、繊細な面を併せ持つキャラクターとして描かれている。

『超時空要塞マクロス』をはじめとする『マクロスシリーズ』においても特に人気の高いキャラクターの一人とされ、『マクロスエース Vol.006』(角川書店、2010年)に掲載された「第1回 MACROSS RANKING」では、読者アンケートより集計した結果として男性キャラクター部門で第1位(得票率23.3%)と発表された。

設定[編集]

北米地区(アメリカ)出身。身長216cm、体重118kg。年齢については、2009年を舞台とする『超時空要塞マクロス』では資料等に「29歳」と書かれているが、1年前を描いた『マクロス ゼロ』では2008年7月時点で「26歳」と設定されている。

経歴[編集]

出生 - 統合戦争[編集]

超時空要塞マクロス(出生 - 統合戦争)[編集]

アメリカ出身。一条輝の父親が率いる、飛行曲技団(エア・サーカス)に参加し、花形パイロットとして活躍。一条輝を実の弟のように可愛がり、操縦法や恋愛論を伝授する。当時の特技はスタント機の後席に女性を乗せ、急降下中に強引に口説くことであったという。

統合軍に入隊後、統合戦争において戦闘機F-203ドラゴンIIを駆り180機[1]を撃墜し、トップエースに君臨する(この内には、二日酔いのまま撃墜した機体も含まれる)。配属先の地方基地で新兵のクローディア・ラサールと知り合うが、当時はまだ数多いガールフレンドのひとりという関係であった。当時の階級は中尉。

統合戦争終結後、腕を見込まれ開発中の試作機VF-X1のテストパイロットとなり、南アタリア島へ赴任。そこでクローディアと再会し、やがて深く理解しあうパートナーとなる[2]。当時の階級は大尉。

マクロス ゼロ[編集]

大学時代は真面目で大人しい学生で、先史文明や考古学を専攻。大空を愛していたが、戦争は嫌っていた[3]。互いに好意を持っていたゼミの1年先輩(フォッカーは一浪しているので同い年)のアリエス・ターナーがイギリスに留学する際、想いを告げられず辛い別れを味わう。その痛手から逆に吹っ切れ、酒と女を愛する豪快な性格に変貌した。

その後、進路変更し飛行機パイロットの道を歩み始める。統合戦争中、爆撃で旧友が亡くなったことから弔いの意味もこめ統合軍に入隊する。

2008年、依然反統合同盟軍との局地戦が続く中、スカル小隊長(少佐)として試作可変戦闘機VF-0フェニックスの実用試験部隊に参加。空母アスカに乗艦し、マヤン島沖のプロトカルチャー遺跡 (AFOS) 争奪戦へ派遣される。工藤シンら年若い部下を率い、反統合同盟軍のSV-51と交戦。テストパイロット時代の教官D.D.イワノフとの師弟対決を行う。また、プロトカルチャー研究者となったアリエスと再会し束の間心を通わせるが、戦闘で負傷した彼女の最期を看取ることになる。なお、このマヤン沖での戦闘は戦後半世紀の間、非公式のものとして秘匿される。

第一次星間大戦[編集]

超時空要塞マクロス(第一次星間大戦)[編集]

南アタリア島に戻り、空母プロメテウス所属のスカル大隊長に就任(少佐)。最新鋭の量産型可変戦闘機VF-1バルキリーで編成されるSDF-1マクロス護衛航空部隊の中心的存在となる。2009年2月のマクロス進宙式典に一条輝を招待、同日のゼントラーディ軍との開戦(第一次星間大戦)後は彼に入隊を勧める。フォールド事故後冥王星付近から地球への帰還を目指すマクロスを守るべく奮戦する。

地球帰還後の2009年11月、太平洋上でのゼントラーディ軍女性空挺部隊との交戦中、部下のマクシミリアン・ジーナスの援護に向かう際、不意の攻撃を受け致命傷を負う。マクロスに自力で帰投するが、恋人クローディアの部屋で、出撃前に食べると約束していた彼女の手料理「パインサラダ」を待ちながら息絶える。死後、愛機VF-1S(通称ロイ・フォッカー・スペシャル)と「スカルリーダー」の名は一条輝に受け継がれる。

後年、その功績を讃え「ロイ・フォッカー勲章」が制定され、統合軍の優秀なパイロットに授与されることになる。『マクロスプラス』の主人公イサム・ダイソンは3度の受賞歴を持つが、軍規違反で全て剥奪されている。

超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか[編集]

劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』ではマクロス航空部隊のスカル小隊長(少佐)。部下として一条輝マクシミリアン・ジーナス柿崎速雄を率いる。輝とは旧知の仲であり、未沙に彼の天涯孤独の境遇を伝えている。訓練機を無断使用した輝を救うべく出撃するが、共にゼントラーディ軍の捕虜となる。ブリタイ艦内からの脱出時カムジン03350の急襲を受け、相打ちとなって戦死する。

人物像[編集]

アメリカの戦闘機乗りらしい豪放磊落な性格。操縦も機体を激しく振り回し、攻撃を紙一重でかわす野性的なスタイルが特徴。リーダーとしての統率力に優れ、プライベートでも面倒見のいい兄貴分として部下に慕われる。酒豪として知られるが、しらふでも酔っていても男女論になぞらえて説教するのが癖である。

ただし、陽気なイメージに隠れた人間性を知る者は少ない。彼はスタント時代まで大空を愛するが故に戦闘機での殺し合いには否定的であったが、いざ入隊し戦場で命のやり取りを潜り抜けると、その緊張感に魅了され、終戦後も軍を離れられなくなった。前々からフォッカーの綱渡り的なテクニックにある種の「殺気」を感じていた一条輝の父親は、軍隊という場があまりにもフォッカーに合いすぎていると察し入隊に反対したが、終戦後スタントチームに復帰するという条件付きで送り出していた。その件については、TV1話のフォッカーと輝の会話でほのめかされているが、先輩の変心を責めた輝もまた、のちに戦い続ける意味をリン・ミンメイに問われ、同じジレンマに直面することになる。

また、冷静かつ大胆な腕前で知られるが、心根には不安に苛まれる繊細さを秘めており、その孤独を見せぬよう虚勢を張っていた面もある。その弱さを素直に打ち明けられる人物はクローディア・ラサール以外におらず、数多くの浮名を流したが、生涯を通して本当の意味で心を許せる恋人は彼女だけであった。また、一条輝の恋心を取り持とうとリン・ミンメイの元へ足繁く通うなど、後輩想いでまめな一面もある。

搭乗機[編集]

備考[編集]

英語吹替え版の『マクロス ゼロ』や『超時空要塞マクロス』では、フォッカー本人や一条輝が呼ぶ「先輩」という台詞はそのまま'senpai'と訳されている。

テレビ放送当時、あまりにもあっけない死に様に驚き、制作者に抗議したファン[要出典]もいた。地球帰還後に戦死するという設定は当初から決まっていた[要出典]が、「カムジンと相打ちになる」予定がシナリオ変更などの影響でこのような唐突な形となった[要出典]。劇場版では本来の形に戻され、後輩を救いカムジンと刺し違える場面が演出された。

『ロボテック』版[編集]

アメリカ海軍の戦闘機乗りをイメージしたキャラクターだけに、ハーモニーゴールド USA社(Harmony Gold USA)が、翻案権商標権を取得、同一世界の異なる時代と世代を描いた、連続する1つの大河ストーリーとして翻案、再編集された作品である海外『ロボテック』版(ROBOTECH)を通して海外(とくに北米)のアニメファンにも人気が高い。

『ロボテック』のサイドストーリー的なコミックでは、エターニティ社の『マクロスへの帰着(Return to Macross)』、やDCコミック社の子会社、ワイルドストーム社の『星界から(Robotech: From The Stars)』など、フォッカーを主人公にした作品もある。

詳細は、ロボテック漫画

の各記載を参照のこと。声の出演はダン・ウォーレン

関連項目[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 『超時空要塞マクロス』第1話「ブービー・トラップ」フォッカーの台詞より。
  2. ^ 『超時空要塞マクロス』第33話「レイニー・ナイト」回想シーンより。
  3. ^ 『マクロス ゼロ』「第二章 地上の星」25分30秒頃